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子どものもつ電気エネルギー認識と光電池単元の指導に関する研究

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(1)

子どものもつ電気エネルギー認識と光電池単元の指導に関する研究

杉 本 良 ―キ,中本 好 一**

Study on Cognition and Teachingム江ethod of Electric Energy in Elementary Science Educaぃ tion

SUGIMOTO Ryoichi*,NAKAMOTO Yoshikazu**

は じめ に 理科教育における電気概念 は小学校か ら高校物理 まで継続 して学習 される重要 な学習内容である。 近年の理科の教育課程では電気 をエネル ギーの一つ として とらえさせ る内容へ と変遷 してきている 1)。 すなわち,オームの法則 などにみ られる直列・並列や電流 と電圧の関係 を捉 えさせ るのではな く,熱や光 との関係や環境問題 として

C02の

発生源 と しての電気の問題,エコアイスなどの

CMに

み られ る環境問題的なとらえ方 なども重要 になって きている。 先 に児童の もつエネルギーに関す る認識 について調査 し,報告 した2)。 小学校 における「電気の はた らき」に関す る授業実践 に向けて,子どもたちの「電気」エネルギーを中心 とした認識の実態 を調査す る必要性 が出て きた。また,小学校児童 。中学校生徒 。大学生の発達段階的な違いを知 る 必要 もあ り,こ れ らを対象 として実態調査 を行 った。調査内容 は,電気エネルギーの イメージに関 す るもの,そ してエネルギーの変換概念の基礎 ともなる太陽電池 (光電池)に関す るものについて 調査 した。これ らの結果 をもとに小学校4年生での実践的な授業研究 を行い,光電池単元の指導の あり方 について検討 した。

1

子どもの電気エネルギー概念の認識調査 │…

1

調査方法および調査対象者 本調査 は内容が電気 エネルギーとい う捉 えに くい概念で あ り,エ ネル ギー変換の認識 について も 間 うため,調査対象 を理科学習 に取 り組む小学校3年生以上 とした。そ して,エネル ギーについて 正式 に学習す る中学校3年生 まで を対象 とす ることに した。さらに,大学生 に対 して も調査 を実施 した。調査対象 となった小学校 は鳥取市立

M小

学校 と

H小

学校で ある。各学校2学級 に対 して,調 査 を行 った。 中学生については,両校児童の進学する鳥取市立M中 学校を調査対象とした。各学年7∼ 8学級 のうち

,3学

級ずつに調査を実施した。大学生については,鳥取大学教育学部で「小学校理科教育 法」を受講する学生に対して,調査を行った。 *鳥取大学教育地域科学部 ,料 鳥取市立大正小学校

(2)

288 杉本良一:子どもの もつ電気エネルギー認識と光電池単元の指導に関する研究 125

139

小 学校 計 表

1

調査対象及び人数 小学校4年生 小学校5年生 小学校6年生 中学校 1年 生 中学校2年生 中学校計 I…

2

実施 時期 と回答 方法 小学校児童 と中学校生徒 は,1999年6月 に実施 した。大学生 については,前期受講生 が 1999年7 月に,後期受講生が ■ 月に実施 した。小学生 には学級担任 が調査用紙 を配付 し,必要 に応 じて説明 を加 えなが ら回答す るように した。中学生 には理科担当教師が調査用紙 を配布 し,自力で回答す る ように した。大学生 に指導教官 が調査用紙 を配付 し回答 させた。小学校3年

,4年

・6年生 につい ては,まだ各学年での電気 を扱 う単元 を学習 していない段階である。中学校3年生 については,「仕 事 とエネルギー」 とい う単元 を学習 していない。

i-3

調 査 内容 図1に調査用紙 を示す。質問紙法 により,子どもたちは思い付いた言葉 を記入 した り。選択肢 を 選んでその理由 を書かせた。特 に設間5の

(2)は

,自分で自由に説明 を書 かせ るよ うに した。 調査内容 は,設間 1:「 エネルギー」とい う言葉か らイメージす るもの,設間

2,電

気エネルギーに は重 さがあるか どうか,設間

3:電

気 はエネルギーだと思 うか どうか,設間

4:電

気エ ネルギーに 変換す る (発電す る

)仕

組み,設問

5:太

陽電池によるエネルギー変換 システム,設問

6:太

陽電 池の利用例 についてで ある。 小学校6年生

146 543

中学校 1年 生

106

99

(3)

鳥取大学教育地域科学部紀要 教育・人文科学 第

4巻

2号

(2003) 理科 ア ンケー ト調 査 しゎ

()年

()組

│ (男

.女)

9,三

P先

:理

t発

Rを

トではあ りませんので,あなたの考えた ことや知つていることを気葉に0 いてください。 l fュネルギー」という言葉を開 くと,あをたは何を思いつきますか。 5つまでといて ください。(いくつ書 いてもいいてす。1

( )( )( )

( )( }

3 電気 はエネルギーだと思いますか。 どちらかにOをして,そのわけを [ ]の中 に書 きましょう。 (1)エネルギーである。

t

〕 4 電気をとこす廃とする)には,いくつかの労務Iぁります。とんな しくみて電気が起こせるのか,E三コ の中に目葉を書きましよう。 (1)アムにためた1 隆 流i_発 電機を回i一 囲

観露

:

たものです。ア∼ウのE三コ にあ てはまる言葉をときましょう。 ★電球から出た' のエ ネルギーは,大 隅電池によって

f

のエネル‐ 疎わり.その齢 メて‐ ター動 く そして,ブgペラを回す' のエネルギーに変わるのである。 (2)プロヘラを速 く回すには,どうすればよいで しょう。 白,で説明七● いて くださいo

l I

δ大路H池は,ど んなものに使われていますか。知っていうものを全籠 0き ましよう。

│ │

0もご協力あ りが とうござい ました。StP F L 図

1

電気エネルギーに関するアンケー ト調査

I-4

電気エネルギーの認識調査の結果 と考察 928名の調査用紙 を回収 して,学年別に集計を行った。その結果 を表やグラフにまとめ,学年や校 種などの段階による違いが認められるかどうか考察 した。 (1)「エネルギー」に対するイメージ 設問1は

.児

童・生徒および大学生が「エネルギー」という言葉から何を連想するか調べ ようと したものである。この調査方法は「連想法」と呼ばれ,そ れ自体は投影法の一種で,イ メージをつ かむためには有効な方法 とされる。小川・林は連想法 を用いて,現代 日本人の もつ『自然』のイメー ジの集合体を抽出しようと考え3),また。長岡・高瀬は,児童・生徒の光認識 として,単語連想法 により,光のイメージを調べている4)。 そこで,本調査では ,「エネルギー」に対するイメージを調 べようとした。 表 2に,学年別の集計結果 を示す。子 どもたちが連想 した内容を「力」,「電気」,「人の体や生活」, 「自然や環境」の4つに分類 した。どのカテゴ リーにも属 さないものは “その他の もの

"と

した。 ① “力と関係づけたもの

"の

中では,ど の学年 とも「力」が多 く,「パ ワー」がこれに続いている。 しか し,両者 とも中学生以上になると連想 した数が減少 している。「力」の場合は小学校4年∼6年 2 かん電池に豆電球を?な ぎ.明かりをつけ たままにし氏おくとに消えて しまャどました。 かん電池の重さは,初めの重さに比べてどう なったで しょう。 自分 の考えと合 うものにOをして,そのわ けを[ ]の中にといて ください。

(4)

290 杉本良一:子どものもつ電気エネルギー認識 と光電池単元の指導に関する研究 が多くあり.「パ ワー」の場合は小学校3年∼4年が多い。「パ ワー」についてはテレビやコミック 誌などのインフォーマルな科学を受容 したものであるため,それ らに関心の強い小学校中学年が多 く連想 したと考えられる。 ② “電気 と関係づけたもの"の中では

,圧

倒的に「電気」が多く。「電気製品」も,小学生はかなり 多い。対照的なものとして,「電池」と「水力・火力・風力・原子力」である。どちらも電気 を起 こ す (発電する

