MEMOIRS OF SHeNAN INSTITUTE
DF
TECHNOLOGY Vol
,
33,
No.
1、
1999フ
ラ
ンス
注
釈 刑 法
・未 成 年 者
を
危 険
に
さ ら
す 罪 (
1
)
上
野 芳 久
*LA
MISE
EN
PERIL
DES
MINEUR
(
1
)
Commentaire
du
nouveau codeP6nal
Yoshihisa
UENo
C °
estle
problさmedu
pornographiedes
enfants etdu
tourisme sexuel p6dophile que nousdevons
r6soudre le plus t6t possible
.
Le projet de loi sur ce probl6me sera examin ξau Parlementlaponais
bient6t.
Cet
article sous laforme
de
commentaire du codep
奄nalpresente
une r6solution utilisant ledroit
p6nal pris par iaFrance.
< 目 次>
1.
は じめに 2.
本 文 第2
部 人に対する重罪及 び軽 罪 第 2編 人に対す る侵 害 第 7章 未 成 年 者 及び家 族に対 する侵 害 第5
節 未 成 年 者を危 険に さ らす 行 為 3.
お わり に1.
は じめ に 今,
「子どもに対する犯 罪」が増えて い る。 現 在 日本で は少 年 法 改正 の問 題と して 「子ど もによ る犯 罪 」 (少年 犯 罪 ) の議 論が盛ん で,
もちろ ん そ れ も重 要 だがT}.
「子 ど もに対 する犯 罪」 は,
実 数は不 明だ が少 な く と もその報 道 件 数 が世 界各 国で増えて い る点,
しかも被 害者が子ど もであるだ けに一
刻も早く救 済 策が と られるべ き だ とい う点で,
よ り深 刻 で ある ように思 われる,
とくに最 近で は グロー
バ ル な規 模で,
子どもを餌 食にする犯 罪が発 生 して い る.
た と え ば イ ン ター
ネッ トを 使っ た 「子ど もポル ノ」の流 通2や,
欧 米 諸 国 やオー
ス ト ラリア か ら,
そして フラ ンスや 日本か ら も,
東 南ア ジア に向けて催 行される子ど も買 春を目 的とする 「買 春ツ アー
」3 )で あ る.
* 総 合文 化 教 育セ ン ター
助教 授 平 成 10年 10 月 31 日受 付 注1
) 少 年 法 改正 を め ぐる問 題状況に つ い て は , 拙 稿 「最高 裁・ 法 務 省・ 自民党の少 年 法 改正論 議」法セ ミ527
号 (1998
年11
月),
「少年 法 改正論議の特 徴と問題点」季刊子どもの権 利 条約2
号 (1998
年11
月) 参 照.
2
)7
月,
オラ ンダで,
イン ター
ネ ッ トを使っ て 子ど も ポル ノを 閲 覧 さ せ る組 織の摘発 が行わ れ た (朝 日 新聞1998
年7
月19
日27
面 )が,
今や ボー
ダー
レ ス で子ど も ポル ノが世界 中を飛び回る時 代なの で あ る.
残念 な が ら, わが国 も子どもポル ノ と無 縁で は ない
.
そ れ どころ か 日本は,
後 注 (4
)の 「世 界会議 」で,
子どもポル ノを禁 止 す る法 律 がない た め その製 造・
販 売の拠 点に なっ て おり,
日本こそ が 子 ど もポル ノの発信地 だ,
と非 難され た.
3) 80 年 代に入る と,
子ど も買 春を目 的とする タイ,
フ ィ リピ ン等へ の 欧 米や豪州 か らの ツ アー
が目立っ
て き た.
今や地球規模で子ども買春が行われる時代なの で あ る.
日本で も同様なッ アー
に関する記事が新聞紙上を に ぎ わ せて き た.
た と えば,
台湾の旅行 会 社の初 摘発を伝え る毎日新聞1997
年2
月16
日31
面,
日本に帰 国 し た男 性が初めて 起訴 され た事を伝え る朝日新 聞 同 年2
月27
日38
面 等.1996
年 までの新 聞 記 事 リス ト の詳 細 は後 注 (4)文 献 91 頁.
な お買 春にっ い て も,
後 注 (4)の 「世 界 会 議 」で,
日本は ア ジア諸 国に対 する買 春の加 害 国で あ ると非 難 され た.
一
119一
湘南工科大学 紀 要 第
33
巻 第 1 号 こ のよ うな事 情 も手 伝 っ て,
「子どもに対 する犯 罪 」の 中で 今日 と くに関 心が高 まっ て い るのが 「子どもポル ノ」と 「子 ど も買 春 」の 問 題 だとい えよう.
従 来 もっ ぱ ら成 人の 問 題で あっ た ポル ノ・
買 春の問 題が,
「子 ど もの」“
性の商 品 化”
と して世 界 共 通の 問題 と意 識され,
既に国 際 的に は さ ま ざ ま な対 応 策が と ら れて きて い る4 ).
そ の背 景に は,
1989 年に国 連で採 択 さ れ,
翌1990
年に発 効 した 「子 ど もの権 利 条 約 」の存 在 が あ る5}.
子 ど もの権 利 が 意 識 さ れるよ うに なっ た結 果,
子 ど もポ ル ノ・
子ども買 春に も注 目が集 ま るように なっ た とい えよう.
わが 国で もよ うやく禁 止 法 案 が 国 会で審議さ れ よ う と して い る6〕.
本 稿は, 以上の よ うな状 況を前 提に し て, フラ ンス新 刑法 典の 中か ら 「子ど も ポル ノ」と 「子ど も買 春」に関する条 文を取 り上 げて,
その注 釈を試み るもの で あ る7).
その理 由は,
第一
に,
フ ラ ン ス は,
こ の問 題に対 し,
我国より一
歩 先に刑 法で厳 し く対 応 しよ う と したのであ り,
その 内 容に は大 変 興 味 深い点 が ある に もか か わ らず,
従来,
フ ランス刑 法の規 定の紹 介は充 分で なかっ たB)ように思 わ れるか らで ある.
第二 に,
この 問 題はフ ラン ス人の 「子 ど も観 」に も か か わ るもの で あ る か ら,
刑 事法 以外の分 野の研究に も参考に な るの で は ない か と考え た か らで あ る.
第三 に,
日本で 近々制定さ れ るで あ ろ う法 律の国 際 的な位 置を知 る ため に は, フ ラン ス 刑 法と比較で き る よ うに して お くこ と も無 益 なことで はない で あろう と考え たか らで ある.
.
