• 検索結果がありません。

ペパークロマトグラフ法による不揮撥性脂肪族有機酸の定量化のこころみ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ペパークロマトグラフ法による不揮撥性脂肪族有機酸の定量化のこころみ"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

 ペパークロフトグラフ法による不揮撥性

、脂肪族有機酸の定量化のこころみ

    中林利平.野老山 喬

       (文理学部 化学教室)

 著者等は、高度不飽和酸の構造決定を行いっXあるが、高度不飽和酸C過マンガン酸ヵり分解物と して得られ戸飽和二塩基酸0分離及び桧出をペパークロフトダラフ法で行うと同時に、そ0量を大凡 そ知ることが出来るとすれぼ、飽和二塩基酸0分子数が容易に知られるので、そ0高度不飽和酸0構 造決定が簡翠になされると考えた。然るに、ペパークロマトダラフ法を翠に不揮撥性有機酸の分離桧 出に応用した報告(1)(以恥(4)(5)は、多数あるのであるが、その定金化oこころみは、尿だ行われてI いないようである。一方アミノ酸(6)の、桔(8)にっいては、その定量化が試みられて、此等の場合に は、スポット0面積は原点における試料0量0対数に比例することが知られている。こ0ような関係 が不揮撥性脂肪族有機酸にもなりたっも(Z)であれば、精確度は望めないが、そ0定量が出来て、充分 著者等(Z)目的を達することが出来るわけである。  この意図のもとに、先ず数種0不揮撥性飽和二塩基酸及びオキシ酸の翠一試料について、スポット 0面積と試料0量の関係を調べ、スポッ1ヽの面積が試料の量0対数に比例することを見出した。つい で混合試料について調べ、大体において、同様な関係がなりたっことを見出した。  軍一試料について:東洋濾紙No.2を幅2cm、長さ30ciuにきった数枚の短冊をとり、第一〇短冊0原 点に、一定濃度の酸溶液をミクロピペッ1ヽでり、0り2 「(9)つけ、第二(Zニ)短冊(Z)原点には、同一濃度0酸 溶液を0、002 「一回っけ、後、乾燥後再び0、002ml (O同一濃度0酸溶液をつけて、第二の短冊(Z)原点に おける試料0量が第一〇短冊0それ02倍量になるようにした。同様な操作を行って、各短冊0原点 における試料o量が第一の短冊o3倍、4倍……8倍量になるようにした。各短冊は乾燥後Lugg & Overell氏(2)方法に従って、蟻酸:水:正ブタノール=1:1:40混合溶剤を展開剤とし て、下降法により展開し、展開距離が22±0.5cmに達したとき、展開を止め、風乾後ブロムフェノー ルブルユー(40mg/100c.c.アルコーjレ)で呈色させた。ついで呈色部分をきりとって、1000に一時間 乾燥後秤量して、そ0重さより面積を換算した。(濾紙0重さより面積を換算する0は、濾紙0不均 −による誤差0出る恐れがあるが、大きな誤差はないようである。例えぼ、濾紙の任意0箇所を2cm3 きりとって、秤量したところ、23.3、23.8、23.9、23.2、23.8mgであって、こ0平均は23.6mgである。従っ て、最大0誤差は、重さにして0.7ing、面積にして、0.06cm2である。この程度の誤差は、著者等0要 求正確度にとっては許される。)  以上0操作を酒石酸、りんご酸、くえん酸、マロン酸、こはく酸について行った。倶し、酸原液 0、iiOimlは、酒石酸H3y、りんご酸10り'、くえん酸lOOr、マロン酸108}-、こはく酸iO5rをそれぞれふくむ も0を使った。此等酸量は滴定によってきめたもpである。そ0結果は表I及び図Tによってしめ す。表I中の1∼80数字は、上記酸量の倍量をしめすも0である。        (1)

(2)

