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Japanese Japar ユ Soclety Society of Psychosomatic Psychosomatlc Medlclr Medicine ユe 症例研究 加ノ P ワ clzo som 4ed ,2007 ウェルシュ菌を疑われる起炎菌により, 出血性壊死性

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(1)

  ,

 

症 例 研 究

われ

炎 菌

性壊 死性 腸 炎

亡 した

神 経 性 食

不 振 症

剖 検 例

西 田

二 *

/ 小

敦子

* *

/松

弘道

* *

/平 野

* *

/ 陣 内

佳子

* *

杤 原 京 子

* *

 芳

* * 抄 録; 患 者は 23 女 性低 体 重にて X−2年 9月に当 院を初めて 受 診 した,神 経 性 食 思不 振 症 と診 断さ れ,即 日入院 となっ た.行 動 療 法 を 行 うこ とに よっ て体 重が増 加し,同 年 12月に 退 院した、そ の後 外来で も体重は増加 しつ つ あっ たが, X − 1年 6月 を最後に通院が途絶えた,  X 年 2月 1 日,夜 間より腹痛を生 じ他 院を受診し,点 滴を受けたが症 状は改善せず,翌朝当 院 に受 診 し た.来 院 時,極 度の低 体重 を認め る と と も にシ ョ ッ ク状 態で あ り,人工呼 吸の施 行と, 輸 液,昇 圧 剤,ス テロ イ ド,重 炭 酸 塩 な どの投 与に よる救 命 治 療がな された.全 身 状 態は一時 改 善し た が,麻 痺 性イ レウス と消 化 管 出 血を生じ,来 院より17時 間 後に死 亡,そ の後 剖 検が施 行 さ れ た.   剖検結果および臨 床症状よ り,出血

1

生壊死 性腸炎,腸 管嚢 腫様 気腫 症,門脈 内ガス血症と診 断 し た.こ の原 因として ウェ ル シ ュ 菌 感 染が強 く疑われた.ウェ ル シ ュ 菌は 自然 界に広 く存 在 する と と もに,ヒ トや 動 物の腸 管 常 在 菌であ り,発 病 や 死 を 牛 じるよ う なことはき わめ て まれで あ る.し か し神 経 性食 思 不 振 症 患 者の ように低栄養で 免 疫 力の低 下がある患者に とっ て は,重篤な 転 帰を た どるこ とも ある と考えられ た. Key words :神 経 性 食不 振症,       門脈 内ガ ス血 症 ウェ ル シ ュ 菌,出血性壊死 性 腸 炎,腸 管 嚢 腫様気 腫症, は じめ に  神経 陸食思不振症患者の死亡率は, 報告に よっ て 異な るが,5〜 20%で あ ると されて お り , 死 亡原 因は合併 症, 自殺, 原因不明の 順とい う報 告 が あ る1}.合 併症の うち呼吸 器感 染症につ い て の報 告は し ば し ば み られ るが, 消 化 管 感 染に よる死 亡 例の報 告は乏 しい今 回 わ れ わ れは, 治療により体 重が増加傾向にあっ たに もか か わ らず通 院を自己中 断し,そ の

8

カ月後に腹痛お 2006年5月31 日受 稿,2007 年 1月11日受 理 * 大 阪 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 漢 方 医 学 寄 附 講 座 (連  絡 先 :西 田愼二 〒565−0871大 阪府吹田 市 山 田丘 2−   2 ) S’* 近 畿 大 学 医 学 部 堺 病 院 心 療 内 科 よび 意識レベ ル の低 下を 主再度受 診 し た が 受診 よ り

17

時 間で死 亡した症例を経 験 し た . そし て剖検の結果 ,ウェ ル シ ュ菌と思 わ れ る感 染に より腸管 嚢腫様 気腫 症, 門脈 内ガ ス血 症 を 生 じて い るこ とが 明 らか になっ た.神 経 性食思 不 振症 患者の ウエ ル シ ュ 菌感 染も し く は 腸 管嚢 腫 様 気 腫 症の文献 的報告 はみ られず, 若干の考 察を加 えて報 告する.

