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油圧制動付短下肢装具を用いた歩行練習を継続し歩容の異常と歩行速度の改善に至った重度の運動失調を呈した頭部外傷後遺症例

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 400 45 巻第 6 号 400 ∼ 409 頁(2018 年) 理学療法学 第 45 巻第 6 号. 症例報告. 油圧制動付短下肢装具を用いた歩行練習を継続し歩容の異常と 歩行速度の改善に至った重度の運動失調を呈した 頭部外傷後遺症例* 関   崇 志 1) 阿 部 浩 明 1)# 大鹿糠 徹 1) 長 嶺 義 秀 2). 要旨 【目的】運動失調に起因する歩容異常がみられ歩行能力が低下した頭部外傷例に対し,油圧制動付短下肢装 具(以下,GSD)を継続的に使用した歩行練習を行い,歩行能力が改善したため報告する。 【対象】受傷後 15 ヵ月が経過し右上下肢優位の運動失調を呈した 10 歳代の女性である。歩行時,右立脚期で膝関節を完全 伸展位で保持する異常歩容を呈し歩行速度は 27.04 m/min であった。異常歩容を改善し歩行速度の向上を図 る目的で GSD 装着下での歩行(以下,GSD 歩行)練習を開始した。 【結果】GSD 歩行練習開始時,4 ヵ月後, 15 ヵ月後の膝関節屈曲角は順に,約 30° ,約 20° ,15 ∼ 5°で,歩行速度は順に,25.42 m/min,25.94 m/ min,37.98 m/min へ向上した。 【結論】GSD により足部 rocker 機構を補助し,膝関節制御における課題難 易度を調整したうえで歩行練習を継続したことが,歩行能力向上に至った要因であると思われた。 キーワード 運動失調,歩行,頭部外傷,GaitSolution-Design,三次元動作解析. される装具としては,重りにより靴の重量を調整する靴. はじめに. 型装具. 8). や,弾性線維からなる股関節装具 9),伸縮線.  運動失調とは,筋力低下がないにもかかわらず筋が協. 維 で あ る Lycra フ ァ イ バ ー を 素 材 と し た 全 身 ス ー ツ. 調的に働かず,随意運動における空間的,時間的な秩序. Lycra orthosis(DM Orthotics 社製). が失われ,姿勢保持や円滑な動作が遂行できない状態を. 具がある。いずれも,装着により立位あるいは歩行能力. いう. 1‒4). 。運動失調が下肢や体幹に生じると,leg place-. ment やバランスの障害が生じ歩行能力が低下する. 4)5). 。. 10). といった軟性装. が向上することが報告されており,その効果機序は弾性 緊縛帯に類似したものと考えられている. 9)10). 。短下肢.  運動失調患者の歩行練習においては,下肢遠位部への. 装具(ankle foot orthosis:以下,AFO)を用いた治療. 重錘負荷や下肢近位部への弾性緊縛帯の装着により失調. としては,プラスチック AFO の装着により,足関節を. 症状が抑制され,より効果的な練習が可能になることが. 固定し制御すべき関節数を減少させたうえでトレーニン. 広く知られている. 4)6). グを実施し,立位バランスや歩行能力が向上した症例報. 理的な運動の抑制. 4). 告. 。これらの効果機序としては,物. ,筋紡錘からの Ia 線維活動の増大. による小脳を含む中枢の運動プログラミングへの影 響. 4)7). が考えられている。運動失調の運動療法に併用. 11)12). があるが,我々が渉猟した限り,足関節運動の. 制限ではなく,制動するタイプの AFO を用いた運動失 調患者に対する歩行トレーニングの有効性を示した報告 はない。. *. Improving Gait Abnormality and Walking Speed Improvement Due to Continuing Walking Exercise using an Ankle-foot-orthosis with an Oil Damper in a Traumatic Brain Injury Patient with Severe Limb Ataxia: A Case Report 1)一般財団法人広南会広南病院リハビリテーション科 (〒 982‒8523 宮城県仙台市太白区長町南 4‒20‒1) Takashi Seki, PT, Hiroaki Abe, PT, PhD, Toru Okanuka, PT: Department of Rehabilitation Medicine, Kohnan Hospital 2)一般財団法人広南会広南病院東北療護センター診療部 Yoshihide Nagamine, MD, PhD: Kohan Hospital, Tohoku Ryogo Center # E-mail: abehi0827@gmail.com (受付日 2018 年 3 月 23 日/受理日 2018 年 8 月 30 日) [J-STAGE での早期公開日 2018 年 11 月 14 日].  今回,頭部外傷後に右上下肢に優位の運動失調を呈 し,異常歩容が観察され歩行速度が低下していた症例に 対し,足関節の底屈を制動し,背屈を妨げない油圧制動 付 AFO で あ る GaitSolution-Design(Pacific Supply 社 製:以下,GSD)を用いた歩行練習を実施したところ歩 容に変化が出現し,長期にわたり継続した結果,歩容の 改善と歩行速度の増大に至った。この経過について三次 元動作解析装置で捉えた経時変化を提示しつつ,考察を.

