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『見て感じてNST ラウンド&カンファレンス』

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Academic year: 2021

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『見て感じて NST ラウンド&カンファレンス』

~豪華キャストが繰り広げる症例実演会~

《はじめに》

昨今 NST(栄養サポートチーム)が稼動している施設はかなり増えてきており、

他団体ではあるが日本静脈経腸栄養学会の NST 稼動施設の認定は全国で 1,223 施

設(2008 年7月 1 日現在)に上っている。一方、当学会では 2007 年 4 月にチー

ム医療実践推進委員会の活動の一環として「チーム医療実践検査室ネットワーク」

が立ち上がったが、現在 NST への登録は 18 施設である。

多くの施設は NST のチームメンバーに臨床検査技師が加わっているが、参画し

ている技師の活動状況は必ずしも一様とは言えず、積極的に病棟ラウンドに参加

している施設もあれば、データを出すには出しているが何をやったらよいか分か

らない、といった声も聞こえてくる。

施設によってラウンド(病棟回診)、カンファレンスの仕方など様々あると思わ

れるが、今セミナーでは、ラウンドに参加したいがそのきっかけがない、参加し

ていても何を話したらよいかわからない、といった方々を対象にラウンド状況、

その後のカンファレンスにおける技師の役割などを見て、感じて、活動の参考に

して頂きたく「実践 NST」を企画した。

《症例実演会》

本日(2008 年 10 月 9 日)提示の症例は『パシフィコ医療センター』に入院中

の 2 名の患者さんです。

それぞれサマリーと臨床検査データを参照に、事前にわかることはアセスメン

ト票に書き入れてみてください。

壇上では患者訪問の風景が演じられますが、あなたが訪問したつもりになって

考えてください。また病棟ラウンドを行なった後はカンファレンスが行なわれま

すが、あなたなら何を提言しますか? 一緒に考えてみてください。

《配 役》

医師(チェアマン):山中 英治(若草第一病院 外科)

管理栄養士(ディレクター):佐藤 敏子(自治医科大学附属さいたま医療センター

栄養部)

薬 剤 師:小園 幸輝(東邦大学医療センター大森病院 薬剤部)

看 護 師:津畑 亜紀子(新座志木中央総合病院 看護部)

臨床検査技師A:畑中 徳子(天理よろづ相談所病院 臨床病理部)

臨床検査技師B:高田 千浩(埼玉医科大学総合医療センター 中央検査部)

(2)

パシフィコ医療センター

症例 1

【患者プロファイル】 患者名:東 京子(アズマ キョウコ) 年齢:67 歳 性別:女性 病 歴:胃癌術後(StageⅢA)、食欲不振、筋力低下、腎機能障害、肝機能障害 職 業:主婦 家 族:夫(69 歳) 息子夫婦 孫 2 人 【患者サマリ】 2008 年正月には老人会の旅行に行くなど活動的であったが、旅行から帰ったあとなかなか疲れがと れなかった。その後も「倦怠感」が続き、4 月頃から「吐き気」「胃もたれ」「食欲不振」を感じ、近 医を受診した。 2008 年 5 月 10 日、当センター消化器内科を紹介され受診。胃内視鏡、病理学的検査の結果小彎部 の癌と診断される。 6 月 4 日、胃幽門側切除術を行い 2/3 を摘出した。 6 月 26 日に退院。 入院中に認知症様の行動が出現したためメンタルクリニック受診。うつ病と診断される。 10 月 3 日、自宅にて加療中、被害妄想や異常行動、意識障害(JCSⅡ-10)が起こり当センター救急 外来を受診。血圧は 178/120mmHg。発熱 38.6℃。緊急検査にて BUN 127.1 mg/dL、Cr.1.83 mg/dL の値 を示したために腎・高血圧内科に入院となる。 その後、意識は比較的良好になったが食事摂取は無く、「吐き気」「胃もたれ」「ふらつき」の訴えあ り。10 月 8 日の検査ではアルブミンが 1.1 g/dL と極度の低アルブミンを示したために NST へ依頼が あった。 【NST 依頼状況】 依頼内容は、摂食障害の改善,血清アルブミン値 UP の相談。 現在は輸液(末梢)1,000mL+エレンタール 3 缶(経口)ですが、退院も考慮しており、経口でのカロ リー・水分摂取が望ましいと考えています。食欲低下が強くなっている為、食べられるもので食事構 成をお願いします、とのこと。 【東 京子さんの身体状況】 入院時体重 47.0 kg 身長 154 cm TSF 7 mm AC 20.3 cm 皮下脂肪の減少(++) 筋肉の消失(++) 下腿浮腫(-) 仙骨部浮腫(-) 腹水(-) 嚥下障害(-) 褥瘡(-)