そ こ で,
「子どもポ ル ノ・
子ども買 春 」とい うタ イ トル の下に 問 題 点ご とに条 文 を ま とめて注 釈 して い くこ とも考え た.
しか し,
それで は注 釈 形 式の メ リッ トを 半 減 することに なるの で,
や は り法 典の条 文配列通 り に進 めるこ とに した い.
その結果,
今回 は,
残 念な が ら第5
節の一
部の条 文の み を し か も途 中か ら取り 上 げ る変 則 的な形にな る が,
残りの 条 文の注釈にっ い て は別の機 会に譲りたい.
その他の形式 面につ い て は , これ まで 回を重ねて き た拙稿の 注釈シ リー
ズ9}と同 じであ るが,
今 回 は 「参照 条 文 」欄も作 るこ とに した.
子 ど もに関 す る規 定 は他の法 典 (と くに民 法 ) 内に多 い が, そ れ を本 稿 内に訳して 引 用するだけの ス ペー
スが ない か らで あ る,
4
)1990
年に タ イで開催さ れ た キ リス ト教 団体主 催の国 際会議を きっ か けに して,1991
年か ら, ア ジ ア観光に おけ る子ども買春を根 絶する た めの国際的キャ ン ペ
ー
ン (lnternational Campaign to End Child Prostitution in
Asian
Tourism =ECPAT
エ クパ ッ ト)が開始さ れ た.1992
年6
月に は,
日本に も 「エ クパ ッ ト・
ジ ャ パ ン・
関西 」が結 成され た.
1996 年 8 月にス ウ ェー
デ ンの ス トッ ク ホ ルム で 「子ど もの商業的性的 搾取に反 対 する世 界 会 議」 が開 催されたが,
同 会議に先 立つ 4 月に ECPAT 代 表 者会議が開か れ各 国の NGO か ら約 30 名の代 表 者が出席 して ア ジア に おける児童買 春の問題が話し合わ れ た.
同年12
月10
日 (世 界 人権デー
)に は, 外 務 省・ 法務 省・ 警察 庁等が,
日本ユ ニ セ フ協 会の協 力を得て 「子ど も買 春が犯 罪で あ る 」 と す るポ ス ター
を 発 表 した.
これは,
買 春 を した 日本 人が,
東 南ア ジア諸 国の法 律で罰せ られるこ と があるこ とは も ち ろん,
場 合に よっ て は 日本で も罰せられ ることがあ るこ とを 訴えて い る (刑 法3
条5
号 参 照 ).
翌97
年5
月には,
「世 界会議 」の フ ォ ロー
ア ップ会 議が東 京で 開か れて 「子どもの商業 的 搾取に反 対す る共 同声 明」が採 択さ れて い る.
その後,NGO
の働 き か け な どもあっ て注 (6
)の よ うな 議 員 立 法の動 きにつ なが っ てい っ た.
「特 集 児 童 買 春ツアー 。
児 童ポ ル ノ」外 国の立 法34
巻 5−
6号 (1996
年11
月 )82
頁,
社 会 新 法1998
年4
月 22 日3
面,1998
年ユ = セ ブ年 次 報 告 46 頁な ど参 照.
5
) フ ラン ス は 1990 年 1 月に 「子ど もの権 利 条約 」に署 名 し,
7 月に批 准 した.
クー
ヴ ラ 「フ ラ ン ス における子 供 の権 利」北 大 法 学 論 集44 巻 1号 (1993 年 7月 )1頁 以 下 参 照.
日本で も1994 年に批 准さ れ た.
フ ラ ン スが国 内 法 的に どう対応し た か にっ い て は, 林 眞 琴「フ ラ ン ス」石川 稔・
森田明編 『児 童の権 利条 約一
その内 容・
課 題 と対 応一
』466 頁 (一
粒 社,
1995 年 5月 ),
6) 昨 年 6月 発 足 した 自民 党・
社 民 党・
さ きがけ3
党か ら な る プロ ジェ ク ト チー
ム (座 長・
森山 真 弓衆 院議 員 )が, 今 年 3月,
児 童 (18
未満)の買春・
ポル ノ の 規制 法案を発 表し た.5
月に国 会に提 出さ れ た が継 続 審議とな っ た.
社 会 新 法1998
年3
月 25 日 1面,
自 由 新 法 1998 年 4月 14 日3面 等 参 照.
7
) 実は, 別に 「フ ランス にお ける児 童ポル ノ・
児 童 買 春の刑 事 的 規 制 」 とい う論 文 (女 性 空 間16
号1999
年3
月刊に掲 載予 定 )を執 筆 中で あるが
,
より細かい 刑 法 的 議 論にっ い て も紹 介 して お き たい,
とい うの も本 稿執筆の 動機の一
つ で あ る.
8
) 前 注(4
)の 「特集」は, フ ラン ス を 含 む 主な国に お ける処 罰 規 定 を 比 較 検 討 する.
同 様な文 献と して,
平 野 裕二 「子どもの性 的 自 己 決 定 権 をめ ぐる諸 外 国の動 き」宮 台真 司編 『〈性の 自 己決定 〉原論』 (紀 伊國屋 書 店, 1998
年 4 月 )がある.
し か し,
いずれ もフ ラ ンス だ け に焦点を あて たもので は な い.
9
) 本 誌29
巻1
号 (1995
年3
月)〜32
巻 1 号 (1998 年 3 月 )フ ラン ス 注 釈 刑 法
・
未 成 年者を危 険に さ らす 罪 (1)(上 野 芳 久 )2
.
本 文第
5
節 未 成 年 者 を 危 険に さらす 罪 Section5
De
la
mise en P6ril des mineurs本 節に は
,
タイ トル の と お り,
未 成 年 者 を 危 険に さら す行 為に 関す る規 定が集め られて い るが,
実にさ ま ざ まな犯 罪 が入っ て い る.
1
日法で あ ちこち に散らばっ て い た規 定を集め た感が あ り le},
や や分か りに くい の で,
条 文配列の順に, い くっ かの グルー
プに分 類 して み よ う.
〔規定 内容によ る分類〕第
一
グルー
プ は.
親 権 者 等 が 子 の健 康を危 うくする罪 (227−15
条 ),
同 致 死 罪 (227 −16
条 ).
父 母が子の安 全・
教 育 等を著し く危 う くす る 罪 (227 −17
条 )の3
つ で,
い ず れ も未 成 年者に対して一
定の関 係に立つ 主体の犯 罪行為で あ る.
前二者は,
世 話を怠 り食 料 を 奪 う行 為で あ るの に対し て,
三番 目の罪は子 ど も を遺棄する行 為であるtl.
