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庫建設を考える必要があるかも知れない しかしまず足下で既存の港湾倉庫を活用し, 料金でも戦いながら国内物流事業を拡大していこうと考えました その実行を担うのが現業事業本部です と川野氏は話す その一端として昨年, 主に中国からの輸入製品をコンテナヤードで通関後, 長野県の内陸倉庫に横持ち保管してから

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Academic year: 2021

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輸入貨物の

国内物流事業を強化

◆国際港湾物流の担い手  旭運輸は名古屋港を拠点に港湾 物流事業を展開し,近く設立60周年 を迎える企業(図表-1)。港湾地区内 の稲永・金城地区と西四区方面に各 種倉庫・流通センター・モータープー ル・コンテナセンターなど合わせて 約20万㎡の物流施設を保有。大手 船会社と連携しつつ,専門ノウハウ とITにより高度なサービスを提供し てきた。  09年2月にAEO特定保税承認者, 11年4月にはAEO認定通関業者の認 定を取得し,申告官署の自由化など の優遇措置を受けたスピーディな輸 出入通関サービスを提供している。  主な事業領域は,輸出入手続きか ら通関・輸送・保管・流通加工・物 流システム構築までをカバーする物 流事業と,コンテナ船,自動車船な どへの船積みの元請け業務が中心 の海運事業。これによって国内でも トップクラスの貨物取扱量を誇る名 古屋港,ひいては中京地区の産業発 展を下支えしてきたのだ。  しかし同社は昨年4月,これらを 担う海運事業本部,物流事業本部 に加え,現業事業本部を設置し, 新たな体制を組むことにした。  「現業とは,港湾物流事業を現場 で実践する庫内業務の実行部門で, 従来は物流事業本部の中にグループ として置いていたのですが…」と管 理本部システム戦略グループの担当 役員で現業事業本部の副本部長を 兼任する,川野政広取締役は説明す る。  「国内物流業務の需要が拡大して きたので,将来的に配送センター設 置も見据えて格上げし,事業本部化 することにしたんです」 ◆国内物流業務にも注力  実はこの体制整備には,同社の 将来展開に向けた戦略方針が埋め 込まれている。港湾は歴史的に,生 産地から港湾へ,港湾から需要地へ と連なる国際物流の集散地として重 要な役割を果たし,栄えてきた。だ から同社も港湾地域に集中して倉庫 設備を拡充し,需要に応えてきた。  しかし川野氏によると,港に隣接 した港湾倉庫には現在でも港湾法 や港湾運送事業法による多くの規制 が残り,そのため一般の物流業に比 較して料金に割高感がある。  「昨今は顧客企業も内陸に倉庫を 設け,そこに輸入貨物を港湾から横 持ちして全国に配送する,といった ケースも増えてきました」(同)  経済グローバル化の進展により, 中国など海外工場で生産した商品を 輸入し,通関後,国内の拠点に輸 配送する国内物流の需要が,家電や アパレル,通信販売などの分野で拡 大している。このままではそれらの 業務が,港湾倉庫から内陸に流れて しまう恐れがあるということだ。  「将来的にはわれわれも内陸の倉

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/ 先端物流 IT ソリューション ZoomUp

最軽量級クラウド型在庫管理システム

で国内物流業務の IT 化を開始

旭運輸・稲永12号営業所

 旭運輸㈱の会社概要 図表 -1 本  社 名古屋市港区入船2丁目4番6号 創  業 1919(大正8)年4月1日 設  立 1952(昭和27)年4月1日 資 本 金 1 億円 代 表 者 萩野 聖代表取締役社長 営業種目 港湾運送事業,貨物運送取扱事 業,通関業,海運代理店業,倉 庫業,その他関連事業 従 業 員 223名(平成23年4月現在)

WMS事例②/家電物流

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国内物流事業を拡大していこうと考 えました。その実行を担うのが現業 事業本部です」と川野氏は話す。  その一端として昨年,主に中国か らの輸入製品をコンテナヤードで通 関後,長野県の内陸倉庫に横持ち 保管してから全国の顧客店舗に配送 していた泉精器製作所(シェーバー, ヘアケア製品や電気調理器具ほか家電 品等のメーカー)から,「この物流セン ター業務を港湾倉庫でできないか」 という案件を受託。800坪ほど余裕 のあった稲永地区の2か所の倉庫を 使い,12月から業務を開始した。  確かにいちいち内陸倉庫に横持ち せずとも,荷揚げしたその港で即, 店舗別ピッキング・仕分けして全国に 配送する方が合理的だ。成功すれ  ところが。話は簡単には進まな かったのである。

