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地球環境保全と企業の環境責任 利用統計を見る

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地球環境保全と企業の環境責任

著者

浅野 裕司

著者別名

Yuji Asano

雑誌名

東洋法学

35

1

ページ

27-87

発行年

1991-08

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00003522/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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地球環境保全と企業の環境責任

はじめに

 環境破壊で揺らぎ始めたわが国の経済活動は、厳しい環境法規の必要性を提起している。一九九二年六月、ブラジ ルで開催される﹁国連環境開発会議﹂に向け、環境保全型社会の構築に全力で傾注すべきである。地球温暖化の進行        を防ぐため、二酸化炭素︵CO︶等、温室効果ガスの排出抑制への積極的な取組みがわが国の責務である。湾岸戦争 でみられた環境破壊行為を、紛争と戦闘の手段として用いない国際的合意の形成も緊急の課題である。一九九〇年六 月のロンドン会議で九十力国が﹁二〇〇〇年迄に特定フロンの全廃﹂に合意しているが、オゾン層破壊の元凶とされ るフロンとハロンの製造・使胴は一日も早く禁止すべきである。経団連も一九九一年四月二十三日、地球的規模の環 境保全に対する企業の役割を明記した﹁地球環境憲章﹂を発表した。米国の民間団体が作成した環境対策の倫理綱領 ﹁バルディーズ原則﹂を参考に作成し、経団連が企業に行動指針として求めているものであり、その成果が期待され

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    地球環境保全と企業の環境責任      二八 る。わが国の企業が海外に進出した場合、発展途上国の現地環境基準順守は勿論のこと、わが国内で決められている 基準を守る方向で努力するような環境倫理がなければならない。一般的な大量生産・大量消費型の経済活動の見直し と、クルマ社会の改善、リサイクルの推進等の重要課題もある。環境のためのリゾート法改正も早急に実行すべきで ある。環境に優しい社会を口で唱えても本腰を入れて行なう覚悟が必要であり、如何に困難が伴おうとも実施しなけ ればならない。森林荒廃は、熱帯雨林の破壊ばかりでなく、温帯林や亜寒帯林にも及び、種の保存、生態系の変化、 地球温暖化、食料問題等、世界共通の認識づくりの必要性に迫まられている。こうした申で、企業の経済活動に伴う 環境責任を中心に考察し、御批判と御叱正を仰ぐことが許されるならば幸甚である。 地球環境対策の概念と︸般的取組み  企業経営に迫る地球環境対策問題は、現状における製造から廃棄に至る企業のコスト負担、責任を問う立法化の動 向がある。地球温暖化に関するものや酸性雨等、グロ⋮バルな問題として、既に一九八九年の国際会議では、地球の オゾン層を破壊する虞れのあるフロンの使用を二〇〇〇年迄に全廃することが決定済みである。  米国では、一九九〇年十一月、新大気汚染防止法が発効し、十三年振りに改定されたこの法律の主眼はスモッグ対        ワ       策で、自動車排気ガス規制強化、燃料対策がなされ、発電所の亜流酸ガス︵SO﹀二酸化窒素︵NO︶の排出削減が 図られると共に、酸性雨対策、有害大気汚染物質対策︵対象物質の大幅増︶がなされている。米国が汚染除去に掛け

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た費用は、一九九〇年は二五〇億ドルとなっており、防衛予算の約四〇%、国民総生産︵GNP︶の二%を少し上 回る程の金額であった。この内、環境保護庁の直接的な支出は五五億ドルに過ぎず、大部分は民問企業と消費者の出 費である。新大気汚染防止法の施行の結果米国産業界は年問二五〇億ドルの支出増加になるとされ、環境をきれい に保つ費用は想像以上に大きい。環境への投資は、二〇〇〇年には一八五〇億ドル、防衛予算の約六〇%、GNPの 二・八%になると推定されている。  英国では、一九九〇年十一月に﹁環境保護法﹂が成立し、主要産業の許可制への移行、廃棄物に対する注意義務の 導入等が図られた。ドイツでは、一九九一年一月﹁環境賠償責任法﹂が発効し、環境に最も厳しい従来の水質汚染に 加えて、大気汚染・土壌汚染にも厳格責任原理が導入されることになった。  ECレベルの環境法としては、一九八九年八月にEC委員会によって提案された﹁有害廃棄物にょる賠償責任に関 する指令﹄があるが、一九九二年末迄に米国並みの厳しい規制を加盟国に要請している。また、ECレベルでは、環        ハぐレ 境に優しい製晶に張られるエコラベル、環境監査、廃棄物等に関する規則案や指令案が討議されている。          従来、汚染物質とは看徹されていなかったCO等、温暖化ガスの排出削減が問題となっている。周知の如くCOは、         人体に直接影響を及ぼす汚染物質ではない。しかし、産業革命以降のエネルギ⋮の大量消費に基づくCOの蓄積が、 地球全体の環境破壊を齎しかねないという意味でグローバルな問題となる。更に、経済成長は、必ずエネルギーの大        ハも       量消費を齎すだけに、これまでの成長万能の経済思想にも反省を迫るものである。COの削減のための固定、除去・ 処分技術としては、光化学反応、電気化学反応を利用して固定化したり、低温蒸留、膜分離等による除去技術等があ

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二九

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    地球環境保全と企業の環境責任       三〇 るが、バイオテクノロジーを応用した生物学的固定技術もある。企業は、こうした技術に素早く対応する義務があろ う。  現代における景気の拡大、消費の拡大により、わが国は年間七億トンの資源を輸入し、一億トン余りを製品にして 輸出しているが、その差は産業廃棄物として地中や水中、そして大気に廃棄される計算になる。水質汚染も深刻な問 題である。河川・湖沼の水質は、国の基準達成率の七四%に留まる。特に湖沼の基準達成率は四六%に過ぎない。工 場排水による汚染も広がっている。新たに半導体工場等から排出されるとみられる有機塩素系化合物にょるハイテク 汚染への不安も高まっている。企業ばかりでなく、水質汚染は家庭の生活排水も大きな原因になっている。一九九〇 年六月の水質汚濁防止法改正により、生活雑排水を排出する市民に、水質を汚さないよう処理する責任が規定された。 都市部の大気汚染の原因は、主に一千万台に上るディーゼル車であり、自動車についても工場のような固定発生源と 同じく、総量規制に踏み切るよう提言がなされている。トラック等の物流部門の主役を担うディーゼル車は、これま で排ガス規制も乗用車に比べて緩く、燃料の軽油の価格が低く抑えられる等、行政面から優遇されてきたが、それも 修正される必要がある。ゴミ、産業廃棄物の処理も深刻さを増している。消費が活発化すれば、ゴミが増え、住宅建 設、設備投資、生産が活発になれば当然、廃棄物が増える。廃棄物処理法の改正により、オフィスからの紙屑や建設 廃棄物も産業廃棄物とし、排出業者に回収と処理コストを負担させ、また、家庭からの廃棄物についても、粗大ゴミ 等については有料化を図ることが必要である。通産省も産業構造審議会、廃棄物処理・再資源化部会答申の中で、 ﹁かけがえのない地球を廃棄物による環境悪化から守るためには、省資源と資源の再利用を織込んだ経済社会への転