(2) GSD を用いた歩行練習の継続により歩行が改善した運動失調例. 401. 図 1 受傷 5 ヵ月後の MR 画像 a:T2 強調画像.b:T2 *強調画像.C:脳幹部の Fractional Anisotropy(FA)画像. 図中の↓は各脳画像の異常信号域を示している.. 交えて報告する。 症例紹介. 脳内出血,硬膜外血腫を認め,脳幹部や白質に散在する 点状の病変が認められており,広範なびまん性軸索損傷 と診断された。急性期加療を経て,受傷から 1 ヵ月後に.  交通事故による頭部外傷によって意識障害(Japan. 開眼し,2 ヵ月後に従命可能となった。受傷から 5 ヵ月. coma scale:300)となり,近医へ救急搬送された後,. 後に交通外傷による重症頭部外傷例のみを対象として 3. 保存的加療を受けた 10 歳代の女性である。受傷時の. 年間にわたって入院加療する施設である当院に入院し. MRI では前頭葉から側頭葉の脳挫傷を認め,そのほか. た。当院入院時の本症例の脳画像所見を図 1a および b.

(3) 402. 理学療法学 第 45 巻第 6 号. 表 1 理学療法プログラムの継時的変化 受傷からの月数 5. 7. 8. 9. 11. 12. 13. 14. 15. 18. 22. 30. 椅子座位からの起立 立位バランス 平行棒内歩行 四輪型歩行器歩行 四脚杖歩行(屋内) T 字杖歩行(屋内) 階段昇降(手摺使用) GSD 歩行(屋内) GSD 歩行(屋外) 階段昇降(T 字杖使用) 床からの起立 GSD:GaitSolution-Design.. に示した。T2 強調画像では右前頭葉眼窩前頭野近傍に. scale‒Third edition 17) の全検査 IQ は 53 で明らかな知. 高信号域を認め,左尾状核および被殻に高信号域を認め. 能の低下を示しており,年齢相応の規範意識も保たれて. た。T2*強調画像では脳幹や左右の前頭葉から側頭葉. おらず幼稚で悪ふざけをする言動がみられた。エピソー. の大脳白質に散在する点状の低信号域がみられた。ま. ド記憶の障害があり,特に前向性健忘が重篤であった。. た, 拡 散 テ ン ソ ル画 像 が 撮 像 さ れ, そ れ を 元 にした. この他,注意障害,病識の欠如等の高次脳機能障害を認. 13). では脳幹部. めた。ベッド上の動作はすでに自立しており,手摺など. に左右差を認め,特に橋底部においては明らかな左右差. を把持すれば立位保持も可能で口頭で手順を指示すれば. がみられた(図 1c) 。FA 画像では健常な白質線維束が. 移乗動作は可能であった。手摺を用いない立位保持は動. 存在する領域の FA 値は高値(白に近い色)となり,当. 揺が大きく,歩行も困難であった。. 該領域に損傷を受けた場合に FA 値は低値(黒に近い色).  入院時の目標設定は監視下で転倒せずに安全に歩行可. fractional anisotropy(以下,FA)画像. 13). 。後述するように明らかな分離運動の障害を. 能となることとした。多様な高次脳機能障害を有してお. 認めない本症例において,橋底部における FA 画像所見. り,複雑な課題あるいは注意の持続を必要とする課題へ. の左右差は皮質脊髄路損傷を免れたものの,小脳へ連絡. の取り組みは困難であったが,単純な反復課題であれば. する皮質橋路および橋小脳路の損傷が重度であることを. 練習が可能であることが多く,起立練習,平行棒や四輪. 示唆する所見であると思われた。. 型歩行器を利用した歩行練習は可能であった。理学療法. となる. の施行頻度は週 5 日で,1 日あたり 40 分実施した。練. 入院時理学療法評価. 習内容は起立練習や立位バランス練習を 10 分,歩行練習.  当院入院時には本症例の意識障害は改善していた。重. を 30 分,それぞれ休息を含め施行した。本症例に対し実. 度の四肢の運動失調を認め,Scale for the assessment. 施した理学療法プログラムの継時的変化を表 1 に示す。. 14). and rating of ataxia( 以 下,SARA). の total score.  受傷から 15 ヵ月後の SARA は total score が 13.5,下. は 19.5,下位項目の下肢 score は左右ともに 3 であった。. 肢 score の右が 3,左が 2 であり,右下肢の運動失調の. 四肢の分離運動はすべて可能で,明らかな運動麻痺を認. 改善はみられなかった。左下肢の MMT はすべて 5,右. めず,下肢の徒手筋力検査(Manual muscle test:以下,. 下肢の MMT は,股関節内転および足関節底屈が 4,そ. MMT)は左が 4 ∼ 5,右の股関節の内外転および内外. の他は 5 となり顕著な左右差や筋力低下は認めなかっ. 旋が 3,その他は 4 であった(足関節底屈の測定は立位. た。歩行は T 字杖を使用し装具を使用せずに監視にて. 姿勢での激しい動揺のため測定不能であった)。関節可. 可能となった。左下肢には歩行中の顕著な異常所見は観. 動 域 制 限 は 認 め な か っ た。Mini mental state exami-. 察されなかったが,右立脚期では Initial contact(以下,. nation. 15)16). は 17 点で認知機能が低下しており,特に. 見当識障害が顕著であった。Wechsler adult intelligence. IC)直後に膝関節が完全伸展位となる extension thrust pattern(以下,ETP)が出現し,右下. が十分に前方.