)方

法なのだが,電池については小学生に多く,水力・火力・風力 。原子力について は中学生 。大学生に多い。これは,日 常生活や小学校の理科学習では乾電池を使 うことが多いのに 対 して,学年が上がるにつれて,具体的な発電方法への知識が増 えるためと考えられる。テレビの コマーシャルなどの影響が明確にあらわれているのが,小学校6年生∼中学生に多い「中国電力(エ ネルギア)」 である。 表2「エネルギー」からイメージするもの 力のもとになるもの 物を動かすもの 70 66 25 399 電池 発電(所) 電流・電力・電圧 中国電力(エネルギア 電気製 品(電気で動く 水 力・火力・風力・原子 109 141 157 184 1 124 1170 運動 体 力・スタミナ 元気 食べ物 飲み物 栄養・力ロリー 光 地球,自然 水,火・風 石油・ガソリン 石炭・ガス 15 27 336 354 389 320 248 344 304 2591 0 3 3 3 1 4 5 0 0 9 5 0 1 0 4 2 0 0 4 4 0 1 0 7 9 0 1 7 3 5 3 6 4 0 4 3 48 22 9 5 0 ︲6 0 6 5 5 5 3 0 2 6 6 4 1 6 3 5 3 3 0 3 3 8 2 0 7 2 0 6 5 9 3 1 2 1 4 4 5 4 5 8 8 0 2 2 1 8 3 4 3 5 4 4 2 6 1 8 1 5 6 7 4 0 2 1 4 6 4 6 0 0 8 2 1 4 6 3 6 4 5 9 9 4 0 1 5 5 1 0 6 0 5 2 7 42 ︲5 1 0 5 2 5 0 1 0 5 2 1 5 0 4 6 1 6 2 3 5 8 0 ③ “人の体や生活 と関係づけたもの"の中では, 校2年以上になると,連想 した数は減っている。 「体力・スタミナ」が最も多かった。ただし,中 学 「食べ物」と「栄養・カロリー」は中学校 2年生以 パ ヮー

(5)

鳥取大学教育地域科学部紀要 教育・人文科学 第

4巻

2号 (2003) 291

上になると,連想 した数が増 えている。「エネルギーは体の中にある」とい う抽象的な認識が,「エ ネルギーは食べ物の栄養分か ら得 られる」とい う具体的な認識に変化 していると考えられる。注目 すべきは小学校3年生に「体 。人間」という連想が27人 もあることである。この学年では,「人の 体その ものが,エネルギーなんだ」 とい う素本卜な概念をもつ もの と思われる。 ④ “自然や環境 と関係づけたもの"の中では,「太陽」と「光」に集中していた。特に中学校3年生 が合わせて57人 も連想 している背景には,「植物は,太陽の光エネルギーによって光合成 を行って いる。」という認識が形成 されていることが挙げられる。小学校6年生 に多かった「水・火・風」は, おそらく「水力・火力・風力発電」を意識 した連想であるう。エネルギー資源である「石油・ガソ リン」は,少 数ながら全学年に連想 されているが,「石炭・ガス」についてはあまり連想 されていな い。大学生の記述 したその他 25は,すべて「熟」であった。中学校2年生に8人,中 学校3年に6 人の「熟」の記述があった。それ以下の学年にはほとんど書かれていないことから,大学生の場合 は。エネルギーの種類の一つとして「熱エネルギー」の概念を認識 しているため,その記述が多かっ たもの と考えられる。 大学生 中3年 中2年 中1年 ′卜6年 小5年 小4年 plヽ3年 0% 20% 40% 60% 80% 図2「エネルギー」からイメージするもの 4つに分類 した連想内容の構成比 を学年別 にまとめた ものが,図 2である。グラフか ら明 らかな ように,“電気 と関係づけた もの"力式すべての学年段階 において第1位を占めている。これは現代の 子 どもたちが 日常生活の中でいかに電気エネルギーの恩恵 を受 けてい るかの現れで あろう。中学校 理科の教科書 において も,いろいろなエネルギーの紹介では最初 に電気エネルギーを取 り上 げ,こ れは,わた したちの生活 を支 える最 も重要 なエネルギーであるとしてい る5)。 “力 と関係づけた もの"は小学校 中学年で構成比が高 く,20%を越 えている。しか し,学年が上が るとその割合 は下がってい き

,10%以

下 となる。中学校3年生 におけるエネルギーの定義 が力学的 な仕事 と関連付 けて行われ ることを考慮すれば ,学校の理科学習で指導 され るフォーマルな科学の 内容 は子 どもたちにあま り影響 を与 えていない ことになる。 “人の体や生活 と関係づけた もの

"は

,各学年 とも10%台になってい る。小学校3年生 が19,6% と,最も高かった。一方 “自然や環境 と関係づ けた もの

"は

小学校 中学年 で10%あ ま りだった も のが,中学校

2,3年

で209/9を越 え,大学生では31.29/9と なっている。エネルギーは自然界全体 に 関わ るもので あり,地球環境 とも大 きく関係 しているとい う認識 が,次第 に形成 されてい く過程 を 表 してい るもの と考 えられ る。

(6)

292 杉本良一:子どもの もつ電気エネルギー認識と光電池単元の指導に関する研究

(2)電

気エネルギーとその重 さの認識 設問2は ,電気エネルギーの消 費によって,乾電池の重 さが変化す るかどうかを聞いてい る。こ の調査 により電気のエネルギーは重 さがあるか とい うことを,児童・生徒・大学生について調べた ものである。もし重 さが変化す ると考 えたな らば,エネルギーは物質 と同 じよ うに質量 を持つ こと にな り

,両

者 を混同 した誤概念 が形成 されていることになる。 この問題 については,結城 らが「電気概念認識の実態」として詳 しく報告 している6)。 その結果 と今回の調査結果 を比較 しなが ら,考察 を述べ る。表3には乾電池の重 さの変化 に対す る回答人数 を,表 4にその回答理由 を学年別 にまとめた。 表

3

乾 電池 の重 さの変化 軽くなる 変わらない 無答 14 442 53 411 3 17 4 5 8 4 107 73 928 106 146 表

4

重 さの変化の回答理 由 埋 田 ′1ヽ3互

= ′Iヽ4年1′Iヽ5至EレIヽ6ロロ中1年 中2年

nサlf冒帝 】爪 口「二人 0 1 他 1 1 1 2 Jとな く 1 2 らをiい 刊 1 0 PIヽ が な くな る エネル ギ ー カ【な くなる 7 4 0 ′ヽワ ー 牙 便 つ て し預 う 5 中 に あ る物 を便 う 9 4 1 :持 つ と軽 〈感 じる 1 1 1 子 の 他 Eんとな く 4 4 1 )か らな い 1 PIヽ百■ 42 わ らな し暇 冤 に は 軍 さ が な い エネ ガレギ・― にI土重 声 が 変 い 1 2 8 1 中 身 は か わ らな い 1 霙 際 に 目 分 で 棒 っ た 1 その 他 5 1 C 7 何 とな く B 10 わ か らな い 9 71`冒十 熙 回 答 1 1 4

(7)

鳥取大学教育地域科学部紀 要 教育・人文科学 第

4巻

2号 (2003) 293

「重くなる。」と答えた人数は全体的に少なく,小学校 3年 生に17人いたのが目立つぐらいである。 その理由づけとしても,「何となく」や「分からない」が合わせて 9人 であり,それに対 して,「軽 くなる」と答えた人数はかなり多い。図3を見れば明らかなように,小 学校 3年生∼ 5年生と中学 校 2年 生において,半数以上になっている。その理由としては,「電気がなくなる」,「エネルギーが なくなる」,「パワーを使ってしまう」,「中にあるものを使う」といった消耗説がほとんどを占めて いる。「自分で持つと,軽 く感じる。」という理由も,消耗説を背景とした誤概念にもとづくものと 考えられる。 大学生 中3年 中2年 中1年 小6年 小5年 Plヽ4年 plヽ3年 圏重くなる 国軽くなる □変わらない □ 図

3

重さの変化についてのグラフ 結城 らの調査結果 において も同様 に,小学校2年か ら中学校2年生 はすべて,半数以上の子 ども たちが「軽 くなるJと答 えている。その理由 もやは り消耗説が大半 を占め,電気 を「 もの」 として 考 えてい る子 どもが多い と結論 してい る。 一方 ,正 答である「変わらない」と答 えた人数の割合は,学年が上がるにつれて高 くなっている。 ただ し中学校2年生の場合は,他 学年に比べて正答率が低 くなっている。この実態は近藤 らの調査 結果にもはっきり認められ

,30%の

生徒 しか正答 を選んでいない。その原因として彼 らは,中学2 年の結果が悪いのは,本調査の時期 と授業における物質概念学習 とが重なり。電気 を「もの」とし てとらえている生徒が多いと述べている。

(3)電

気のエネルギー認識 設間3では,電気がエネルギーだと思 うかどうかを直接的にたずねた。そして,そ の判断理由を 書かせることによって,電気に対する認識がエネルギー的であるかどうかを明 らかに しようとした。 電気がエネルギーかどうかの判断結果 を表5に ,その判断理由を表 6に ,学年別に示 した。

(8)