第r
.
グルー
プ は, 主体が誰か に関 係な く罰せ ら れ る行 為 として,
麻 薬不 正使 用 の 教 唆 (227−
18条 ),
飲 酒の教 唆 (227− 19
条),
物 乞い の教 唆 (227−20
条 ),
常 習犯 罪の教 唆 (227−21
条 )を集めてい る.
いず れ も教 唆 行 為に よ り未 成 年者を危 険に さ らす行 為で あるが,
飲 酒や物乞いが含まれて い る のが注 目される.
第三 グル
ー
プ は, 未成年 者の堕 落 を 助 長さ せ る罪 (227−
22 条),
第四 グルー
プは,
ポル ノ に関 す る罪 (227−
23条,
227−
24 条 ),
第五 グルー
プ は,
未成 年 者に対 す る性的攻 撃 罪 (227 −25
条〜
227−27
条 )で あ る.
最 後に, 報道 犯 罪に 関す る特 別 法の適 用に関 す る 規 定 (227−
28 条)が 置か れて い る.
〔犯 罪の性質に よ る 分類 〕以 上は
,
単に条文を順に規 定 内 容に よ り区切っ て い っ た分 類 だ が,
あ る 教科 書は次の 【表1
】 の ように分 類 して い る12).
い わゆ る講 学 上の分類で あ る が, 各 犯 罪の性 格が把 握で きて興味深い.
た だ し,
下 記 の 表 中に は 227−
17 条が 見 当た ら ない が,
そ れ は,
こ こ で検討して い る 「未成 年 者 を 危 険に さ らす罪」と は別の 「子の遺 棄 (abandon )罪」の一
っ と して,
金 銭 的遺 棄 (227−
3,227−
4条 ) と 並 立 す る道 徳 的 遺 棄の とこ ろ に分 類されて い る か らで ある.
ま た,227 −28
条 〔報道 規 制 法の適 用 〕は犯罪 規 定で はない の で,
こ の表に は出て来ない.
【表1】 〔未成 年者を 危 険にさ ら す 罪 〕 (〔新 設〕= 旧刑 法典には な かっ た 新 規定と いう 意味)
食料
・
世 話の 不 与227
− 15,
227 −16
∴
飜慰
一嶝
一
匸
lll
驪
撫
L
犯 罪。皺227−18227
−
19227−20227
−
21一
縅鯊
1
記
璽
i
礒
臨
iii
:
ii
緞 〔未 成 年 者 (mineur )・
子 ど も (enfant )の意義 〕ま ず何よ りも
,
enfant,
minorit6,
mineur な ど の言 葉の意味を 確 認 して お こ う.
いずれの フ ラン ス語 も広 くは 「子ども」と い う意 味であ り
,
し た が っ て 同義語と して使わ れ ること も多い が,
厳密に言えば 法 律 上は多 少 意 味が異な る か らである
.
他方,
日本語にも 「子 ど も」の ほ か に 「児童」や 「少 年 」な どの語が あ り.
そ れ ぞ れ法律上特別な意 味 も ある か ら である.
(
1
) enfantこれ は
,
その父 母 (場 合に よ っ て は その他の 尊 属 )に対 する関 係で 考え ら れ た人の こ と,
あるい は,
年 齢が あ ま り進10)
VERON
,
Droit p6nal sp邑cial,
p,
158.
11}
VERON
,
Droit
p6nal sp白cial,
pp.
158−159 .
ユ2) RENNUCI
,
Droit
penal des mineurs,
Masson .
1994.
湘南工科大学紀 要
第
33
巻第
1
号ん でい ない少 年 (garcon )
・
少 女(fille
)の こ とを 意 味 す るls ).
つ まり,
第一
義で は一
親 等の卑 属 を,
第二義で は法律によっ て保護さ れ るすべ て の未 成 年 者 (mineur )を 意 味 する
14 }
.
た と え ば, enfant
l
色gitime (嫡 出 子 ),
enfant nature1 (非嫡 出子 )
,
enfantlegitim6
(準正 子)と使われる場合は第一
義で あり,
年 齢は必ず し も若い とは限 らない (例.
80
歳 の父に対す る50 歳の子 ).
enfant mineur (未成 年の子 ) とい う語は第二義で あ る が,
む しろ第一
義の enfant がmineur とい う形容詞で限 定さ れ た と も考え ら れ る
.
第二 義の例と して は,
juge
des enfant (少 年 係 判 事 )が あ る.
この よ う にenfant はかなり広い範囲の 「子 」 を 意味する
.
しか し,
「子ども」 「児童」 「少 年」とい う訳 語が与え ら れ る場 合に は 第二義の意 味で ある こと が多い,
(
2
) minorit6,
mineurminorit6
,
mineUr は,
majOrite,
rnajeur に対 立 する語で,法律上の成 年 (民 事 法 ) または法律上 の一
定 年 齢(刑 事 法 ) に達 して いない 者とい う意 味である15 ).
日本で は満20
年が成年で ある が (民3
条 ),
フ ラン スで は1974
年 7月 5 日法 によ っ て,
成 年 者の年 齢は満 21 歳か ら満 18 歳に引き下げ ら れ た (民 388 条 ).
他 方,
minorite p6nale (刑事 未 成 年 ) は,1906
年 法に よ っ て16
歳か ら18
歳に引 き上 げ ら れた 且6〕.
し た が っ て, 現在の フランス法で は,
民事・
刑事ど ち ら で もminorit6 , mineur は18
歳 未 満の者を意 味す ることに な る.
この よ う に minorit6
,
mineur の語は , 国 (場所)や時代 (時 )によっ て具体 的年 齢こそ変 化 する Lηが,
か な り限定 的な意 味を もっ といえる
.
た とえば tuteurd’
un mineur (未 成年者の後 見 人 ),
corruptiond’
un mineur (未 成 年 者の堕落 )な ど と使 われ る
.
本 稿では原 則と して 「未成年 者」 と訳 す,
(3
> 日本の児 童・
少 年・
子ど も日本の児童福祉 法は
,
満18
歳未 満の者 を 「児童」と定 義し てい る (4 条 ).
した がっ て,
法 律上 「児童」 と言えばふ つ うこ の意 味で あ る と考え てよ い だ ろうls ).
他 方,
少 年 法は満 20歳 未 満の者を 「少 年 」と定義して い る (2条 ).
これ らに対 し 「子 ど も」と い う語は法律上の用語で は ない19〕.
フ ラ ン ス法は満 18 歳を
一
っ の 基 準 と して い るの で,
本 稿で も 「児童 」ポ ル ノ・
買 春の語を使うこ と も考えられる.