(3)

<症例 1> 患者ID:123-456-7 氏名:東 京子(アズマ キョウコ) 病棟:腎・高血圧内科 部屋:101号室 検査日 10月3日 10月8日 項目 基準値 入院時 RBC M:3.9-5.6 F:3.7-5.0×106/μL 5.08 3.61 Hb M:13.1-17.0 F:11.5-14.5 g/dL 16.1 11.4 Ht M:38-50 F:36-45 % 50.1 33.8 Plt 15-35×104/μL 5.7 4.3 WBC 3.5-8.0×103/μL 22.3 15.6 CRP 0.2 mg/dl以下 29.2 17.0 BUN 7-19 mg/dL 125 32 Cre M:0.6-1.2 F:0.5-0.9 mg/dL 1.83 0.70 Glu 65-110 mg/dL TP 6.7-8.1 g/dL 5.5 Alb 3.7-5.0 g/dL 2.2 1.1 T-Cho 110-220 mg/dL 114 LD 100-225 IU/L AST 11-32 IU/L 86 156 ALT 3-30 IU/L 58 249 T-Bil 0.2-1.0 mg/dL 0.7 ALP 100-335 IU/L Na 139-147 mmol/L 173 140 K 3.5-4.8 mmol/L 5.2 4.0 Cl 101-111mmol/L 136 107 Ca 8.4-10.0 mg/dL 2.1-2.5 mol/L Zn 57-117 μg/dL 10/3 カテ尿 MSSA≧105,E.coli ≧105 検出 10/6 血培 MSSA 検出 パシフィコ医療センター

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症例1:東 京子(薬歴)

内 容 単位 10月3日 10月4日 10月5日 10月6日 10月7日 10月8日 10月9日 アルロイドG mL 120 120 120 240 大塚糖液5% 50mL 1 2 2 2 2 2 2 大塚糖液5% 250mL 1 1 1 1 1 1 1 大塚糖液5% 500ml 1 ソービタ 組 1 1 1 ピーエヌツイン1号 1L 1 1 1 生食 50mL 2 2 2 生食 100mL 2 注射用水 500ml 1 1 1 1 1 1 1 フィジオ35 500ml 2 4 2 1 2 ラシックス注 20mg 1 2 2 2 2 ヒューマリンR 100単位 12 8 10 5 4 メロペン 0.5g 1 1 0.5 注射用フサン(50mg) 瓶 4 4 3 3 3 3 3 ユナシン-S静注用(1.5g) 瓶 1 2 2 3 4

(5)

症例 2

【患者プロファイル】 患者名:湊 未来雄(ミナト ミキオ) 年齢:78 歳 性別:男性 病 歴:平成元年より RA にてフォロー中、平成 10 年 膜性腎症、間質性肺炎を指摘される。 職 業:無職(元公務員) 家 族:妻と二人暮し 【患者サマリ】 平成 20 年 6 月 24 日 肺炎にて緊急入院。 呼吸状態かなり悪く直ちに抗生剤 PAPM 0.5 g×2 day で治療開始。脱水もあり乏尿を認め、利尿が つくまで充分の補液を行った。その後、抗生剤を PAPM(カルベニン)→CTRX(ロセフィン)→LVFX(ク ラビット)で治療。 【NST 依頼状況と回診の経過】 7 月 12 日 NST 介入依頼 炎症反応は改善傾向にあり抗生剤は中止とした。小康状態ではあるが、炎症による衰弱と長期臥 床により ADL 低下のためリハビリ開始。下肢に褥瘡が発生し、NST の介入依頼となった。 7 月 15 日 NST による栄養評価 1 体重 51.9 kg(入院時体重 53.0 kg) 身長 155 cm 褥瘡:右踝に 2.5×2 cm ポケットあり。デブリードメント実施「D4e2s1i0G5N1P1」 食事摂取状況:5 割程度 食事内容の変更: 普通食ハーフ + テルミールゼリー朝・昼・夕 + テゾン朝・夕 (少量でカロリーが確保できることと、亜鉛補充を目的に変更) 8 月 25 日 NST による栄養評価 2 体重 51.5 kg 褥瘡:2×1.8 cm 不良肉芽なく、きれいな創面「D3e1s1i0g1n0」 食事摂取状況:7~10 割 患者談:「杖をついてトイレまで歩けるようになりました。でも腰と太ももが痛いのはつらい。食 事は食欲が出てだいぶ食べられるようになりました。嫌いなものが出たときはあまり食べられ ません。ゼリーはおいしくいただいています。」 食事内容の変更: 普通食 + テルミールゼリー朝・夕 9 月 11 日 NST による栄養評価 3 体重 50.5 kg 褥瘡:1.8×1.5 cm 周りから少し表皮化みられる「D3e1s1i0g1n0」 摂食状況変わりなく、経過観察 パシフィコ医療センター