症 例

 患 者 :

23

歳 ,女 性.  主 訴 :腹痛 , 意 識レ ペ ルの 低下.  現 病 歴 :高 校卒 業後 看護 専 門学校に 人 学, 勉 学の ス トレ ス に よ り過 食 を す る ように なっ た。 こ の ため 体 重 が 50kg か ら

60

 kg となっ た が,ダ Vol.47 No,10.20e71 心 身 医 875

(2)

Table 1 来血 液 検所 見  ‘ヌ  囁 設   ?eriphef 詑

b

職りσdl 萼    萼 饗 囁ll 君1δQa 誓含s analys 曩sll  『

 

F;BI而 礁  帥鱒

i

ll

灘 粥 隔         噂P 動、茸 WBC 30600/’ H 6.734CRP 1.2m /dJ stab 25.5% pCO2 29、3mmHgTP 6,49/dど seg ゆ 52.5%

9

0

% PO2HCO 412.9mmHg  

3

8mmHAlbT

−Bil. 4.49/α

1

2mg

/〔E

Mo 8.0%

SBE

一31.9mE /♂

ALP

4431U/」

Eo 0.5% GOT 971U/」

RBC       565 x104 /μ ’ Coagulation test GPT 821U /

HbHt 17.49/dJ  55,4% 胃 PT   16s66 ,0% LDHCPK 4491U/1761U /」 Plt 31.1× 104/μ」 APTT 59.2sBUN 22mg /〔E Contro1 32.9sCre 1.6m /〔U FDP 20μ9/n∬ UA 10.6m /〔U

Glu

550m /

dJ

Na 126mE /! Cl 87mE /〜 K 7.6mE /」 イエ ッ トを始め体重が減 少, 学校 も

2

年生末で 退学 した,こ の後 他 院心療 内科を受診 し た が改 善せず,

X

− 2 年

9

月 当院受診 となっ た.体 重へ の こだ わ りが み られ, 自己誘発性 嘔 吐はない も の の市 販 下 剤 を多用 してい るこ と, 身長 161 .4cm に対 して

26

1kg

BMI

10

0

)とい う低 体 重 な どか ら,

DSM

IV

Diagnostic

 and  

Statistica1

 

Man

− nual  of 

Mental

 

Disease

 

4

 th ed )診断基準お け

神経性食思不振症 (む ちゃ食い排 出型 )で ある と診 断し た.外来で は治 療 困難 と考え,即日 入 院と し た. 経鼻経 管栄養 ,末梢 点滴な ど の施行 に て全 身状態の安 定を図っ た後, 行動療 法を導 入 す ることによっ て体 重が増加し, 同年 12月に

35

5kg

の体重で退院し た.その後, 外 来に て

40kg

を 目標 と して外来フォ ロ ーを 行っ た.当初 はむ ちゃ食い 行 為 に よ り腹 痛 を き た し, 救急外 来を 受診する こ と も時折み ら れ た が, しだい に そ の ような行為は消失し,体重は 日ご とに増加 した.ま た 体が楽になる と ともに就 労も開始 し た. 経 過は順 調の よ うに思 わ れた が X − 1 年 6 月 (体 重 38 .3kg 受診を最後に通 院は途絶 え た  ところ が, 同年12 月に風邪をひい たの を きっ か けに重が減 少, 家人 が当 院再 診を勧めたが 拒否して い た.そ して

X

2

月, 夜 間か ら強い 876 腹痛を訴え近 医受診, 一般診 療 腹部 異常な しと判 断さ れ,維持液 500 ml の 点滴にて 帰宅 した.しか し その 後も症状は軽快せ ず, 翌 朝より両親が当 院心療 内科を受診 させ る途 中に 意識 レベ ルが低 下 した ため, 午前 11 時に当院 救急外 来に受診 と なっ た.  既往歴 :市 販 下 剤用 あり.  心理社会的背景 :両親 との

4

人家族 ,父 親は仕 事で長 期 出張が多い.母親も仕 事を して い るため に忙 しい患者は老 人保健施 設の補 助 員の ア ルバ イ トを し て お り,受診

