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X線高電圧撮影法

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Academic year: 2021

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(1)

U D.C 778.33:占21.38る.1

ロ 雨

「司 E守一

High Voltage Radiographing

之*

内 容 梗 概 従来診療川Ⅹ繚装置の管電圧は45∼90kVPが用いられているが最近ではさらに高い電圧が用いられ る傾向にある。こゝにほ高電圧撮影法の特質を知るべく, (り 適当な崇化庭のⅩ線写責を撮るにはmAsは電圧濫よりどのように変化するか。 2)被写体より出る散乱祝は被写体の種板,厚さおよび管電圧によってどのように変化するか。 3)散乱線除去のための gridの性能。 (4)写真コントラストの被写休の種類,管電圧による変化。 などを調べ,それを基にして,人体撮影の場合には高電圧と低電圧でほどのようl・こ異るかを比較検討 した。

〔Ⅰ〕緒

従来Ⅹ触診 用として使用されてきた管電圧ほ45∼ 90kVP であるが,米,英,独などにおいてはさらに高 い電圧を用いる趨勢にあり,そのための 置も作られる ようになっている。一方孜「如こおいても数年来,高電圧 撮影法の研究および装置の製作が始められている。 ほ高圧撮影法について二三の実験検討を行ったのでこれ を報告する。 管電圧を高くすることによる利点は単位電力当りのⅩ 綴発生量が増加することである。このことはさらにⅩ繰 管焦点せ小さくして半影によるボケを少なくすると共 に,照射時間を短くして できる。また患者の る。 動によるボケを減ずることも ける線量も著しく滅ず しかし一方電圧を上げると物質のⅩ線吸収係数が減 じ,また被写体よりの散乱繰が増加して写真のコントラ ストが低下するので,グリッドを用いて散乱線を取り除 くことが行われている。したがって高電圧撮影において は,物質の吸収係数,散乱線含有率が電圧と共にどのよ うに かとい 化するか,またグリッドの寵 間 が と こ ゝヘノ はどのようである となる。そこでこの実験においては つぎの点を調べた。 (i)管電圧,被写体,Ⅹ線量の関係 (ii)散乱線含有 管電圧に対する関係 (iii)散乱線除去に対するgridの効果 (iv)各種物質のⅩ紋吸収係数の管電圧による変化

〔ⅠⅠ〕実 験

方 法 高圧発生装置は間接撮影用変圧器2箇を直列とし,半 波整流とした。管電圧ほ球間隙により校正L,管電流は 高圧側に電流計を入れ,低圧例の電流計を校正して川い た。管球は抽浸ハウべに納めたDOH-10NV〔焦点2.3 * 日立製作所亀戸工場 /L\\ / せ」 -、---、 \ rj′j \ 才) \ \、 ・戌 (言)、、、、 ⑦/

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/ム 岨 ∫ ・み \ ⑥ (むⅩ線管 (争照射面積調節窓 桓)散乱狼測定用鉛片 ④ フアン∵ト←ム(水槽) (めgrid 桓)Ⅹ縮減定川暗箱 (う鉛板 桓)増感祇 ㊥鉛ガラス ⑯光電管(RCA-931A) 頃)Ⅹ鰍測定用入射窓 ん)直進線 ん散乱娘 第1図 散乱線測定装置 Fig.1. Schematic Dia-gram of

Appa-ratus for

Meas-uring Scattered XRays ×2.3皿m2)を用いた。 Ⅹ線の強さの測定ほ弟1図に示すように撮影用増感紙 にⅩ線を当て,その光を光電管(RCA-931A)にて測定 した。すなわち,Ⅹ線測定用入射窓⑭とそれを丁度覆う ような大きさの鉛片@を中心軸上におくと,散乱繰ム のみが測定器収入射し,鉛片㊥を収除くと,散乱線∫s と直進線上刀の合成が測定できる。この場合鉛片の大き さほ小さい程良いが測定器の感度に制限されるので窓⑪ の直径を81nmに選んだ。このようにしてム)+ムお よびJ.9を測定してその差より んを求め得るが別に鉛 片④およびファントーム④を取除き,照射両紙調節窓④ の上側に被写休をおけほ直進線を直接測定できる。この 場合鉛片④が中心軸上に合致しているか否かを確めう る。失 によると窓㊦が大きい時は空気による散乱線が 入るため零とほならないが,ファントームの底で直径 7.5cmになるように窓④をしぼると鉛片㊥を置かない

(2)