62

試料の量︵1 

                  − ﹃ 0 0 0 0 0   0   0   0   0 0 0 0 0   0   0   0   0 9 8 ワ 6   5   4   ’ 3   − 200 100 (展開沼度 300) 高知大学研究報告 自然科学  第2号 第1分冊 ○ 6 表I 単一試料の2と面積の関係 試料 面      和.(e・lμ) 酒石酸 りんご酸,くえん鼓、マロン酸 こはく酸0.5 0,8 0,6 0,7 1,1 2 1,3 1,6 1,2 1,9 2,〔) 3 2,0 2,1 2,0 2,4 2,9 4 2,2 2,4 2,3 2,7 3,8 5 2,6 3,0 2,8 ・3,0 3,92,9 3,1 2,9 3,3 4,33,2 3,7 3,2 3,6 4,53,6 4,1 3,5 4,1 5,4 (展開温度28-29°) □X 表1単べM料め恒と面積の関係 試料 圓 積(cm2) 落酸 マロソ酸 こはく酸 1 0,4 0,3 1,7 2 1,2 1,6 3,0 3 2,5 2,2 3,6 4 3,4 3,6 -5 3,7 4,1 4,3 6 4,1 4,5 43 7 4,9 5,0 -8 5,1 5,8 5,3  表I及び図1でしられるように、試料0量の対数 が大略スポット0面積に比例することがしられる。  しかし、修酸0場合は、上記展開溶剤では尾を長 くひいて、呈色面0境界が明瞭でないので、展開溶 剤として石炭酸39、水lc・c・、蟻酸1%0混合溶剤を 使った。この場合は修酸0呈色面の境界は明瞭とな る。・こ0展開溶剤を使用して、修酸、フロン酸、こ はく酸についてこころみた結果を表I及び図1にし めす。表Iに於けるl 8cD数字は、表Iの場合と 同じ。但し、碧酸0原液0、り02川は、修酸8'yをふ くむものを使ったo 図  1 a<)X   a j vO O A“X @   □△ e ● □ 乙●  □ a . ● 面 XO 2 X   @ □a X ○ X  ○ ○  ○ ○ p酒石e汝 △くjえんe脱 ●りんご酉梵 ×マロン ○ごぱく 3   4 超1 (Cm2) 5 酸 酸  この場合も叉、試料の量の対数が面積に比例するのがしられる。  なお、何れの展開溶剤を使う場合にも、展開溶剤は新鮮でなけれ ぼならない。古くなると、呈色面積は長く尾をひいて、そ0境界O 判定が困難となる。  混合試料について:酸が混合物である場合に、スポット0面積と 試料0量との間に、輦一試料0場合と同一の関係がなりたっかどう かを調べるため、二種類0酸0混合物について実験を行った。二種 類の酸の混合は、原点に上記濃度0酸0、002・ぶつけ、ついで上記濃 度0他の酸0、002 「を1∼4回っけて、前者の一定量池対して、後 者は1∼4倍量になるようにした。酒石酸:りんご酸、’くえ。ん酸: 酒石酸の組みあわせ0混合酸を正ブタノール:蛾酸:水0混合溶剤       (22)

(3)

試料S更︵こ 00   0 0 0   0 t o ' W -C O 々 る不陣撥性脂肪族有機酸の定伍化め’とごろみ・ (中林・野老山) 63 | 70 0 60 0 50 0 40 0  30 0、. 試料の量∼ 00 80 面 X d ・ j l X ○ 図 X  ● ○ 1  1 ●○

 ox

ぶo

  O χ  χ. ’  ● ● ×マロン酸 ●薔  酸 ○こはく酸 fi (Cm)   2 面 で展開せしめた結果を表I及び図1でしめす。       表Ⅲ 混合試料の亙と面積の関係

4  に吼2) (展開温度28−30°) 酒石酸: りんご酸 面 積(cm2) りんご酸:   酒石酸 同和fcm2) くえん酸:   酒石酸 面積(cm2) 酒石酸 りんご酸 りんご酸 酒石酸 くえん酸│酒石酸 1:1 0,5 0,8 い1 0,8 0,5 1:1 1,0 0,8 2:1 1,2 0,8 2:1 1,7 0,3 2:11 , 1,8 0,6 3:1 1,9 0,7 3:1 2,2 0,3 3:1 2,4 0,8 4:1 2,2 0,9 4:1 2,8 - 4:1 3,2 -酒石酸:りんご酸       載)      ●○ 彩 .試糾の量∼︶

図Ⅲ

 リんご酸バ酉石酸

  l 面  2 埴(CJ) 3 試糾忿亘︵こ

くれ酸:洛6酸

面 たyし、図1にお・いては、試料の量を変えた酸0スポッ1ヽの面積と試料の量・の関係のみをしめし、白 丸は、章一試料であるときの面積を、黒丸は、混合試料0と’き0面積をしめす。’ (3)

(4)