3

日前まで勤

i

務を して い た  心 理 検査所 見 (

X

− 2 年入院時):

YG

性 格検 査 ;

D

型,

TEG

(東大 式エ ゴグラム);(

CP

60

NP

90

 

A

40

, 

FC

96

, 

AC

4

パ ー タ イ, ロ ール シ ャ ;反応数

14

, 平 凡 反 応

3

.著 しい不良形 態 反 応 は み られ ず, 精神 病水準で はない 観 的で物ご と をみやす い が 本人な りに学ん だ社会適応の方法 として その まま行動 化し ない とい う策が取 られて い る と思わ れ る とい うもの であっ た.

 

来院時現 症 :全身状態不 , 意識レベ ル

JCS

300

, 身長 ・体 重 ;測定不 能だ が著明 な るい痩 あり, 体温

33

8

℃, 脈拍触 知 せず.血 圧 ;測 定 不能, 眼瞼結膜 ;貧血様, 眼球結膜 ;黄疽 ( 一 , VbL 47 No.10.20071心 身 医

(3)

  Fig.1 腹 部X 線 (側 臥 位) 著 明 な腸管の拡 大とニ 像 を認め る. Fig. 2 腹 部 x 線 (仰 臥 位) 右上腹 部 拡大像         門 脈にガス像 を 認め る. 顔面 蒼 白, 瞳孔左右 とも 5mm .心音 ;速 ・整, 雑 音 (一), 肺 音 ;清, 腹 部 ;平坦硬, グル 音 低 下, 肝脾 触 知せ ず, 腹水 ( 一 , 四 肢 ;浮 腫 (一), 末梢チア ノ ー , 皮膚 ;乾燥著明.  来院時血液検査所 見 (

Table

 

1

):著 増 多, アシ ド ー,高 リウ , 高血糖, また凝 固時間の延長を認め た .  画 像 所 見 :胸 部単純

X

;肺 野清,

CTR

(心 胸 郭比)34%.  経 過 :直 ちに気 管内挿 管 を 行い , 人工呼 吸 を 開始 し た.ま た, 中 心 静 脈 輸 液ル ート複お よ び 末 梢 静 脈 輸 液ルー トを確保 し た.脈 拍 を 触 知 せず,血 圧 測 定 も不 可能 なこ と より,極度の

hypo

− volemic  shock い る と考え, 循環動態の 安定を目標に急速輸液を行っ た.さ らに重炭酸 塩 ,

dopamine

,  methylprednisolone の点滴 投与 も行っ た.治療開始後約 2 時間で血圧は

120

70

mmHg 程度まで 回復 し,痛み刺激に も 反応す る ようになっ た.な お 輸液 量 は こ の 間で

4

500

mi

に も達 した.しか し その後 し だい に血 圧 が 低 下,ま た

16

時 頃 より肛門か ら 鮮 血の出血が み ら れる ように なっ た.こ の と き腹 部は硬 く緊満 し,腸雑音は な く,打診で腹部全体に著 明な鼓 音を呈 していた,こ のため肛門鏡を施行し た が, 明 らか な出血源は認めなか っ た.ま た ,腹 部単 純

X

線 (Fig . 1, Fig .2)検 査を し た ところ, 著 VoL 47 No.10,20071身 医 明な腸 管の拡 張お よびニ ボー像 , さ らに , 肝臓 に おい て 門脈の走 行に 一致 して空気の 像を認め た .凝 固系査 デ ータの悪化も あ り,

DIC

(播 腫性血管内血液凝 固症候 群)に よ る消 化 管出血, 麻痺 性イレ ス お よび門脈 内ガス 血 症を考え, 新鮮 凍結血漿 3 単位の 輸血 を行っ た . ところが さ らに その後 経 鼻チュ ーブか ら も鮮 血の排 液が み ら れる よ うになり, 濃厚赤血球 輸 血

3

単位を 行っ た. しか し肛 門 出 血, 経鼻チュ ーブ か ら 出 血 はまっ た く改 善 が み られ ず, 血 圧 も しだい に 低 下 し, 翌朝