慣れぬ作業でミス発生,

検品システム検討

◆小物ピックにミス  港湾物流の現場業務は,コンテナ 船からの積卸し,デバンニング,パ レタイズとフォークリフト荷役,といっ た工程からなる大型貨物中心の,プ ロの男たちが担うハードな物流現場 である。  これに対し,今回の受託業務のよ うな国内物流業務は,パレット貨物 になったその先の仕事。つまりケー ス・バラピッキングや検品・梱包と いった細かくソフトな作業が主体で, 一般物流事業者なら女性パートタイ マーが主役になることが多い。  「港湾物流一筋できた我々の現場 は,箱を開けて小物を1個ずつピッ ク・梱包して出荷する作業には慣れ ておらず,当初はかなりのミスが続 いてしまいました」と川野氏は打ち 明ける。  年末の繁忙期にこの業務移行が 重なったことが響いたのだ。年が明 け,慣れれば落ち着くだろうと見て 本  社 名古屋市港区入船2丁目4番6号 創  業 1919(大正8)年4月1日 設  立 1952(昭和27)年4月1日 資 本 金 1 億円 代 表 者 萩野 聖代表取締役社長 営業種目 港湾運送事業,貨物運送取扱事 業,通関業,海運代理店業,倉 庫業,その他関連事業 従 業 員 223名(平成23年4月現在) 川野政広取締役 ! 泉精器 出荷オーダー 業務簡素化が 達成されていない範囲 iWMS X1導入業務範囲 ①出荷オーダーの入手  ・FAX ①受注入力  ・泉精器システム ③iWMS X1出荷準備 ピッキング オーダー データ ピッキング リスト ②出荷書類印刷準備 ④出荷書類印刷 ⑤出荷書類セット ⑩出荷書類入手&貼付 ④出荷書類印刷 送り状作成ソフト&ドットプリンター 指定配送先 指定伝票 作成 納品書 送り状 物品受領書 納品書 送り状 送り状 直送先 直送先 指定配送先 指定配送先 物品受領書 納品書 送り状 物品受領書 指定伝票 作成 送り状 指定伝票 作成 泉精器システム&レーザープリンター 対査チェック A伝票 B伝票 旭・事務所 旭・現場 新興海運 配送業者 作業・情報・データ、帳票 ⑥ピッキング ⑧梱包検品 ⑨出荷数登録&荷札印刷&貼付 ⑪集荷 ⑦梱包 ピッキング リスト 新B伝票 貨物 貨物 貨物 荷札 貨物+荷札 + 送り状 納品書 物品受領書 指定伝票 iWMS X1  業務の流れとiWMSⓇ X1を導入した作業工程 図表 -2

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 「他にも照明が暗く見にくいなどの 改善ポイントを上げて整理してミス 削減に向けた対策を練り,手順の見 直しやダブルチェックなども考えまし たが,やはり人の力には限界がある。 そこでバーコードシステムを導入する ことにしたんです」  泉精器の業務での配送先は,7割 が卸業,残りが家電量販店など小売 店で一部には客注の個人宛もあり, バラピッキングの多い細かな作業だ。 く違う機能が必要になるので自社シ ステムに代えて荷主のシステムを導入 し,専用端末に入るオーダーから出 庫手配票をプリントアウト,これに基 づきピックし梱包していた。  「しかし,出庫に係わらない受注 情報も混在するなど出庫票が見づら く,誤出庫の一因になっていること が分かりました」と管理本部システ ム戦略グループの森伸一課長代理 は話す。 いたところ,確かに件数は減ったが 個数・品番間違いなど,同じミスが 繰り返されていた。  新業務の開始にあたり同社ではプ ロジェクトチームを組み,棚番ロケー ション管理を入庫から出庫までしっ かり実施し,浸透させようとしていた。 だが続くミスを減らすために,改め て対策の検討を開始した。  管理システムとしては,従来の港 湾倉庫用の保税システムとはまった ❶12号倉庫の保管・ピッキングエリア ❷ 運送会社別に振り分けられたピッキングリストを棚から 取り出す ❸ リストのバーコードを読むと,ハンディ端末(標準機のキー エンス製,5台使用)にピッキング指示が出る ❹ 指示ロケーション(床面に表示)に移動し外装チェック後, 指示数をピック,リストにチェックを入れリフト台車へ ❺ リフト台車(花岡車輌のダンディリフト,6台使用)は常に 最適高さに調節でき,作業者の疲労を軽減する 1 2 4 3 5

