Title
酸触媒作用における選択性に関する研究( 内容の要旨
(Summary) )
Author(s)
中村, 亮
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(工学) 甲第325号
Issue Date
2007-06-13
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/23510
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位授与番号 学位授与 日付 専 攻 学位論文題目 学位論文審査委員 中 村 亮(愛知県) 博 士(工学) 甲第 325 号 平成19 年 6 月13 日 物質工学専攻 酸触媒作用における選択性に関する研究 (StudiesontheSelectivityinAcidCatalysis) (主査)教 授 杉 義 弘 (副査)教 授 松 居 正 樹J教 授 三 輪 貴
論文内容の要旨
20世紀は化石資源を大量に消費しながら快適な生活を追求してきた時代であったが,21 世紀はその結果引き起こされた環境問題と向き合いながら,その化石資源の枯渇に伴うエ ネルギー問題にも直面する.触媒化学はこれらの問題を抜本的に解決できる可能性を秘め ている.しかしその発展の方向性は従来とは異なったものになると考えられる.同じ反応 を行うにしても,より高活性・高選択性の触媒を開発し,エネルギー消費量をより小さく して,環境負荷や悪影響を低減させることが最優先事項となる.このグリーン・サステイ ナブル・ケミストリ(greensustainablechemistry)の考え方は,触媒分野のみならず化学全般 の分野で重要な指針となりつつある.その中で触媒化学の果たす役割は限りなく大きく, 課題に答えて高機能な触媒を開発するためには,触媒作用を原子・分子レベルで解明し,理解していくことがますます重要である.そのような背景を踏まえ,本研究でiま酸触媒作
用における活性および選択性の発現機構の解明を目指して種々の検討を行った.各章の要 旨を以下の通りである。 第1章 メソポーラスシリカを触媒に用いたDiels-Alder反応 アモルファスシリカでははとんど加速効果がなかったのに対し,メソポーラスシリカで あるMCM-41やFSM-16は高い反応加速効果を示すとともに,高いendo選択性を示した. 種々の検討の結果,シリカ表面のシラノール基,とくに孤立シラノール基がDiels-Alder反 応の促進と関連があることが示唆された. 第2章 多価金属塩を触媒に用いた高級脂肪酸と高級アルコールのエステル化 各種の多価金属塩が高級脂肪酸と高級アルコールのエステル化に対する活性を有する ことが確認した。これらの金属塩のうち,特に塩化物が高い活性を与えた。金属塩を規則 的構造を持つメソポーラスシリカに担持することにより、活性が大幅に向上した。また、 金属塩をメソポーラスシリカに担持することにより活性の大幅な改善と再使用が可能と-1-なった。 第3章・多価金属塩を触媒に用いたラウリン酸とグリセリンのエステル化 鉄、アルミニウム、ジルコニウムの金属塩、特に、塩化物及び硫酸塩がグリセリンの高 級脂肪酸エステルの合成に高い活性を示した。この際、鉄、アルミニウム、ジルコニウム 等の塩化物を用いた場合は、高い収率で、モノグリセリドが優先的に生成した。一方、硫 酸塩では、グリセリンが過剰に存在する条件下でも,ジグリセリドが選択的に生成するこ とを見出した。 第4章
DTOプロセスに串けるCa-ZSM-5に対する希土類金属修飾効果
ジメチルエーテル申、らの手級オレフィン合成に有効なCa-ZSM-5の長寿命化を目的とし
て、Ca_ZSM-5に対して希土類金属の担持を試みた。その結果、セリウム及びランタン酸化 物の担持がそれぞれ30%及び35%で寿命が最大になることを見出した。この寿命の改善は Ca-ZSM-5に対して5∼50wt%まで変化させ、▲触媒のジメチルエーテル処理量および転化率、 生成物選択性を調べたところ、セリウム及びランタン酸化物いずれの場合も、希土類酸化 物で外表面酸点を被覆することにより触媒の酸性度が緩和され、コーク生成が抑制された ものと推測さ\れた。論文審査結果の要旨
20世紀は化石資源を大量に消費しながら快適な生活を追求してきた時代であったが、21 世紀はその結果引き起こされた環境問題と向き合いながら、その化石資源の枯渇に伴うエ ネルギー問題にも直面する。触媒化学はこれらの問題を抜本的に解決できる可能性を秘め ている。しかしその発展の方向性は従来とは異なったものになると考えられる。同じ反応 を行うにしても、より高活性・高選択性の触媒を開発し、エネルギー消費量をより小さく して、環境負荷や悪影響を低減させることが最優先事項となる。このグリーン・サステイ ナブル・ケミストリ(greensustainablechemistry)の考え方は、触媒分野のみならず化学全般の分野で重要な指針となりつつある。その中で触媒化学の果たす役印ま限りなく大きく、
課題に答えて高機能な触媒を開発するためには、触媒作用を原子・分子レベルで解明し、
理解していくことがますます重要である。そのような背景を踏まえ、本研究では酸触媒作 用における活性および選択性の発現機構の解明を目指して種々の検討を行った。各章の要 旨を以下の通りである。 第1章 メソポーラスシリカを触媒に用いたDiels_Alder反応 アモルファスシリカでははとんど加速効果がなかったのに対し、メソポーラスシリカで あるMCM-41やFSM-16は高い反応加速効果を示すとともに、高いendb選択性を示した。 種々の検討の結果、シリカ表面のシラノール基、とくに孤立シラノール基がDiels_Alde,反 応の促進と関連があることが示唆された。 第2章 多価金属塩を触媒に用いた高級脂肪酸と高級アルコールのエステル化 各種の多価金属塩が高級脂肪酸と高級アルコールのエステル化に対する活性を有する ことが確認した。これらの金属塩のうち、特に塩化物が高い活性を与えた。金属塩を規則-2-的構造を持つメソポーラスシリカに担持することにより、活性が大幅に向上した。また、 金属塩をメソポーラスシリカに担持することにより活性の大幅な改善と再使用が可能と なった。