4

時に死 亡 が確認さ れ た.  死 後

4

時聞で 病理 解 剖 を 行っ た. 体型は細 身 で 栄養不 良の状態で あっ た.腹部は 膨 満 し, 腹 部と両下肢に出血斑と肛門か らは出血 を認め た. 開腹 時異臭を伴い,血性 腹水が

300ml

み られ, 小腸は鼓腸し暗 赤調 を 呈 して い た小 腸 粘膜に は,散在 性に出 血 びら ん と広範囲 に 粘膜下 気 腫 を 認 め た (

Fig

3

).大 腸 においても. 回 盲 部 よ り上 行 結 腸 に同様の所 見 が観察さ れ た.組織で は, 小 腸 壁 全層が凝固壊死 とな り, 粘 膜 下組織 は気腫状を 呈 し てい た.そ し て グラム 染色で は, 粘膜に多数の グラム 陽性桿菌が認めら れた (Fig . 4).他の臓器所 見 と し て は,急性壊 死 性 膵炎 , 膠様 変性を伴 う低 形成 骨髄,感染睥 . 急性尿 細 管壊 死と腎 うっ 血, 肝細胞萎縮と肝 うっ 血, そ して心筋萎 縮が 認 め ら れた. 877

(4)

い   IG       i ,  1ろ .,じ ?/    ttt  ’tft  ’!o     ガ     さ 耀 躍 霾

.         Fig,

3

 回 腸肉眼 所 見 散 在 性に出血 び ら んが み ら れ,広 範 囲に粘 膜下 気 腫 が観 察さ れ た,         Fig. 4 回 腸 組織所 見 小腸壁は,全層が 凝固 壊死 と な り,粘 膜下組 織は気 腫状を 呈 し ていた、ま た,グラ ム染色 (右上)で は, 粘 膜に多 数の グラム陽性 桿 菌が認められた,

考察

  受 診 時の血 液 データにお ける著 しい アシ ドー シ ス と高カ リ ウム血 症 は, 一時 的 な 心 肺 停 止 存 在 が推察 さ れ よ う.ま た, 患者に糖尿 病の既 往は ない もの の高血糖を 生 じて い る原因につ い て は,急性の劇症 膵炎も考え ら れる が,病理 所 見は あ くま で も死戦期の循環不 全に伴 う急性膵 炎像で あり, 時 間的に は説 明がっ かない. 敗血 症性シ ョ ッ クやアシ ドーシ ス などの影 響2)3>で高 血糖にな るとの報 告が あ るが, 最も疑わ しい の は点滴投 与後の採 血によ る影響で あ ろう.  腸 管の剖検所 見 お よ び 腹 部

X

線像 か らは, 出 血性壊死性腸 炎 を 伴う腸 管嚢腫様気腫症 に, 門 脈 内ガス 血症も 生 じ た もの と診 断で き る.そ し て こ の 原 因と して, グラム 陽性 桿 菌ガス産 生菌 で ある

Clostridium

 

PePtringens

(ウェ ル シ ュ 菌 ) の 感 染が強 く疑われる.  ウェ ル シ ュ 菌は偏性嫌 気性の 芽胞形成 菌で あ る クロ ス ト リ ジ ウム属の一菌種で , 長さ 3 〜 9 μm , 幅

0

9

〜 1.

3

μm , 非運動性の グラム 陽

1

生大 型桿菌で ある,ヒ トや動物の大 腸内常在菌で あ る と と もに 川, 海, 耕地 な どの土壌 に広 く分 布 する,発育至適温度は他の食 中毒 菌 と は異な り