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換が必要しとの認識から、生産者、消費者、流通業者へのガイドラインの提示や、三者が一体となったリサイクル社       ハるレ 会の転換を要請している。こうした世論に対して経団連は、﹁省エネ・省資源の観点も含め、地球環境に過大な負荷 を与えない経済社会システムの構築が日本産業社会の課題﹂としながらも、産業界に過大の負担を法律によって強制 されるのは困るという立場をとり、﹁業界としての特性を踏まえ、自主的に取組む体制を整備しすることを強調し、 法律で枠を嵌られることで思わぬコストの上昇に関連することを警戒している。特に、製造者の製品の廃棄の際の責 任問題がある。家電製晶、中古自動車等は、解体業者も引取らず、路上に放置するケースも目立つが、こうした適性 処理困難物についての処理費用まで法律で強制することに産業界は難色を示している。わが国の企業は世界の水準か らすれば省エネルギ⋮、公害対策が進んでいる。自動車を例にとると、日本の自動車の燃費効率は世界一高いことは 周知の事実である。自動車業界では、既にガソリン車に代わるメタノ⋮ル車や水素、電気等の代替燃料車の開発を進 めている。行政側が進めている資源の回収と再利用の問題があるが、量販店も消費者の協力を得ての回収が進んでい る。今や企業も環境を重視しないと生き残れないとの意識が強まってきており、廃棄物の観点からの製品環境事前評 価について前向きに取組んでいる。なかには企業の環境重視は一過性のものではなく、不況になっても低調にはなら ないと、地球環境室を設置し、大きなプロジェクトは地球環境室の許可がなければ進行できないまでになっている。 一方、日本の企業による公害輸出が問題となっている。問題は、海外の現地生産プラントが中心であるが、工場操業 前に、環境アセスメントをしなかった例も殆である。わが国で操業する場合は、放射性物質を発生させる企業は原子 炉等規制法第六一条の二の規定により規制を受ける結果事前に住民に対し計画プラントの内容を公開することが行

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    地球環境保全と企業の環境責任      三二 政指導され、その上、放射性物質の管理、保管、貯蔵は極めて厳格に規制され、正しく警告表示をすることも義務付 けられる。わが国内では、過去の四日市公害訴訟で、コンビナートの申心企業については、﹁有害物質︵硫黄酸化物︶ を発生させる企業は、事前に環境アセスメントをすべき義務があるのにそれを怠った﹂という工場立地上の過失等を 理由に、民法第七一七条を根拠とする責任を、全ての損害について負うべきという厳しい判決を下している。しかし、 こうした日本国内での教訓は生かされなく、驚くべき無責任さが、東南アジア諸国の住民たちの健康に被害を与え、 操業差止・損害賠償を求める裁判を提起するに至っている。このような公害輸出事件は、枚挙に暇がないが親企業の 民事責任が問われる。現地企業と共に責任を負うか否かは、企業進出の経緯・資本関係・金銭貸付・役員等の人的関 係・技術提携・販売先・販売代理権・基盤整備への関与その他の点を勘案し、法理論上は、親子会社の法理・法人格        ハァレ 否認の法理・共同不法行為理論等を検討し、結論を導出すことになろう。公害輸出を巡る日本の行政上の規制につい ては立法がない。難しい問題は、わが国の政府が外国への投資という対外直接投資について規制したり、日本の環境 基準の遵守を義務付けるのは、投資先国の政策に影響を及ぽす内政干渉であり、自決権の侵害になる虞れもある。況 してやアジア諸国では、開発優先政策の下で、環境保全や現地住民の意向が軽視され、その結果、国際水準や環本で の規制・基準に比べ、緩やかな規制・基準しかない場合が多い。考慮できる点は、進出企業に事前の環境アセスメン トと公害防止措置の内容を届出る義務を課し、日本としての責務を明確にすべきであろう。  熱帯地域で大量に使用されている農薬で、生体に入ると蓄積される有害な有機塩素系殺虫剤﹁BHC︵ヘキサクロ ロシクロヘキサン︶﹂が、大気で運ばれて中緯度を飛び越え、北極周辺の海に活発に溶込んでいるとされている。そ

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の結果、北太平洋の北緯四〇度以北、ベーリング海、アラスカ湾等、北極附近の海に、一平方メートル当り一日に一 万分の一∼ニミリグラムの速さで、BHCが大気から活発に溶込んでおり、海中濃度も高いとされる。その他、溶込 みが活発なのは、汚染源に近いインド洋のベンガル湾や太平洋の南シナ海、東シナ海等の海域であり、中間帯の北太 平洋中緯度域や南氷洋での溶込みは、その数分の一以下であったとされる。暑い熱帯地域で使用されたBRCは、九 九%が大気中に拡散すると算出している。BHCは環境中に長期間残留しやすく、わが国では、既に使用は禁止され ている。こうした越境汚染︵嘗磐路○讐笹唇ま江9︶を防ぐ枠組みが問題となっている。汚染物質は、国境を越え て被害を他国に齎す。一九八六年四月のソ連・チェルノブイリ原発事故は、ドイツやスカンジナビア諸国等の風下国 に放射性物質を拡散し、スイスの化学薬品会社・サンド社が惹起した火災事故は、ライン河を汚染し、大量の魚類を 犠牲にし、下流国の飲料水を汚染した。ドイツ・シュワルツワルトの酸性雨被害は、自動車や工場から排出される窒 素酸化物や硫黄酸化物が大気に乗り、森林を枯らしていることは周知の通りである。越境汚染はコ国より発生して、 他国にもその影響を及ぼす汚染﹂という意味で使用され、OECD理事会の一九七四年勧告C︵隷蔦潔の中でもその ように定義している。一九七九年、国連欧州経済委員会が採決した長距離越境大気汚染条約は、一九七七年のOEC D理事会勧告C︵ミ葛c 。の定義﹁越境汚染とは、意図的または非意図的な汚染であり、その物理的起因が一国の国家 管轄権の下にあり、且つ、全体的または部分的に、当該国家管轄権下の区域内に位置し、他国の国家管轄権下の区域 に影響を与えるものしを援用している。OECD理事会の勧告は、加盟国に対し国内法で整備するよう求めるもので あるが、前述した勧告C︵課蕎認は、越境汚染の被害者が汚染発生国の裁判所または行政機関に対して、その国民と

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     地球環境保全と企業の環境責任      三四 伺等の資格で提訴・上訴し、不服申立てをする権利を認めた。また、以上の手続き面での平等権だけでなく、実体面        ハ   での平等権をも保証した。しかし、重要なのは被害救済に関する規則よりも、汚染の未然防止に関する実体法規と手 続法規であり、事前の環境アセスメント制度の確立こそ当面の課題である。

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︵4︶ ︵5︶

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 男じ d“︵︾○器︶ピΦαQ巴沁①巷○霧Φω8回&oO円≧樋悔○ご露陣8﹂8ρ  塑男O霧酎欝塁\φ菊○≦8≦ω葬創箋嘗象鋸Φ馨緯9巷9Φ隣き象○○宵蒙答導蔓鈴φα○蛋簿ω﹂8野  界国きω讐磐Pじ ご琶傷のω﹂欝熱ω巴○霧ω9馨謎ΦωΦ貫一80一中U象巳韻璽くo猟霧象韻雲8簿騨9①︾鉱○盈R§αq霧き岳① 20§器欝餐鮫欝d⇒≦箋毯α↓Φoぎ鮮おoぎ一89竃噂霞○①嘗負N褻知8鐸釜箏窪α“話傷貫9¢欝毛Φ一房魯葺N﹂80 類﹂ひ ω魯誉貫Uの葺o旨①ωd導≦巳幕o馨○のωogρ<RO同籔§αQ窪仁&くR≦巴9類αq段<○誘o欝警窪傷Φω膨餐留ω﹂8劉  ︾零ΦΦ馨8ρ国奪群oゆ韓①鷺巴即030江窪汐綿霞o℃ΦきOO導欝q鉱蔓ピ即≦﹂8ご︾く雲αQ訂戸国黛冒○けき①葺磐α霞餌導ぎαQ ピ働≦融簿Φ劉ρ一Φ⑩一’  くpヌ男○αQ一Φ簿窪”○μ箆の8夢①翼蝕○鋸一国髪一3津箏Φ馨巴憶○一一身︾02同馨R駿象暮○湧︾>箸ぽ呂8ω零αOO欝葛帥磐8, る8一>く妙く餌瓢oぎく節ω9︾’O鶏○嬬箏○く︶︵︶○霧巽く象帥○鶏○暁¢く汐αQ2餌賞お鋤&沁霧○ξ8竺単○露の導ω︸ご霧9”餌&即o? ℃①9る 。﹂8一ゆ  通産省産業構造審議会 ﹁今後の廃棄物処理・再資源化対策のあり方﹂答申。  小島延夫 ﹁公害輸出ーその実態と法的問題点﹂法学セミナー、一九九〇年二月号、四八頁以下。  岩間徹 讐越境汚染を防ぐ枠組みし法学セミナ⋮、一九九〇年二月号、四〇頁以下。