810 昭和31年6月 時の丁品巧以 Fにする ができる。 日 立 評 第1図dほ実際の人体撮影の場合と等しく 2・5cm と した。直進線を上記2方法でi■刈這したが実験 範囲内 で一致することを確め得た。なお物質の吸収係数の測定 においてほ後者の直進線を直接測る方法によったがほか の測定ほすべて前者すなわちム)+ム とムの測定を行 った。

〔ⅠⅠⅠ〕実 験

(1)管電圧・被写体・Ⅹ線量の関係 写真悪化に有効なⅩ線量†rほ被写体を通過して来た 直進線ム)と散乱線上.ゞとの合成である。入射線量ほ管 電圧の2乗に比例するが被写体があるとそのⅩ線吸収係 数は管電圧が低い時程大きいために,管電圧の上昇に対 し∫rは電圧の2乗以上の割合で増加する。したがって 一定黒化度の写真を るのに必要なmAsの値ほ管電圧 の2乗以上に逆比例して減少する。 今(1)式で与えられるゑ偶ぐ照射係数と名づける)を 管電圧を横軸にとって示すと舞2図および弟3図のよう になる。 烏′j乙=(グリッドなし,60kVP,4IllA (任意電圧における4InA の時の光電流) の時の光電流)' (1) この照射係数ゑ肌ほ任意管電圧で一定黒化度の写真を 撮るために必要な mAs の値を60kVP,グリッドを用 いない時を基準とした比率で,舞2図,弟3図はそれぞ れ水8cm,16cmおよび4cm,12cmを被写体として 用いた時を示す。 なおこのゐけ乙は照射面積(フイルム面上の血路)45× 45cm2 の場合の値であるが,照射面積22×22cm2の 場合に求めた値もこの値とほとんど差ほ認められなかつ た。 弟2図,弟3図より電圧上昇につれてゐ皿ほ減少する が,被写休が厚い時程減少が著しいことがわかる。 なお,日本人成年男子ほ胸部の厚さが平均20cmで水 にして-8cmに相当するといわれているが(1),鹿部の厚 さほ10∼25cm でこれほそのまゝの厚さの水に置きか えられるものと考えられる。(第15図参闇) (2)散乱線含有率 散乱線含有率ほ被写体の種類,厚さ,照射面積などに より異るが,被写体として水4,8,12,16cmを用いた 時の測定結果を弟4図(1),(2〕,(3),(4)に示す。 各図とも照射面積大(45×45cm2〕および中(22×22cm2) の場合に対し,グリッドなし,シングルグリッド,クロ スグリッド(A)および(B〕の場合を横軸に電圧をと 三人 百聞 第38巻 第6号 ーー一項富珠:水 ぷⅦ 一般写J本 水 イ〝7 ・クリッドゐし 0 シン勿しグノリド × クロスグノ・リド(パ) 粂

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Fig・2・Relative Exposure as a Function

Tube Voltage (筐ご 監禁諒課 〃 昭〟 鮎… 〃肌 〝 〃 抑蹄 化Of \ ー被写体 7K ∂加

一 汗与市区+ガ(β加 ● グノIlノドなL \ \ 0 シングルクリ‖′ド ヽ 一」.

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Fig.3.Relative Exposure as a Function of

Tube Voltage って示した。また弟5図は140kVPにおける を水厚に対して示したものでこれ †β †♪十右 より散乱線含有率は 管電圧に対しては大きな変化を示さず,水庫に対して大 きく変化していることが知られる。 つぎに被写体として厚さ9mmのAl板を用いた時の 含有率を弟6図に示すが,水の場合より散乱繰ほずつと 少ない。また照射面積による も少ない。

(3)

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〃 紺 、腐 第4図 被写体水の場合の散乱組合有率 Fig.4.

1

l 1 l L .グノ・ソドな■ノ xシンク九グ」山ノト

」」 Dクロスグノ・ソト1ノ) l 1 l オ ♂ → 7】ての深さ (`刺 第5図140kVPにおける被写体(水)の厚さ と散乱振合有率の関係 Fig.5.Percentage of ScatteredXRaysas

a Function of Water Depth at140kVP

(3)散乱線の除去 (A)グリッドおよび散乱緑フィルタとしてのAl板 の効果 散乱線の除去には一般にグリッドが川いられるが,こ れは弟7図し次頁参照)のように鉛のリボンを一定ピッ チに並べ,その間をⅩ線が透過し易い物質でうめ,鉛片が 管球中心を向くように並べて一定焦点距離をもたせたも のと平行のものとがある。本実験に用いたグリッドの構