(4) GSD を用いた歩行練習の継続により歩行が改善した運動失調例. 403. 図 2 矢状面からみた右立脚期の様子 a :GSD 歩行練習開始時の無装具歩行. b :GSD 歩行練習開始時の GSD 歩行. c :GSD 歩行練習開始から 4 ヵ月時の GSD 歩行. d :GSD 歩行練習開始から 15 ヵ月時の GSD 歩行. GSD:GaitSolution-Design.. へ推進せず,体幹および骨盤の前方移動は不十分で(図. ね備えた歩行の獲得を新規目標として設定した。歩行速. 2a),快適歩行速度は 27.04 m/min であった。高次脳機. 度をさらに上昇させるためには,体幹および骨盤をより. 能障害が残存していたため歩行中の監視は必須である. 効率的に前方へ推進させることが必要であり,そのため. が,転倒せずに安全に歩行可能とするという当初の目標. には,右 IC 以降に下. は概ね達成された。そのため,実用的な速度. 18)19). を兼. が前方へ推進していき,膝関節. はわずかに屈曲位を保持しながら大. および骨盤がそれ.

(5) 404. 理学療法学 第 45 巻第 6 号. に追従していく歩容を再獲得する必要があると考えた。. ンパー上部の調整軸を回転させ目盛 1(2Nm)から 4. 本症例に右膝関節を軽度屈曲位で支持するように口頭指. (20Nm) ま で 調 整 す る こ と が 可 能 で あ る。 本 症 例 の. 示すると,右膝関節が大きく動揺しバランス不良となる. GSD を右下肢に装着した歩行(以下,GSD 歩行)にお. ため介助を要し,すぐに ETP へ戻る状態であった。こ. いては,LR 時の歩容を観察し油圧を目盛 1.5 ∼ 2 で調整. の動揺は運動失調に起因するものと考えられた。受傷後. し,セラピストは右立脚期の膝関節を観察しながら,そ. 13 ∼ 15 ヵ月の約 2 ヵ月間,平行棒や T 字杖を使用し無. の角度が適切であるかを症例に適宜口頭にて教示した。. 装具にて歩行練習を実施し,失調症状の抑制手段として. 理学療法施行時間は 1 日あたり 40 分で,歩行練習を 30. 知られている下肢遠位部への重錘負荷や下肢近位部への. 分,手摺を使用した階段昇降練習を 10 分施行した。. 弾性緊縛帯の装着. 4)6). を併用した歩行練習も試み,練. 習の継続による改善を期待したが,右立脚期にみられる. 2.三次元動作解析装置を用いた評価. 問題は改善しなかった。また,平行棒内で行う膝関節を.  GSD 歩行練習の効果判定を目的に,三次元動作解析. 屈曲位に保持した monkey walk の歩行練習は練習に対. 装置(アニマ社製,ローカス 3D MA-3000)を使用して. する集中力や注意力が持続せず,実施が困難であった。. 快適歩行時の右立脚期の膝関節および足関節の角度変 化,歩行速度,歩行率を測定した。測定は GSD 歩行練. 1.治療方針の再検討. 習開始時(以下,GSD 歩行開始時) ,GSD 歩行練習開始.  本症例にみられた右膝関節の歩容異常は IC 後の衝撃. から 4 ヵ月時(以下,GSD 歩行 4 ヵ月時) ,GSD 歩行練. を緩衝するシステム(衝撃緩衝システム)の異常として. 習開始から 15 ヵ月時(以下,GSD 歩行 15 ヵ月時)に. 考えた。正常歩行の loading response(以下,LR)では,. 実施した。身体標点は,左右の大転子,膝関節裂隙外側,. 足関節では heel rocker を形成することで下. 外果,第 5 中足骨頭とし計 8 個のマーカーを貼付した。. が前方推. 進し,これと連動して,膝関節を軽度屈曲位に保持して 20). GSD 装着時の外果マーカーは,GSD の関節軸が身体標. 。この. 点である外果と重なっていることを確認し,GSD の関. ように,下肢の各関節が連動的に働きシステムとして機. 節 軸 上 に 貼 付 し た。 計 測 用 カ メ ラ 6 台 を 地 上 か ら 約. 能している。本症例においては,膝関節が激しく動揺す. 2.5 m の高さのレールに設置し,マーカーを追跡できる. ることから膝関節の制御不良が問題の中心となるが,衝. 約 3 m を測定区間として,前後 3 m の助走区間を設け,. 撃緩衝システムの異常として捉えると,足関節の制御不. 計約 9 m の直線歩行路を設けた。サンプリング周波数. 