(6)

患者ID:777-888-9 氏名:湊 未来雄(ミナト ミキオ) 病棟:総合内科 部屋:201号室 検査日 6月24日 7月12日 8月25日 9月11日 9月20日 10月8日 項目 基準値 入院時 NST依頼 回診2 回診3 RBC M:3.9-5.6 F:3.7-5.0×106/μL 4.14 3.49 3.42 3.94 3.5 3.47 Hb M:13.1-17.0 F:11.5-14.5 g/dL 12.0 10.3 10.2 11.7 10.4 10.4 Ht M:38-50 F:36-45 % 37.0 32.0 32.0 36.8 32.8 32.8 Plt 15-35×104/μL 16.9 19.7 19.4 21.9 23.4 26.3 WBC 3.5-8.0×103/μL 16.8 5.7 8.0 7.5 9.7 8.3 CRP 0.2 mg/dl以下 43.3 2.1 2.6 6.2 6.5 5.4 BUN 7-19 mg/dL 42.1 29.1 29.5 28.5 27.8 29.2 Cre M:0.6-1.2 F:0.5-0.9 mg/dL 2.0 1.1 1.2 1.2 1.1 1.2 Glu 65-110 mg/dL 53 76 114 123 71 74 TP 6.7-8.1 g/dL 6.3 6.1 6.9 6.5 6.4 6.1 Alb 3.7-5.0 g/dL 2.4 2.4 3.0 2.7 2.7 2.6 T-Cho 110-220 mg/dL 120 174 163 168 LD 100-225 IU/L 345 224 252 201 307 437 AST 11-32 IU/L 71 40 28 19 35 25 ALT 3-30 IU/L 19 17 11 11 23 22 T-Bil 0.2-1.0 mg/dL 1.4 0.6 0.8 0.8 0.7 0.7 ALP 100-335 IU/L 358 342 266 230 294 299 Na 139-147 mmol/L 135 139 137 137 138 136 K 3.5-4.8 mmol/L 5.3 3.5 4.4 4.3 4.2 4.4 Cl 101-111 mmol/L 96 101 105 104 103 104 Ca 8.4-10.0 mg/dL 2.1-2.5 mol/L 9.0 2.3 8.3 2.1 8.8 2.2 9.2 2.3 9.3 2.3 9.9 2.5 Zn 57-117 μg/dL 40 75 パシフィコ医療センター

(7)

I D(           )

氏名(         ) 男 :女

年齢(     )

診療科(       )

主治医(       )

身長(cm) 体重(kg) 体温(℃)

身体状況

嚥下状態 食欲 下痢 褥瘡 ADL BMI TSF(mm) %TSF

身体

AC(上腕周囲長)(cm)

アセスメント

%AC AMC(上腕筋周囲長)(cm) 基礎代謝量(kcal) 必要エネルギー(kcal) ヘモグロビン(g/dL) RBC(×106/μL) WBC(×103μL)

データ

アルブミン(g/dL) 総コレステロール(mg/dL) 中性脂肪(mg/dL) 血糖(mg/dL) CRP(mg/dL) 経口 経腸 輸液 熱量(kcal)

摂取栄養量

蛋白質(g) 脂肪(g) 糖質(g) ※ AMC(cm)=AC-π×TSF(cm) パシフィコ医療センター

月  日

【栄養療法の提言】

アセスメント票

月  日

月  日

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