杉本良一 :子 どもの もつ電気エネルギー認識 と光電池単元の指導に関する研究 表

5

電気 はエ ネル ギーか どうか エネル千―である エネルギーでない わからない 表

6

電気がエネルギーであることの理由 エ である エ ではない 7 108 どの学年 とも「エネルギーである」と判断 した人数が圧倒的に多い。しか し,小学校3年生で60

%余

りだったものが

,4年

生∼6年生で80%余 り,中 学校3年生 と大学生では90%余 りと,発 達段 階に応 じて高 くなっている。 エネルギーと判断 した理由づけについて,小学校3年生か ら中学校3年生 まで「何 となく」とか 「分か らない」といった科学的な根拠のない判断がかなりみられた。日常生活と関連づけて,「いろ いろ使われて,役に立つ」や「

cMで

聞いたことがある」などの説明もあるが,小学校3年・5年・ 6年生で多かったのは,「電気 とエネルギーは同 じようなもの」という説明である。 それ らに対 して,「物 を動か したり,電 気製品を働かせたりする」という説明は,仕事をなし得 る とい う科学的な認識であり,各 学年で約20∼30人 が回答 していた。さらに,小学生に多かった「明 かりをつける」と少数ながら,「熱を出す ものがある」は,エ ネルギー変換によって仕事をしている という意味であり,適切な説明をしている。 一方,「エネルギーではない」と判断 した回答が小学生に若干あり

,3年

生の25%強となってい る。しか し,学年が上がるにつれて10%台からそれ未満へと減少 していく。その理由づけとしては, 「電気 とエネルギーは別のもの」という解釈を,各学年で数名ずつ していた。小学校3年生の中には, 「エネルギーは力みたいなもの」や「エネルギーは体の中にあるもの」といった,エネルギーを限定 した説明があり興味深い。 294 7 0 2 1 2 4 5 6 0 1 5 4 4 9 4 5 0 6 1 4 72 5 77 ︲6 28 3︲ 62 0 2 4 7 22 2 ︲7 0 0 7 ﹁ ︲9 3︲ 12 0 24 0 7 3 26 ︲4 28 7 0 7 2 6 6 ︲2 26 27 ︲1 0 朽 5 7 5 28 明かりをつける をだすものがある 気=エ ネルギー ヽろいろ使われて役に立つ 117 120 93 エネルギーは力みたいなもの エネルギーは体の中にある

(9)

鳥取大学教育地域科学部紀要 教育 ,人文科学 第

4巻

2号 (2003) 295

(4)電

気エネルギーを得る仕組み 設間4は .他のエネルギーを変換 して電気エネルギーを得る過程,すなわち発電の仕組みについ てたずねたものである。各設間の発電方法と正答を次に示す。 ①水力発電 :水

②火力発電 :燃 やす。燃焼 させ る。 ③風力発電 :風

④乾電池:化学反応,化学変化,(電気,発電,電流,電力

.電

圧) ⑤原子力発電:原子 表

7

電気エ ネルギーを得 る仕組み 表7は ,各設問ごとの正答・誤答・無回答の数 と正答率 を,学年別 に集計 した ものである。全体 的には,下の学年ほど誤答や無回答の数が多 く,上の学年 になるにつれてそれ らが減少 して くる。し か し

,乾

電池 については

,学

年の段階 と誤答や無回答の数 とはあまり関係 がない もの と思われる。 発電の仕組みの正答率 を折れ線 グラフに表す と,図 4のようになる。学年 が上がるにつれて正答 率は高 くなってい くが,水力発電,風力発電,火力発電の順 に正答率が高い ことが分 かる。原子力 発電 については,小学校 中学年では理解が著 しく低 く

,5年

,6年

,中学生 と急激 に正答率が高 く なってい る。これは,社会科やテ レビなどのニュースの原子力に関す る情報 が,子どもたちの発達 にともなって着実 に受容 されてい くか らと考 えられ る。 猪電 万 漑 ■ヽ3 可ヽ4年 Jヽ5」 ヽ6ピ 中2』 i3年 六 字 豊 水 力発電 iぞ野

磐 醒

101

5 842 90.4 90.6 94.4 火力発 電 43 1 1 7. 1 風 力発電 答 1 9 H 41 9 40.6 40,0 80.8 U4.1 100.0 乾電池 答 47 49 46 504 33.0 34.6 47.9 原子力発電 咎 4コ 熙E 45 C 正答E 48.1 43.4 71.0 98.6

(10)

296 杉本良一 :子 どもの もつ電気エネルギー認識 と光電池単元の指導に関する研究

,亮

墓轟墓茎

:≦

」 図

4

発電の仕組みの正答率 4種の発電方法に対 して,乾電池で電気 を起 こす仕組みについては,正答率 が横ばい状態である。小 学校4年生の正答率が,大学生の正答率 を上回っているのは,意外 な結果で あった。しか し,化学反 応や化学変化 といったエネルギー変換 を認識 した回答 をした人数は少数 にす ぎない1/Jヽ学5年 3人,6 年2人,中学1年 1人

,2年

1人

,3年

20人,大学 11人)。 理科の実験や 日常生活においてよ く利用 す る乾電池の仕組みが十分には理解 されていない もの と思われ,指導の工夫が必要である。

(5)太

陽電池 によるエネルギー変換 設問5は ,太陽電池によるエネルギーの変換システムをたずねたものである。ア∼ウに当ては まるエネルギー名は ア :光

イ:電気

ウ:運動 (力・動力,回転)となる。 表8はエネルギー名ごとの回答数と正答率を,学年別に集計 したものである。

20 ∞ 80 60 40 20 0 表

8

太 陽電池 によるエネルギーの変換 システム

(11)

鳥取大学教育地域科学部紀要 教育 。人文科学 第

4巻

2号

(2003) 297

アの電球から出るエネルギー名は,「光」とい う正答が最 も多いが,「電気」とい う誤容 もかなり ある。これは,電球であるがゆえに「電気」のエネルギーも外へ出るのではないかとい う素朴な考 えであると思われる。イの太陽電池によって変換 されたエネルギー名についても,「電気」とい う正 答が最 も多いが,「太陽」・「光」。「電池」といった誤答 もかなりある。おそらくF太陽電池』という 名称から直接的にこれ らのエネルギーを考 えたもの と思われる。ウのプロペラを回すエネルギー名 については,回容がさまざまであった。正答の中では「力・動力」が最 も多く,正式なエネルギー 名である「運動」は,大学生に8人回答 された。誤答例 としては「電気」が最 も多く,「モーター」 や「風」もかなりある。プロペラと密接に関連 した回答ではあるがエネルギー変換のつなが りとし ては不十分な認識である。 太陽電池によるエネルギー変換の正答率 を折れ線グラフに表す と,図 5のようになる。電球 から 出るエネルギーについては正答率が高 くなってい くが,他のエネルギーについては中学校2年生ま で理解が不十分な状態である。中学校3年生や大学生の場合 も.太陽電池によって変換 されたエネ ルギーとプロペラを回すエネルギーの区別は

,決

して十分 とはいえない。 亀 7J` …太陽電池によ ―プロペ

ぎぎぎぎざご母ぎ

太陽電池によるエネルギー変換の正答 プロペラを速 く回す子どもたちの説明 5   9 図   表 2 2 1 1 0 6 7 0 0 4 5 0 0 1 2 0 2 0 8 0 5 4 8 3 6 2 8 3 2 0 0 0 1 2 6 2 1 0 6 3 7 4                                 2 9 4 0 0 5 4 4 0 6 2 3 0 4 3 6 4               1 1             1 3 1 2 0 1 2 9 6 4 7 0 6 7 1 6 8 0 3 7 0 8 3 3 2 0 6 7 6 1 1                   2 1 3 2 5 0 4 1 2 3 0 8 3 7 1 0 2 5 1 2 3 6 8 4 1 0 7 電球の数をふやす 電球を近づける 光を集める 太陽の光をあてる 太陽電池の向きを変える 太陽電池を大きくする 太陽電池の数をふやす 電流(電力を強くする エネルギーを加える モーターを強力にする プロペラを軽くする 風を当てて回す その他 わからないまたは無答 61 60 125 146

(12)

杉本良一:子どものもつ電気エネルギー認識と光電池単元の指導に関する研究 設問 5の

(2)で

は,プロペラを速 く回すにはどうすればよいかを自由に記述 させるようにして いる。子どもたちが説明 した方法を分類 し,学年別に集計 したものが表9である。 説明 された方法の中で最 も多かったのが「電球の光 を強 くする」で,すべての学年において回答 数が第1位である。しか し,実際の操作 としては,「電球の数を増やす」「電球を近づける」「光 を集 める」「太陽電池の向きを変える」などが挙げられる。さらに「太陽の光を当てる」という方法も, 光を強 くする操作的なものである。抽象的な方法の「電球の光を強 くする」は,子どもたちの発達 にともなって回答率が急上昇 している。ところが,操作的な方法の「太陽の光 を当てる」は,小学 校5年生 をピークとして回答率が下がってい く。 図6は光を強 くするための操作的な方法を回答 させ たものである。人数が,学 年別に示 してある。小学校 5年生において,どの方法にも最多の回答者がいる。 この結果は,4年生の2学期に太陽電池を使った操作 的な実験 。観察活動 をした成果であると考えられる。 頭の中では「光 を強 くする」といえても,実際に何 を すればよいのか送って しまうので,実験 における操作 団 的な活動が重要であることを示 している。

他に説明 された方法の中で,「太陽電池 を大 きくす

.