良による heel rocker の機能不全という問題も同時に生. は 100 Hz であった。測定は,事前に同じ環境で複数回. じていると推察した。本症例の歩行能力向上のためには. 歩行練習をした後に 4 回施行した。本症例の歩容が,正. 衝撃緩衝システムの再構築が必要であると考えたが,右. 常歩行に近似したパターンへと変容しているのかを確認. 下肢に重度の運動失調を呈しており,膝関節と足関節を. する目的で,20 歳代前半の健常女性の快適歩行時の膝. 同時に制御することは課題として高難度であると考え,. 関節および足関節角度を同様の条件で計測した。. 課題難易度の調整を目的に AFO の使用を試みることに.  データ解析には,本装置に同期したソフトウェアであ. した。heel rocker の機能不全が生じているとの推察か. る MA-3000 解析ソフト(アニマ社製)を使用した。解. ら,使用する AFO は足関節の底屈運動を制限するので. 析ソフト内で歩行路座標系と体節座標系から身体標点の. はなく制動する機構が備わったものが望ましいと考え. 位置と相対角度を定義した. た。そのようなタイプの装具のひとつに,調整機能付き. みられた立脚初期を評価対象とするため,右の IC から. 衝撃を緩衝しつつ,大. は前方へ推進される. 21)22). 24)25). 。歩容の異常が顕著に. がある. 左の外果マーカーが右の外果マーカーに進行方向と直行. が,底屈制動の調整は 4 種類の剛性の後方平板支柱から. する軸において揃うまでの期間を右立脚期と定め,治療. 後方平板支柱型 AFO(東名ブレース社製) 22). ,より細やかな調整が難しいと. 経過を評価する対象とした。測定範囲内からは 3 歩行周. 思われた。そこで,油圧制動付 AFO である GSD の使. 期の右立脚期のデータが得られ,4 回の測定で計 12 歩. 用を試みることにした。この装具は脳卒中片麻痺患者の. 行周期の右立脚期のデータをサンプリングし,右膝関節. 歩容を改善することを目的に開発されたもので,足継手. および右足関節角度を解析パラメータとして算出した。. に搭載したオイルダンパーによる油圧で無段階に底屈の. 右膝関節角度は屈曲,右足関節角度は背屈をそれぞれ正. 制動を調整することが可能であり,かつ,背屈は遊動と. とした。また,4 回の計測で得られた 8 歩行周期のデー. することで,rocker 機構を補助する機構が備わってい. タから,歩行速度および歩行率を算出した。. 選択するものであり. る. 23). 。GSD の補助により heel rocker がより適切に機. 能することで,膝関節の制御が容易となり歩容の改善が. 経   過. 得られることを期待した。.  右立脚期の矢状面からみた様子と三次元動作解析装置.  GSD の重量は 370 g で,油圧による制動力はオイルダ. で測定した膝関節および足関節角度を図 2,図 3 に示す。.

(6) GSD を用いた歩行練習の継続により歩行が改善した運動失調例. 405. 図 3 12 歩行周期分の右立脚期の膝関節および足関節角度 a :GSD 歩行練習開始時の無装具歩行. b:GSD 歩行練習開始時の GSD 歩行. c :GSD 歩行練習開始から 4 ヵ月時の GSD 歩行. d:GSD 歩行練習開始から 15 ヵ月時の GSD 歩行. e :GSD 歩行練習開始から 15 ヵ月時の無装具歩行. f :健常女性の歩行. GSD:GaitSolution-Design. 膝関節角度は正の値が屈曲を示す.足関節角度は正の値が背屈を示す.右の初期接地後,左外果マーカー が右外果マーカーに進行方向と直行する軸に置いて揃うまでのマーカーの推移を元に角度を算出し, 全 12 試行の平均所要時間で除し,さらに 100 を乗じ [%] にて表記した.0% が右下肢の初期接地を示す.. GSD 歩行開始から数日経過すると,GSD 歩行時には,. は底屈域にある(図 2a,3a) 。GSD 歩行では右膝関節は. 症例に対して口頭指示せずとも,自然と膝関節を軽度屈. 屈曲位で保持しているが約 30 度で過屈曲状態(図 2b,. 曲位で保持する歩行周期が出現するようになった。無装. 3b)であり,右足関節は約 10 度まで底屈した後に背屈. 具歩行では IC 後に右膝関節は伸展位となり,右足関節. していた。快適歩行速度は,無装具歩行で 24.52 ± 3.36.