(J)水の深さ rイ)7Jくの深さ l

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Percentage of Scattered X Raysin Water

第1表 Ta】)1el. 鉛リボンの厚さ(mm) 苗 さ(1-1m) ピ ッ チ P(mm) 格子比= なッチ高さ 焦 点 距 離 (m) グリ ッドの構造要目

Details of the Grids

0.045 1.7 0.416 4.1:1 1 l」 首二二二 ■巨----Y---■ 」 薔 ---l

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(4)

812 昭和31年6月

シングル グリッド

グリッドの性能試験結果

Test Data of the Grid

第38巻 第6号 78.3 1 80.8 29.6(32.3)132.3(33.8) 2.7 (2.5)12.5 (2.4) 65.4 1 66.1 32.9(35.9) 2.5 (2.3) クロス グリッド(A) クロス グリッド(B) Al板 0.8mm Al板 1.6mln a(%) b(%) 66.7 (9.5)112.0(11.5) 15.7(16.4)116.6(19.1) (6・6)l5・2 (5,5) 4.2 (4.0)14.0 (3.5) 1.49 32.8 36.5 85.0 2.64 1.02 78.0 芦 80.8 1.09 1 1.11 (注)()は照射面積22×22c皿電,それ以外は45×45cm望 / J 11 /J l \ n lll■ll川Il‖lllllll■■tH

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第7図 グ リ ッ ド の 構 造

Fig・7・Schematic Diagram of Lysholm,s Grid

造は弟1表の通りである。また散乱税と直進線でほ線質 が異なり,散乱線の方が波長が長く物質により吸収され 易いと考えられるのでグリッドの代りにAl板0.8mm および1・6mmをおいて散乱線除去の効果を測屈した。 被写体を出た直後のⅩ綽のうち直進線がん,散乱線 がエ9であったものがグリッドを通ってそれぞれαイβ,

∂諭になったとすると散乱線除去の効果は÷で翻

られる。嘩翼やぬ時の含有率は1一空1丁,除去後の含有

■■、-▲′、---■」′■1 ノH 口 r「'肌」b+工9 .∫‥J、 でこれ等を第一図に示したが,さら 、 -1■ 率ほ α・†刀十わ・右

にグリッドの効果をみるた捌こα,れ 言 をまとめると

弟2表のごとくなる。これより効 ほクロスク中リッド (B),(A),シングルグリッドの順となり,程掛こより 可成りの差のあることがわかる。またAl板ほ余り効果 16.7(19.9) 12.2 偵育休 爪〆鼎 グノ小・ l グノッド左し l ・-・雄 一 ・距耕一肌仰 東 岸巨離 ノ射Ⅷ り)照射面箱 〝ズ冴(ガク 【I 、 - 、● 、、 管電圧(′ゆJ l 「【 l

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二.こ l 第8図 散乱縁台右率と被写体フイルム間距離との 関係

Fig・8・Percentage of Scattered X-Rays as a

(5)

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L l 】 虻__=--ズ = ==;メ l l l ll グロスグ」Lソド(射 T▼ クリ・ソドなし 照■射面椙 グ∼メブタC廊∼ 照射面相 ♂Jメ∠J〝7` 〝 〝 盆7 鈷 舘 (仰) 箭91き1散乱緑含有率と被写体フイルム聞距離との 関係

Fig・9・Percentage of Scattered X-Rays as a

Function of Distance Between Object and

Film l 四 l Jl Z l 】 ___1 ____

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、 ・・ ・・ ニー ・' 厚 さ(C〝) 第10図 水 に よ る 直 進 Ⅹ 線 の 吸 収

Fig・10・Absorption of Direct X-RaysinWater

がなく,したがって散乱紋と直進縦でほ録質に余り大き はないものと考えられる。 (B)被写休,フイルム問距離と散乱繰含有率の関係 照射面根太 小二つの場翻こ被写体と説iり定点までの距 離(舞1図d)を2.5,10,18・5cmと変化させて散乱線 含有率を測定した結果ほ舞8図(1),(2)の通りであ る。これより140kVPの値を距離を横軸にとって示す と舞9図のようになり,照射面積ガ小さい時は測定点の 散乱税源に対する立体角が距離により大きく変るため,

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`J ′〃 クJ り∠ 第11図 水および硫酸バリウムの質量吸収係数