る」と「太陽電池の数を増やす」は,日 光を受ける面 積を広 げるとい う意味で,共通 している。上の学年に この回答が多かった。さらに,「電流 (電力

)を

強 く する」と「エネルギーを加 える」は,モ ーターを速 く 回転 させ るための方法で あると推測 され る。一方, 「モーターを強力にする」や「プロペラを軽 くする」 は,エネルギーの変換効率 を上げるための方法であ り,共通 している。ミニ四駆やラジコンなどを操作 し た経験の豊富な子どもの回答であると思われる。

(6)太

陽電池 (光電池

)の

利用方法 設間6は ,太陽電池が どんな ものに使われてい るか とい う応用例 をたずねた ものである。実物 を 直接見 た り触れた りした経験 は もちるんの こと,写真やテ レビ画面で間接的に知 った経験 も,こ の 知識 に関係 していると考 えられ る。 表 10及 び図7に ,太陽電池 を応用 した ものの集計結果 を学年別 に示 してい る。「 ソーラーカー」の 回答率 が高 く。小学校5年生以上 になるとほば半数以上 になっている。4年 2学期の理科学習で ソー ラーカーセ ッ トを組み立て ることが多いためであろう。ただ し,ま だ学習 をしていない3年生 と4 年生の場合で も,23%∼ 30%の回答率があるとい うことは,子どもたちの ソーラーカーに対す る関 心の高 さを示 している。

書を言営

:を

.書 図

6

光 を強 くするための操作的 な方 法

(13)

鳥取大学教育地域科学部紀要 教育・大文科学 第

4巻

2号

(2003) 33 ︲3 9 4 4 7 0 0 43 3 27 4 ︲1 6 3 2 1 0 39 2 20 4 3 4 3 0 3 0 0 4 0 6 2   3 0 5 2 3 1 0 2 1 2 6 1 1   1           3   2 9 9 4 5 1 3 2 2 7 6 1 1           2 2 4 6 3 1 3 0 3 5 6 20 26 6 5 1 5 1 4 22 ︲4 3︲ 一 ︲39 3 1 3 2 9 3 電卓 時計 ソーラーシステム 太陽光発電 人工衛星 街灯 口道路標識・点減灯 ソーラーボート飛行機 その他の利 用機器 太陽熱温水器朝 日ソーラー その他の誤つた機器 表

10太

陽電池 を応用 したもの ヨ分 か らない 146 125 66 一 33 電卓の場合は意外 と少なく

,10%未

満の 回答率 しかない学年 が多か った。実際 に 使ってはいても,「これは電池で動いている んだ。」という認識に終わっている可能性が 高いものと思われる。 その次に「時計」,「ソーラーシステム」, 「太陽光発電」と続き,「人工衛星」は,ご く 少数の子 どもしか認識 していない。宇宙開 発にあまり興味 を持っていないためとも考 日 えら″とる。 逆 に誤 った認識 としては,「太陽熱温水 を 器」が圧倒的に多い。しかも学年が上がるに つれて回答率が高 くなり

,大

学生 になると 卓 59%もの高い率になっている。図7でしめ す よ うに,ソ ーラーカーに次 ぐ回答率 と なっている。その理由の一つ として,F朝 日 ソーラー』などの商標名が大 きく影響 して いるものと思われる。コマーシャルで盛ん に宣伝 され,「ソーラーカーと同 じように太 陽電池が使われているのではないか。」とい う誤 った認識 につながったと考 えられ る。 太陽熱温水器 とは対照的に無回答 (分から ない。

)は

学年が上がるにつれて減少 している。 太 陽 電 池 の 利 用 認 識

書 宮 宮 宮

:を

言 奎

7太

陽電池 を応用 した もの

:を

言 奎

(14)

300

杉本良一 :子 どもの もつ電気エネルギー認識 と光電池単元の指導に関する研究

I-5

調査結果の まとめ と授業実践への課題 ほとんどの子どもたちは,「電気はエネルギーである」と認識 している。しか し,その判断理由に 科学的な根拠があまりなく,テ レビの

CMや

アニメ番組などのインフォーマルな情報によって,た だ何 となく「電気はエネルギーなのかな」と感 じているのである。そこで,こ の認識を,電気は仕 事をなし得 るという科学的な認識へ と変容 させていく必要がある。 そのためには,「電気って物 を動かせるんだ」とか「電気で明か りがつ くんだな」とか「電気で熟 を出すこともできるんだ」といった電気エネルギーによって仕事をしている実感を持たせる必要が ある。理科の学習においては

,実

験で様々な操作的活動 を取 り入れてい くことが重要である。 太陽電池によるエネルギー変換の正答率は,かなり低かった。特に目立ったのが無回答であり.エ ネルギーの名称が思いつかない子 どもたちが多い。エネルギーについては特に小学校理科では科学 用語 として学習 していないため,そ の種類を知 らないのが要因となっているのかも知れない。しか し,「太陽電池って光が当たると電気が起 こるんだ」という認識が確実にできていれば,このような 結果にはならないはずである。例 えば。太陽電池によって変換 されたエネルギーについて,73名中 15名

(21%)の

大学生が「熱」のエネルギーと回答 している。これは「太陽熱温水器には太陽電池 が使われている」という誤った認識にもとづいたものであろう。さらに,今回調査の大学生が小学 生の時は小学校理科で太陽電池 を扱っていなかった。したがって,太陽電池によるエネルギー変換 の認識が低い要因となっていると考える。 以上のような問題点を解決するために授業実践 を行 うことにした。実践に向けての課題 としては 次の点が考 えられる。 ①「電気はエネルギーだ」とい う実感をもたせ るために,乾電池や光電池 を使ってモーターを動 か したり,豆電球 を光 らせたりする活動を十分に行 う。 ②「光電池は光が当たると電気が起 こる」という科学的な認識が身に付 くように光電池 を使った 実験や製作活動 を多 く取 り入れる。 ③一人一人が実際に光電池を使って操作的な活動ができるように児童の人数分光電池を用意する。 ④光電池が応用 されていることをビデオ等の教材 を活用する。 以上 ,こ れ らの課題 を念頭において授業を実践 した。 ‖ 光 電 池 教 材 によ る授 業 実 践

-1

対象児童の実態 授業実践の対象児童は

M小

学校の4年

A組

である。4年生は3学級 に分かれ

,1学

級が27∼ 28名 の少人数になっている。男子12名・女子15名・計27名の学級である。子どもたちは日頃から真剣 な学習態度で授業に臨み,友達 を大切にしようとする姿勢が見 られる。理科は担任外の先生が指導 されているが,学級の児童は実験に意欲的に取 り組み ,発 見 したことや不思議に思ったことを友達 同士で素直に認め合 うことができる,と いうことである。 太陽電池 (光電池)に ついては,ソーラーカーの写真を見たり電卓の操作をしたりした経験から, ほとんどの児童がその存在を知っている。ソーラーカーが動 く仕組みについても,調査問題の選択 肢の中で「日光が当たると電気が起 き,モーターを回 して走っている。」という説明を

,81%の

児童

(15)

鳥取大学教育地域科学部紀要 教育 。人文科学 第

4巻

2号

(2003) 301

が選んでいる。 しか し,「電気 を光に変えたり,光を電気に変 えた りする器具にはどんなものがありますか。」と いう問いに対 しては,3∼4名 の児童 しか正答で きていない。この結果は,光電池を実際に手 に取 っ て光 を当てなが ら電気を起 こした直接経験の少なさに起因 していると考えられる。 「電気のはたらき」実施時期については,理科の年間指導計画に従 って,10月か ら11月 とした。 光電池 を扱 う関係上,理科の学習時間と好天の 日を調整 しながら,授業 を進めていった。 ‖

