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セルフセンタリング・ナノスパイクが 高出力レーザ光を光ファイバにデリバリ

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Academic year: 2021

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2016.7 Laser Focus World Japan

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 光ファイバ産業に携ったことがある ものは誰でも、光結合を最大化するた めのファイバとファイバのアラインメ ントが簡単な作業ことではないことを 理解しており、技術者はこの作業に何 万時間もかけてきた。しかし中空コア 光ファイバに、簡単にレーザ光を入れ る新しい巧妙な手段を独マックスプラ ンク光科学研究所の研究者が開発し た。その技術は、光トラッピング原理 を使用する。これは、テーパ状の終端 した光ファイバ、つまり「ナノスパイ ク」と組み合わせる。こうすることで レンズレス、無反射で、自己安定化が 可能となり、標準的なシングルモード ファイバから中空コアフォトニック結 晶ファイバ( HC-PCF )と自己整合的に 結合して、結合効率約 88%が達成で きる( 1 )

威力を感じる

 光ピンセットとして知られる現象 は、ナノ粒子が存在する中でレーザ光 によって生ずる力の段階的な変化を利 用してその粒子の動きを操作する。先 頃、ナノプラズマ構造が、非球面粒子 でも操作できるように変更できること が発見された。この場合、いわゆる自 己誘導的反動というプロセスで相対的 に小さなレーザパワーを利用する。こ こでは、対象物つまり粒子を捕まえる 力の大きさが増幅される。それには、 金属膜内のフォトニック結晶キャビテ ィ、つまりナノアパチャからのフィー ドバックを利用する。  キャビティへのレーザ光デリバリに よく使われる構造は、光ファイバテー パである。これは、光ファイバを加熱 し、引き延ばし、時にはテーパに入る 光がテーパ領域を進む過程でモード展 開を感じるようにエッチングすること もある。この実験のために、研究チー ムは標準の 125μm 径シングルモード ファイバ( SMF )から始めた。それを 加熱して直径 400nm 程度にテーパ化 し、次にフッ化水素酸エッチングでファ イバ先端の最終径を 150nm、長さを 1mm 長にした。  ナノスパイクに対する力を定量化す るために計画された実験で、先端を 50 nm ステップサイズ圧電 x-y-z ステージ でコントロールし、HC-PCF の12.1μm 径のコアに挿入した(図1)。Nd:YAG レ ーザからの波長 1064nm の光をファイ バ先端に入れ、99:1 カプラで入力光と ナノスパイクからの後方反射をモニタ する。HC-PCF から結果として得られる ビームの近接場プロファイルは、CCD カメラで記録し、ナノスパイクが中空 コアに挿入されたときの横の動きをク アドランフォトダイオードが追う。周

セルフセンタリング・ナノスパイクが

高出力レーザ光を光ファイバにデリバリ

ビームデリバリ

world

news

0 10 20 30 40 1.0 0.5 0.0 50 (a) (b) z 〔μm〕 チップからの距離〔mm〕 1μm 10μm ナノスパイク 図1 ナノスパイク(青色)は、光学機械的に( a )中空コアフォトニック結晶ファイバ( HC-PCF ) に結合。上方挿入図は、このセットアップの光学顕微鏡図およびナノスパイクの最終セクションの 画像を示している。シミュレートしたナノスパイクモード(ポインティングベクトルの z 成分をプロ ット)の断熱的進展はナノスパイクを HC-PCF コアの中心にして 50μm の挿入長で示している ( b )。グレーの影部分はコア壁、局所モードフィールド径は点線カーブで示している。右のプロッ トは、PCF の走査型電子顕微鏡( SEM )画像と、ナノスパイクで励起したモードを計測した近接 場プロファイル。(画像提供 : マックスプランク光科学研究所)

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Laser Focus World Japan 2016.7

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囲圧を制御するために、ナノスパイク と 30cm 長 HC-PCF は真空チャンバに 入れている。  光がナノスパイク(その直径は波長 そのものよりも小さくなる)に沿って 進むにつれ、モードフィールド径はテ ーパ以上に大きくなり、HC-PCF の中 空コアに及ぶ。先端がコア深くに挿入 されると、研究者は、ナノスパイクと 中空コアとのオプトメカニカル相互作 用によってファイバにかかる力を計算 する。このようなセンタリング力は、 ウエストが中空コアに一致している標 準的なガウシアンビームよりもはるか に強いことが分かっている。これは、 中空コア構造が、一般的な光ピンセッ トよりも強い反動力を持つことを示し ており、先端で自己センタリングとモ ード整合が起こることになる(フレネ ル反射はほぼゼロ)。

入力効率とアプリケーション

  入 力 パ ワー 450mW で は、 テーパ ( 0.31dB )とHC-PCF( 0.13dB )の伝送損 失 を 考 慮 し た 後、87.8%(挿 入 損 失 0.57dB )の効率が観察された。断熱テー パの自己集中面が、オプトメカニカルシ ステムなしに光をファイバに入力する必 要があるエンジニアを勇気づけている。  「これは、光を中空コアファイバに 結合するための全く新しいソリューシ ョンであり、自己安定化と自己アライ ンメントという独自の特徴を備えてい る」とマックスプランク光科学研究所 のポスドクフェロー、シャングラン・シ エ氏( Shangran Xie )は話 している。 「レーザパワーがもっと高くなると、 こうした特徴はさらにはっきりしてく る。したがってこの技術は、ハイパワ ーレーザ切断や溶接にアプリケーショ ンが見つかる可能性がある。将来、こ の技術を他の中空コアファイバシステ ムに適用することを考えており、それ にはガス充 填 あるいは液 体 充 填 HC-PCF も含まれる。目的は、UV 光生成 や生体細胞トラッピングなどのアプリ ケーションへの拡張である」。 ( Gail Overton ) 参考文献

( 1 ) S. Xie et al., Optica, 3, 3, 277-282 ( Mar. 2016 )

参照

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