Title
三次元有限要素法を用いた連成問題の数値解析に関する研
究( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
山口, 忠
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(工学) 甲第053号
Issue Date
1996-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/1774
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏 名(本 籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月日 専 攻 学位論文題 目 山 口 忠(岐阜県) 博 士(工学) 甲第 53 号 平成 8 年 3 月 25 日 電子情報システム工学専攻 三次元有限要素法を用いた達成問題の数値解析に関する研究
(NumericalAnalysis of Coupled Problems tJsing 3-D Finite Element 則ktbod) 学位論文審査委員 (主査)教 授 小 鹿 丈 夫 (副査)教 授 田 中 嘉津夫 教 授 藤 田 廣 志 助教授 河 瀬 順 洋 論文内容の要旨 本論文は,代表的な数値解析手法のひとつである有限要素法を用いた磁界解析に おいて,運動方程式をはじめ,各種方程式の達成による形状変化,動作解析手法の 確立を目的としており,7章からなっている。 第1章の緒論では,有限要素法を用いた各種方程式の達成問題についての研究動 向と問題点を梗概し,本研究の目的と意義について述べている。 第2章では,マクスウェルの電磁方程式より導出される三次元場の磁界の基礎方 程式を,ガラーキン法を用いた三次元有限要素法によって定式化する方法及び四面 体辺要素を用いた離散化について述べている。次に,有限要素法における鉄心材料 などの磁界に対する非線形特性の有限要素解析手法,磁束の時間的変化に伴って導 体内に生じる渦電流を考慮するための時間依存項の取り扱い,電圧の方程式と達成 させた場合の有限要素解析手法について述べている。 第3章では,高周波磁界内に導体が存在するモデルに対して,磁束密度分布及び 導体内に生じる渦電流揖を有限要素法を用いて高精度な解を得るための条件を,解 析領域の分割要素数及びコイル領域内の電流密度の分布という視点から明らかにし ている。実際の解析対象として,浴場金属を含むコールド・クルーシブル装置の解 析を行い,磁束密度分布及びクルーシブルと溶湯金属内に生じる渦電流損を求め, 実測値と比較,検討している。
-65-第4章では,渦電流及び磁束密度から生じる電磁力及び表面張力と溶湯金属の静 圧の平衡を基本方程式とした,有限要素法による溶湯形状解析手法について述べて いる。表面張力による形状変化は,水銀の盛り上がり形状を解析し,その妥当性を 確認している。本手法の妥当性は,角型高周波誘導炉内の溶湯金属の形状解析を行 い,実測値と比較,検討することにより,明らかにしており,更に,溶湯金属に村 するコイル位置が溶湯形状に与える影響を定量的に明らかしている。また,本手法 をコールド・クルーシブル装置内の溶湯金属の形状解析に応用し,磁束密度分布, 渦電流分布及びクルーシブルや潜湯金属に働く電磁力についての知見を求めている。 第5章では,電磁石の可動鉄心の移動に伴い,汎用性が高く,簡便な要素分割デ ータを修正する手法を開発し,有限要素法を用いた磁界解析と可動鉄心の連動方程 式及び電圧の方程式を達成させることにより,電圧を入力源とする電磁石の動作特 性の解析手法を開発している。また,本手法を用いてフラット型直流電磁石の動作 特性を解析し,実測値と比較することによって本手法の安当性を明らかにしている。 第6章では,電磁力を求めるマクスウェルの応力法の有限要素解析への応用に対 し,マクスウェルの応力テンソルを構成する積分面上の磁束密度の平均方法につい て述べ,電動機の応答性解析のために,三次元有限要素法を用いた磁界解析と運動 方程式を達成させた解析手法を示している。本手法の妥当性は,二次元解析結果及 び実測値と比較,検討することにより明らかにしている。 第7章では,第2尊から第6章で得られた成果について要約している。 論文審査の結果の要旨 本論文は,代表的な数値解析手法のひとつである有限要素法を用いた磁界解析に おいて,運動方程式をはじめ,各種方程式の達成による形状変化,動作解析手法の 確立を目的としており,得られた結果は次のとおりである。 (1)マクスウェルの電磁方程式より導出される三次元場の磁界の基礎方程式を, ガラーキン法を用いた三次元有限要素法によって定式化する方法及び四面体辺要素 を用いた柾散化について明らかにしている。さらに,有限要素法における鉄心材料 などの磁界に対する非線形特性の有限要素解析手法,磁束の時間的変化に伴って導 体内に生じる渦電流を考慮するための時間依存項の取り扱い,電圧の方程式と達成
-66-させた場合の有限要素解析手法についても明らかにしている。 (2)溶湯金属を含むコールド・クルーシブル装置の解析を行い,磁束密度分布 及びクルーシブルと溶湯金属内に生じる渦電流損を求め,実測値と比較,検討する ことにより,高周波磁界内に導体が存在するモデルに対して,磁束密度分布及び導 体内に生じる渦電流揖を有限要素法を用いて高精度な解を得るための条件を,解析 領域の分割要素数及びコイル領域内の電流密度の分布という視点から明らかにして いる。 (3)渦電流及び磁束密度から生じる電磁力及び表面張力と溶湯金属の静庄の平 衡を基本方程式とした,有限要素法による溶湯形状解析手法について明らかにして いる。本手法の妥当性は,角型高周波誘導炉内の溶湯金属の形状解析を行い,実測 値と比較,検討することにより,明らかにしており,更に,溶湯金属に対するコイ ル位置が溶湯形状に与える影響を定量的に明らかしている。また,本手法をコール ド・クルーシブル装置内の溶湯金属の形状解析に応用し,磁束密度分布,渦電流分 布及びクルーシブルや溶湯金属に働く電磁力について明らかにしている。 (4)電磁石の可動鉄心の移動に伴い,汎用性が高く,簡便な要素分割データを 修正する手法を開発し,有限要素法を用いた磁界解析と可動鉄心の運動方程式及び 電圧の方程式を達成させることにより,電圧を入力源とする電磁石の動作特性の解 析手法を開発しており,フラット型直流電磁石の動作特性を解析し,実測値と比較 することによって本手法の妥当性を明らかにしている。 (5)電磁力を求めるマクスウェルの応力法の有限要素解析への応用に村し,マ クスウェルの応力テンソルを構成する積分面上の磁束密度の平均方法について述べ, 電動機の応答性解析のために,三次元有限要素法を用いた磁界解析と運動方程式を 達成させた解析手法を提案し,二次元解析結果及び実測値と比較,検討することに より本手法の妥当性を明らかにしている。 以上要するに,本論文は,有限要素法を用いた磁界解析と各種方程式を達成する ことにより,磁界の変化を伴う各種の現象における有限要素法を用いた磁界解析の 有用性について,多くの知見を得たものであり,学術上,実際上寄与することが少 なくない。よって,本論文は博士(工学)の学術論文として価値あるものと認める。