「児 童ポ ル ノ・
買 春 」 は既に一
定の 文 献で, あるい は団 体 名と して,
使わ れて いる認 知された語で あり,
日本 の 法 案 (前 注 参 照 ) も満 18歳 未 満を保 護の対 象と考え て 「児 童 」の 語を使っ て い る.
13) Repertoire g6n6ral alphab6tique
du
droitfrangais
,
t.
20,
1900,
p.
131.
14
) Association HenriCapitant,
Vocabulaire
juridique
,
36d.
,
1992,
p.
310
;中村紘一 ・
新 倉修
・
今関 源成 『フ ラン ス法 律 用語 辞典 』 128 頁 (三省 堂
,1996
年4
月) 15) 前注 (14)文 献 p.
516,
前 注 (14
)辞 典 196 頁.
16
) 森 下忠 「フ ラン ス少 年 法の諸 問 題 」ジュ リス ト341 号 (1966 年
3
月).
17
》R6pertoire g壱n6ral alphab6tique du
droit
franqais
,
t.
28,
1901,
p.
63,
n.
6.
18
) もっ と も,
厳 密に言え ば,
日本の実 定法 上は範 囲が一
致 してお らず, 次の よ う に法 律に よ っ て年齢は異な る.
.
憲法27
条項 (年 齢な し),
労 働基準 法56
条 (15歳 未 満 )灘
鑿鑼
i
鴇 鬣
灘 鑼
灘灘 蕘
罫
鸞誕
際
以 上にっ き
,
竹 内 昭夫・
松 尾浩 也・
塩野宏 編
r
新 法 律 学 辞典 (第三版 )』627 頁 (有 斐閣,2
刷1990
年 4月 )
,
末川博創始 『新 法 学 辞 典 』462 頁 (岩 波 書店,
1991 年2
月 )な ど参 凪 さ ら に,
「児 童 」は社 会 通 年上,学 問 上は
,C
(13
歳未 満 )の意味で使 わ れてい る と断言する文献もある.
子どもの人 権 連 ・反 差 別 国 際 運 動日本委 員会 『子どもの権 利 条約
日本の 課題95』48 頁 (労 働 教育セ ンタrl998 年 1月 )
,
しか し
,
法律 上は, 児童福 祉に関す る基 本 法で ある児 童 福祉 法 (18歳 未 満 )が一
応の基 準 とな るともい い う るで あ ろ う
.
内 閣 法 制 局 法 令 用 語 研究会 『法 律用語 辞 典 』605 頁 (有 斐閣,
1993 年 12 月 ), 上田章・
浅 野一
郎 編『法 令キ
ー
ワー
ド辞典 』505 頁 (第一
法 規,1993
年7
月 ).
なお 後 注 (20
)参 照.
19) 主な法律用 語 辞 典を引いて も 「子ども」 とい う語 句は ない.
「子 」 とい う項 目を載せて い る辞 典で も,
その説 明は 「親子 」の 「子 」に関 する もの で し かない
.
しか し,
国 民の祝日 に関する法 律 2条 (「こど もの 日 」)や.
旭 川学 力テス ト事件の最 高裁 大 法 廷 判 決で 「子ど も」 の語が使わ れた こと を根 拠に
,
「子ど も」 も法律用語だとする説もある
.
後 注 (20
)掲載・
季刊 教育法22
頁.
フ ラ ン ス注 釈 刑 法
・
未 成年 者を危 険に さ らす 罪 (1
)(上野芳 久 )し か し最近 で は
,
た と え ば 「児 童の権 利に関する条約」(政府訳 ) も 「子 どもの権利 条 約」 と呼ば れ る2°1よ うに , む しろ 「子ど も」とい う語の方が よく使わ れ る.
そ こで,
本 稿で は 「と り あ え ず」「子どもポル ノ」「子 ども買 春」と す る ことにする.
3年の拘 禁・
30 万フ ランの 罰 金で罰す る.
方 法の い か ん を問わず,
前 項の よ う な 映 像 もしくは 表現 を 配布す る行 為,
そ れ を輸入 も しくは輸 出し,
輸 入 も し く は輸 出 させ る行為は,
同一
の刑で 罰 す る.
その行 為が,
未 成 年 者の映 像も し く は表 現を 不 特 定 多 数の人や通信 網に 配布す るために行 わ れ る ときは,
刑罰は 5 年の 拘 禁・50
万フ ラ ン の罰 金 と する,
本条の規 定は,
外 観 上 未 成 年 者に見え る人の ポ ルノ的映 像にも適 用 さ れ る
.
た だ し,
その人 が 映像の撮 影・
記録の 当日現 在で 18 歳で あ るこ と が 立 証 さ れ た場 合を除 く,
L
−
1
【参 照 条 文 】227−
29 (補充 刑)/刑 訴40 (本 罪 にっ き 告 訴を受けた検 察官の 文 書に よ る 起訴 処 分通知 義 務 ),
706−
47以 ド (性犯 罪の被 害 者た る未 成 年 者の保 護 手続 )/社 会 保 障 L322
−3 ・15
° (本 条の被 害 者た る未 成 年者の治 療の ための被 保 険 者へ の 保 険 金 給 付 制 限 )/関 税
38
(禁 制品の輸 入に関 する規 定の未 成 年 者ポル ノへ の 適用) /報道の 自由に関 する 1881 年 7月 29 日法
35
(名 誉 毀 損に関 する事実 証明に よ る免 責の 不適用) adiffusion
,
de
fixer,
transmettre
1’
irnage
ouun mineur lorsque 。ette image tiO皿 pr6Sente Un CaraCt6re
pornographique est puni de trois ans
d,
emprisonnement et
de
300000F
d’
amende.
Le
fait
de
diffuser
une tell image ourepr6SentatiOn
,
par qUelqUe moyen qUe Ce SOit,
de
l’
importer
oude
1’exporter,
de lafaire
importer
ou de la faire exporter , est punides memes peines
.
Les peines sont port6es
a
cinq ansd’
emprisonnement et註
500000
F
d
’amendelorsqu’
il
aet6 utilis6 , pour
la
diffusion
de
rimage ou de larepr6sentation
du
mi 皿eurbdestinationd’
un publicnon
d6termin6 ,
凹n r6seaude
te1螽commUnications.