64  高知大学研究報告  自然科学  第2号 第1分珊 一 表IV 混合試料の量と面積の関係  (展開温度300) 修酸・  マロン酸 面積(cm2)   マロン酸こはく酸: 面 和(cm2) 悠 酸 マロン醇 こはく酸;マロy醵 1:1 1,0 1,3 1:1 2,0 0,4 2:1 2,3 1,3 2:1 2,8 -3:1 3,5 1,3 3:1 3,6 0,7 4:1 4,1 1,2 4:1 3,9 0,7 4 0 0  0 0  0 0 n> CSJ 試彩の具里?︶。。 1 0 0 8 0 菩 酸:マロン酸 文 図 17 祓 300 一一一一 試料の量︵∼。 1 0 0 ついで、こはく酸=マロン酸、修酸: マロン酸p組み合せ0混合試料を石炭 酸こ水:蟻酸0混合溶剤で展開せし めた。その結果は、表匯及び図lyでし めす。 こIJくali:マロンa隻 ●○   ● ○●  |  ・2   3 ̄ ̄ ̄ 面   牙責 (Cn2) ただし、剛yは上記図1の場合と同じく、試料の量を変え・た酸のスポツ1ヽ0面積と試料の量の関係の みしめし、白丸は章一試料であるとき0面積、黒丸は混合試料0とき0面積をしめす。  図Ⅲ及び叩であきらかなように、りんご酸、酒石酸、こはく酸0場合は、単一試料0場合でも混合試 料0場合でも、スポット0面積に変化はないが、くえん酸、菩酸0場合には、かなり面積が、章一試 料0場合より、混合試料になると大きくなる傾向がある。然し、こ0ような場合でも試料0量0対数 とスポット0面積は比例する。従って、実際の適用にあたっては、試料が混合物である場合には、予 め混合試料について試料0量とスポット0面積0関係を調べておけぼ、充分にペパークロマトダラフ 法で定量が出来ると考えられる。 献 (1)井上吉之,野田万次郎:艮化24,295 (19511

(2)・Lugg J. \V.H. & 0verc41 B. r・ : NcUurc 160,78 (1947)

  C. A. 43, 6946i      ’

(3) A. B. Stark, A. E. Gwclbaa. & H. S. Oveas:ル 「.びVwm. 23, 413 (1951)

(4) F. Broヽvn & L. P. Hall : M出回160, 06 (1950)

(5)小原正美,鈴木幹允:科学21. "G2 (11)51)

(6) E. B. Fisher, D.8. Parsりas. finilG.A.. Morjson: 皿心,・G 161, 764 (1.948)

  O. A. 42 5792 (1948)        ニ (7)宮木高明,佐竹一夫,林 誠:薬.lt;71, 24'.)(15]) (8)胆父江寛,族野 晃F工化54, 4り6(1'.151) (9)イヒ学実験学第二部基本操作篇r 581頁      .        (昭和26年9月30日受理2)        (4j〉

(5)

65

/ ペパークg-マ1ヽグラフ法による不揮撥性脂肪族有機酸の定量化のこころみ (中林・野老山)

       SUMMARY

      QI]antitative Analysis of Nonvolatile Alipliatic

      Organic Acids by Paperclirom atography

      by Toshihira NakabΛΥA SHI, T“kaslii TOKOKOYAMA

        ((政巳miccil Lttboiヽttlorリ,Ubなal ArlH J几mdり1,ぷCockiUniv。砲分

 The relation b(かVeen the qnaniity of nonvoli!tile alij^hniic organic acifl 皿d (he area

of a spol upon a papercliroriiidOgriun \\as slnrlieflanrl slio\s'n(0 be logarithmic. Sludied

acids were malic, tariaric, citric, Oxalic, malonic and succJnic acirls. These acids are

aualyserl quanliUiUvely by l!leasurei!le 「of the area of the spot.

       (Received September 30, 1951)

(6)

? X

11

参照

関連したドキュメント

詳細はこちら

それゆえ、この条件下では光学的性質はもっぱら媒質の誘電率で決まる。ここではこのよ

[r]

次亜塩素酸ナトリウムは蓋を しないと揮発されて濃度が変 化することや、周囲への曝露 問題が生じます。作成濃度も

■鉛等の含有率基準値について は、JIS C 0950(電気・電子機器 の特定の化学物質の含有表示方

何人も、その日常生活に伴う揮発性有機 化合物の大気中への排出又は飛散を抑制

何人も、その日常生活に伴う揮発性有機 化合物の大気中への排出又は飛散を抑制

優越的地位の濫用は︑契約の不完備性に関する問題であり︑契約の不完備性が情報の不完全性によると考えれば︑