43

47

と高 く, 分裂 時 間も

45

で 約 10 分 間と短い 特徴が ある.また,

4

種 類の 878 主要毒 素α,β,ε,‘の産生性か ら

A

か らE の

5

つ の毒素型に分類さ れ る.  わ が 国にお け る ウェ ル シ ュ 菌食中 毒 事 件 数 は そ れ ほ ど多い もの では ないし か し,

1

事 件 当 た りの患 者 数 は 他の細 菌 性 食 中毒に比べて圧 倒 的に多い 原 因食品 は大 量に加熱調理 さ れ た後, そ のま ま数時間か ら一夜室 温に放 置さ れて い る こ と が 多 く,加熱 調理 さ れ た食品中で は,共存 細 菌の 多 くが死滅 する が,熱抵抗 性が強い 下痢 原性ウェ ル シュ 菌芽胞は生存す る.そ して ,加 熱によ り芽胞の発 芽が促進され,同時に,食品 内に含ま れ る酸素が追い 出さ れて ウェ ル シ ュ 菌 の発育に好条件が与 え ら れ る.そ して食 品 中の ウェ ル シ ュ 菌は 加 熱 調 理食品 が徐々 に冷 却 し て い に急速 に増殖する.  食 中毒や ガス壊 疽の原 因になるのは ほ と ん ど が

A

型菌である.食 中毒の 主要症状は腹痛と下 痢で 下痢 回数は 1 日 1〜 3 回程度の ものが多 く , 主 に水様便 と軟便で ある. 腹部膨 満感が ある場 合も あ るが 嘔吐 や発熱な どの症状は き わ めて 少な く, 症状は 一般的

1

2

回復す. しか し, 日本の老人福祉施設に お ける 103 人の 集 団発生事例で は

2

例が 死亡 して い る4).   これ とは異なり, 壊死性 腸炎を引き起こすこ とも知 られ てい る.これ は

B

あるい は

C

型菌の β毒 素に よっ て惹起され る もの で あり,喫食後 Vol.47 No.10.20071 心身 医

(5)

24 時間以内に腹 部 膨 満, 上腹 部 痛, 出血性下 痢,嘔 吐 など が出現 し,その後 腸 蠕 動消失 ,シ ョ ッ ク状 態 と なっ て重 篤 な 例で は死 亡 す る.事例 と して は第

2

次 大 戦 後 の栄養 状態の悪い ドイツ で

400

人 以 上 が 発 病 し,致 死率

40

%5),その後パ プアニ ュ ーギニ ア におい て の集 団発生で致 死率

35

40

% とい う報 告が ある6).β毒 素は ト リ プ シ ンで容易に破壊さ れ て しまうが,宿主の栄養 状態が不 良な場合は,これが不 活化 さ れ ない こ と が考え ら れ る.  上 記の ように食餌 性感 染だ けでな く,腸管常 在 菌で あるこ とよ り, 日和 見感染 を 生 じ るこ と も ある。症 例 報 告 と して多い もの は急性 気 腫 性 胆嚢炎で ある7)が,肝細胞 癌に対す る

TAE

(経 カテーテ ル動脈塞栓術 )後の感染で の死 亡例S )や, 敗血症で の死 亡例の報 告9)もあ ら を発症した もの はいずれ も高 齢者で かつ ス テ ロ イ ドや免疫抑制 剤の使用, あるい は悪性腫 瘍の合併して い る者 も多い  腸管 嚢腫様 気腫症は 腸管の粘膜下に空気の 侵入に よっ て生 じる.発生の機序は次の

2

つ に 分類さ れ る.   1 )機械 説 :腸管 内圧の尢進によっ て空気が 粘膜 下に侵入 するこ と に よっ て生 じる.   2 )細菌 感染説 :ガ ス産 生細 菌が粘膜 下に侵 入 す るこ と に よっ て生 じ る.原 因 と な る疾患は 虚血 性 腸 炎, 外傷, イレウス , 感 染, 炎 症 性 腸 疾 患, 膠 原 病, ス テ ロ イ ドの使 用, 慢 性 閉 塞性 肺 疾 患, 特 発性 な どで ある.   門脈 内ガス血症 と は, 文字 どお り門脈 系に空 気が侵入 する疾 患で ある. こ の疾患の発 症の機 序は,   腸管 粘膜が 炎症 や壊 死などの損 傷を受 ける,   イレ ウス, 大腸 内視 鏡 ,腸 炎 などで腸 管の 内圧が高まる,  ガス産生 菌が門脈に侵入 す る, に分類で き る,  本症例は残念な が ら血液培養お よ び糞 便培養 を 行っ て い ない の で, ウェ ル シ ュ 菌の感 染に っ い て の確定 診 断はつ か な か っ た.し か し,門脈 内 ガス血症, 腸 管嚢腫 様 気 腫 症 を 生 じ た とい う V{)1.47No .10.20071心 身 医 こ と と 病理組織にて グラム陽 性 桿菌 が見 出 さ れた ことか ら,