Les dispositions du present article sont
egalement
applicables allx images pornographiquesd’
une
personne
dont raspect physique es ¢ celuid’
une cette personne
jOUr
de
la
fiXatiOn
本 条21) は
,
旧刑法典に は な か っ た新しい規 定 と して 1992 年 新刑法 典に 置 か れ た もの で あ る が,
1998 年に処 罰 強 化 の た めに さ らに改正 さ れ た.
20
) こ の条 約 名に つ いて は,
次の よう な経 緯が あ る.
「児 童の権 利に関 する条 約」の
Child
(二18
歳 未 満 ) (1条 )は 「児 童 」と訳された.
従 来日本が締 結し た条 約において は
,Child
は 「子」(親子 関係にか か わ る場 合 ) または 「児 童 」 (親 子 関 係 など に限 定さ れ ない場 合)と訳さ れて き た
.
そこ で政 府は,
「児 童 」 と訳 し,
その条 約 名 も 「児 童の権 利に関す る条 約」と し た わ けで あ る.
波多 野里望 『逐条 解説
児 童の 権 利 条 約 』
17,
12 頁 (有 斐 閣,
1994 年 12 月 ) (なお,
前注 (18)参照 ).
そ れに も か か わ らず 「子ども 」が使 わ れるよ うになっ た主 な理由は, 「児 童 」とい う用 語は子を 「保 護の対 象 」 と して 見 る もの で,
権 利の 卞 体 と しての ニ ュ ア ン ス が伝わ ら ない,
特に上 記条 約は子を権 利の主 体 として見よ う とい うの で あるか ら,
そ れ は致命 的だ と い う点に あ る.
「季 刊 教 育 法 」1994
年6
月 臨 時 増 刊 号 21 頁 以 下.
しかし本 稿 はこ の論 争に参加し ない
.
最 近は 「児童」よ り 「子 ど も」 とい う語の方がよ く使われる よ うに なっ た感が あ るの で,
そ れ を 使用す る だ けで あ る.
なお, 「子 供」や 「小 供」で は なく
,
「子 ど も」 とひ らが な を使う 理由につ い て は,
日本 子ども を 守る会 編 『子 ど もの権 利 条 約一
条 約の 具 体化の た め に』8 頁 (草土文化,1995
年 5月 ).
21
) 本稿で も.
従 来ど お り,
条 文の訳 出にあたっ て は法務 大 臣官 房 『フ ラ ン ス刑 法 典 』 (法 曹 会,
1991 年2
月),
同「フ ラ ンス新 刑 法 典 』 (同
,
1995 年 3 月 )を参考に さ せて い た だ い た.
た だ し,
さ まざま な 理由か ら (特に対 訳 の形にする た め に) 大分違っ た訳・
形に な っ て い る箇 所 も多い.
一
123一
湘 南工科 大 学 紀 要 第
33
巻 第1
号本 条は次 条と と もに未成 年 者 をポル ノか ら保 護 す る処 罰 規 定で あ る が
,
次条が ポル ノが未成 年 者の目に触れ ない よ うにす る 規 定で あるの に対 し, 本 条は未 成 年 者を使っ て ポル ノ を作 成 する こ と を防 ぐ趣 旨の規 定で あ る.
〔沿 革 (1〕−
1810 年 刑 法に よる ポル ノ規 制〕 従 来,
フ ラ ン ス刑 法 典 は,一
般 的な規 定 と して 「善 良の風俗を侵 害する罪」(それ も主に印 刷 物 ・書 物 を 手 段とする もの)を置い て き た が, 特に 「子どもの」ポ ル ノ に限っ て処 罰 す る 規 定 は 置い て こな か っ た.
わずかに, 第 2 次 大戦 後, 未 成年 者を より強く保 護する規 定が置か れた (旧刑法 典286
条.
後 述 127 頁 ) だ けであっ た.
つ ま り,
児童ポル ノは,一
股 的なポル ノ規 制の規 定の 中で コ ン トロー
ル さ れて き た ことに な る.
(1
)19〜20
世 紀初 頭一
普 通 法 犯 罪 と 出 版 犯 罪1810
年の制定時,
ナ ポ レオ ン刑法 典は,
普 通 法 犯 罪 (出 版に関 する犯 罪の一
つ )と して,
次の よ うな 規 定 を 置い て いたに す ぎない.
「
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癖
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contraires auxl
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…
図 版・
印 刷 物。
彫 刻 物,
歌・
像その他の本 罪 客体は没ld
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un mois a un an,
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収され・。
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一
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一
1
18i9
年になると,
処罰対 象は 「公 衆 道 徳・
宗 教 的モ ラル の侵 害 (outragea
la
morale publique et religieuse )または良 俗の 侵 害 (outrage aux
bonnes
moeurs )」に拡 大さ れ,
刑 罰 も重 くなっ た.
しか しそれ か ら約 60 年 を 経て
,
第三共 和 制の 下で 制定さ れ た 「出版に関する法 律 」 (1881 年 7月29
日法 )は,
後 者の良 俗 侵 害の み を 処 罰 対 象 とし,
前者を刑法か ら はずし た (同法旧28
条 ).
その後
,
良 俗 侵害罪 は, 19 世紀末か ら 20 世紀にかけて制 定され た 3っ の法 律に より,
手 段の 違い を基 準と し て二 つ の軽 罪に分 けら れ るこ と に な っ た.一
つ は , 上 記1881
年 法の旧28
条に よ り定め られて い た出 版 軽 罪で あ る.
こ れ は 書 籍ま た は猥 褻な会 話 (discours>・
呼び掛け (cris )に よっ て犯さ れ た場 合で あり,
軽 罪にも か か わ ら ず 重 罪院の 管轄と さ れ て い た22).
もう一
つ は普通法軽 罪である.
これ は,
上 記 以 外の出 版手 段,
とくに素 描, 版 画, 絵 画, 図 画な どに よ っ て犯さ れた場 合で,
軽罪裁判 所の管 轄と さ れ た.
家族に関する デ ク レ
・
ロ ワ に よ る改正一
処罰範囲の拡大 しか し,1939
年の いわ ゆ る 「家 族 法 典 (Code
de
la
farnille
)」 (同年7
月29
日 デ ク レ・
ロ ワ )はこ の法 体 系 を一
変 し た.
つ ま り , そ れ ま で適 用 外だっ た場合を も軽罪と して処 罰 範囲を拡大 し,
再 犯の場 合に刑 罰 を 加 重 す るこ と とし,
手 段の違い に よ る二 つ の 軽 罪の区別 をな くし (た だ し管 轄の 区 別は維 持 ),
刑 事 責 任と 共 犯に関 す る規 定を修 正 した の で あ る.