Fig.11.Mass Absorption Coefncients for

X-Raysin Water and Barium Sulphate

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十/ て♂ 7β ク♂ ∴ β ♂ 】 ⑦ ♂J研 /J冴 ZJ仰 ②

通過後 〝 〟 戯7 〟♂ 親7 〟 管 電 圧(片㈲ 第12図 Alの 量 吸 収 係 数

Fig.12.Mass Absorption Coe侃cients for

X-Raysin Al 含有率もかなり減少するが,照射面積が大きい時は余り 化していない。またグリッドを用いる時は距離により 含有率は余り変化しない。 (」)物質の吸収係数の電圧による変化 弟1図において水槽④を除き,照射調節窓④の上側に 各種物質をおき,その厚さを変えて直進線を測定すると その物質の吸収係数を求め得る。 物質として水を用いた場合は第10国のごとくである。 この図の縦軸には光電流をとったが,これはⅩ線強度に 比例した量で,しかも対数目盛であるからこの曲線の憤 斜より直ちに水の吸収係数〃が求められる。かくして求 めた〝をその密度pで割れば質量吸収係数となり,それ

(6)

814 日 立 ズ繰 昆皇 (対数目盛) 第13図 Ⅹ ル ム Fig.13.Characterist.ic Curve Of 線 m ‥11 曲F V■ 性Ra 特Ⅹ (7SO) 〃 .〇.出

l l 1 l l

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Fig.14.Radiation Contrast as a Function of

Tube Voltage を弟11匡けこ示した。同様にして求めた硫酸バリウム(β =1.45)およびAl(p=2.7)の旦をそれぞれ舞11図, 弟12図に示す。 ウム94%,粘 たゞしこの場合硫政バリウム(硫酸バリ 剤6%)50gを水70gにといたもの

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第38巻 第6号 /♂ ノイ 〃 /ク 蘭 〝 甜 βZ ♂ x 月′

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l 、 、 -・一 兼 良 (パ○) 第15図 各種物質の質量吸収係数

Fig・15・Mass Absorption Coe筑cients

of SeveralMaterials (p=1・45)で測定した。

〔ⅠⅤ〕鳶

先に管電圧を上げると物質のⅩ線吸収係数が減じ.ま た散乱線の影響もあって写其のコントラストが低下する と記したが,さらにこの点を考えてみる。 今一定の吸収係数/・tをもった物質の厚さ頻だけ異る 二部分を撮った場合,黒化度差がJβ となったとする とつぎの関係式が成立つ。(舞13図参照) ..ぎ上I loglO′1-10凱0∫2 ∫1=J刀+ム ち=んe一匹・A萬十∫ゞ

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-ノ .(2) たゞし†刀:直進線 ∫9:散乱線 ∂:フイルムの特性曲線の傾斜 」上J ‥ よって J上)= 一loglOe・loge ト ・・・」′ 2.3 1+

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上月 ‥.(3)

(7)

(3)式よりコントラストはフイルムの∂および吸収係 数〝に比例し,散乱線は 効く事がわかる。 1+ l J√. 1+ R・C・=-ノー㌻圭一二〝・ †β J、 J、J/.

∫〃 /・/Jヾ なる係数で (4) そこで(4)式で与えられるR・C・をRadiationContrast と呼んでいる(2)。 被写体が水の場合の散乱線含有率(第一図),吸収係 数(弟11図)を知ったから,胸部の場合として水8cn を通過した後における吸収係数を用いてR・C■を求める と第14図のようをこなる。 この図の④はムニ0の場合で〃そのものを示す。ま■ たこの図より,従 の60kVP撮影ではグリッドを用い ていなかったのでR.C.=0・163であったわけで,シン グルグリッドを用いれば120kVP まで,またクロスグ リッド(A)では150kVPまで電圧を上げてもコント ラストほ今までより低下しないことがわかる。また管電 圧の上昇につれ,主として〝の低下によってコントラス トが悪くなりグリッドを用いざるを得なくなる。 っぎに上述のことでもわかるようにコントラストの問 題は,物質の吸収係数/£を考えるとよい。しかし〝の値 はⅩ線波長に対しては理論的にも判然とし,成告(3)にも 弟15図のごとくわかつている。ところが 際に用いるⅩ 線は単一波長のⅩ線でなく桂々な波長のⅩ線の合成で・ このような場合にほ失効波長がわかつていると都合がよ い。そこで 際に用いている正弦波電圧で60kVP∼150 kVPのⅩ線の実効波長を求めると,水の質量吸収係数に っいて弟1咽と第15図を比較することにより60kVPで は 効波長は約0・4Åであり,150kVPでは約0・3Åで