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二 企業の行動指針と地球環境憲章  一般に、稟議制・会議制の日本的企業経営が、環境問題対策の意思決定を遅くしているとされる。経団連は、一九 九一年四月、地球的規模の環境保全に対する企業の役割を明記した﹁地球環境憲章﹂を発表した。対応の遅い日本企 業であるが、地球的規模で環境保全に取組むことを抜きにしては今後の企業活動はあり得なくなる、との考えに基づ くもので、具体的行動規範を示している。廃棄物処理問題等、企業の環境問題は、わが国でも年々活発になってはい るが、民間経済団体がこのような憲章の形式で行動規範を決めたのは国際的にも意義のあることである。この憲章は、 一九九二年六月にブラジルで開催される﹁環境と開発に関する国連会議︵UNCED︶﹂に向けて、環境問題に対す る日本の産業界の基本姿勢を固めるために編纂めたものであるが、理論的には、米国の民間団体が制定した環境対策 の倫理綱領﹁バルディーズ原則﹂を参考にしながら作成している。  憲章は、地球環境の保全に企業が如何に取組んだらよいか、社内体制の整備から地球影響への配慮、技術開発等、 十一分野にわたって二十四項目の行動指針を盛込んでいる。  行動指針として企業に求めているものは、ω経営方針に環境対策を盛込み、生態系へも配慮、ω担当役員、組織を 設置し、二酸化炭素やフロンガス等の削減目標を設定、⑥事業活動の全段階で環境影響評価実施、㈲地球環境問題解 決のための技術開発、㈲環境保全、生態系維持のため広報活動実施等で、企業活動の推進に障害になっても環境問題 を優先すべきだとしている点が特徴である。

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    地球環境保全と企業の環境責任       三六  基本理念も重要であるが、﹁企業活動は、全地球的規模で環境保全が達成される未来社会の実現に関連するもので なければならない﹂と明記し、温暖化や砂漠化、酸性雨といった地球規模で問題化している環境破壊の解決に取組む との決意を示している。  更に、熱帯雨林の伐採や海洋汚染等、環境破壊に関連すると批判が強い政府開発援助︵ODA︶による発展途上国 での開発事業についても﹁環境・公害対策に配慮しつつ参加する﹂と、企業の自制を促している。最も大切なことは、 この理念と行動指針を如何に企業に浸透させ、実行していくかである。企業活動に、斯様な行動指針を取入れること にょり、当然、環境コストの負担増加に結付き、企業自体を縛ることになる。しかし、製造業や流通業等の業界では、 既に環境担当役員を置き、環境問題担当の組織を設ける企業が増加しつつある。このような﹁環境志向﹂の企業を 質・量ともに強化するために、﹁地球環境憲章﹂が積極的に挺子の役割を果たすことが期待される。経団連は、この 憲章に基づいて、各業界ごとのアクションプログラムの策定や国際社会に対する環境面での協力等を今後、検討する ことにしている。 三 熱帯雨林の破壊と生態系への配慮 国連食糧農業機関︵FAO︶の調査報告によれば、年平均で一七〇〇万ヘクタール︵日本の約半分の面積に相当︶ の森林が減少しているとされる。熱帯雨林の伐採や海洋汚染等、環境破壊に関連すると批判が強い政府開発援助︵0

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DA︶による発展途上国での開発事業について、経団連も環境・公害対策に配慮しつつ参加すべきことを、企業の自 制として促している。政府は、ODAを活用する新たな環境ODA供与計画の策定を決め、熱帯雨林保護等に配分を 行なう計画である。  我々が食する主要な食料の米、トウモロコシ、小麦、ピーナッツ、カボチャ、ナス、コ⋮ヒi、オレンジ等、その 原種は熱帯雨林から得られたものであり、これからもその原種が失われた場合、新しい品種はできない。熱帯雨林は、 医薬品の原料になる植物の宝庫でもある。小児白血病の治療に劇的な効果を示す成分を抽出できるバライロニチニチ ソウは、マダガスカルの熱帯雨林に自生している平凡な草である。しかし、熱帯雨林の多種多様な植物のうち、医学 的な目的で分析が済んでいるのは、未だ一%にも満たないといわれている。それにもかかわらず、大規模な伐採によ って、熱帯雨林は、現在次々と消滅しつつある。その破壊の元凶は、大部分が日本の企業によるものであり、直接的 にも関接的にも日本国民の豊かなる生活に関連している。こうした種の宝庫ともいうべき熱帯雨林とウェットランド について、これを保護・保全すべく熱心な活動が開始されている。一九六一年にスイスで発足した民聞自然保護団体 WWF︵ミ黛箆譲鉱Φ閃農α男OH2魯震①︶﹁世界自然保護基金﹂は、国際自然保護連合︵IUCN︶、国連環境計画 ︵UNEP︶と協力して、一九八○年に﹁世界環境保全戦略﹂を策定し、限りある自然資源の接続的な利用を図る路 線を打出して、徐々に実行に移してきた。現在、WWFは、三七〇万人の人々に支持される世界最大の民間自然保護 団体となった。現在迄にWWFが手懸けた自然保護事業は、百三十力国に及び、六千件に達している。これに要した 金額は一億三〇〇〇万ドルを超えた。目下、全ての大陸で自然保護プロジェクトを推進しており、その件数は二百件

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    地球環境保全と企業の環境責任      三八       ハよ  に達する。WWFは三つの使命を以て活動している。それは、①遺伝子、種、生態系の多様性を守る、②自然資源の 持続的利用の推進、③環境汚染と資源・エネルギーの浪費を防ぐ、の三つの使命であり、これを達成するには、特に 熱帯林、ウェットランド、サンゴ礁等、種々の多様性に富んだ生態系の保全を優先し、そこに重点を置いて活動する 必要がある。﹁熱帯林﹂の内の﹁熱帯雨林﹂は、地球上で最も種の多様性に富んでいる。﹁熱帯雨林﹂は全陸地面積の 七%しか占めていないのにもかかわらず、地球上に存在する全生物種︵五百万∼三千万種︶の少なくとも半分が存在 しており、﹁熱帯雨林しに優る種の宝庫はない。大規模な熱帯林の緑は、地球全体の気象とも深く係わり、温暖化を 防ぐ役割をも果たしている。炭酸ガスを吸収し、酸素を生成する作用が如何に重要かは多言を要しない。﹁ウェット ランドしとは、湿地、湿原、湖沼、河川、干潟等、大地と水が出合い、豊かな生態系を形成している地帯のことであ る。洪水、浸食を食い止め、水を浄化する等、環境面で重要な役割を果たしてきた世界のこうしたウェットランドは、 現在、干拓、埋立て、ダム建設、汚染等で酷く痛めつけられている。WWFは、一九八五年∼八六年にウェットラン ド・キャンペ⋮ンを行なって以来、ブラジルのバンタナル、ヨ⋮ロッパのワッデン、アフリカのニジェール・デルタ 等、世界の主要な五十のウェットランドの保護活動を展開してきた。魚、エビ、カニ、貝類、水鳥等のかけがえのな い生息地であり、生産性豊かで種の多様性に富んだ生態系をなしているウェットランドも、熱帯雨林と共に、これ以       ヤ 上失ってはならないところなのである。WWFの国内委員会は世界二十三力国にあり、自国内での自然保護プロジェ クトを推進すると同時に、国際的なプロジェクトを推進するため、WWFインタ⋮ナショナルヘ送金する。一九八八 年に世界のWWFが集めた金額は二二五億円であったが、この内、日本で集めたのは約三億円であり、わが国の経済