〔沿 革(2)−
1810 年 刑 法 典法へ の 編入 :良俗侵害罪 の完成 〕そ して第二次大戦後の
1957
年,
「家 族 法 典 」 内に置かれた上記デ クレ・
ロ ワ の諸 規 定が, あ らた めて 「刑 法 典 」 内に 法律の 条文と して 編 入さ れ た23).
22
> 重 罪 院で は陪審 員に よ る裁判が行われる.
つ ま り, 出版の 自 由の ような とくに民 主 主義に とっ て重要な 自由権につ い て は
,
陪 審員とい う民衆の代 表が 裁 判 す るべ き だ とい う民主 主義 的配慮が な さ れて いたの で ある.
23
)1957
年3
月 15 日法 第309
号.
デ クレ・
ロ ワ と い うの は,
第三共和政 府 が,
議 会か ら例 外 的に授権さ れて制 定した政令の こと
.
した が っ て1957
年法は, 同じ条 文を家 族法 典 か ら刑 法 典とい う異な る法典に移し たとい う意味の ほかに
,
第四共 和 政 下で,
政 令か ら法 律とい うワ ン・
ラ ンク上の法 形式に直し た とい う意 味 も持っ て いたので あ る
.
ち なみ に 1957 年 法は,
かつ て1881
年 法に より削 除さ れ て空白になっ ていた 刑 法 典の283
条か ら290条ま でを利 用して
,
そ こ に規 定を置い た.RASSAT
,
JCP
Art.
227−
23 et 227−24 ,
p.
4.
n.
1.
フ ラン ス 注釈 刑法 ・未成 年 者を危 険に さ らす罪(
1
)(上野 芳 久 ) そ して翌1958
年に多 少の 修正 を加え ら れ た(24 }.
こ う して,
こ こ に良 俗 侵 害 罪 は一
応の完成 を 見たわ けであ る.
も は や 出 版 犯 罪ではな く,
普 通 法 上の犯 罪であ り,
1881 年 7 月 29 日法の適用 は な い.
特 定の 個 人に対す る犯 罪で は な く,
そ の点で 名誉 棄 損罪や侮辱罪と も 異な る2s}.
新刑法 典制定前に は前頁の よ う な条 文に な っ ていた.
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旧 第 283 条 〔良 俗 違 反 文 書の製 作 等 〕 次 に掲 げる行 為 を した 者は,
1月 以 上 2年 以 下の拘 禁 及 び360 フ ラ ン以 上 30,
000 フ ラン以 下の罰 金で罰 する.
1
取 引・
配 達・
賃 貸・
掲 示・
展示の 目的で の,
製 造 又 は所 持2
同一
の 目的で,
情を 知りなが ら,
輸 入 し若 し くは輸 入 さ せ,
輸 出 し若 し く は 輸 出 させ,
又は輸送 し若 しくは輸送さ せ る行 為 3 公 衆の 日に触 れる掲 示・
展 示・
映 写 4 公 然で ない場 合 も含め,
販 売・
賃 貸,
又は販 売。
賃 貸へ の供 与匚
5
無償の 場 合や公 然で ない場合 も 含め,
その形 式の い か ん及び直 接・
間 接を 問 わ ず 行 う 提 供i6
配 達,
又は何 ら かの 方 法に より 配 達す る目 的で行う…
交 付 … 〔上 記 行 為の客 体は〕 すべ て の印 刷 物,
すべ て の書…
面,
図 画,
ポス ター,
版 画,
絵 画,
写 真,
フ ィ ル ム も…
しくは ネガフ ィ ル ム,
音 声の原盤 も し くは複 製,
エ ン…
ブ レ ム,
善 良の 風俗に反す る すべ て の物 件 又は描写物…
〔と す ・・
〕 1 さ らに刑の言渡 し を受けた者に対 して は,
…
6
月を超え ない期 間,…
直 接に又は仲 介 者を通 じて ,:
法 律 上 又は事 実上,
…
印 刷,
出版又は新聞 及び定 期刊行 物の集 荷及 び 配 達の…
企 業につ い て,
管 理の職 務を行 うこと を禁1ヒする こ と:
が できる.
こ の 禁 止に違 反 した者は,
本条の規定す る…
刑に処 する,
L
: ト 旨ancient Art.
283i
I I旨 Sera puni d
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un emprisonnement d’
un mois al
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d6tenu en vue d’
en faire cQmmerce,
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non publiquement ;
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Offer
しmeme a titre gratuit,
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旨
publiquement
,
sous quelque forme que ce soit,
l
I I 旨 di・ect ・m ・nt ・ ・ p・ ・un m °y・n d6t°u「ne ;i
…
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・ξ・u ・emi ・ envu ・ d・ 1… di… ib・ti・ni
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・ ・i
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P・i
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・ ・… n・ph
・n・9・aph ・… s・
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旨emblemes
,
tous objets ou images contraires aux I I l旨b・nnes m ・eu ・s
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旨
Le condamn6 pourra en outre faire robjet,
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edition
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groupage et de旨 I I
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distribution
de
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これ は, 「第
6
節 特に印 刷物 及び書 物に よ っ て犯され た 善 良の風 俗に対 す る侵 害 」の タイ トル の下に置か れ た規 定で あるが,一
見 してわ か る よ うに適 用 範 囲は かなり詳 細 かつ 広 範で ある.
その意 味で,
ポル ノ はか なり厳 し く禁止さ れて いた とい え る.
背景に は, 邪 淫 (luxure)を 「七つ の大 罪 」の一
っ と するカ ト リ ッ ク的 伝 統があ るといえ る.
24> 第 283 条に 項が追 加され,
刑の言 渡 し を受け た者に対 して,
6月以下の 期 間,
印刷 ・ 出版 等の 職 務 を 行 うこ と を禁 止で き るこ と に なり,
この禁止に違 反し た者は,
同条 項の規定 する刑に処せ られるこ とに な っ た.
1958 年12
月23
日 オル ド ナン ス第 1298 号.
25) RASSAT,
JCP
Art.
283 a 290,
p.
5.
n.
3.
一
125一
湘 南 工 科 大 学 紀 要 第
33
巻 第 1 号 ま た,
最後の改正 が あ っ た 1958 年 当 時は まだ性に関 する意 識が 今日ほ どオー
プ ン で は な かっ た26,とい うこ と も あ っ たであろう.
多 くの人は,
特に家 族 擁 護 団 体に属 する人は,
セ ッ クス・
シ ョ ッ プ,
ミニ テル・
ロー
ズ27)等の ポル ノ産 業が激 増 して い るこ とに不安をい だ き,
そ れ と戦 う たあ の 法 的 手 段の強 化 を要 求 して き た.
