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6. 頸椎dumbbell型神経鞘腫に対して手術的治療を行った症例(第18回群馬整形外科研究会<主題II>脊髄・脊椎疾患について)

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Academic year: 2021

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例が 65歳以上, その内 15例が 75歳以上の後期高齢者 であった. 受傷機転は 通外傷 20例, 転落 9 例, 転倒 4 例 (全例 75歳以上), スポーツ外傷 2例, その他 1例で あった.30例は救急搬送 (Drヘリ 2例)されたが,6例は 独歩にて来院した. 初診時に看過された例が 4例あり, 頸部痛の訴えにより画像を再評価し診断に至った. いず れも初診時に頸部痛の訴えの聴取が不能であった (頭部 外傷 2例,飲酒,認知症).損傷型は,軸椎歯突起骨折が 19 例と最も多く, 次いで Hangman骨折が 6例, 軸椎椎体骨 折 5例, 環軸椎脱臼骨折 3例, 後頭環椎脱臼, 環椎横突起 骨折, 軸椎椎弓骨折がそれぞれ 1例であった. 神経学的 には頸髄不全損傷を 3例に認め, いずれも Frankel D で あった. 合併損傷としては, 肋骨骨折, 外傷性くも膜下出 血, 顔面骨骨折が多かった. 血管損傷は 2例に認め, 1例 は両側椎骨動脈断裂により搬送時 CPA, 蘇生後 TAE を 施行したが 30日後に死亡, もう 1例は片側椎骨動脈損 傷に伴う小脳梗塞を発症した. 17例にハローベストを用 いた保存療法を施行 (平 7.8週間装着), このうち 16例 は良好な骨癒合を得たが,Hangman骨折に環椎後弓骨折 を合併した 1例が偽関節となった. 手術療法は 6例施行, いずれも後方固定術 (C1-2: 5例,C1-3: 1例)を選択し 骨癒合を得た. 【 察】 36例中 21例 (58.3%) が 65 歳以上の高齢者であり, 転倒という軽微な外力で生じた 例は全例 75歳以上であった. 高齢者の中下位頸椎は変 性により可動域が減少しており, 上位頸椎に応力が集中 し, 骨粗鬆症性変化と相まって軽微な外力でも損傷が生 じると えられている. 損傷型は諸家の報告と同様で歯 突起骨折が多く, 19 例中 15例 (78.9%) が 65歳以上で あった. 保存療法を行った高齢者に誤嚥性肺炎や不穏を 生じた例が散見された. また, 手術を施行した 6例中 5 例は 65歳以上であり, いずれも当初はハローベストに よる保存療法を適用したが整復位保持不能や偽関節と なったため手術を選択した. 手術療法は, screw刺入に伴 う血管損傷等の危険性があるものの全身に及ぼす侵襲が 比較的少なく, 治療期間の大幅な短縮も可能であり, 特 に高齢者には従来よりも積極的に適応してよいものと思 われた. 3.当院における化膿性椎間板炎の現状 〇金澤紗恵子 (利根中央病院) 利根沼田地域の化膿性椎間板炎の臨床像について検討 したので報告する. 当院において化膿性椎間板炎の診断 がついた患者は, 過去 2年間で 16例であり, 男性 10例, 女性 6例であった. 平 年齢 72.8歳 (40代 1例, 50代 1 例, 60代 2例, 70代 7例, 80代 5例) であり, 高齢発症の 化膿性椎間板炎が多かった. また, 基礎疾患としては, 糖 尿病 4例, ステロイド内服 2例, 血液透析 1例, 椎体固定 術後 1例であった. 治療としては, 手術療法 3例, 経皮的 椎間板洗浄 2例, 抗生 剤 投 与 に よ る 保 存 療 法 11例 で あった. 一般的な化膿性椎間板炎の新規罹患率は, 人口 10万 人あたり 0.4∼ 2人とされている. 利根沼田地域は人口 に比し, 発生例が多い傾向が見られた. 4.神経学的高位診断に苦慮した巨大ヘルニアの1例 〇下山 大輔,斯波 俊祐,片山 雅義, 足立 智(桐生厚生 合病院 整形外科) 【はじめに】 今回, 我々は神経学的高位診断に苦慮した, 巨 大 ヘ ル ニ ア の 1例 を 経 験 し た の で 報 告 す る. 【症 例】 39 歳, 男性. H21年 5月下旬から腰痛が出現した. H21年 6月中旬から左大 , 下 前面にしびれが出現し た. 神経所見では, 左大 神経領域の筋力低下, 膝蓋腱反 射の低下が認められた. MRI では, L4/5で神経を圧迫す る右側ヘルニアが認められた. H21年 11月下旬腰痛, 両 下肢痛が高度になり, MRI 再検したところ, L4/5に巨大 ヘルニアが認められた. L5神経ブロック施行したとこ ろ, 左右で効果あり, 両下肢痛, 筋力低下は改善したが, 左臀部痛が強かったため, H21年 12月 17日 MED 施行 した. MED で, 巨大ヘルニアを摘出し, 対側除圧まで 行った.MED 後,症状改善している. 【結 果】 今回の 症例は, MRI によるヘルニアの所在と, 診察初期の神経 所見が異なり, 神経学的高位診断に苦慮した症例であっ た. 5.当科における脊椎再手術例の検討 ―再発ヘルニア を中心に― 〇三枝 徳栄( 立富岡 合病院 整形外科) 2003年から 2009 年の間, 当科で行なった脊椎手術は 821例で, その約 6%に当たる 48例が再手術例であった (tandem stenosis 等,遠隔部位の手術は除く.).内訳は,術 後感染 6例, 血腫 3例, 同部位再狭窄 10例, ヘルニア再 脱 出 15例, 隣 接 椎 間 障 害 12例, 不 安 定 性 出 現 2例 で あった. 再発ヘルニア例を中心に, これらの検討を行な い報告する. 6.頸椎 dumbbell型神経 腫に対して手術的治療を 行った症例 〇真鍋 和 (榛名荘病院 群馬脊椎脊髄病センター) C2/3レベルに発生した dumbbell型神経 腫に対し て手術治療を行った症例を報告する. 【症 例】 72歳女性. 2007年頃から右手指のしびれが 出現. 次第にしびれが拡大, 筋力低下も認めたため, 2008 年当センターを紹介受診. 初診時, 巧緻運動障害, 体幹バ 95