1

司菌の感染 症で あ る可 能 性は き わ めて高い .また 食 事 に より感染し たの か, 不食や 下 剤の乱 用 に よ り腸 内細 菌叢が 乱れ たこ とに よ る 日和 見 感 染 なのかは興 味深い とこ ろ で ある.な お,神 経 性食思不振症 患者の 壊 死性腸 炎に よ る死 亡例は

2

例報 告が ある.受 診 時 2 例 とも極度の低 体 重で シ ョ ッ ク 状 態にあ り, 1 例 は門脈 内ガス血症を 生 じて いた こ と は 本 症例 と 同一で あ るが, 便 培養につ いて の記載 は と もに ない10)11). 神 経性食思 不 振症患 者 は普段 よ り便 秘 や腹満 を訴える ものが 多い しか し, そ の よ うな中に は消化 管の 細菌感染症に よ るもの も存 在する か も し れ ない 症 神経 性食不 振症 は低 栄 養, 易感 染性な どがみ られ, 重篤化の 可能性 も 考え られ る.鑑 別や治療は非常に困難 で ある が, ウェ ル シ ュ 菌感 染症は留意すべ き疾 患 の一っ と いえるで あ ろう. まとめ   極 度の低 栄養を伴 うシ ョ ッ ク 状態の 神経性 食 思 不 振症 患者に対 して治療を行 っ た が , 受診 よ り

17

時 間後に死亡 し た.剖 検の結 果 , 出 血 性 壊 死 性 腸 炎, 腸 管嚢腫 様 気 腫 症, そ して門 脈 内 ガス血 症 がみ ら れ, ウェ ル シ ュ 菌の感 染が強 く 疑わ れ た.神経性 食思不振症患者の 消 化管感染 症の一つ と して, 留意すべ き疾患と考 え られ た. 発 表の 同意につ い て,お よび 謝辞 1  本 症 例の発 表につ い て は, 御 遺 族の同 意 を 得 ま し た.  ま た,救 急外来に て救命にあたっ ていた だい た近畿 大学 医 学部 堺 病 院の多 数の 医師, そ して 剖 検の施 行 な らびに貴重 なア ドバイスをい た だいた 同 院 臨 床検査部 前 倉 先生に深 謝致 しま す  本 症 例 につ い て は第 18回 世 界 心 身 医 学 会 会 議, な ら びに第 47同 日本 心 身 医 学 会 総 会に て発 表 した. 文 献

1)

Sullivan

 PF :Mortality in anorexia  nervosa . Am

(6)

 

fflSychiaOp

  152 :1073−1074 ,1995

2 )Carlson GL :Huntedan  Lecture ;Insulin resis −

  tance in human sepsis :implications for the

  nutritional  and  metabolic  care  of the critically  ill

  surgical  patient. Ann  R Coll Surg Engl  86 :75−

  81, 2004

3)Wolfe RR :Substrate utilization /insulin resis −

  tance 

in

 sepsitrauma. 

Ballieres

 

Clin

 

Endocrinol

  Metab  4 :645−657,1997

4)増田義重,稲松 孝思,濱松 晶彦,他 ;CIDstridium

  汐6 ’ngens 中 毒にお け る重症 化 例の検 討

  気性菌 感染症研究 21:11−16,1991

5 )Zeissler 

J

 Sternberg R :Enteritis necroticans

 

due

 to clostridium  welchii type 

E

 Br Medf  2 :

  267−269,1949

6)Murrell TG :Pigbel in Pbpua New Guinea:an

  ancient  disease rediscovered . Int  1…:

pidemiol

  12:211,1983 7 >和田敏 史,森 谷雅 人,山本 啓一郎,他 :急 性 気    腫性胆嚢炎の 3例.日本臨 床外 科 学 会 雑 誌    65 :185−189, 2004 8)中 願 寺 義通 浦 牛原 幸 治,山 本 栄 篤,他 :TAE   後 Clostridium 