立 法府も同 様な傾 向だっ た と言え る.
な ぜ な ら, 立法 者は, 頻 繁に犯 罪 化の範囲。
性 格 を 修 正 して きた とはい え,
決 して完 全に削 除しよ うとは しなかっ た か らで ある.2
つ の違 警 罪28)を追加 して いた点か ら もそれを推 察で きる.
裁 判 所の判 例に は,
保 守 的な もの も進 歩 的な もの もあるが,
そ の多 くは中 間 的・
穏 健な傾 向を示して い た29}.
し か し 実 は,
他 方で,
時 代の流 れは禁 断の扉を少しずっ 押し広 げて きて い た,
早くか ら一
部の自由 思 想 家た ち は,
良 俗の概 念 が時 代に よ り変化し や す い の で,
良 俗 侵 害 罪に は問題 が あ るこ と を指 摘 し,
17 世 紀に は ラ・
フ ォ ン テー
ヌ の 『コ ン ト』 初 版3°}の 廃棄を命 じ た判 決 を 非 難 し, 19
世 紀に は 『ボ ヴァ リー
夫 人 」31)の検 閲 を ば か げたこ と だ と批 判してきた.
ま た,
ボー
ドレー
ル の 「悪の 華 」32)の 有 罪 判 決 を 見 直 す ため に芸 術 性 と猥褻性の 関係が論じ られて きたこ と も あま りに も 有名で ある、
さ ら に は, 犯罪 化 自体が疑問だ と さ え考え る人もい た ので ある 33).
〔沿革(3
)一
子どもの保 護に関 する規 定 〕 旧 刑 法 典の 改 正の流 れの 中で,
つ ま り少 しずつ性に関する意識が開 放 的に なっ て き た中で,特に子ど もに対す る保 護26
) 27)28
> q》
0200 31)32
)33
) フ ラ ン スで性の解 放 が 言 わ れるよ うになう たの は 1968 年の5
月革 命以降だと さ れ て い る.
ラ ボー
『フ ェ ミニ・
ズ ム の歴 史 』422
頁 ミニ テ ル とい うの は,
各 家庭に配 布さ れ た小型 コ ン ピュー
タの よ うな機械 (正 確に は ビ デ オ テ ッ ク ス),
電 話 線 にっ な がっ ており, キ イ ボー
ドを 叩い て様々な情報を画 面に呼び出して , た と え ば切符の 予 約がで き る (読売新 聞 1988 年 1月 3 日 か ら連 載の 「生 活 情 報 新 世 紀・
ミニ テル の 冒 険1
」〜
「同17
」 参 照 ).
これ を性 産業界が利 用 し だ し,3615
番の後に い くつ かの キ イ ボー
ドを叩 け ば さ ま ざ ま な 性 産 業にア クセ ス可能と なり,
その こと を テ レ ビや ポス ター
等で大々的に広 告 した.
こ の ミニ テル を 利 用 した 性 産 業 が 「ミニ テル・
ロー
ズ」と俗称されてい る
.PERIER −DAVILLE ,
《Minitel
rose》 etd61inquance
t616rnatique,
GP .
1989.
2.
chr.
503.
旧刑 法典
R38
条の9
,10
号.
9
号が1955
年8
月6
日法で, 10
号が1971
年10
月13
日デ ク レ で,
制 定 され た.
9号は,
公 道・
公 共の場所に,
品 位 を 害 する ポ ス ター・
図 画を展 示し ま た は展 示さ せ た者を, 10 号は, 家庭にもしくは公 共の場所に
,
品位を害する ち ら し・
文書・
図 画。
写真その他の 物 を 送 付,
配 布 し ま た は 配 布 させた者を罰 する と し た
.
いずれ も4
級違 警罪の 罰 金 (1300〜3000
フ ラ ン),
場 合に よっ て は 5 日以 下の拘 禁 刑が科 せ ら れ る と規 定さ れて い た.
これ らの規 定はほ ぼ その ま ま新刑法 典 R.
624−
2 条に引き継が れて い る.
RASSAT
,
JCP
Art.227 −23,227−24,
pp.
4−5
;RASSAT
,
Droit
p邑nal sp 色cial,
pp.
550−
552.
『寓 話 詩』で知ら れ る詩人ラ ・ フ ォ ン テ
ー
ヌ (1621〜1695
)の 『コ ン ト』 (風 流 譚とも訳さ れ る.
1665〜
1685 に 発 表 さ れた)にっ いても,
猥 褻 性 が 問 題 とされ,
ア カデ ミー
入 会 を1
年 待た さ れ る とい う事 件が あっ た.
二宮フ サ 「ラ・
フ ォ ンテー
ヌ」 平 凡 社 大 百 科 事 典 15 巻 410 頁 (1985.
6
).
フ ロ ベー
ル (1821〜1880
)の長 編小 説 「ボ ヴァ リー
夫 人」は,
第二 帝 政 下の 1857 年 1月,
風 俗 壊 乱・
宗 教 冒 漬 罪の か どで起 訴された.
ピナー
ル検 事 (の ち内務 大 臣 )か ら, 不 義姦 通を賛 美して い る点, 宗教 的心境が官 能 的 な語で語 られてい る点, 情交やあい び きの 場面な どが不道 徳である と指 摘さ れ, 「規 律の な い芸 術は芸 術で は な い」と責め ら れ たの で ある.
し か し,
セ ナー
ル 弁 護 士の 「原 文の 前 後の文 章 を無 視 して一
行の みを 引 用 するの は 妥 当で ない」とする熱弁に助け ら れ, 2 月, 無 罪と さ れ たの で あ っ た.
村上菊一
郎 「『ボ ヴァ リー
夫 人 』の裁 判 」r
世 界の文 学 15巻』付 録 25 (中 央 公 論 社,
1965 年 2月 )4頁.
ボー
ドレー
ル (1821 〜1867
)の韻 文 詩 集 『悪の華 』 も,
上 記 『ボ ヴ ァ リー
夫 人 』 裁 判 か ら半 年 後の 1857 年 8 月,
同 じピナー
ル 検事に よ っ て,
風俗壊 乱 ・宗教冒漬 罪のか どで 起 訴さ れ た.
弁 護士 は,
芸 術 と道 徳と は無 関 係だ と は主 張せず,
告 発 す る ため に悪 徳 を 描い たにす ぎない とい うこと を 立 証 しよう と した.
結 局, 同 詩集の6
編にっ き有 罪と な り,
ボー
ド レー
ル は300F ,
編 集 者 は 100F の罰 金 判 決 を 受 け た.