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力および環境破壊に基づく企業収益からすれば、世界の自然保護への貢献度は非常に低く、今後﹁臼本叩き﹂の格好 の材料にされる虞れもある。南米・アマゾンで貴重な自然が開発の波に曝され、二万ヘクタールを買上げて保護しよ うという運動が始まった。コ冒ンビア・マカレナ地域で、焼畑や森林伐採が迫ってきた上、縦断道路建設がスタ⋮ト したことによるものであるが、マカレナ地域は、アマゾン熱帯雨林の北西端に位置しており、アンデス山脈、大草原 リャノス、アマゾン川等、山塊や河川が複雑に入組み、各種の動植物が混在している。今回の買上げ計画は、ナショ ナル・トラスト的な発想により、日本人学究者が中心となり基金集めを計画している。これまで日本の国際協力とい えば政府べースばかりで、自然保護や学術面では本格的なものはない。一方、経済と環境の調和を目指す考え方もあ る。先進国に居住する者にとって﹁熱帯林を守れ﹂と叫ぶことは容易である。しかし、開発途上国の人達の生活向上 には、開発による経済成長が欠かせない。日本の企業がアマゾン地域でパルプ材の伐採をしなくなると、ブラジルの 経済は混乱の一途を辿るといわれている。経済成長と環境をどのように調和させ、クリーンでグリ⋮ンな成長を実現 するか、という命題がある。難題を解くカギは﹁持続可能な開発﹂と、OECDの環境担当者達は知恵を絞っている。 森林の乱伐は、国民総生産︵GNP︶を一時的には増やすが、﹁資源の浪費は本当の富をもたらさない﹂。逆に植林は、 ﹁長い目でみれば成長にプラスとなる﹂。そうした要素を盛込んだ﹁環境指標﹂の開発が当面の最大の課題でもある。 環境を経済と関係付けて、如何に数値化するか、経済、環境両政策の統合への突破口と世界の注目を集めている。援 助、技術、国際的プログラムの支援の三つの点で、日本が環境問題に果たすべき役割は大きい。一九九二年にブラジ ルで開催される国連環境開発会議で、地球環境保全に対する全世界の協力を取付けるため、各国の政府、国民が励行

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    地球環境保全と企業の環境責任      四〇 すべき原則を編纂した、地球憲章﹂や、そのための具体的な行動計画を示す﹁アジェンダm︵二十一世紀環境行動計 画︶﹂等を採択することが、先頃、開かれた準備会議で国際的な合意に達した。国連環境開発会議は、一九七二年に        ハ   ストックホルムで開いた第一回国連人間環境会議の二十周年を記念して、全世界から一万六千人が参加する大会議で、 第一回準備会議は約百力国が参加して、一九九〇年九月にナイロビで開催された。この中で、会議の性格付けや大筋 の方針が決定され、最も重要な宣言として、世界人権宣言や児童憲章に並ぶ﹁地球憲章﹂を採択することになった。 ﹁アジェンダ雛﹂は、世界が二十一世紀に取組むべき総合的、長期的な計画を示すことにしており、今後の会議の中 心テーマは、既に各種の国際会議で検討されている地球環境保全のための諸問題について、国際取決めを作成するこ とであるが、第一回準備会議では、地球温暖化防止のための﹁気候変動枠組み条約﹂、生物種の保存のための﹁生物 学的多様性にかかる国際取決め﹂、熱帯雨林等森林保護のための﹁森林問題にかかる国際取決め﹂の三項目が討議さ         ハぐ  れるよう合意された。  一九九一年四月末に、政府は地球環境保全のための政府開発援助︵ODA﹀を活用する新たな環境ODA供与計画 を策定し、一九八九年度から一ニカ年計画で進めている三〇〇〇億円の環境ODA供与の完了年度を一年早め、一九九 一年度から新たな計画を実施する。新計画は、三力年度で四〇〇〇億から五〇〇〇億円規模になる模様であり、日本 政府は、一九九一年七月のロンドン・サミットで新計画の実施を表明し、環境問題に対する日本の貢献をアピ⋮ルす ることにしている。環境ODAは、一九八九年のアルシュ・サミットで、わが国が初めて表明し、大気汚染対策や熱 帯雨林の保護等、環境保全事業に優先的にODAの資金配分を行なう計画で、政府は供与する資金の総額を、一九八

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九年度から一九九一年度までの三年間で計三〇〇〇億円と発表した。しかし、途上国の環境ODAへ要望が強く、一 九九〇年度末時点で、供与総額は約二八○○億円に上った。二年間で当初の目標を達成した格好となったことから、 計画を一年繰り上げて完了し、一九九一年度から新たな環境ODA計画を実施することになった。日本政府開発援助 の供与額は、一九八九年実績で八九億五八○○万ドルとなり、世界最大となった。しかし、ODAの第四次中期目標 ︵一九八八∼一九九二年で総額五〇〇億ドル以上︶の達成には増額が必要となっているほか、東欧諸国や途上国の環 境改善には多数の資金需要が見込まれることから、ODA資金の環境対策への重点配分を更に進め、地球環境問題に 貢献する日本をPRすることにした。  一方、東南アジア等の熱帯林を再生するため、民間企業による﹁森林再生技術研究組合﹂が、一九九一年八月にも 発足することになった。海外での造林事業に民間が本格的に乗り出すのは初めてであり、途上国の森林資源の保護と 再生に大きな役割を果たすものと期待されている。研究組合は、民間企業が共同して新技術等の試験、研究を行ない、 その成果を利用し合うシステムである。﹁森林再生技術研究組合﹂には造林、製紙、化学業界のほか、一般商社等の 参加が予定されている。具体的な事業としては、ω種子や苗木の大量増殖技術や種子のカプセル化の技術開発、ω低 コストのポットを製造する技術の開発、⑥病害虫の防除や雑草・雑木の除去技術の開発、㈲造林用の機械の開発、㈲ 肥料や薬剤の開発等を予定しており、新開発された技術や器材は、現地で実用化していくとしている。  研究組合の設立は、熱帯林の減少と地球温暖化の関連が国際的に問題になる中で、木材消費量の七割を輸入してい る日本が積極的に資源の保護、再生に協力する必要があるとの判断によるものである。このような事業により、民聞     東 洋法 学       四一

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    地球環境保全と企業の環境責任      四二 企業は、海外での造林等に関する技術の蓄積と向上を図ることができるため、農水省も一九九一年度から九六七年度 まで五年間、補助金を交付することにしており、一九九一年度は四三〇〇万円を予定している。まだ問題は山積みさ れているが、実行されれば一歩前進というべきであろう。 ︵1︶

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︵4︶  q︾鼠きωOpU駄①&汐αQ浮Φミ○江野↓訂℃○︸#沖。ω薗&餌乾○臼鋤身o︷簿の勝⇒<群8欝①三﹂89いビΦαQαq象︶90σ巴ミ弾馨− 坤夷”↓訂饗の象麗8力巷○鴎紳﹂89>夷oご廼○○欝Φびω霧聾籔詣国鋤尋﹂89鍔︾留糞○ω︶ζ§おぎαq艶§露糾鎚旨劉 一㊤⑩9  竃﹃薯一田鋤奪。 。“≦Φ篇きαφ︾↓騨の舞窪&国p≦δp導o簿■一8ρ  q箔Ooρ︾\○02劉蕊\憲︵98窪○ぎし⑩認︶﹂=、ピ、護、に5︵るお︶■この国連人問環境会議︵ストックホルム会 議︶は、国連が主催し、一九七二年六月に開かれた会議で﹁人間環境を保護し改善させることは、⋮全ての政府の義務であ る﹂とする﹁人間環境嘗言﹂を採択したほか、環境国際協力に関する多くの行動計画を決めた。また、同会議での成果を受 けて国連本部に属する機関として、UN£P蔑連環境計画︵d鐸&2薮○霧国奪ぼ8毯窪琶即畠声欝導①︶が設立された。 なお、ストックホルム富言は二十六の原則から成り、そのいくつかは権利として表現され︵原則i︶、他のものは各国政府 への勧告とされている︵原則26︶。  q2団奪ぎ⇔欝。馨即○αQ嬉簿簿や絹髪ぎ⇒きΦ馨巴ご讐鶴菊巷象一8一占8㌣譲︾ωゲ≦○誹ダ↓匿潤8巻ぴ℃a一餌○騰国薯ぎ㌣ 臣o馨巴ω霞鼠霧。一⑩⑩囲