法 815 ある。またAlのJ-一について第一2図と弟15図を比較し P 。 て60kVPでは0.395A,150kVPでは0.29A となつ て水の時と大体一致する。以上ほ被写体を通過せぬ時に っいてであるが,水8c皿を通過後の旦を比較する P。 と,60kVPで0.38A,150kVPで0.26A となる。 弟15図よりすれば骨とAlとはよく近似した吸収特性 を示している故,骨の代りにAlを用いて実験できるこ とがオっかる。 つぎに胸部撮影の場合について考える。写真黒化度の 最大,最小の幅は骨の影とその他の部分との黒化度の差 で決まるが,高圧になると骨の吸収係数ほ第14図に示し たごとく急激に減少する。したがって弟13図に示したよ うに低圧ではガムのごとく大きな幅であったものが高圧 になると刀厄のように幅が小さくなる。したがって高圧 でほ少々恨射量を間違えてもフイルム傾斜の直線部分に 入り易くなる。すなわち掘影技術は高電圧の方が厳密を 要さず容易i・こなる。 舞1咽よりすれば骨でほ竃腰上昇による」Lの減少が 著しく骨の微細構造を撮るには高電圧になるとコソーラ ストが減じてよくないことがわかる。他方血管・筋肉な どは」Lが骨のような著しい減少を示さないし,また骨 P の影は低 圧では∂の小さいA点(第13図)のような所 に来るが,高電圧ではB点のような直線部分に来るか ら,骨の影にある血管.病舅主などに対して,かえって高 電圧の方がコントラストがよくなる。 っぎに腹部の撮影について考える。こゝでは胸部に比 し被写体の厚さが厚いので第2図よりわかるように・電 圧を上昇することによる管球負荷の減少は著しい。また 散乱縮合有率も多い上に(弟5図参照),臓器 の吸収係 数の差が少ないので,コントラストは極めて悪く・硫酸

60kVP,4mA,300Sec No Grid 140kVP,4mA,33SecCrossGridA 140kVP,4mA・9SecNoGrld

第16図 水(16cmの探さ)の中に入れた硫酸バリウムのⅩ線写真

(8)

816 昭和31年6月 バリウムなどの増影剤を用いねばならない。そこで模型 としてビニールチューブ(外径7mm¢,内径6.5mm¢) に硫酸バリウム(β=1・45)をつめ,これを水深16cmの 水槽に入れて撮ったものは弟1る図のごとく 60kVPで はバリウムの重り目がはつきりせず一様になっている が・140kVPでは重り目がほつきりしている。これはバ リウムの吸収係数が低電圧では大き過ぎ,高電圧では減 少してかえって適当な値となっているためで,このこと ほ腸の増彪撮影のような場合には好都合である。

〔Ⅴ〕結

以上の結果よりつぎの結論を得る。 (1)管電圧の上昇によるⅩ線管負荷の軽減は被写体 の厚さが厚い程効果的である。 (2)散乱線含有率は電圧によるよりもむしろ被写体 の厚さによって大きく変化し,厚さと共に増加する。ま た照射面積が小さい程少ない。 (3)照射面積が小さい時ほ被写体とフイルム問距離 を大きくすることにより散乱線含有率はかなり減少でき る。 (4)Al板で散乱線を除こうとしてもグリッド程の 第38巻 第6号 効果ほない。 (5)高電圧になると吸収係数が小さくなるため,全 般にコントラストほ低下するが,吸収係数の減少の甚し くないもの(血管像など)はグリッドを用いることによ りコントラストの低下を防ぎ得る。 (6)骨ほ吸収係数の減少が甚しいので,骨白身の像 ほ低圧程コントラストはよいが,骨の動こある病巣,血 管などは高圧の方がコントラストほよくなる。 (7)撮影技術ほ高圧の方が厳密を要さず容易であ る。 なおグリッドほ散乱線除去の能率のよいものほ照射量 を多く要し,またフイルム,増感紙についても感度をよ くすれば 鋭度の低下を来しどのような性能のものが最 適であるかの問題,またフイルムの♂の大きなものを用 いてコントラストをよくする工夫なども考えられるが, これらほ今後検討を要する。 参 男 (1)神田:日医放学誌 川10(1955) (2)A・Nemert・,T・H・Hills:Brit.J.Radiology 2る 304(1953-3) (3)江藤: 人体と放射線(岩波)173(昭一29) 云:・.

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