1866 年,
既に問 題の 6編 を 含ん だ 版が黙 認さ れ る よ う になっ て いたの で,6
編だけの詩 集を出版し た ところ,68
年,
編集 者は再び有罪判 決を受け た (ボー
ド レー
ル は 67 年に死 亡 していた ).
ボー
ドレー
ル の名 誉 回 復キャ ン ペー
ンが始 まっ たの は,
1924 年に, ある会 社が 『悪の 華』オ リ ジ ナル版 を出 版し ようと して検 察に本を押 収さ れて以後のこ とで ある.
そ の後1946
年,
文 芸作 家協 会に特別の再審 請 求 権を 認あ る法律が で き た が, 1949 年, 同 法の手 続で 『悪の華』に対する1857
年 判 決が破棄 院に よりよ う や く破 棄さ れ たの であっ た.
拙稿 「フ ラン ス最高 裁 判 所の200
周 年とその実 像」本誌27
巻1
号156
頁.
(次 条の 〔有 罪判 決の再 審 査 制 度 〕137 頁 参 照 )フ ラ ン ス 注 釈 刑 法
・
未 成 年 者を危 険に さ らす 罪 (1) (上 野 芳 久 ) が徐々 に意識さ れ る よ う になっ て きた,
性の解放の影響を最も受けやすい34)のが子ど もだか ら で ある.
刑法典で は,
上述し た第2
次大 戦を は さ む法改正 (1939
年デ クレ・
ロ ワ,1957
年 法)の と きに第286
条が置か れ,
良 俗 侵 害 罪が未 成 年 者に対して犯さ れ た ときは刑が2
倍に加 重 される こ とに な っ た.
た と え ば ポル ノを 未 成 年 者に販 売 し た場 合,
通 常な ら2年 以 下の拘 禁 刑なの に,
最 大 4年まで加 重さ れ る ことに なっ た.
これに より未 成 年 者に対 する 販売その他の働き掛け が抑 止されることを 狙っ た わ けで ある.
また,
これ も第2
次大 戦 後の ことで あ る が, 若年 者 向け の出 版物に関す る法 (1949
年7
月16
日法 律第956
号)が 制 定され,
青少年を 主 な読者とする出版物に対し,
青 少年が道徳 的に悪化さ れ ない よ う な措 置をほ どこす義務が科せ ら れる ことになっ た (第 2条 ).
こ の 規 定に違 反 して,
た と え ば若 者の道 徳を 悪化さ せ るイ ラ ス ト等を出 版 物に入 れ た場 合に は,
刑 法や出 版 法の刑 罰と は別に,
最 高1
年の拘 禁 刑で 罰せられ る (第7
条).
さ らに,
1987 年法a5}は,
幼 稚 園か ら小 中 高 校まで の建 物か ら 100 メー
ト ル以 内に,
18 歳 以 下の未 成 年 者に販 売が 禁 止さ れて い る出版 物(publication )の販売・
処分を 主な活 動とする施 設 を 設 置 する こ とは で き ない (99条 )と して,
少 年 を 間 接 的にポル ノか ら守っ て い る,
こ の よ うに,
従 来 も,
未成 年 者の 保 護 が 法律で 全 く考 慮さ れて い な か っ た わ けで は ない ので あ る.
〔沿 革 (4)−
92 年 新 刑 法 典:子どもポ ルノ罪の創 設 〕 (1) 良 俗 侵 害の削 除と一
部 承 継 新 刑 法 典は ま た ま た大 転換を した.
原 則 と して良 俗 侵 害を削 除 する ことに した の である.
とくに政 府 草 案は,
最 も極 端な廃 止 論に近 く,
刑 法典か ら良 俗 侵害 罪を な くし, わずか に違 警 罪の中にr
品位に反 する映像 を罰する規定」を 残 す だ けと い う案で あっ た.
しか し,
立 法の審 議 過 程で,
少 年につ い て は や は り保護が必要だ との 意見が再浮上し た,
まず,
元老院で, 未成 年 者 を 使っ て ポル ノ を 製 作 する行 為は処 罰 すべ きだ36 〕とする共 産 党の修正案が採 択さ れ, これ が第227−23
条と な っ た,
こ れ は1
日刑 法典に は な か っ た新 しい規 定である.
次に,
国 民議 会で,
旧 刑法典の良俗 侵 害罪を引継ぐ規 定を置くべ き だ と する修正案が通 り,
これ が第227 −24
条となっ た.
こ の規 定は,
旧法 と比べ ると,
ある面で は広いが他の 面で は狭い と い う新 しい形で ある3η.
新刑法 典は
,
元々全体 的に少 年を含め た弱者の保護 を強 化して い るの が特 徴の一
っ で ある が,
特に ポ ル ノ に関 して は 少 年 を 保 護 するこ とに したの で あ る.
換言す れ ば,一
般 的に良 俗侵害罪とし て処罰することは や め たもの の,
当 初の政 府案の よ う に全 廃す る ところ まで は いかず,
少 年を保 護 する範 囲で良 俗 侵 害 罪の一
部を承継し た とい うことにな る が,
そ れに して も大 転換で ある.
条文の位 置 具 体 的に は,
「第2
部人に対 す る 重 罪・
軽 罪 」 「第 2編人に対する侵 害」の,
「第 7章 未 成 年 者 及び家 族に対する侵 害 (Des
Atteintes
aux mineurs eta
la famille)」.
「第5節 未 成 年 者 を 危 険にお と し める行 為 (Dela
mise en perildes
・mineurs )の中に,
第227 −23
条 〔未 成 年者の ポル ノ〕,
第227−24
条 〔ポル ノ的メ ッ セー
ジの作成・
伝達 〕の 2つ の 規定が置か れ た.
いずれ も未 成年 者を保護 する規 定である3s)が
,
第 227
−
24 条が未 成 年 者に ポ ル ノ が行き渡ること を防こ う とい う趣34
) かっ ての判 例 も 「(少 年は成 人 と比べ て) 簡 単に興 奮さ せ ら れ,
堕 落さ せ ら れ る」と同 趣旨を言っ ていた.
Lyon 22 mars 1956
,
JCP
l 956、
9656 ,
noteColornbini.
後 注 (67)の判 例.
35) 社 会 秩 序の 諸手段に関する
1987
年 11 月 30 日法 律 第 588 号 99 条36
) 既 に同 旨の判例があっ た.
とい う よ り,
良 俗 侵 害 罪にっ いて の最 近の判例は,
ポル ノ し か処 罰しな くな っ ていた