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四 環境保全と持続可能な開発に関する原則  国連の環境と開発に関する世界委員会による環境保護と持続可能な関発︵ω器汁巴霊露ΦU磐鮎8欝Φ簿︶に関する 原則は、将来の世代が享受する経済的、社会的な利益を損なわない形で現在の世代が環境を利用していこうとする考      き え方である。例えば、漁業資源を長持ちさせるよう乱獲を避けるのが一例である。目先の利益を重視して開発を進め ると、長い問には環境が悪化し、結局、経済的利益も得られなくなる。こうした従来の開発に対する反省に立って、 国際自然保護連合︵IUCN︶等の﹁世界自然保護戦略﹂︵一九八○年︶や米国の﹁地球の未来ー行動の時︵一九八 一年︶﹂において提唱されたのが最初である。わが国の提案で設けられた﹁国連・環境と開発に関する世界委員会        え  ︵ブルントラント委員会ごは、持続可能な開発を強く求める提言を編纂した︵一九八七年︶が、これを契機に、環境 保全の基本的な考え方として認められるに至った。  今後は、その具体化が課題である。この所謂ブルントラント報告︵じ o毎&器&菊Φを誹︶は、二十二の﹁環境保護 と持続可能な開発のための法原則﹂を提案している。 ︵i︶ ︵2︶  ︸○器喜rω舞“↓訂譲○江α︵︶○欝獣ωω○瓢○⇔削奪冒○添導Φp榊鋤&O②<Φ一8旨Φ鼻○ξ○○欝欝8男無ξΦ・るo oS慧・謹o Qーω09 男︾8篤薯αQ一\マ裟ごζきP円88欝﹃簿国8一〇αQ蜜一↓○類舘島ω霧鐙貯簿望ΦUΦ<巴○℃欝①馨﹂Φo o璽  ノルウェ⋮のブルントラント首相を委員長に、世界の有識者二十一人で組織された﹁環境と開発に関する世界委員会︵W 東 洋 法 学 四三

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 地球環境保全と企業の環境責任      四四 CED︶﹂が、一九八七年にまとめた報告書﹁われら共有の未来﹂の中で打出した理念。環境保護を求める先進国と開発へ の規則を懸念する途上国の認識の違いを埋め、環境と開発は互いに依存するとの考え方に立つ。じ禦餌蒔ρωお霧鉱出名金 譲R鐵夷臼○譲貰房○貰OO讐欝○⇔哨償賞Hρ一8ρ 五 国際環境法とオゾン層保護のためのウィーン条約  国際環境法︵H纂①簿魯8繊国巽綻9簿Φ筥い伽類︶とは、フロンガス︵フルオロカーボン、雲きδ8ぴ8︶による オゾン層の破壊、炭酸ガスによる温室効果、酸性雨、熱帯雨林の減少、人工放射性物質や化学物質による環境汚染等、 地球規模の環境破壊を、二国間または多国問の条約、協力によって防止するための国際法ということができる。オゾ ン層の保護のためのウィーン条約は、オゾン層の変化による悪影響から人の健康、環境を保護するために措置を講じ、 オゾン層を変化させ悪影響を生じさせる活動を制限、防止するため立法措置を行ない、オゾン層の研究及び組織的観 測について協力をする義務等を定めた条約である。わが国は一九八八年に加入した。一九九〇年二月現在の条約当事 国は五十六力国である。フロンガス等によるオゾン層の破壊によって、人聞の健康が悪影響を受けないようにするた めの規制を求める国際世論に応えて成立が計られた。この条約は、一九八五年三月、ウィ⋮ンで開かれた国連環境計       ハき 画外交官会議で採択されたものである。

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︵−︶¢2穿くぎ馨①糞汐・αQ増撃馨︸穿爵・§の暴5§ヵ①℃・吋き。 。⑩1一89霞。冨の男”ζ・霧・二幕簿魯・琶浮くぎ馨Φ亭  什巴い鋤妻、一〇〇ρ 六 オゾン層保護のためのモントリオール議定書とヘルシンキ宣言  一九八七年九月、モントリオ⋮ルの国連環境計画︵UNEP¢旨&2器○霧国馨ぎ⇒ヨ窪瞥軍○αQ惹影3Φ︶外交官 会議で、モントリオール議定書︵オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書︶が、三十ニカ国の署名を 得て成立した。フロンの種類は二十種以上あるとされるが、このモントリオ⋮ル議定書で規制対象とされたのは、オ ゾン層破壊効果が大きいと看徹れるフロン皿、翅、113、114、115の五種︵これが一般に特定フロンと呼ば れているもの︶と、ハロン三種︵ハロンー21i、1301、2402︶である。ハロンは、塩素やフッ素に加えて 臭素原子をも含むフロンの仲間で、臭素のオゾン層も破壊する触媒作用は塩素以上に強いとされている。このフロン やハロンの生産量と消費量を、当面は一九八六年の水準に凍結し、一九九八年迄には五〇%以下に削減しようという       パさ のが、この議定書に示されたガイドラインであった。  更に、一九八九年五月、これに基づいて、今世紀中にフロンを全廃しようというヘルシンキ宣言が採択された。一 九八九年一月六日にモントリオール議定書は発効した。このオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書 で、フロンガス類の消費量、生産量の段階的抑制、非締約国との貿易の規制、開発途上国の特別な事情への配慮等の     東 洋 法 学       四五

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    地球環境保全と企業の環境責任      四六 具体的措置を定めた。わが国は、全世界のフロンガス生産量の一〇%を占める大量生産国であり、そのため一九八八 年四月、ウィーン条約とモントリオール議定書が国会で承認され、同年五月、オゾン層保護法︵特定物質の規制等に よるオゾン層の保護に関する法律︶が成立、施行された。一九九〇年に、ヘルシンキ宣言で盛込まれた﹁今世紀内の フロンガス全廃﹂の窟言を受けて、同年六月、ロンドンで開催されたモントリオ⋮ル議定書第二回締約国会議では、 前に触れたように二〇〇〇年迄にフロン等のオゾン層破壊物質を全廃することを決定し、また開発途上国がオゾン層 破壊物質を使用しなくても済むように、代替フロンやその製造技術を供与するための国際基金︵オゾン層保護基金︶        パ ソ を創設することにしている。 ︵1︶ ︵2︶  富永健・巻出義紘・F・S・ローランド﹁フロン⋮地球を蝕む物質⋮﹂。エゴビジネスネットワ⋮ク﹁地球環境ビジネス 雛﹂。  ζ睡畠器一押竃○一騨○斜ぎ蕃簿魯○欝一国宅嘗8匿①馨巴r9類﹂89q裟麟望営8臼Φ馨汐○αQ篤導欝ρ国妻嘗8導Φ馨巴O鶏餌菊? ℃○憐一〇〇 〇Φー一89冨3①ω6■ω・↓H陣薯︸↓ぽ毒2竃○簿8巴℃円088一﹂&5嘗一緯嵐&餌&αΦく巴○覧轟oo償馨凱霧鴇翫お夢① おぞ○器一ぼ嵩蔓︷o村鷺○酔Φo鋤お憂Φ鋒鋤酔oω喜Φ鼠oO8奉一遷Φお︸○黛欝一〇ご糞①簿象δ欝二餌類餌盈℃○一獣8。く○轡鱒ρ累ρρ おO oO o’