-2

授業実践の主題 と単元 目標の設定 これまで述べてきたことに基づき,授業実践のテー マをエネルギー的な見方を養 うには,どうすればよい かを中心に次のように設定 した。 まず第一の手立てとして ,F直接経験の重視』が考 え られる。乾電池や太陽電池を使った実験 を豊富に行 う

こと

央栃ぞ万広

:移

藤竜

「通嶽象督あ驀亀憲忌義与ち

中で この ことにふれ,「主軸 になる学習活動」は ,観 察・ 実験で ある,と述べている7)。実験 を しなが ら,「電気 っ ていろんな ものが動 かせ るし,光や熱 も出せ る し,不思 議 な力 を持 ってい るんだな」 とい うエネルギー的な見 方が養 われてい くのではないかと考 える。 第二の手立て としては,『変換 (変身

)へ

の関心 を高 めること』が挙 げ られ る。「豆電球 は電気 を光 に変身 さ せ るけど,光電池 は光 を電気 に変身 させ るんだ。」とい う子 どもの気づ きを誘発す るように学習 を進めてい く 必要 がある。それが,「光電池 って,太陽の光 がい くら で も電気 に変身 させ られて,すごいなあ。」とい う認識 に高 まれば,光電池学習の大 きな成果につ なが るので ある。 l ittH迪 え4れ 手日し発tほ でモークーを回f ttけ│・l, Ii■こ通七子口じ兎■偉を使ってモーター01よく日る方法を■夭する. 麟霧脇警瑳瑞g足 ,舌総 た,キ?│たらをthでは 1・慟 載誘盟警1鱚縫鮨善天をれ報齢 1'際号R=:夕線こ?嘉品「きぞ9芽を畠買?11じ鷺m) I工昆監亀r脅争邑鷺選彦B参皇秀ち透をあII暮も全葉幸1盟金字 =.(2晴││) 宅H超〒と言母と喬じ轟お1震争岳hiギガ置喬9£ぁ董響?自ξ: 図

8

電気のはたらきの単元構造図 単元 目標の構造 については,図8に示 してい る。次の4つの観点について設定 した。エネル ギー 的な立場で補足説明 をす ると,次のようになる。 (関心・意欲 ・態度) 電気エネルギーを得 る変換方法について知 る。 (科学的な思考) 電気エネルギーが強い と,なし得 る仕事 も大 きくなるとい う見方や考 え方 がで きる。 (観察・実験の技能・表現) 光エネルギーが強い と,光電池で変換 され る電気エネルギーも強 くなる関係 を調べ る。 (知識 ・理解) 乾電池の数やつ なぎ方 によって,生じる電気エネルギーの強 さも変化す ることが分か る

(16)

302 杉本良一 :子 どもの もつ電気エネルギー認識 と光電池単元の指導に関する研究 ‖

-3

単元構造 と手回 し発電機の導入 「電気のはたらき」の単元構造図を作成 し,授 業実践の計画を立てた。二重の□には,子 どもたち に問いかける学習問題 を示 し,一重の□には問題に対す る結論 を示 した。↓の所にある*の文は,間 題解決のための実験や製作 を表 している。単元構造 を考 えるに当たって配慮 したのは,子どもたち の思考が途切れないようにしたことと,子どもたちが主体的に取 り組める活動を取 り入れたことで ある。 子 どもたちの興味は,お そらく「モーターを速 く回 したい。」や「動 くおもちゃを作って,遊びた い。」に向かうであろう。そこで,エネルギー的な見方 を養 う活動 を,意図的に構成する。例 えば, 光電池や鏡 を自由に使 って,光エネルギーをたくさん電気エネルギーに変換するとか,光電池で効 率よくお もちゃを動かせ る (エネルギー変換の効率を上げる

)方

法を工夫するとかである。 さらに,新たな取 り組みとして,『手回 し発電機』を光電池教材 と関連 して活用することにした。 「総合的エネルギー学習の実践的研究」の中で,内川は手回 し発電機 を次のように紹介 している3)。 すなわち,ゼネコンとい う商品名で市販 されてお り,ラ ンプをつけたときと空回 りをさせたときの 手ごたえの違いや,ニ クロム線の長短による発熱量の違いと手ごたえの関係など,電気エネルギー を媒介 として,エネルギーを感覚的にとらえさせることができる教具である。 この手回 し発電機は,中 学校理科の教科書にもよく紹介 されている。例 えば仕事一電力の変換 を 体験する実験 に活用 されている。購入するときにも安価であり,小学生にも安全で手軽に使 えるた め,本単元で活用することに した。 ‖

-4

指導 の実 際

(1)自

由試行 実施単元「電気のはた らき」の導入においては,自由試 行 (Messing About)を 行 った。 この自由試行 について杉 本 らは,ホーキンスがメ ッシングアバ ウ トの発想 をESSに 取 り入れた きっかけや,ESSカ リキュラムが 日本 に紹介 さ れてか らの 自由試行の解釈や取 り組みについて解説 してい る9)。 す なわち,我が国では1970年 前後か ら低学年の理科 で 自由試行 を実施す る試みがな され,小学校で主体的 な問 題解決の学習 における導入段階で これ を生かす『自由な試 行活動』が導入 された。これはホーキ ンスの形式陶冶 に力 点 をお く探索活動 とい うよ り,形式 と実質 を調和 させ,子 どもの主体性 を貫 く問題解決 を成立 させ るための工夫で, 我が国独 自の もの とい える。筆者 らも,この立場で 自由試 行 を行 った。 「モーターを回すには,どうすればよいのだろ う。』とい う問題 に対 して。子 どもたちは,乾電池・光電池・手回 し 発電機 を自由に使い ,プ ロペ ラの付 いたモーターを回す活 動 を行 った。図9に ,この学習過程 を示す。 自 由H Frの 学 コ 過窪 . O本時 の ね らい 孝い ろ い う な 方 法 で 電 気 を報 こす 活 動 を し,電気 の 働 =に員 味 を持 つ. 率子 口 しえ ■ ■ の存在 を知 り,モー ターを回す に は催事 が必 要 で あ る と 察 麟 す る こ とが て き る. 0箪 0 モ ー タ ー,プロペ ラ.乾電 池.光電 消,手回 し」B電 機 0学留過程 学 口 活 HD 指 導 と の 留 ▼ 点 1 ブ rlヘ ラ の 付 い た モ ー タ ー を 見 て,本崎 の 間Hを知 る。 l モ ー タ ーの ■ 示 方 法 を工 芙 し1 児t一人 ひ と りrD巨 応 を 磁 か め を nIら,間 Eを明 らか に す る 。

%

χ       %   %   % 2.そ― タ ー を 回 す 方 法 に つ い てLし合 う 。 と乾 電 池 を つ を ぐ 。 ■光 電 池 を つ な ぐ, 専予 口 し 発 電 機 を つ を 3 乾 電 温 光 電 池 手 回 し費 電 置 で モ ー タ ー ● く. そ ― タ ーを 回 した 経 験 の あ る子 に,積彗 的 に発 表 させ る 。 比 電 池 や 光 電 HBは モ ー タ ーに ヽ 気 を滅 す こ とか ら,電気 を轟 こす 3 乾 H llと 光 ■ 池 は 一 人 ひ と りが 自由 に使 う よ うに 指 示 し,■回 し 4 お も しうか つた こ と 兒 見 した こ と 萬 べ て み た い こ と を,日大 で,ゆせ る。 5 本 時 の ま とめ と す る と と もに, 法鋳 へ の 際Hを持 た せ た い 。 図

9

プロペラのついた モーターを回す学習過程

(17)

鳥取大学教育地域科学部紀要 教育・人文科学 第

4巻

2号

(2003) 303

学習活動 2の 話 し合いでは,モーターを回す方法として,「乾電池をつなぐ」はす ぐに児童か ら出 た。ただし,実際に乾電池 をつないでモーターを動か した経験 ある子 を聞いたところ