(7) 406. 理学療法学 第 45 巻第 6 号. 表 2 快適歩行速度および歩行率の経時的変化 GSD 歩行開始時 無装具歩行. GSD 歩行 4 ヵ月時. GSD 歩行. GSD 歩行 15 ヵ月時. GSD 歩行. GSD 歩行. 無装具歩行. 歩行速度(m/min). 24.52 ± 3.36. 25.42 ± 3.40. 25.94 ± 3.00. 37.98 ± 3.20. 33.90 ± 1.52. 歩行率(steps/min). 61.55 ± 4.98. 61.36 ± 4.93. 67.54 ± 5.68. 82.81 ± 2.15. 79.13 ± 3.22. 平均値±標準偏差 GSD 歩行開始時:GSD 歩行練習開始時. GSD 歩行 4 ヵ月時:GSD 歩行練習開始から 4 ヵ月時. GSD 歩行 15 ヵ月時:GSD 歩行練習開始から 15 ヵ月時. GSD:GaitSolution-Design.. (平均値±標準偏差)m/min,GSD 歩行で 25.42 ± 3.40 m/ min であった(表 2) 。GSD の使用により歩容に変化が 現れ始めたため,他の装具の使用については検討せず GSD 歩行練習を継続した。GSD 歩行 4 ヵ月時の右立脚. して自宅付近の病院に転院され,その 2 ヵ月後に自宅退 院された。 考   察. 期の膝関節角度を図 3c に示す。右膝関節角度は約 20°.  本症例は受傷から 15 ヵ月の時点で,屋内での杖歩行. 屈曲位で推移しており,GSD 歩行開始時(図 3b)と比. が監視下で可能となったが,歩容異常を呈し歩行速度は. 較し過屈曲は修正されつつあった。右足関節角度は. 低下していた。田代ら. GSD 歩行開始時(図 3b)と比較し,早いタイミングで. を実用的に歩行するために必要な快適歩行速度は約. 底屈から背屈に切り替わっていた。快適歩行速度は. 36 m/min と報告しており,また,Perry ら. 25.94 ± 3.00 m/min であった(表 2)。GSD 歩行 7 ヵ月. 卒中患者の地域で制約なく活動するために必要な歩行速. 時より 40 分間の理学療法の中で,屋内歩行練習に加え,. 度は 48 m/min であると報告している。本症例の快適歩. 介助下での屋外歩行練習や T 字杖を使用した階段昇降. 行速度は 27.04 m/min であり,先行研究で示されてい. 練習も実施するようになった。GSD 歩行 15 ヵ月時では,. る値よりも大きく低下しており,活動範囲を拡大してい. SARA は total score が 10,下肢 score の右が 3,左が 1. くためには歩行速度を増大させる必要があると考えた。. で,右下肢の運動失調においては変化がなかった。GSD. 観察された主たる歩容異常は右下肢の ETP であった。. 歩行の右立脚期では,膝関節の適度な屈曲と,下. の前. 右立脚期で膝関節を軽度屈曲位で保持するように指示す. 方推進の増大が確認され,体幹および骨盤がより前方へ. ると,運動失調により膝関節が激しく動揺し,この状態. 推進されることが観察された(図 2d) 。三次元動作解析. での歩行の継続は困難であったことから,本症例は,こ. 装置による計測では,右膝関節は IC 後 15°前後まで屈. の膝関節の動揺を抑えるために,床反力ベクトルを膝関. 曲した後,5°前後の屈曲位へと移行しており(図 3d) ,. 節の前面に通し,膝関節を伸展位にすることで骨性の支. これは,健常女性の IC 後の推移(図 3f)と類似していた。. 持を得る ETP での歩行を選択していると考えられた。. 右足関節においても,わずかに底屈した後に,なだらか. この歩容では,膝関節の動揺は抑えられるが,下. に背屈しており(図 3d),健常女性の推移(図 3f)と類. 方へ推進せず股関節は床反力ベクトルよりも後方に留ま. 似していた。快適歩行速度は 37.98 ± 3.20 m/min であ. り,passenger unit. り,歩行率は GSD 歩行開始時よりも高値であった(表. 効率的な前方推進が妨げられると考えられた。また,. 2)。GSD 歩行 15 ヵ月時の無装具歩行の関節角度を図 3e. ETP は歩行速度が低下している者に観察されることが. に示す。GSD 歩行開始時(図 3a,3b)と比較し健常女. 報告されており. 性の関節角度推移に近づいているものの,GSD 歩行. 容からの脱却を目指した介入が必要であると考えた。. 15 ヵ月時の GSD 歩行(図 3d)よりも各歩行周期間の.  健常人の歩行においては,locomotor である下肢が立. ばらつきが大きい傾向にあり,無装具歩行の右足関節角. 脚 期 で 足 部 を 中 心 に 前 方 回 転 し,passenger が loco-. 度は底屈位で IC した後,直線的に背屈域へと移行して. motor に乗るように位置し,前方へ推進される. いた。また,無装具歩行の快適歩行速度および歩行率は. れが倒立振り子モデル(inverted pendulum:以下,IP). GSD 歩行よりも低値であった(表 2) 。高次脳機能障害. を形成した効率のよい歩行である. が残存したため監視を必要としたものの,ご家族ととも. ためには,IC 以降に生じる下肢への衝撃を LR で吸収. に階段昇降や屋外歩行が可能となり,自宅への外泊も可. しつつ前方への推進力を得る必要がある. 能となった。当院入院から 2 年 7 ヵ月後(GSD 歩行開. LR にかけて,床反力ベクトルは足関節の後方を通過し,. 始から 1 年 9 ヵ月後)に在宅生活に向けた調整を目的と. 足関節底屈方向の外的モーメントが発生するが,前脛骨. 18). 20). は邦人脳卒中片麻痺者の屋外 19). は,脳. が前. である骨盤および頭部・体幹の. 26). ,歩行速度の増大のためには異常歩. 20). 。こ. 27)28). 。IP を形成する 27)28). 。IC から.