特集

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成・変更ができるフレキシビリティを 兼備。  無線ハンディ端末で在庫管理・作 業実績情報を逐次更新,その進捗 状況をWeb経由でリアルタイムに照 会・共有,エクスポートもでき,確実 な受払情報の管理が可能になる(図 表-3,4)。  だがクラウドサービスにより,サー バ導入などの初期費用は無用でユー ザー・ID登録数は無制限,サービ ス運用料金も「出荷明細1行2円」の 従量制で最低月額9800円から最高 でも5万円(1荷主・1倉庫),という 手軽さが魅力だ。 ◆採用決定のポイント  以上の特長も踏まえつつ,旭運輸 がiWMSⓇ X1を採用したポイントを 整理すると,次のようになる。 [1] 初期コスト,運用コストが安くス ピーディにスモールスタート 〈初期コスト〉無線LANアクセスポイ ント6台と管理端末費用 〈運用コスト〉明細行数が1日平均 300-350行として( 月6000行×2円= 12,000円)+ハンディ端末使用料(5,000 円×5台=25,000円)=37,000円/月 月に無線LANシステムとハンディ端 末を導入,9月から本稼働を開始し たばかりだ。  システム運用の流れは図表-2の通 りで,まずは受注入力以降,ピッキ ングリスト作成からピッキング・梱包 検品・荷札印刷に至る工程のIT化に より,精度と効率を向上中。そのう ち現場作業の模様を以下,本文に並 行し紹介していく。

最軽量級の

クラウドシステム

◆限定機能で低価格実現  iWMSⓇ X1はフレームワークスの 従来の本格WMSラインナップとは 一線を画し,在庫管理・検品など必 要最低限に機能を絞り込んで軽量 化,国内のパブリッククラウドプラッ トフォームから提供されるサービス。 最近増加中のクラウドWMSの中で も,最安レベルの廉価を打ち出した ことで注目されている。  しかし無線ハンディ端末に対応し 即座にサービスインが可能なのに加 え,各種データはエクセルベースで 自在に加工でき,思い通りの帳票作  システム化に際しては大型システム の採用案もあったが,こうした3PL 的な業務は投資が回収できるまで 継続できるか不透明。そこで当面は 在庫管理と誤出庫の回避に焦点を当 て,バーコードによる検品システムを 導入することにしたのだ。 ◆検品と在庫管理のシステム化  同社はここで誤出庫対策のプロ ジェクトチームを組み,早急な導入 に向け本格検討を開始した。  ベンダー 6社に提案を求め比較検 討した結果,「もっとも早く,低い投 資額で手軽に導入できる」システムと して,フレームワークスの提供するク ラウド型在庫管理システム・iWMSⓇ X1の採用を決定した。  「将来的にはしっかりしたシステム を作りたい。しかし我々にはまだそ の知識・ノウハウが十分ないので使 いながら勉強ができるよう,一番手 軽なクラウドシステムを使うことにし ました」(同)  東日本大震災のため進行が2か月 ほど遅れたのだが,採用決定は本 年6月,7月から1か月は「無料トライ アル期間」で運用を確かめた上で8 複数拠点・複数荷主対応 1品目複数識別コード(JAN/ITF等)の管理 良品・不良品等の在庫ランク管理 在庫の日付(製造日,消費期限日)管理 精緻な在庫属性管理(ロット番号+5種のロット属性) 荷姿管理(ケース,ボール,バラ) Excelによる簡単操作・帳票出力 無線HTによる入荷実績登録/出荷検品機能を標準実装 インターネットからの在庫・受払・出荷進捗等を照会 各種データエクスポート機能標準実装 ログインユーザーによる機能/情報参照権限設定  iWMSⓇ X1の主な機能と連携イメージ 図表 -3,4

