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児童養護施設職員のストレッサーと共依存傾向がバーンアウトに及ぼす影響について

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Academic year: 2021

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(1)児童養護施設職員のストレッサーと共依存傾向がバーンアウトに及ぼす影響について  学校教育学専攻 臨床心理学コース.    M09072J     安田拓歩. 問題と目的. 2.調査期間.  2010年7月∼9月  近年,子ども虐待の増加や家族問題の複雑多様. 3.調査方法. 化に伴い,親がいながら社会的養護を必要として.  質問紙調査. 児童養護施設に入所する子どもが増加している。. 4.質問紙構成. 果たすべき役割や機能がより専門性の高いもの. ①フェイスシート. に変化し,施設職員の資質や能力や間われるよう.  満年齢・性別・婚姻状況・家族構成・勤務年数. になったなかで,施設職員のメンタルヘルスの問. 職種・最終学歴・社会福祉現場以外の職歴. 題が注目されている。施設職員のバーンアウトに. ②児童養護施設職員のストレッサー尺度(渡邊・岡. 関する研究もなされてきており,積・横山(2003).  罵,2003)43項目,4件法. や藤岡(2008)などは,児童養護施設職員のバーン. ③バーンアウト尺度(田尾・久保,1996). アウトの危険性を指摘している。.  17項目,5件法.  バーンアウトを生じさせる原因の一つとして. ④共依存尺度(洪,2006). 考えられるものとして,共依存という概念がある。.  53項目,5件法. 臨床の現場において,ソーシャルワーカーやカウ. 5.結果. ンセラー,看護師などの対人援助職は,被援助者. ①因子分析(バーンアウト尺度). と共依存の関係に随一りやすいことが指摘されて.  主因子法,プロマックス回転を行った。それ. いる(岡崎,2000;Erickson,1988)。. ぞれ第1因子をr個人的達成感の後退」,第2因.  そこで本研究においては,共依存と,児童養護. 子をr情緒的消耗感」,第3因子をr脱人格化」. 施設職員が日頃感じやすいストレッサーの2つ. と命名した。信頼性についてクロンバックのα係. の要因から,児童養護施設職員のバーンアウトに. 数を算出したところ,それぞれO.771,0,812,O.698. ついて検討していくことを目的とする。. で信頼性は高いと判断した。. ②属性で群分けしての分析.          方法.  満年齢,性別,婚姻状況,家族構成,勤務年数,. 1.対象. 職種に対し,バーンアウト得点の各因子でt検定.  児童養護施設に従事する直接処遇職員. もしくは分散分析を行ったが,どの属性において.  勤務期間が2年以上の児童指導員と保育士. も有意な差を認めることができなかった。しかし,.  90名。. バーンアウト総得点が性別,個人的達成感の後退. 一144一.

(2) が性別と1O%水準の有意傾向が認められた。いず. 係数は0,271で、有意な結果となった(p〈.O07)。. れも,女性が男性より得点が高かった(それぞれ. ストレッサー尺度の第1因子『子どもを取り巻く. t(88)=一1.71,t(88)=一1.72)。. 環境(保護者・システムなど)』の標準偏回帰係.  満年齢,性別,婚姻状況,家族構成,勤務年数,. 数は・0,280で、有意な結果となった(pく.o14)。. 職種それぞれで2∼3群に群分けし,ストレッサ. 3)情緒的消耗感を説明する要因について. ー得点のt検定もしくは分散分析を行った。スト.  ストレッサー尺度の下位尺度、共依存尺度の下. レッサー得点が家族構成において5%水準で有意. 位尺度を説明変数とし、情緒的消耗感を目的変数. な差が認められ,同居家族なしの人が同居家族あ. としてステップ・ワイズ方式の重回帰分析を行っ. りの人より得点が高かった。それ以外には,有意. た。ストレッサー尺度の第2因子『対応困難な子. な差がある組み合わせはなかった。しかし,スト. どもとのかかわり』の標準偏回帰係数はO.454で、. レッサー得点と婚姻状況に,10%水準で有意傾向. 有意な結果となった(pく.000)。共依存尺度の第1. が認められた。未婚者が既婚者より得点が高かっ. 因子『対人関係の問題』の標準偏回帰係数は0,316. た(それぞれt(88)=一2.14,t(85)・一1.76)。. で、有意な結果となった(pく.001)。.  満年齢,性別,婚姻状況,家族構成,勤務年数,. 4)脱人格化を説明する要因について. 職種それぞれに対し,共依存得点においてt検定.  ストレッサー尺度の下位尺度、共依存尺度の下. もしくは分散分析を行ったが,どの属性において. 位尺度を説明変数とし、脱人格化を目的変数とし. も有意な差を認めることができなかった。. てステップ・ワイズ方式の重回帰分析を行った。. ③重回帰分析. 共依存尺度の第4因子『巻き込まれ傾向』の標準. 1)バーンアウト総得点を説明する要因について. 偏回帰係数はO.284で、有意な結果となった.  ストレッサー尺度の下位尺度、共依存尺度の下. (pく.007)。ストレッサー尺度の第2因子『対応困. 位尺度を説明変数とし、バーンアウト総得点を目. 難な子どもとのかかわり』の標準偏回帰係数は. 的変数としてステップ・ワイズ方式の重回帰分析. 0,233で、有意な結果となった(pく.025)。. を行った。ストレッサー尺度の第2因子『対応困. 6.考察. 難な子どもとのかかわり』の標準偏回帰係数は.  ストレッサーと共依存はバーンアウトに何ら. O.449で、有意な結果となった(pく.000)。共依存. かの影響を与えるものであるということが示さ. 尺度の第3因子『境界線が乏しい』の標準偏回帰. れた。今回の結果から,バーンアウトに対処する. 係数は0,339で、有意な結果となった(pく.000)。. ためには,ストレッサーを少なくすることのみな. 2)個人的達成感の後退を説明する要因について. らず,援助者の共依存傾向が強くならないように.  ストレッサー尺度の下位尺度、共依存尺度の下. するという視点を持つことが大切になってくる. 位尺度を説明変数とし、個人的達成感の後退を目. のではないかと思われた。. 的変数としてステップ・ワイズ方式の重回帰分析.  児童養護施設の直接処遇職員に対するバーン. を行った。共依存尺度の第6因子『低い自己評価、. アウトの研究はまだ皆無に等しい。今後さらなる. 低い自己尊重盛』の標準偏回帰係数は0,480で、. 研究の必要があると考える。. 有意な結果となった(p<.000)。共依存尺度の第11.           主任指導教員 市井雅哉. 因子『対処技術の乏しさ・低学習』の標準偏回帰.             指導教員 市井雅哉. ■145一.

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