(8) GSD を用いた歩行練習の継続により歩行が改善した運動失調例. 407. 筋の活動により底屈にブレーキをかけ足底接地の衝撃を. 関節の底背屈が約 0°であり,LR では膝関節は約 15°ま. 緩衝し,同時に,踵と床との接触点を軸にして下. で屈曲した後に 5°屈曲位へと移行し,足関節は約 5°底. 方へ傾斜していく heel rocker を形成する. が前. 20). 。IC 時に. 屈した後に背屈していく. 20). 。我々が計測した健常女性. 膝関節の前方に位置していた床反力ベクトルは,heel. の膝関節および足関節角度(図 3f)は健常人の典型的. rocker による下. な角度変化. の前方推進に伴い膝関節のわずかに. 20). を示していると思われ,本症例の立脚初. 後方を通過し,膝関節屈曲方向の外的モーメントを発生. 期の関節角度はこれに近づいていることが確認された。. させるが,大. 歩行速度においては田代ら. 四頭筋の活動により膝関節屈曲角を約. 18). の報告にある実用的な速. に. 度に近似した値にまで増大し,歩行率においても GSD. 。この. 歩行開始時と比較し高値となっていた。一方,GSD 歩. ように,IP は,下肢の各関節が連動的に働きシステム. 行 15 ヵ月時の無装具歩行(図 3e)の関節角度は,GSD. として機能することで形成される。本症例の歩容異常と. 歩行(図 3d)と比較し正常パターンからの逸脱がやや. しては,右 IC 以降で膝関節を屈曲位で保持しようとす. 大きい。特に,右足関節角度においては IC の約 10 度. ると激しく動揺することから,膝関節の制御不良が問題. 底屈位から直線的に背屈域へと移行しており,このこと. の中心ではあるが,システムの異常として捉えると,足. は,LR での下. 関節の制御不良による heel rocker の機能不全という問. 概ね ankle rocker によってなされていることを示して. 題も同時に生じていると推察した。本症例の歩行能力向. いると考えられた。また,無装具歩行の快適歩行速度お. 上のためには,IC 以降の衝撃を緩衝し前方へ推進する. よび歩行率は GSD 歩行よりも低値であり(表 2) ,足部. システムを再構築する必要があり,下肢の多関節制御が. における衝撃緩衝システムの形成においては,まだ. 要求されることとなる。運動失調は,筋が協調的に働か. GSD による補助が必要な状況であると思われた。本症. ず, 随 意 運 動 に お け る 空 間 的, 時 間 的 な 秩 序 が失わ. 例においては,足部の rocker 機構を補助することで衝. 15°に留め,床からの衝撃を緩衝しつつ,大. を下. 引き寄せることで下肢全体が前方へ推進する. 20). 1‒3). の前方推進は heel rocker を介さず,. ,肢内協調性が障害される病態であり 1)5)29),右. 撃緩衝システムの改善を図るという発想からの AFO の. 下肢に重度の運動失調を呈した本症例において,膝関節. 選択であったため,他の装具を使用することなく最初か. と足関節を同時に制御することは課題として高難度であ. ら GSD を使用するに至った。GSD を装着しても ETP. る と 考 え, 課 題 難 易 度 の 調 整 を 目 的 に, 油 圧 制動付. が改善しない場合や,膝関節の動揺が顕著となり歩行が. AFO である GSD の使用を試みることにした。この装具. 困難となる場合には,GSD よりも足関節の制動力が強. を脳卒中片麻痺患者に用いることで,足部の rocker 機. い装具,あるいは,完全に制限する装具の使用について. 構が改善し,非麻痺側歩幅や歩行速度が増大することが. 再検討する必要があったと考えるが,前述したように,. れ. 報告されている. 23)30‒32). 。本症例の歩行障害は運動失調. 本症例は GSD 使用開始から数日で ETP から脱却し,. に起因するものであるが,GSD の装着により rocker 機. 我々が期待する歩容へと徐々に変化したため,他の装具. 構の補助が得られ,適切な速度での下. の使用を試みることはなかった。本症例における他の装. の前方推進と,. 床反力ベクトルと膝関節との適切な位置関係が構築され. 具の適用について明言することは困難であるが,GSD. れば,膝関節制御という課題が容易になる可能性がある. の適用性は高いと考えている。. と考えた。.  歩容を変化させるということは新たな運動パターンを.  実際に GSD を使用すると,練習開始から数日で歩容. 学習するということであり,運動学習は,対象とする運. に変化が現れ,膝関節は過屈曲ではあるが ETP から脱. 動課題を実行し,その運動結果に基づいて誤差修正がな. 却しはじめた。足関節は IC 後の底屈角度が健常人(5. されることで徐々に最適な運動を獲得する過程であ. 20). 度). よりも大きいものの,その後は背屈域に到達す. る. 33)34). 。本症例の歩容を変化させるためには,立脚期. るようになった。このことは,IC 後の足関節の底屈に. で膝関節を軽度屈曲位で保持するという課題を実行し,. 