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大動脈遮断解除における心室挙動の検討 - NO吸入療法の経食道心エコー法による評価 -

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Academic year: 2021

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Title

大動脈遮断解除における心室挙動の検討 - NO吸入療法の

経食道心エコー法による評価 -( はしがき )

Author(s)

赤松, 繁

Report No.

平成8年度-平成9年度年度科学研究費補助金 (基盤研究(C)(2)

 課題番号08671724) 研究成果報告書

Issue Date

1997

Type

研究報告書

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/324

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

はしがき

腹部大動脈癌人工血管置換術などの大動脈遮断を必要とする手術では, 大動脈遮断および遮断解除に伴う急激な血行動態の変動が麻酔・手術中 管理を困難なものとしている.一般に従来,遮断解除時には,遮断解除

による急激な後負荷の低下と大動脈吻合部からの出血と血管床の増加に

よる前負荷の低下が起こるため,これらが遮断解除直後の低血圧の原因

と考えられていた.このため低血圧に対しては容量負荷による治療法が

推奨されてきた. しかし,遮断解除後に肺動脈庄が上昇することが報告され,肺血管抵 抗の著明な増加が右室後負荷を増大させ,心機能低下を招く危険性が知 られ,その病態はいっそう複雑なものであることが認識された.遮断解 除後の低血圧に対する容量負荷による治療は,遮断解除後の肺高血圧に 対しては悪影響を及ぼす可能性がある.また,肺高血圧に対するニトロ グリセリンやプロスタグランデインなどの血管拡張薬を用いた治療は, 肺血管抵抗の低下とともに体血管抵抗も低下させ低血圧を助長する危険 性がある.以上のようなことから,大動脈遮断解除後の血圧・心機能低 下に対する的確な術中管理法は未だに確立されていない.

一酸化窒素(NitricOxide:以下NO)は強力な血管拡張作用を持ち,

呼吸・循環管理に有用であることが国内外で報告されている.低酸素血 症や肺高血圧症に村するNO吸入療法は,NOの血管拡張作用によって肺 内シャントを減少させ動脈血酸素分圧の上昇や肺動脈庄の低下させる効 果があることが知られている.その吸入は体血管には作用せず肺血管の みを拡張させる特性を持ち,肺高血圧患者の治療,循環管理に用いられ ている.大動脈遮断解除に伴う肺高血圧に村して,NOの吸入は肺血管抵

(3)

-2-抗・右室後負荷の増大を妨げ,右心機能の低下を抑制することが推測さ れる.また,NO吸入に加えて容量負荷を行えば遮断解除後の血圧・左心 機能低下を改善することも推測される. NO吸入療法の大動脈遮断解除後の肺高血圧に対する有用性の評価には, 大動脈遮断解除時の心機能を詳細に検討することと,大動脈遮断解除に 対して一酸化窒素の吸入および容量負荷がどのような影響を与えるかを 検討することが必要であると考えられる.

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