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ラット硬変肝の虚血耐容能に関する実験的検討

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Academic year: 2021

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Title

ラット硬変肝の虚血耐容能に関する実験的検討( 内容の要旨

(Summary) )

Author(s)

松友, 寛和

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1172号

Issue Date

1998-09-09

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15100

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 松 友 寛 和(愛媛県) 博 士(医学) 乙第 1172 号 平成10 年 9 月 9 日

学位規則第4条第2項該当

ラット硬変肝の虚血耐容能に関する実験的検討

(主査)教授 広 瀬 (副査)教授 森 脇 久 隆 教授 佐 治 重 豊 論 文 内 容 の 要 旨 目 的 本邦における原発性肝細胞癌は80%の症例が肝硬変を合併しており,その合併率は高い。また,肝細胞癌症例 は年々増加傾向にあり,今後硬変肝に対して肝切除術を施行する機会が増加すろことが予測される。肝切除術に 際しては,術中出血量を減少させる目的で肝門部血行遮断法が有用とされ頻用されているが,一方で硬変肝は正 常肝に比較して虚血耐容能が低いとされ,虚血後の肝不全が起こりやすいとも報告されている。 そこで本研究は,実験的ラット硬変肝の虚血一再海流時における虚血耐容能を肝組織中高エネルギーリン酸化 合物,胆汁流量の変動および生存率より検討した。 材料と方法 体重180g前後のWistarラットに脾臓皮下固着術を行い,Thioacetamideの腹腔内投与によるThioacetamide硬 変肝とコリン欠乏食の経口投与による脂肪性硬変肝の二種類の硬変肝モデルを作製した。 1)Thioacetamide硬変肝の虚血耐容能を肝組織中高エネルギーリン酸化合軌胆汁流量および生存率より正常 肝と比較した。60分間の連続虚血を行い,経時的に微量の肝組織を凍結採取し,HPLC法を用いて肝組織中高エ ネルギーリン酸化合物の動態を比較解析した(各群n=10)。総胆管に静脈留置針を挿入し,経時的に胆汁流量 を測定した(各群n=10)。また.虚血後1週間の生存率を算出した(各群n=10)。 2)脂肪性硬変肝の虚血耐容能を肝組織中高エネルギーリン酸化合軌胆汁流量および生存率より正常肝と比較 した。湿肝重量および乾燥肝重量を求めそれぞれの休重比を算出した(各群n=6)。60分間の連続虚血を行い, 経時的に微量の肝組織を凍結採取し,HPLC法を用いて肝組織中高エネルギーリン酸化合物の動態を比較解析し た(各群n=6)。総胆管に静脈留置針を挿入し,経時的に胆汁流量を測定した(各群n=6)。また,虚血後1週間 の生存率を算出した(各群n=6)。 3)Thioacetamide硬変肝における間歌的反復虚血の影響と連続虚血の影響を,肝組織中高エネルギーリン酸化 合軌 胆汁流量および生存率より比較検討した。間歓的反復虚血は15分間の虚血を5分間の再潅流をはさんで4凪 計60分間の虚血を行った。連続虚血は連続60分間の肝虚血を行った。経時的に微量の肝組織を凍結採取し,HP LC法を用いて肝組織中高エネルギーリン酸化合物の動態を比較解析した(各群n=6)。総胆管に静脈留置針を挿 入し,経時的に胆汁流量を測定した(各群n=6)。また,虚血後1週間の生存率を算出した(各群n=8)。 結 果 1)Thioacetamide硬変肝は正常肝に比較して,①ATP亀TAN量が,再潅流30分および60分後に有意(p<0.05) に低値となった。②再潅流15.30.60分後の胆汁流量が有意(p<0.01)に低値となった。③虚血後1週間の生存 率が有意(p<0.01)に低値となった。 2)脂肪性硬変肝は正常肝に比較して,①ATP量はt再海流15分,30分および60分後に,TAN量は,虚血前,再 潅流直弘再海流15分,30分および60分後に有意(p<0.05)に低値となった。②再潅流15.30,60分後の胆汁 流量が有意(p<0.01)に低値となった。③虚血後1週間の生存率が有意(p<0.01)に低値となった。 3)Thioacetamide硬変肝における問歓的反復虚血は連続虚血に比較して,①ATP量は,再潅流直前および再潅

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-75-流60分後に有意(p<0・05)に高値となった。②再潅流15,30,60分後の胆汁流量が有意(p<0.01)に高値となっ た。③虚血後1週間の生存率が有意(p<0.01)に高値となった。 考 察 1)Thioacetamide硬変肝では.虚血によりアデニンヌクレオチドのプールが減少したと考えられ,これにより 再海流後のATPの再合成が正常肝に比較して行い難い環境になっていたことが推察された。 2)脂肪性硬変肝ではt肝細胞内の脂肪沈着にともなう類洞狭窄により,慢性的な血流低下状態にあると考えら れt このため正常肝に比較して虚血前よりすでにエネルギー状態が低下しており,虚血自体によるエネルギー状 態の低下は少ないが.再海流後のエネルギー状態の回復は不良であったと推測された。 3)Thioacetamide硬変肝における間歓的反復虚血は連続虚血に比較して,虚血中.再海流直前のATPが保持さ れており・これによりATPの再合成を行いやすい環境が維持されたことが再海流後のエネルギー状態の低下を 軽度とし,またその回復を良好にした要因の一つと考えられた。 結 語 実験的ラット硬変肝の虚血・再潅流時における虚血耐容能を肝組織中高エネルギーリン酸化合軌胆汁流量の 変動および生存率より検討した。Thioacetamide硬変肝および脂肪性硬変肝はともに正常肝と比較して虚血耐容 能が低下していたo Thioacetamide硬変肝における間欧的反復虚血は連続虚血に比較して虚血耐容能が良好であっ た。

論文審査の結果の要旨

申請者松友寛和は・Thioacetamide硬変肝および脂肪性硬変肝における虚血耐容能を,高エネルギーリン酸化 合物,胆汁流量の変動および生存率より正常肝と比較検討し,その差異を明らかにした。また.Thi。aCetamide 硬変肝における間歓的反復虚血の影響と連続虚血の影凱こついて比較検討し,間歓的反復虚血の有用性を明らか にした。 本研究は消化器外科学.特に肝臓外科の分野の進歩に寄与するところが大であると認められる。 [主論文公表誌] ラット硬変肝の虚血耐容能に関する実験的検討 l)Thioacetamideによるラット硬変肝の虚血耐容能に関する実験的検討 日本消化器外科学会雑誌 29(5):983-989,19% 2)実験的ラット脂肪性硬変肝の虚血耐容能に関する検討 肝腋 38(5):300∼307,1997 3)InfluenceofIntermittentIschemiaonThioacetamide-InducedRatLiverCirrh。Sis European SurglCalResearch 30:185-190,1998

参照

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