Peijfringens

敗血症に よ る急 激 な    溶血を き た して死亡 した多発性骨髄腫合 併 肝 細   胞 癌の 1剖検例.日本消化器病学 会 雑誌 100:    1395−1399, 2003 9)塚 本 吉 胤, 春日井 務, 西澤 恭子, 他 :全身 臓 器   に嚢 胞 様変 化 を き た し Clostridium 

Penytfringens

   敗血症が推 定され た 1剖検 例.診 断病理 20:    340−343, 2003

10)Kaye 

JC

, Madden MV , Leaper DJ :Anorexia ner−    vosa  and  necrotizing  colitis. Postgrad Med

   

61

:41−42,1985

11)Sakka 

S

, Hurst P, Khawaja H :Anorexia nervosa

   and necrotizing  colitis:case report and review

   of  Iiterature Postgrad  Med   70 ;369 −370,    1994

(7)

Abstract

Autopsy Report fbran AnorexiaNervosaPatientWho Diedof Hemorrhagic NecroticColitis

duetoSuspectedClestridiumperf}'ingensInfection

ShmiiNishida,MD" AtsukoKoyama,MD, PhD" HiromichiMatsuoka,MD' *

'IbmokoHirano,MD" rukako

Jinnai,

MD" " KYokol[bchihara,Ed.M" '

Kaori

Iwagami,

Ed.M' "

'Department of Kampo Medicine,OsakaUniyersityGraduateSchoolofMedicine

(MailingAcldress

:ShiajiNishida,2-2Yarnadaoka,Suita"shi,Osaka565-0871,

Japan)

* "Department

of PsychesomaticMedicine,

Sakai

Hospital

Kinki

University

School

of

Medicine

The patientwas a 23Lyear-oldwoman.

In

September

"X-2" yeag she visitedour hospital

due

to excessive weight loss.Anorexianervosa was diagnosedand she was hospitalizedthesame dayConditionimprovedwith

behav-iortherapyat thehospitaland she was dischargedinDecembe: Howeveg she discontinuedfo11owmupsat the hospital

untilJune "X-1" yeaf:

On February1,"X" yeagthepatientexperienced abdominal painduringthenight, so she

visitecl

another hospital and received drip

infusion.

Condition

worsened and she was

brought

toour hospitalthenext morning.

On

arrival, she was severely emaciated and inshock, so immediaterescue withanificialrespiration and dripinfusionof saline, corti-costeroid, vasopressor and

bicarbonate

was initiated.ConditionimprovedtemporarilM butparalyticileusand

gastroin-testinalbleedingdevelopedand she died17hafterarrival.

Basedon autopsy findingsand clinicalsymptoms, hemorrhagicnecrotic colitis,pneumatosiscystoids intestinalis and hepaticporta1vein gaswere diagnosed.Clostridiumperfringenswas considered as the causative agent. This

bac-terium iswidelydistributedintheenvironment and frequentlyoccurs inthe intestinaltractof humans and many

domesticand feralanimals. Complications and death only occur very rarely Howeveg inmalnourished patientswith

poorimmune status as seen with anorexia nervosa, C

Petfi'i?rgens

may cause severe disease.

Key words: anorexia nervosa, aostridi"m

Petfringens,

hemorrhagicnecrotic colitis,pneumatosis cystoids

intestinalis,hepaticportalvein gas

(Received

May

31,2006 ;accepted

January

11,

2e07)

Table   1 来 院 時 血 液 検 査 所 見  ‘ ヌ     囁 設     ? eriphef 詑 b 職 りσ dl 萼        萼 饗 囁ll 君 1 δ Qa 誓含 s   analys 曩 sll   『   F ; BI 而 礁  帥鱒 驫 隔】 i 量 詮 ll灘 粥       噂P 動、 茸 WBC 30600 / ’ H 6. 734CRP 1 . 2m / dJ stab 25.5 % pCO2 29、 3mmHgTP 6, 49 / d ど seg ゆ 52 .5

参照

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