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七 国際環境法におけるラムサール条約  わが国も締約国になっているラムサール条約︵菊餌霧鶏○○薯Φ導ごp︶は、正式名は﹁特に水鳥の生息地として国 際的に重要な湿地に関する条約︵O窪毒農99壽3&ω○工馨の3践霧巴ξ宕欝8①ガ簿誘貴るコ︶﹂で、一九 七一年にイランのラムサールで開かれた国際会議で採択された。この条約は、湿地の保全、最適正利用のための計画 を実施し、保護区を指定するものである。わが国は一九八○年に批准し、釧路湿原の一部を指定し、一九八五年五月 に宮城県の伊豆沼・内沼を追加した。湿地は不毛の沼地や荒野という観念がわが国の法学者の中にあるが、そのよう な考え方は変えなければならない。国際的にも湿地や湿原の価値が見直されている。国境を越えて渡る水鳥を保護す るために、渡りの中継地や繁殖地として欠かすことのできない湿地を国際的に守ろうという目標が条約にある。この 条約は、自然保護の国際的な取決めの第一号である。加盟国は既に六十ニカ国に達した。加盟国は、国際的に重要な 国内の湿地を一カ所以上、指定登録することが義務付けられている。登録されると、原則として埋立て等の開発は認 められないし、保全計画をたて、管理体制を整えることを求められる。登録湿地の制度は、直接的な特定の水鳥の保 護という範囲を超て、動植物の全てにとって良好な環境の保護を謳っている。わが国では、条約の名前から渡り鳥の ﹁愛鳥運動﹂と誤解される傾向にあるが、それは条約の内容の一端であり、渡り鳥の憩いの場が、都市化に伴う埋立 てやゴミ捨て場として、消えて行くことへの歯止めになるのは云うまでもない。更に現在、注目されているのは、湿 地が保水・水質浄化の機能を有し、また魚介類の産卵場所として貴重な自然資源である点であり、俗にいう不毛の地     東 洋 法 学       露七

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    地球環境保全と企業の環境責任      四八 というのは皮相な見方であった。一九九三年の国際会議は、開催予定地が北海道の釧路となっている。それまで、わ が政府と民間の保護団体が協力して準備をする必要がある。まず国内の登録湿地を増やすことの課題がある。欧米の 先進国に比較して非常に少なく、タンチョウの釧路湿原とコハクチョウのクッチャロ湖、ガン・カモの伊豆沼・内沼 の三カ所だけである。IWRB︵国際水きん湿地調査局︶日本委員会の調査による日本湿地目録によると、他に二十 一カ所が﹁特に重要な湿地﹂と評価されている。﹁重要な湿地﹂が五十一カ所であり、殆全部の都道府県に互ってい る。この中には、開発予定地が数多くある。特に干潟や海辺の湿地には漁業権の問題があって難しい事情もわかるが、 手遅れになる前に登録の努力を急がなければならない。湿地は、人の手が加わって一旦、自然の均衡が崩れると、回 復は容易ではない。また、現在の登録湿地の保全管理策の充実を図るという課題がある。釧路湿地では、周辺の森林 伐採による乾燥化と、国立公園の指定に伴う観光開発の影響が心配されている。伊豆沼・内沼では、生活雑排水によ る水質汚濁が解決されていない。クッチャロ湖でも、本格的な保全計画はこれからの課題である。さらに、アジア地 域の大きな問題は、わが国の政府開発援助で湿地破壊を招かない配慮が必要である。逆に保全基金として、日本から の資金援助が期待されている現状にある。現在のわが国では、ゴルフ場開発防止が最大の問題点となっている。茨城、 埼玉、栃木、群馬の四県に跨る広大な湿地帯に、クイナやコヨシキリ等、貴重な水鳥、野鳥が生息する渡良瀬遊水池 をゴルフ場開発の環境破壊から守らなければならないという問題があり、ラムサール条約登録を急ぐ必要がある。既 に建設省主導の水辺利用計画﹁アクリメーションランド基本構想﹂で、茨城県古河市、栃木県野木町等が遊水池内に 三カ所のゴルフ場計画を持ち、一部で造成が進んでいる。ラムサール条約に登録されるだけではゴルフ場造成を阻止、

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できないが、﹁牛久の自然を守る会﹂は、このままでは水源に農薬や化学肥料が流込むと指摘している。何れにして も、条約への登録運動を通じて湿地保護の世論を盛上げ、環境破壊を阻止し、貴重な自然保全を急がなければならな い。  なお条約でいう﹁湿地﹂は、湿原だけでなく、河川、沼、池、湖、海岸地帯、サンゴ礁、海の浅瀬、干潟、水田ま でも含む。簡単にいうと地球上の陸地と深い海を除いた全ての地域である。淡水、海水を問わず、凡そ水に関係する 場所は全て含まれ、人工のものや一時的なものでもよい。こうした地域は、同時に開発の波を真に被る地域でもある。 一九九〇年の締約国会議では、従来の水鳥一辺倒から湿地自体に主役が移ってきた。他方において、ラムサール条約 は、湿地が地球上で最も生産力に富んだ肥沃な生態系であるから、その利用を妨げるものではない。過剰な利用を避 け、賢明な利用という国際的な原則を定めている。しかし、締約国に開発途上国が増えたので、具体的な利用・保全 計画のためのガイドラインの研究を進めている。殊に、個々の生態係は均一でないため、統一的措置は条約では定め ず、各国の国内法令に具体的な措置を委ねるのが、自然保全に関する重要な条件では一般的である。従って、適切な 保全と利用ができるか否かは、各国が如何なる国内法令を定めているかにようて決まるといえる。ラムサール条約は、 各国の国民レベルの認識の向上により、国内法令の整備が進められていくことを期待している。国内法令は、その国 民の認識の内容やそのための行動等によって決まる。そこに、また問題がある。それは、先進国と開発途上国の違い があり、民族による生活様式の違いは、湿地の利用に直接関係していることも考慮する必要がある。  ラムサ⋮ル条約の効果は、デンマークにおける湿地復元事業にみることができる。例えば、現在、曾って直線的に     東 洋 法 学       四九

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     地球環境保全と企業の環境責任       五〇       ハすレ 改修した河川を、治水のために元の蛇行した河川に戻している。  最近は、開発途上国の自然保全の費用や利用、開発規制の負担について、先進国と途上国の間で意見対立がある。 一九九三年には、ラムサール条約の締約国会議が釧路市で開催される。日本は、これまで自然保護について国際的に 受身の対応をしてきた。今後、日本が如何なる役割を果すのか、世界は注目している。 ︵1︶低湿地帯の多いデンマークでは、農地を拡大するため、十八世紀初頭から埋立て、干拓、河川改修が積極的に進められて   きた。一九七〇年代までに、水深ニメートル以下の内陸湿地の五〇∼七五%、水深ニメ⋮トル以下の浅海の二五%が姿を消   した。しかし、干拓地の全てが、優良農地として活用されてきたわけではない。放置された原野も多い。これら遊休農地を   活性化させるため、政府は、一九八七年﹁利用不能総合戦略﹂を策定した。環境整備による農業生産性の確保を進める一方   で、植林や湿地の復元等、自然環境回復事業に取り組んでいる。その結果、一九九七年までの十年間に失われた湿地の心割、   約二万ヘクタールを復元することになった。現在、ワッデン海の干拓地での塩水湖︵二二〇ヘクタール︶の復元、スケアン   川流域の湿地︵一三〇〇ヘクタール︶の回復等、十カ所を超えるプロジェクトが進行中である。この中で、環境保全の観点   からは、次のような検討が加えられた。その土地を湿地に戻したときの、ω将来にわたっての生態的な価値、ω水質浄化等   環境への貢献度、鋤レクリエーションや教育の場としての意義、㈲景観評価、⑥考古学・文化史的価値等である。 八 世界遺産条約の重要性について 温暖化対策等、地球環境をめぐる国際的な動きが活発化した中で、環境保全に関して非常に重要な国際条約の存在