下. の前方移動が随伴していないことを示していると考. 膝関節の動揺,過伸展あるいは過屈曲といった運動誤差. えられ,heel rocker はまだ十分に機能しておらず,ankle. を基に運動プログラムを修正する過程をより多く経験さ. rocker によって下. の前方推進がなされているものと. せる必要があった。重度の運動失調を呈していた本症例. 思われた。GSD 歩行練習を継続することで膝関節の動. にとって,無装具での歩行では課題難易度が高く練習自. 揺と過屈曲,および IC 後の足関節の過度な底屈は徐々. 体が成立しない状況であったが,GSD の装着により足. に修正され,GSD 歩行 15 ヵ月時の GSD 歩行(図 2d,. 部 rocker 機構を補助することで膝関節制御に対する課. 図 3d)では,膝関節は IC 以降に 15°前後まで屈曲し,. 題難易度が調整され,目的とした歩行練習を反復するこ. その後は 5 度屈曲位に移行しており,足関節は IC 後に. とが可能となり,運動学習が促進され,より効率的な歩. 5°前後まで底屈し,その後ゆるやかに背屈域に達する歩. 容への改善と歩行速度の増大に至ったと考えられた。本. 容となった。健常人の IC では,膝関節が約 5°屈曲,足. 症例は小脳性の運動失調を呈し,運動学習による新たな.

(9) 408. 理学療法学 第 45 巻第 6 号. スキルの習得が容易ではない状態 35)であったが,難易 度が調整された状態での長期にわたるトレーニングの反 復によって歩行の再学習がなされたものと思われた。  我々は筋力を MMT にて計測したが,ハンドヘルド ダイナモメーターなどを用いてより定量的に,かつ経時 的に評価し,その値を報告できたならば,より有益な情 報を提供できたかもしれない。また,特性の異なる複数 の下肢装具を装着した際の歩容の変化を三次元動作解析 装置にて計測し,比較できたならばさらに有益な情報が 提供できた可能性がある。これらの点は本症例報告の限 界である。 結   論  重度の運動失調により,立脚期で膝関節を完全伸展さ せる異常歩容を呈し歩行速度が低下していた受傷から 15 ヵ月が経過した頭部外傷例に対し,GSD 歩行練習を 実施した。GSD 歩行練習の長期にわたる継続の結果, 歩容の改善と歩行速度の上昇に至った。GSD が足部の rocker 機構を補助することで,膝関節制御における課 題難易度が調整され,そのうえで歩行練習を継続したこ とが,効率的な歩容の獲得と歩行速度の増大に至った一 要因と思われた。本症例を通し,運動失調患者へ歩行練 習を提供するうえで,運動学習を効率的に進めることを 考慮した課題難易度の調整において下肢装具の適応とな る可能性についても一考すべきであると思われた。 倫理的配慮  本症例報告においては,症例およびご家族に目的,方 法,倫理的配慮について説明し書面にて同意を得た。 利益相反  本症例報告について開示すべき COI はない。 文  献 1)Ataxia UK [Internet]. London: Management of the ataxias towards best clinical practice (Third edition) [updated 2016 May]. Available from: file:///C:/Users/kohnan%20 reha/Downloads/Ataxia_UK_Medical_Guidelines._Third_ Edition._July_2016.pdf 2)田崎義昭,斎藤佳雄:ベッドサイドの神経の診かた(第 15 版 ), 小 脳 機 能 の 診 か た. 南 山 堂, 東 京,1998,pp. 139‒154. 3)後藤 淳:運動失調に対するアプローチ.関西理学.2014; 14: 1‒9. 4)森岡 周:運動失調.標準理学療法学.専門分野 神経理 学療法学.吉雄雅春,森岡 周(編) ,医学書院,東京, 2013,pp. 110‒123. 5) Ilg W, Timmann D: Gait ataxia-specific cerebellar influences and their rehabilitation. Mov Disord. 2013; 28: 1566‒1575. 6)南角 学,宮坂淳介:運動失調に対する理学療法,15 レ クチャーシリーズ理学療法テキスト神経障害理学療法学 Ⅱ.石川 朗(編),中山書店,東京,2012,pp. 71‒80.. 7)間野忠明,高橋和郎,他:弾性緊縛帯装置による運動失調 療法の神経機序について.厚生省特定疾患 脊髄小脳変性 症調査班昭和 54 年度総会.1998,pp. 256‒261. 8)安東範明,安東美波留,他:小脳性運動失調に対する新し い靴型装具の開発─歩行解析による臨床効果の検討─.リ ハビリテーション医学.1998; 35: 100‒105. 9)福本和仁:特集 新しい下肢装具 失調症患者に対する装 具と理学療法.PT ジャーナル.2002; 36: 658‒666. 