,5名

しかい なかった。直接経験の少なさを実感 して驚いた。次の方法として,「太陽電池をつなぐ」が出た。中 には,「ぼ くは,お姉ちゃんの ソーラーカーを動か したことがありますよ。」と発言 した子 もいて感 心 させ られた。さらに,「手で回す」とい う方法が出た。確かに正解である。教師の立場では予想で きなかったが,子どもらしい発想に思わず納得 させ られた。「乾電池のように電気 を起 こす ものは, 他にありませんか。」と問いかけたが,子どもが思いつかなかったので,「手回 し発電機」は教師が 提 示 し ,使 い 方 を 説 明 し た 。 わ くわ く赳料 日配4年 11( Sズと , 4年わ くわ く翌科日側1想( ′u'∇ ,,メt∵ノVQ「1/む・/■ν ′ヒo 4fll(S尾 1 4年 1想(IL) 学 習 活 動 3で 自 由 試 行 活 動 を 行 っ た 。子 ど も た ち 酔 窪 尋 路 部 謀 零 'た こと ③今日の字口で3としら,,たことや `しみ こと -一人ひ とりが乾電池,光電池 。手回 し発電機 を使,意欲的に活動できた。ほとんどの子 どもが初め ての経験であり,新たな発見や驚 き,そ して疑間が 生 じたことと思い,自由試行の後で「わ くわ く理科 日記」を書かせた。その例 を4名 ,図10に示す。 S児はモーターを自分で回 した経験がなく,電池 でプロペ ラの動 くこと自体が楽 しかったようであ る。さらに,太陽の光でプロペ ラが動 くことに驚 き を感 じ,「どうして太陽の光でプロペラが回るのか が調べてみたい」という問題意識を持つ ことができ た。 I児 は学習全般に理解が不十分な児童であるが, 自由試行によって,太陽電池でプロペラを回す楽 し みや電池でモーターが動 く驚 きを感 じ,「これから すごいものを調べてみたい」という学習意欲が生 じ ている。

*

〇不BHにBっ査こと将べてみたvN_t 1年11(N)ζ ) ()●8の子口ヽ おとしうか,Rこ とや洒し●●たこと ユ写品,汗fとイυべうを1わしたこと

景ヾ

〇扱し、と,Jゎぃにこと ,この'そI:ヽ キら,

f 〇不 “にB,にとやHぺてみたいこと

終 Ъ

=η `えられる,I 図

10

わ くわ く理科 日記 N児は知識 。理解 が抜群で ,科 学的な思考力 も優 れている。自由試行の中で手 回 し発電機 に興味 を持 ち,モーターが とて も速 く回ったことか ら,家 にある発電機 について調べてみたい と感 じてい る。自転車の絵 が措いてあることか ら,ラ イ トをつ ける発電機の存在 を既 に知 ってい ることが分かる。 T児も今 までにモーターを自分で回 した経験 がな く,導 線 を電池 につ ないだ らプロペ ラが回 るの を初 めて知 って驚 き,太陽電池でプロペ ラを回 したことが面 白かったよ うで ある。 さらに,「どう やった ら日光 をエネルギーに変 えられ るか,調べてみたい」とい うエネルギー的な見方 をしている ことは注 目に値す る。 「わくわく理科日記」に書かれた学級児童27名の反応をまとめると

,次

のようになった。 ◎面白かったことや楽 しかったこと *光電池でプロペラ (モーター

)を

回 したこと *電池でプロペラ (モーター

)を

回 したこと *手回 し発電機 を使ってプロペラを回 したこと *プロペラやモーターを動かしたこと 〇競したこいイういたこと ③見見したこと料とういたこと 12名 6名 5名 4名 ロバ・ ク花よわ しR 〇兒見したことや露どういたここ 1したときわと'ろ (うぎⅢltの _ 4年 1日(T鳴 ' ⑤今日の学口で留もしろ),たこと '4し 4●●たこと i縣子七べ "ゞ わるのrL llしわ【 〇不瑯tg,たことや "ム てみたにと 鴎

(18)

304

杉本良一 :子 どもの もつ電気エネルギー認識 と光電池単元の指導に関する研究 以上の結果 を見 ると,どの項 目につ いて も光電池関係が トップになってい る。この ことか ら,子 どもたちが光電池 に強い関心 を示 してい ることが分かる。 本時の 自由試行 によって,子どもたちは電気でモーターを動 かす とい う直接経験 を し,「日光でプ ロペ ラが回 るなんて驚いた。光電池 について調べてみたい。」などの問題意識 を持つ ことがで きた。 (2)動くお もちゃ作 り 自由試行の次 に,「どのようにす ると,モーターがよく回 るだろう」とい う問題 を投 げかける単 元構成 を組んだ。しか し,子どもたちの意識の 中にはモーターを速 く回 したい とい う願望 がまだ ない ことと,理科の時間に晴天 に恵 まれなかった こととが重 な り,初めに動 くお もちゃ作 りに取 り組む ことに した。 図11に学習過程を示す。まずポリびんを利用 したプロペラカーを提示 して,製作への意欲を高め た。次に,「光電池を使って動 くおもちゃには,ど んなものがありますか。」と問いかけたところ, 「ソーラーカー (プロペラカー

)で

す。」とすぐに反応があった。ところが,次 の発想がなかなか出 てこない。そこで,「遊園地には動 くものがたくさんありますよ。」とア ドバイスしたところ,コー ヒーカップ・観覧車,メ リーゴーランドなどを思い付いた。それから自分の作 りたいものを決め,同 種のおもちゃを作る製作グループに分かれて,そ れぞれ教え合いながら製作活動を行った。 ◎発見 したことや驚いたこと ― *日 (太陽電池

)で

プロペ ラが回ったこと *電池でプロペ ラがよく回 った こと *手回 し発電機 を回す とプロペ ラが回った こと *モーターを動 かせ るのは

,電

池 だけ じゃない。 ◎不思議 に思 った ことや調べてみたい こと *どうして 日光でプロペ ラが回 ったのか *いるんな発電機 について *モーターはどうやって動 いてい るのか *手回 し発電機の中がどうなってい るのか [製作グル ープの構成人数] プロペ ラカー コーヒーカ ップ 観覧車 メ リーゴー ラン ド ミキサー 10名 4名 2名 1名 6名 2名 1名 1名 10名 (すべて男子) 6名 (すべて女子) 5名 (女子4名・男子 1名) 4名 (すべて女子) 2名 (女子 1名 ・男子 1名) 男子の興味は,や はリプロペラカーに集中した。モーターと車軸をプー リーや輪 ゴムでつなぐ普 通のソーラーカーの場合は,容易に動かすことができるので,工夫 しないと動かないプロペラカー を意図的に作 らせた。モーター・プロペラ・車軸・車輪はセッ トに入っているもの を使い,車体 を 自分の用意 した材料で作 るように した。空 き箱・牛乳パ ック・食品 トレーなどを活用 して,子ども たちは製作 を進めていった。ところが,教師の意図 した通 りには簡単に動かない。「なぜだろう。」と

(19)

鳥取大学教育地域科学部紀要 教育・人文科学 第

4巻

2号

(2003) 悩む子 どもたちをよ く見 ると,車輪 が車体の牛乳パ ックにつか えてい るので,回らないので ある。 「回 りの部分 を切 った らいいんだ。」と気付 き,車輪 が回転するように した。空 き箱や トレー を車体 に してい る子 どもたちは.車軸が車体 に触れ る部分の摩擦 が大 きくて,やは り動かない。よ く見 る と,車軸 を通す穴が ぎざぎざになっている。そこで,「ス トローを車体 にさして ,そ の中に車軸 を入 れ るとうまく回 ります よ。」 と指導 した。 次 にや っと光電池 にライ トの光 を当てて動か してみ る。少 しは動 くが,なかなか走 らない。「なぜ だろう。」とまた悩 んだのち,「車体が重たいん じゃない」 と気付いた子 どもは,軽くす るための方 法 を考 えていった。結局一番 よく走 ったプロペ ラカーは,ト レーとス トローをうまく利用 して作 っ たもので あった。また,遊園地のお もちゃの場合 は,回る部分が大 きくて も,重さを軽 くした り重 心で文 えて回転す るよ うに調節 した りと工夫すれば,う まく回 ることに気付いていった。 こういった製作活動 における工夫 は,電 気エネルギーをいかに効率 よ く運動エネルギーに変換す るか とい う工夫 に通 じるものである。動 くお もちゃ作 りの活動 を通 して,子どもたちはエネルギー 的な体験 がで きた と思われ る。ところが,実際の理科授業では,教師 はどうして も市販の教材 セ ッ トに頼 りがちで ある。それでは,エネルギー的な体験活動が十分 には行 えない と考 える。 ① 本 時 の ね らい(2時間 扱 い) ■光 電 池 とモ ー タ ーを使 って,動くお も ち ゃ を工 夫 して作 る こ とが で き る よ うに な る。 Htく お もち ゃ作 りの学 習 過 程 (第2時) *同じ 目的 を持 った児 童 が 集 ま った製 作 グル ープの 中 で,執え 合 い な が ら憲嵌的におもちゃを作ううとすう。 ④学習過程(第2時) 学 習 活 at 指 導 上 の 留 意 点 時 間 l 製 作 グ ル ー プ に 分 か れ て,本時 の め あ て を 建 認 す る 。 l Ra時に 書 い た設 計 図 に基 づ き, グ ル ー プ の中 で 協 力 しな が らお も ちゃ作りを進めていくようにtB示 する。