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ランス異常を認め, 下肢筋伸張反射において亢進を認め た. 画像上, X-Pにて右 C2/3 椎間孔の拡大, MRI にて T1低輝度, T2高輝度, Gd 造影にて不 一に造影される 脊柱管内∼C2-3 椎間孔に連続する腫瘍を認めた. 頸椎 dumbbell型腫瘍による脊髄症を呈していたため, 腫瘍摘 出術+再 術を施行した. 腫瘍は 膜内に進展しており Eden typeⅡであった. 術後髄液漏もなく, 現在, 上肢症 状は改善傾向にあり, 外来にて経過観察中である. 手術 治療では可能な限り一塊に摘出できるよう十 な術野の 確保や, 膜切開前の十 な止血操作, 摘出後の再 , 髄 液漏を起こさないような 膜形成が重要となる. 特に上 位頸椎におよぶ腫瘍の場合, 十 な術野の確保には, C1-2間に存在する静脈叢の止血操作が必須となる. これら の配慮を行ったことにより, 良好な経過が得られた. 7.化膿性脊椎炎との鑑別が困難であった RA性脊椎炎 の一例 〇西野目昌宏 (沢渡温泉病院) 【症 例】 67歳の女性. 20年前より RA と診断されて いた. 3年前より特に誘因なく左坐骨神経痛が出現. 近医 に入院し, 腰椎単純 x-pにて L4/5, L5/S1の椎間板の破 壊像を認め, 腰椎 MRI にて同部位に T1, T2ともに low density領域を認めた. 血液検査では, ESR のみ軽度上昇 を認めた. 化膿性椎間板炎の疑いにて抗生剤の点滴や安 静を行ったが改善なく, 平成 21年 1月に当科紹介受診 となった. 計 2回の椎間板の CT ガイド下生検を行った が, 一般細菌や結核菌の検出は認めなかった. 疼痛は一 向に改善せず, 保存的加療に抵抗性であり平成 21年 12 月腰椎後方除圧術を施行した.L5は 離すべり症も併発 しており 離椎弓切除を行った. 術中所見では左 L5神 経根は 離部での圧迫が強く, 術後は左下肢の坐骨神経 痛は消失した. 術後 2∼3カ月は経過良好であったが, 次 第に腰痛が出現し, 画像所見では単純 CT にて L5/S1, L4/5の椎間板での骨破壊が進行しており,除圧術後の不 安定性の増強が示唆された. 画像や病理にて RA 性椎間 板炎の可能性が高いと判断し, 平成 22年 9 月に後方固 定術を施行し症状は改善した. 【 察】 shichikawa らは脊椎前方での RA 性病変として 帯が骨に付着す る enthesisでの炎症性変化 (enthesopathy)の重要性を指 摘し,椎間板を含めた entho-peridiscal領域では滑膜炎と は無関係にリウマチ性炎症が生じ, 椎間板や終板の破壊 が引き起こされると報告している. 化膿性椎間板炎との 鑑別は非常に困難な場合が多く, 本症例でも数回の生検 や病理にて診断した. RA 性病変では抗生剤などの加療 は無効であり金属による固定術が必要となる. 破壊性の 椎間板性病変の中には RA 性椎間板炎の可能性も念頭 におく必要があると えた. 8.腰椎疾患との鑑別を要した単下肢麻痺の2例 〇関 隆致,堤 智 ,中川 由美 寺内 正紀,畑山 和久,大倉 千幸 (群馬中央 合病院 整形外科) 今回我々は診断に注意を要した下肢単麻痺の 2例を経 験したので報告する. 【症例1】 69 歳 女性 無職. 主訴 : 下垂足. 現病歴 : 10 程度の座位の後から, 右足の脱力を自覚. 翌日近医 受診し, 当院へ紹介. 現症 : 下肢感覚障害なし. 下肢 MMT (R/L) Quadriceps 4/5 TA 2/5 EHL1/5 FHL4/5. 腰椎 MRI 画像で L2/3/4/5の狭窄を認めた. 感覚障害が ないため上位運動ニューロンの障害を疑い, 脳 MRI に て左内包後脚に急性期ラクナ梗塞像を認めた. 【症例2】 79 歳 女性 無職. 主訴 : 下肢脱力. 現病歴 : 起床時に右下肢の脱力を自覚し, 同日当院受診. 現症 : 下肢感覚障害なし MMT Iliopsoas 2/5 Quadriceps 2/5. MRI では腰部脊柱管狭窄症は認めず, 脳 MRI にて左内 包後脚の急性期ラクナ梗塞を認めた. いずれの症例も, 腰椎疾患に類似した症候を呈していたが, 感覚障害が無 いことから脳疾患を疑い, 確定診断が得られた. 96 第 18回群馬整形外科研究会

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