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が忘れられている。﹁世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約︵OO薯①&9・88欝坤謎騨①嘆○帯&89 普①類黛崔o爵竃巴震α憲9邑訂葺おΦごは、一九七二年、各国政府が貴重な文化財と自然をリストアップして、 国際的な監視体制を敷き破壊から守ろうとユネスコ総会で採択された条約であり、﹁遺産﹂は、ここでは人類が子孫 に残し、伝えるものという意味で使われている。条約加盟国は、後世に残すべき代表的な文化、および自然環境を ﹁世界遺産﹂に指定、保護のための関係法令を整備することになる。一九九〇年十二月現在、百十五力国が加盟、ピ ラミッドや万里の長城等の文化遺跡やガラパゴス諸島といった自然遺産、熱帯林等、三百二十三カ所が指定されてい るが、わが国は残念ながら、体制が未だ整っていないという理由で未批准である。加盟国は、自国の領土内にある自 然と文化の遺産の保護に責任を負い、同時に、ユネスコに対する拠出金の一%に当たる金額を世界遺産基金として出 資し、それが開発途上国の世界遺産を保護するのに活用される仕組みである。世界遺産条約は、加盟国の内、二十一 力国から構成される世界遺産会議によって運営されるが、自然遺産については王UCN︵国際自然保護連合︶が、文 化遺産についてはICOMOS︵国際記念物遺跡会議︶が、技術顧問の役割を担っている。IUCNが一九八○年に 発表した﹁世界自然保全戦略﹂によると、二〇〇〇年迄に、五十万から六十万種の野生生物が熱帯雨林の破壊等で絶 滅することになる。種の絶滅は、人類が将来、食糧や薬品等に利用可能な遺伝子資源を失うことになると共に、生態 系全体の崩壊にも繋がる重大事である。そこで、IUCNの国立公園・保護地域に関する委員会は、一九九二年にブ ラジルで開かれる﹁国際環境開発会議﹂を目標に、生物遺伝子資源、生物種、生態系を包括した﹁生物学的多様性﹂ を保護するための、国際的な保護区のネットワーク作成に取組んでいる。世界遺産条約は、その保護区のネットワー     東 洋 法 学       五一

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    地球環境保全と企業の環境責任      五ニ クの中で、要の役割を果している。例えば、世界遺産に登録されている七十五の自然遺産の内、十一カ所は熱帯雨林 とそこに棲む生物種の保護を目的にし、中南米・西アフリカ・南アジアの代表的な熱帯雨林をカバーしている。わが 国でも、リゾ⋮ト開発で失われていく貴重な自然を守るには、国際的な監視下で保護対策を進めるしかない、と世界 遺産条約の批准促進を訴えてきた団体もある。林野庁が森林生態系保護地域に指定した秋田・青森県に跨る白神山地 のブナ原生林や、沖縄本島北部のヤンバルの森林、石垣島のサンゴ礁、イリオモテヤマネコ等が棲む西表島の森林を 含む南西諸島の自然等は、是非とも国際的な保護区のネットワークに加える必要があり、そのためには、まず世界遺 産条約の批准を急がなければならない。 九 ヨーロッパ諸国における環境法の動向  ドイツの環境法は、一九九一年一月以降、環境法で民事上の責任原理として厳格責任を採用しているのが特徴であ る。環境問題に関しては連邦と州が権限を分担しており、大気、廃棄物は連邦法が主体、反面、水については連邦法 は枠組みを決めるのみである。一九九〇年連邦排出物規制法は、全ての作業場︵き一お霧︶に適用され、一定の作 業場の操業には州の免許が必要となる。そして、民事上の賠償責任には厳格責任が負わされる。大気浄化のための技 術指導要綱規則︵一九八六年改訂︶は、大気汚染物質の排出限度を定め、免許を必要とする新規の施設には特別要件 も定めている。一九八六年水質管理法は、地上・地下の水、三マイル以内の海水に適用され、全ての水利用者は当局

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の許可または同意が必要であり、水の利用に関する民事上の賠償責任は、厳格責任を負う。一九八六年廃棄物処理法 は、廃棄物の削減、再利用、廃棄に関して規定し、廃棄物処理施設は許可が必要であり、また回収・輸送業者も許可        ヘヱレ が必要であって、民事上の賠償責任については厳格責任が問われる。一九九一年五月八日、ドイツ政府は、定例閣議 で年々増大する包装ゴミを製造者と販売業者の責任で回収・再生させる、世界でも初めての包装ゴミ回収政令を決定 した。ドイツ環境省によると、完全実施されれば年問三〇〇〇万トンに達するドイツのゴミの内、少なくとも一二〇 〇万トンが減ることになるとされる。減量計画は三段階から成り、まず一九九一年十二月一日から製造者と販売業者 は輸送用の包装ゴミ回収と再生を義務付けられる。一九九二年四月からは、消費者が包装材の一部を商店等、販売者 に引取らせることができ、素材も再生可能なものに限られる。一九九三年一月には、販売用の包装の引取りが業者に 義務付けられ、包装素材は再利用または資源として再生しなければならない。同時に、飲料水容器も五〇ペニヒから 一マルクの返金付きで回収を義務付けられる。  英国では、一九九〇年十一月、環境保護法が成立した。同法は、各種環境関連法の統合を行なうほか、ω総合的汚 染規制制度の導入と、特定の製造工程についての許可制の導入、働廃棄物に関する法的注意義務の創設、⑥行政当局       パヱ 及び当局以外の者が提訴することを認めた不法妨害規定の新設、@汚染土壌の登録制度等の導入がなされた。環境保 護法は、統一された汚染監督制度︵汚染者支払義務︶の原則、生産者の廃棄物処理注意義務、公衆の環境情報への容 易なアクセス及び廃棄物処理機関の立法機能と執行機能の分離等を含んでいる。環境汚染を制限するための予防的活 動は、統一された汚染監督の中心的な課題である。統一された汚染監督システムの下において正当に企業活動を行な

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    地球環境保全と企業の環境責任      五四 うための権限を取得し、それを推持するために、経営者は汚染を防止しまたはこれを最小限に食止めるために ︵﹁じ O餌9①①。/過度の経費支出のない利用可能な最善の方法﹂︶を用いることを要請されることになろう。統一汚染監督 システムの下において正当に企業活動を行なうために、じ ご象器8及びその他の条件を遵守するということは、企業が 製造工程に使用する技術を検討し、また定期的に再検討し新しくしていく責任を有するということを意味する。企業 は、また国内及び国際レベルにおいて技術の改良と環境基準及び監督の発展に努めなければならなくなるであろうと される。﹁汚染者責任﹂の原則は、環境破壊の原因を発生させる者にその監督コストの全額を負担させることにょり、 責任ある行動に対する明確なインセンティブを与えようとすることにある。統一汚染監督システムの運営コストの全 額は、許認可業務により賄われることが意図されている。  汚染反則に対する罰金は、大幅に増額された。↓箒ζお蜂糞窃、○・ξ砕において課せられる罰金の最大限は、二千 ポンドから二万ポンドに増額された。清浄化についての制定法上の権限は広範囲に与えられており、反則が結果的に 環境に危害を加えた場合、執行機関は被害を治癒するための正当な手続きをとる権限を与えられているだけでなく、 反則者からそのような手続きをとったことによるコストを回収する権限を与えられている。  環境保護法は、初めて廃棄物処理が安全に行なわれることを確保するために、廃棄物処理の循環に関係する廃棄物 の生成者及びその他に対し、注意義務を課している。注意義務違反は刑事責任を伴うことになる。  廃棄物の生成者や処理者は、それらの者の施設において廃棄物を如何に処理したかを検討しなければならないだけ でなく、廃棄物の処理契約の条項を検討した上で、契約者により廃棄物が如何に処理されたかを検討しなければなら

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ない。廃棄物の処理管理は、環境問題中の最も重要な課題の一つであるので、 きであるかを指導するために一定のガイドラインを提案している。 企業がどのようにこの問題を処理すべ ︵王︶零昏・Φ嘗2N震幻①。募§げま弩αQαξ。げ¢欝毒諄9器﹂8・一〇9ぎ馨璽9鴎①馨蔚算。匿く8d簿語姦・舅鋒・還鐸   お09類﹂、ω3目坤貫ごo暮ω畠Φω¢鋸類巴簿8簿○の零欝Φ﹂8一. ︵2︶山口光恒・多賀谷晴敏﹁米・英・独の環境法の動向﹂、金融法務事情、2ρ蕊o 。だ十六頁以下。ω。炉o欝き辞簡奪ぎ爵鋸霧−   鑓一℃δ80鋤○質︾9’一ΦΦOひ ︵3︶カ○げ貯○籔簿ダ中田浩一郎警英国の環境保護法とビジネスの動向ー⋮一九九〇年十一月一日施行の新法を追ってー﹂、   国際商事法務、く○一﹂節20﹂︵む鍛︶、九頁以下。    十 εC環境法制と問題点  ECレベルの環境保全法としては、一九八九年にEC委員会によって提案された﹁有害廃棄物にょる賠償責任に関 する指令案﹂がある。  ECの環境行政も、現在の環境規制は、国によって異なっており、後手に回っている。規制の統一基準は早くて一 九九三年以降になるとされる。EC域内で有毒廃棄物に関する規制を統一することが望まれているが、加盟十ニカ国 は、どの物質を規制対象とするかということも合意されていない。早晩必要なことは、EC委員会が域内の大手企業     東 洋 法 学      五五