%

光 電 池 と モ ー タ ー を 饉 っ て,口く と も ち ゃ を 作 ろ う 2 グ ル ー プ ご とに動 く と も ち ゃを 作 る。 率プ ロベ ラ カ ー ■ コ ー ヒ ーカ ップ *メリ ー ゴ ー ラ ン ド *H鷺車 キ ミキサ ー 3 作 つ た と も ち ゃ の 発 表 会 を す る 。 2 随 時 乾 電 池 や 光 電 池 を 使 っ て モ ー タ ー を 動 か して み さ せ る 。 う ま く 動 か な い 爆 合 や 構 造 上 不 安 定 な お 合 は,設計 国 と違 っ た お も ち ゃ を 襲 作 させ る。 0 製 作 グル ープ を巡 視 しな が ら, う ま く作 れ な い児 童 の 支 援 を した り,活島 に お け る諄 価 を 行 っ た り す う 。 3 -つ の 襲 作 グル ープ で ま と ま っ て,作品 の 紹 介 を させ る 。 0 他 の グ ル ー プ の 子 が 乾 電 池 を持 ち,紹介 の 時 お も ち ゃ が 動 くの を 学 騒 児 童 に 見 さ せ る よ う に 配 慮 す ②隼 苗 モーター,プ ロペラ`光 電池,段 ポール紙1 トレー・車軸1 車 輸・ カ ップ,空き 箱.牛乳 バ ッ ク`はさ み,セロ ハ ン テ ー プ ③学習過程(第 1時) 学 習 活 動 指 導 上 の 留 意 点 時 間 l プ ロ ペ ラ カ ー と回 る 花 の 見 本 を見 て,どん な お も ち ゃ を作 る の か 知 る 。 1 見 本 が 光 電 池(実脂 に 動 く の を 見 せ て,製作 へ の 意 嵌 を 高 め る 。 0 見 本 以 外 の お も ち ゃ て も よ い こ と を 知 ら せ,作品 を 自 由 に 考 え さ

%

災       燿 光 電 池 と モ ー タ ー を 使 っ て,助く お も ち ゃ を 作 ろ う 2 自 分 の 作 り た い も の を 発 表 し,製作 ク ル ー プ に 分 か れ る。 オプ ロペ ラ カ ー *コ ー ヒ ーカ ップ ■メ リー ゴ ー ラ ン ド イ観 覧 車 ■ ミキサ ー 3 助 くと も ち ゃの 設 計 題 を 書 く。 2 作 り た い も のXII決ま っ た ら,同 じ 目 的 を 持 っ た 子 と も 同 士 が 集 ま っ て,製作 グ ル ー プ を 作 る よ う に 指 示 す る 。 O グ ル ー プ 内 で 散 え 合 い な が ら, 一 人 ひ と り の 発 想 を 生 か す こ と が 大 切 で あ る と 助 言 す る 。 3 作 品 の 構 想 を 持 た せ る と と も に 必 要 な 材 料 の 確 霊 を さ せ る 。 0 長 作 グ ル ー プ を 運 視 し な が ら, 造 言 状 況 の 把 握 と 支 観 を 行 う 。 図

11

動 くお もち や作 りの学習過程

(3)モ

ーターがよく回る方法の工夫 おもちゃ作 りをして,光電池に光を当てて実際におもちゃを動か してみると,子どもたちは「 もっ と速 くモーターを回 したい」という意欲 をもつようになってきた。そこで,いよいよ「どのように すると,モ ーターがよく回るだろう」とい う課題 を子 どもたちに投げかけた。その学習過程 を図12

(20)

306

杉本良一 :子 どもの もつ電気エネルギー認識 と光電池単元の指導に関する研究 に示す。まず子どもが考えた方法は,「光電池 を太陽の方に向ける。」である。これは,作ったお も ちゃを動かす時に,光電池が太陽の方に向いていないとうまく動かなかった経験から考えられたも のである。 次に思いついた方法は,「鏡で光を集めて当てる。

Jで

ある。これは

,3年

生の時に鏡 を使 って光 集めをした経験 を思い出 したものである。もう一つの方法は,「光電池 を何個かつなげる。」である。 これは,ミニ四駆のモーターを乾電池で動かしたことのある子が2個の電池を直列につないだ経験 から考案 したものであるう。 これ らの思いついた実験方法は,学 習カー ドの予想欄に理由とともに記入させるようにした。方 法を考案 した人数は,次のようになった。(1名欠席のため,全26名) 【方法1】 光電池を太陽の方に向ける。………20名 (理由

)光

電池は,太陽の力で動 くから。 太陽の光が強 くなるか ら。 光電池は光 を電気に変えるから

,太

陽に向けると多く光が当たる。

方法

2】

鏡で光を集めて当てる。………

13名 (理由

)鏡

で3年生の時に光 を集めたか ら。 鏡 で光 を反射 させた方 が,光が強 くなるか ら。 鏡 を当てると,太陽の光がいっぱい当たるか ら。

方法

3,

光電池を何個かつなげる。………

2名 (理由

)何

枚 もつ なげた ら,その分速 く回 る。 光 がよ く当たるか ら。 理 由を見 ると,子 どもたちが光の強 さに注 目していることが分かる。中には,「光電池 は光 を電気 に変 えるか ら」とい うエネルギー変換的な見方がで きるようになった児童 もいる。これ らは,自由 試行 と動 くお もちゃ作 りによって ,光 電池の働 きが子 どもたちに認識 されつつあることを示 してい ると考 えられ る。

(21)

鳥取大学教育地域科学部紀要 教育・大文科学 第

4巻

2号

(2003) O本時のねらい *モー タ ー が よ く回 る方 法 を 自 分 な り に考 え, 2つ以 上 の 嘉 験 セ して “ *光電 池 を 使 っ て ヽ ― タ ー を 速 く回 す 経 験 か ら,電気 の 働 き を 体 患 す る 0準 備 モ ー タ ー,プロ ヘ ラ,光 H tL.魚.学習 カ ー ド 0学習過程 学 習 活 Ht 指 導 上 の 留 患 点 1 光 電 池 を 使 っ て 発 見 し た こ と や 不 思 議 に 思 つ た こ と を 発 表 す る 。 2 学 習 関 理 を 知 る 。 l W時 言 で の 学 コ をな 尋 さ せ,児 童 の ま 酸 が 本 時 の 学 コ に つ な が る よ うに 配 慮 す る 。 2 +分 に 問 HHを 意 議 づ け て お く,

%

%

%

%

%

trのよ うにす ると,モー ターが よく回るだろう 3 格 果 を 予 想 し,自分 な り の 実 験 方 法 を 考 え *光電 池 を 大 障 の 方 に 向 け る 。 *筑て 日 光 を 集 め る 。 孝 光 電 池 を つ な ぐ 。 4 実 験 を す る 。 5 実 験 の 結 果 を 学 習 カ 予 堰 が 立 て ら れ を い 子 も い る の で.思い つ い た 子 に 免 ま さ せ て, 実 験 の 見 通 し を 持 た せ る 。 実 絵 方 法ti,グル ー プ 内 で 執 え 合 っ て,一人 が2つ以 上 の 実 験 を す る よ う に 指 示 す る 。 4 グ ル ー プ 内(協力 し な が ら 実 麟 を と め さ せ る 。 0 実 験 の 様 子 を 遵 観 し な 01ら,増 切 ■ 支 置 を し て い く 。 5 2つ 以 上 の 共 験 が でBたかtrつ か 盛 認 し,でき な か っ た 兵 験 は 後 で 自 主 的 にl‐Fう よ う に 助gする 。 図

12

モーターがよく回る方法を工夫 した学習過程 実験 方 法 を個 人 で考 えた後 で,何通 りの方 法 を思 いつ い たか確 認 した と ころ

,2通

り以 上 の児童 は9名 しか い なかった。そ こで,グル ー プの 中で個人の考 えた方法 を教 え合 い

,2通

り以 上 の実験 をす ることに した。一人ではなかなかで きない方法 もあるため,グル ープ内で協力 しなが ら実験 を 進め させた。その結果

,3通

りの方法 ともモーターがよく回 ることを,子どもたちは直接確 かめる ことがで きた。 調べた結果 を学習 カー ドに記録 した ものが,図13で ある。

K児

の結果 を見 ると

,3通

りの実験結 果が図 とともに示 してある。鏡で光 を反射 して当てる場合 は,“太陽 な し"すなわち 日陰で あって も プロペ ラが回 ることに気づいている。C児の結果 を見 ると,鏡 1枚よ り2枚