10)Serrao M, Casali C, et al.: Use of Dynamic Movement Orthoses as Rehabilitative Method to Improve Gait Stability in Ataxic Patients. Replace, Repair, Restore, Relieve ̶ Bridging Clinical and Engineering Solutions in Neurorehabilitation. 2014; 24‒26. 11)松瀬裕江,才藤栄一,他:固有感覚障害性失調症におけ る歩行訓練の経験.総合リハビリテーション.1986; 14: 695‒698. 12)石井佑穂,中野克己,他:四肢体幹失調症患者に対する短 下肢装具の効果─立位アライメントの修正に着目した一症 例─.理学療法─臨床・研究・教育.2014; 21: 73‒76. 13)Ulŭg AM, Moore DF, et al.: Clinical use of diffusiontensor imaging for diseases causing neuronal and axonal damage. Am J Neuroradiol. 1999; 20: 1044‒1048. 14)Schmitz-Hübsch T, du Montcel ST, et al.: Scale for the assessment and rating of ataxia: development of a new clinical scale. Neurology. 2006; 66: 1717‒1720. 15)Folstein MF, Folstein SE, et al.: “Mini-mental state”. A practical method for grading the cognitive state of patients for the clinician. J Psychiatr Res. 1975; 12: 189‒198. 16)Tsoi KK, Chan JY, et al.: Cognitive Tests to Detect Dementia: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA Intern Med. 2015; 175: 1450‒1458. 17)Wechsler D:日本版 WAIS-Ⅲ 実施・採点マニュアル. 日本版 WAIS-Ⅲ刊行委員会(訳編),日本文化科学社,東 京,2006. 18)田代英之,井所拓哉,他:慢性期脳卒中者の地域における 移動能力と歩行機能および身体活動の関係.理学療法学. 2014; 41: 131‒137. 19)Perry J, Garrett M, et al.: Classification of walking handicap in the stroke population. Stroke. 1995; 26: 982‒ 989. 20)Neumann K:歩き方─ヒトの歩容の生理学,観察による 歩行分析.月城慶一,山本澄子,他(訳),医学書院,東京, 2007,pp. 5‒80. 21)水野元実,才藤栄一,他:調整機能付き後方平板支柱型短 下肢装具の開発─その概念と基本性能の検討─.日本義肢 装具学会誌.2005; 21: 225‒233. 22)岡田 誠,才藤栄一,他:調整機能付き後方平板支柱型短 下肢装具の使用経験─従来型装具との比較─.日本義肢装 具学会誌.2007; 23: 284‒291. 23)Yamamoto S, Hagiwara A, et al.: Development of an ankle-foot orthosis with an oil damper. Prosthet Orthot Int. 2005; 29: 209‒219. 24)DIFF 解説書[オンライン].改訂版 Ver. 1992. 06. 東京: 臨床歩行分析会;1992[改定 1992-06] .体節の絶対空間 角度の定義;23-26.入手先 : http://www.gait-analysis.jp/ comparison99/DIFF-SPEC-J.pdf(2018 年 11 月 2 日引用) 25)石井慎一郎:異常歩行の運動学的・運動力学的分析Ⅰ.理 学療法.2009; 26: 86‒96. 26)De Quervain IA, Simon SR, et al.: Gait pattern in the early recovery period after stroke. J Bone Joint Surg Am. 1996; 78: 1506‒1514. 27)山本澄子:正常歩行と片麻痺歩行のバイオメカニクス,脳 卒中片麻痺患者に対する歩行リハビリテーション.阿部浩 明,大畑光司(編) ,メジカルビュー社,東京,2016,pp. 12‒27..

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参照

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