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ンロードする手間もなしに直接加工 できるのも魅力でした」(森氏) [3] 専業WMSベンダーのサービスを 利用し,ノウハウを学べる  前記の通り,将来的に本格WMSを 構築・活用するため,スモールスター トでノウハウを蓄積することにした。 *  「純粋な国内物流用システムを使う のは初めてで戸惑った部分もありま したがトライアル期間内で吸収でき, プラグインインストールですぐ入れた 本稼働の際も,現場でのハンディ操 作を検証確認したうえで直ちに開始 できました」と森氏は付け加える。  「またパッケージクラウドサービス ながら,追加変更希望に対応する バージョンアップが行われ,フレーム に特化し,ケース・ボール・バラと出 荷単位を区分し数量も入れるなど苦 心の跡が伺える。  「エクセルベースで動くので運用に 特別な教育が必要なく,csvでダウ [2] エクセルと連動,データの2次 加工・カスタマイズが自在  使いにくかった従来のピッキング リストを,自ら工夫して改善を重ね, 見やすくした(写真❻❼)。出荷情報 ❻❼旧ピッキングリスト→iWMSⓇ X1導入後の改善版

❽検品はピッキング終了後に,別の担当者がリストと商品のバーコードを照合,個数も確認 ❾❿検品完了後,現場端末でリスト管理No.を入力し宛先等を確認後,プリンタ(ブラザー製)で出荷ラベルを出力 ⓫出力した出荷ラベルを商品1個単位に貼付けたら,端末で出荷処理済みの登録 6 7 8 9 11 10

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感ました」と話す。  また川野取締役は,「現業事業本 部が担う倉庫現場業務,とりわけ細 かな作業の多い国内物流業務では 誤出庫を限りなくゼロに近づけ,顧 客の要求に応える必要があります」 と続ける。  「港湾物流関連でも,輸出貨物は 保税エリアでなくても輸出申告でき るようになるなど,規制緩和が進み つつあり,これまでのように保税倉 庫だからと海貨業務を[待つ]だけ の姿勢ではいけない。内陸に流れた 配送業務をもう一度,地理的条件の 優れた港湾倉庫に取り戻せないか。 そのための現業部門の事業化であ り,人材の育成と共に新システムが その有力な武器になることを期待し ています」  グローバル化の勢いは今後もさら に増していく。ならば地の利がある 国際港湾倉庫に,改めてスポットが 当たる可能性は大いにある。  その時,市場変化に対応しIT武 装した旭運輸の活躍の舞台が広がる に違いない。 いる。 ◆導入効果  まだ本稼働に入ったばかりで正式 な効果検証はこれからだが,本シス テム導入により以下の効果が確認さ れている。 ・正確性  見分けのつきにくい製品や小物品 も含め,ピッキングミス,数量過不 足があればバーコードスキャンで警 告が出るため,ミスの撲滅が期待さ れる。 ・ステータス管理  現場の管理端末,また本社事務 所など離れた端末からでも,作業進 捗状況・在庫情報などステータスが リアルタイムに把握でき,在庫と作 業管理の精度を向上できる。 *  今後について森課長代理は「現 在は第1ステップとして従来工程に ハンディ検品を組み込んだだけなの で,今後さらに工程を省くなど,低 コスト化に向けオペレーションの最 適化を検討していきます」「iWMSⓇ X1はクラウドサービスで確かに機能 は限られていますが,使い方の工夫 と知恵を絞れば十分活用できると実 ワークスさんの真摯な姿勢を実感し ました」

正確性,作業管理精度の

向上に期待

◆受託業務の概要  泉精器製作所の国内物流業務を 担う現場は,各400坪の倉庫2棟で, 在庫保管棟と出庫棟とし使い分けて いる。業務請負範囲は中国からの 輸入コンテナが名古屋港に揚がって からの通関,ドレージ配送,保管, 出庫,国内配送まで一連の業務。  コンテナから商品をデバンニング しパレタイズの後,直ちに品質検査 を行い,合格品をストックとして保管 棟に入庫する。  ピッキング作業の様子を写真で紹 介しているのは出庫棟の様子で,保 管棟から先入れ先出しで移動した在 庫品から,写真の工程で出庫・梱 包・検品作業を行う。受注指示は当 日14時が締め切り,夕刻までの当日 出荷に対応している。  1.5 〜 2.2万カートン/月の出荷量が あり,荷主指定を含む4社の運送会 社を使い北海道から沖縄まで,日本 全国の家電小売店舗などに配送して 12 13 ⓬小物は別のカートンに詰め合わせて梱包 ⓭完了品は出荷場に移動,運送会社別にパレタイズし,梱包明細と送り状セットを添付したら出荷準備は完了だ

参照

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