,2枚

よ りも3枚と,段 階的によ く回 るようになることに気づいてい る。これは,光の強 さにともなってプロペ ラの回転 も 速 くなるとい う,光エネルギーと回転 (運動

)の

エネルギーを結び付 けた見方が芽生 えて きている もの と考 えられ る。

(22)

308

杉本良一 :子 どもの もつ電気エネルギー認識と光電池単元の指導に関する研究 理t4等習カー 比年十粗

( K尼

)

斜等習カ ー境年〕粗

( Cケ

色 まとより1閣 気 の1雪 ミ喝 て子 11月十日中

間藤

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方 法1自 分 の 考 え 友 速 の 考 え

日 べ た 結 暴 反 せ い がが蓼3ま ヤ`ド乙 ょく、まわ'た。

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率借 果 は う ま く 出 ま し た か 。 ⑨ わD●った こ と 。貿 べ て み た い こ と モ ー タ ー が よ く回 る方 法 を工 大 した学 習 の記 録 図

13

学習カー ド

(4)光

電池 と手回 し発電機の対比 単元の導入で自由試行 を行 った時か ら取 り扱った手回 し発電機 は,光電池 と対比す ることによって, エネルギー的な見方を養 うことができる。つまり,光電池 も手回 し発電機 もエネルギー変換 により電 気エネルギーが得 られるので,子どもたちにエネルギー変換 を意識づ けることがで きる。さらに,強 い電流 を得 るためには,光電池 に強い光 を当てた り手回 し発電機 を速 く回 した りすればいいので,光 エネルギー とハ ン ドル を回す仕事 とを結び付けることができる。 そこで ,図14に示すような学習 を展 開 した。まず光電池に当たる光の強 さを変 えると電流の強 さが 変わることを確かめ,次に手回 し発電機のハ ン ドル を回す速 さを変 えて電流の強 さの変化 を調べた。 まと =り 増註負9111ら ぎ

‖月4日(点)

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方 法:自 分 の ■ 文 ― の 考 え ガボン.七 こkセ多く卜当てる 八番n芳卜tiナろ ロ ヘ た 結 果 反 せ い 亀 t.点 皓 ↓ r・t、口 Ь

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子 を は 合 つ て い ま し た か 。 O 方法はよかったですか。 O 倍 果 は う よ く 出 ま し た か 。 〇 う か っ た こ と 。萬 へ て み た い こ と

(23)

鳥取大学教育地域科学部紀要 教育 '人 文科学 第

4巻

第 2号

(2003) 309

光 電 池 と手 回 し発 電 機 を対 比 した実 験 の γ 習 還 程 と 光 電 池 と手 回 し発電懺の働 きを対比 した学習 過程2 0本時 の ね らい Φ 本 時 の ね らい *光の 強 さ によって光電Pdから流 れ 出 る電 流 の強 さ が変 わ る こ とを, 率光電池0子回 し発電機 も電流が取 り出せ,光の当て方やハ ン ドルの 子 口 し発 電taを回 す速 さ を変 え た場 合 と対 比 しなが ら理解 す る 。 回 し方 を変 える と重滅 が変化す ることか ら.再者 の共 通 点 を エ ネル *回路 を流 れ る宝 演 の向 きが変 わ る と,モーターが反 対 に回 るこ とに ギ_働に提 えることが で きる。 気 付 く。 ■光電池 の仕組 みや利用 の現状 を知 り,将来 へ の期待態 を高 め る。 ② 準 n モ ー ター,プロペ ラ.光電池,電灯,手回 し発 電機 検 流 計 ② 準 備 ピデオ「 みんなで学ど光電池」(文部省 遇定) 0学習 遇 翌 ◎ 学 習 過程 学 習 活 動 指 導 ■ の 留 摩 点 1 前 時 の 実 験 の 内 容 を 思 い 出 す 。 *検流 計 の つ な 営 方 ▼検 滅 計 の 針 の ふ れ *光電 池 を 反 対 に 接 続 2 ホ時の間題を知る。 1 検 滅 計 を 使 つ て 光H池か ら流 れ 出 る 電 流 の 強 さ を ロ ヘ た こ と を 思 起 さ せ る 。 0 モ ー タ ー の 回 る 速 さ と 電 流 の 強 さ と の 関 係 を 確 露 す る 。 2 前 時 の 活 動 と常 び 付 け る 。

%

%

%

錐 モ ー タ ー に 置 れ る 電 流 の 強 さ が 変 わ る の は な ゼ だ ろ う 。 3 E減 の 強 さ が 変 わ る 理 由 を 考 え,それ を 調 べ る 方 法 を 話 し台 う。 *光電 池 に 当 た る 光 の 強 さ が 変 わ る 。 キ重 減 の 強 さ が 変 わ 乳 4 光 電 Pdと 幸 回 し発 重 taを 使 つ て,電流 の 強 さ を 調 べ る 。 3 検 滋 針 の 針 の ふ れ と光 電 PBに 当 た る光 の 強 さ と が ま だ 結 び 付 い て い な い 児 歯 も い る の で,再直 関 係 を 明 ら か に して お く。 Of今 日 lu t灯 を 使 つ て 調 べ よ う 。j と,子と る た ち に提 案 す る 。 光 の 強 き の 変 化 と発 電 機 の ハ ン ドル を 回 す 速 さ の 変 化 を 対 比 して ` エ ネ ル ギ ー 的 な 見 方 を 養 う 。 手 回 し発 電 機 を 逆 に 回 す とモ ー タ ー が 反 対 に 回 る こ と か ら,電流 の 向 き が 変 わ る こ と に 気 付 か せ る。 学 習 活 動 指 導 上 の 留 意 点 時 間 前 時 ま で の 字 習 内 容 を ノ ー トに ま と め る 。 ま と め た こ と を 発 表 す る 。 学電 減 の 向 き 半回 路 に つ い て ‡光 と二 滅 の 強 さ 光 電 池 と 手 回 し発 電 機 に つ い て 話 し合 う 。 1 わ か ら な い 所 は,教科 書 で 調 ヘ な が ら ま とめ さ せ る 。 2 意 図 的 に 女 子 を 指 名 し て,発表 に 自 信 を 持 た せ る 。 O 黒 板 に 日 を 簡 い て,電流 と 回 路 の 概 念 が 視 見 的 に 使 え ら れ る よ う 3 再 者 の 共 通 点 が 見 出 せ る よ う に 缶 し合 い の方 向 づ け を す る 。 % % な           ‰ 光 電 Pdと 子 口 し発 電 の は た ら き を 比 べ て み よ う 。 半手 回 し発 電 機 とは ? *どう した らt滅が た く さ ん 起 こ っ た か 。 ■光 電 池 は と ん な 時H 滅 が 強 く を っ た か 。 4 ピ ア オ「 み ん な で 学 ど 光 電 池Jを税 聴 して 理 解 を 凛 め る 。 手 回 し発 電 機 の 働 き を 確 認 す る と と も に,ハン ドル を 速 く回 し た 時 の 体 感 と電 流 の 強 さ を を 起 さ せ 4 光 電 池 や 大 路 エ ネ ル ギ ー の 素 晴 ら し さ を,榛々 オ ‖ 面 か ら児 童 に 実 憩 させ た い 。 0 必 要 に 応 して ピ デ ォ を 停 止 し, 解 説 を加 え る 。 図

14

光電池と手回し発電機を対比した実験の学習過程 2つの実験 によって,「光電池 と手回 し発電機 には似ている所があるな。」と感 じた子 どもたちも いる。それを受けて,『光電池 と辛回 し発電機のはた らきを比べてみよう。』と問いかけ,話し合い を行った。そのときの教師 と児童のプロ トコルを以下に示す。 教師

Cl

C2

C3

C4

教師

C5

教師

C5

教師

C6

教 師

C7

C6

教 師 手回 し発電機 とは ,ど んなものだったで しょうか。 手で回 して,モー ターを回す ものです。 手で回 して,電気 をつ くる機械 です。 手で回 して,電気 を起 こす機械です。 ハ ン ドル を手で回 してヽ,そ こか ら小 さな電気 を起 こす機械です。 電気 をつ くって くれ るものには,他に何があ りますか。 発電所です。 発電所の中がどうなっているか,知っていますか。 知 りません。 他 に電気 を起 こす ものがありませんか。 太陽電池です。 手回 し発電機 だ と,どうした ら電気がた くさん起 こったで しょう。 速 く回 した時です。 強 く回 した時です。 電流 は1可Aぐらいにな りましたか。

参照

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1  ミャンマー(ビルマ)  570  2  スリランカ  233  3  トルコ(クルド)  94  4  パキスタン  91 . 5 

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