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    地球環境保全と企業の環境責任      五六 を説得することである。多国籍企業は、汎欧州的な環境規制等必要ないという立場である。既に、有毒廃棄物の投棄 については安全な方法を採っているから問題はないとしている。また、﹁環境監査﹂︵企業活動による環境への影響の 詳細な調査︶を毎年実施するよう求めるEC委員会の最近の提案も、経費が掛かり過ぎるとして財界首脳の激しい反 発にあっている。例えば、スイスの化学・薬品会社チバガイギ!は、同社の除草剤の使用を禁止しようというドイツ の動きがEC全域に広がるのを阻止するためロビ⋮活動を展開している。産業界がEC委員会の﹁過剰介入﹂を非難 すれば、環境保護派はECの対応の甘さを批判している。環境保護派は、特に域外への有害物質搬出規制を強化すべ きことを訴えている。過去五年間に域外へ搬出された有害廃棄物の総量は一千万トンにも及んでいる。ベルギーのワ ロン地方では、約三百町村が、ドイッやフランス、オランダの﹁ゴミ捨て場﹂と化し、住民は環境汚染により健康被 害が出現しているとされる。  何十年も公害が垂れ流しにされてきた旧東欧圏の一部は、世界で最も汚染された、最も危険な地域に数えられてい る。チェコスロバキアは、製鉄所の近代化や、西欧並みの環境規制の導入を検討中であり、ポーランド環境当局は、 住宅暖房を石炭からガスに転換する作業に取組んでいる。これらの国は、技術の近代化には膨大なコストが必要とな る。旧体制が残した環境破壊が子供達の健康を侵し、犠牲と脅威を与えている。  ヨーロッパでは、大気汚染が原因で酸性雨が降り、森林に重大な被害が生じているが、環境問題は各国レベルで論 じても不十分であり、ECの一九九二年統合に向け、環境保護法は各国とも内容は一段と厳しいものになりつつある。 ドイツにおいても、一九九〇年二月に、EC環境影響調査指令が国内法化され、一九九二年十二月迄に、ECの知る

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権利指令を国内法化する義務を負っている。廃棄物の発生者は厳格責任を負うというECの指令案があるが、廃棄物 をEC域内に輸入した者、あるいは事故が発生した時点で、廃棄物を管理していた者もこれに含まれる。これらの者 は、廃棄物が完全に無害になるまでの間、継続して責任を負わなくてはならない。EC環境保全法制は、従来環境基 準の策定を中心に従ってきたが、損害賠償制度まで含めてこれを行なうよう指令が進展してきたことは大いに意義の         よレ あるところである。 ︵1﹀ピ&註αq図幾欝ρ国獅O炉①象望餌&国嚢ぎμ暴Φ簿軍○欝o甑○鐸一89ご、く雲αQごP国毫ぎp欝①鴛き儀艶鋤き一瀬ぴ箋汐9Φ  ωρるΦゴU。男8Φω8φρ国旨く嘗○口き①導巴憶390鼠8嘗膨賃○℃Φき︵⇔○簿轟離巳蔓ピ鋤望鐙Φ一, 十一 米国の環境保全法ー﹁スーパーファンド法﹂ー  米国の環境法の中でも、進出企業が最も注意をしなければならないのがスーパ⋮ファンド法と通称される法律であ る。これは、一九八○年に制定された包括的環境対応保障責任法︵○○簿嘆①訂霧才Φ国薯ぎ⇒奪窪巨菊霧唇器ρ○○箏 需霧幾8器傷口昏ま受︾9︶が正式名で、スーパ⋮ファンドは公式別称で、巨額基金あるいは巨額資金という意味 である。     東 洋 法 学       五七

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    地球環境保全と企業の環境責任       五八  環境上の責任、保証及び義務に関する総括的法律といわれるス⋮パーファンド法は、企業にとって、ビジネス活動 に多大な影響を与えるところから最も恐れられている。  同法は、まず環境保護庁︵EPA︶に、危険・有害な物質が放出されたり、その虞れが存する場合に適切な措置を とる権限を与えている。それと共に、危険物質責任対処信託基金を設け、EPAによる措置に資金を供与することに した。前述したように、この基金をス⋮パーファンドと呼んでいる。  ス⋮パーファンド法成立の背景は、石油化学企業に特別税を課してファンドを作り、その資金を有害廃棄物埋立て 跡地のクリ⋮ンアップに当るという立法目的の契機となったのが﹁ラブ・カナル事件﹂である。ニューヨーク州のラ ブ・カナル運河地域に、化学会社等が一九四二年から約十年間に亘って、ダイオキシンやベンゼン等、八十二種類の 化学物質二万一八○○トンを埋立てた後、一九五三年にその跡地を地元の教育委員会に売却した。その後、廃棄した 有毒物質が豪雨等で流出し、周辺地域の住民の撤退が一九八○年に命じられた。汚染物質の除去作業は現在も行なわ れており、投棄した当の化学会社に対する訴訟は継続中とされる。全米では、このような汚染指定地域が約二万カ所 あり、年間で約三千カ所も増加していると云われている。ス⋮パーファンド法は、処置すべき有害廃棄物埋立て跡地 をリストアップし、そのクリーンアップを進めていくものである。その費用の支出は、ファンドからのみでなく、当 該地に責任を負う企業にも求められる。その責任は、当該企業に資金を提供した銀行にまで幅広く及び、しかも、関 係した各企業の費用負担能力に応じて、責任の程度に関係なく処理に必要なだけの費用の支出が求められる。スー パーファンド法の予算は、五年間で十六億ドルで、同法に基づいて処置しなければならない汚染箇所の費用の一〇%

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を各州が支払うことを同意すれば、残り九〇%はこれより支払われる。財源は主として、汚染源の七〇%強の主役と 看徹された化学関連会社からの特別税で賄なわれる。  スーパ⋮ファンド法によって企業に課せられたのは、過失の有無に関係なく責任を負う厳格責任であり、例え当時 の法律には合致した投棄方法であったとしても、現在の基準から責任が追及される。このように厳しい環境法規が成 立したこと等を契機として、米国の企業では、環境監査というものも行なわれるようになった。新しく買収を行なう 際には、スーパ⋮ファンド法に触れないか否か監査が行なわれる。  ス⋮パ⋮ファンド法の適用対象になるか否かの判定には、環境保護庁は次のような段階を踏む。  ω 市民からの提供情報、企業や州政府の申告による汚染地区の摘出、スーパーファンド法リストシステム基準へ   の登録  働 応急処置適用の可否の判定作業  ⑥ その周辺地域の環境汚染の可能性と度合の評価  ㈲ 危険度評価法HRSによる採点評価  ⑥ 米全国最悪箇所序列表に提案するか特別な追加処置をしないかを決定する  この初期調査は、技術的に二段階に分かれる。初期評価PAと現場調査SIである。初期評価は、提供情報や摘出 箇所のスクリーングの役割を果たす。そこにどのような工場があって、何が製造されていたか、製造や廃棄について の許可の有無、飲料用井戸等との位置関係、表面水と定義される湖・沼・池・湿地や河川との位置関係、損害を受け     東 洋 法 学      五九

参照

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 一六 三四〇 一九三 七五一九八一六九 六三

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