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NICTにおける光・量子通信の研究

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Academic year: 2021

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N I C T に お け る 光 ・ 量 子 通 信 の 研 究 レーザーと光ファイバーの発明によって通信技 術は大きな変ぼうを遂げた。いまやインターネッ トを介して様々な情報が地球規模で瞬時にやり取 りされ、基幹回線へのアクセス網でも光ファイバ ーによるブロードバンド化が進み、加入者数と通 信データ量は急増している。コンテンツ配信サー ビスや電子決済の普及とともに、著作権の保護や 重要な個人情報の安全性確保がますます望まれて いる。 一方、現在の光通信ネットワークでは、光の点 滅に基づく情報伝送が主体で、いまだに光の持つ 潜在能力のごく一部しか使われていない。その技 術の背景にあるのは、19 世紀に完成した電磁気学 と光学である。情報通信技術の加速度的発展の中 で、この枠組みにはいよいよ限界が見えてきた。 これまでの光通信ネットワークを進化させるため に、新たな通信原理の開拓と実用化を加速する時 期に来ている。 光・量子通信ユニットでは、光の波動性を極限 まで制御する超高密度光波通信技術と、光の粒子 性まで制御する量子情報通信技術の創出を目指し て活動してきた。ネットワーク化技術、光波制御 技術、量子制御技術の間には、依然、互いの整合 性を阻んでいるミッシングリンクが存在し、さら に基礎研究成果の技術化・市場投入を阻むデスバ レーも指摘されている。これに対して、NICT は 基礎から応用・技術化まで一貫して取り組める多 様な研究開発推進手法を有しており、これを最大 限に生かした産学官連携活動を展開してきた。 本特集では、その全体像と最新の成果について 二つの章に分けて報告する。まず、超高密度光波 通信では、光波の振幅、周波数、位相を安定かつ 高速に制御する技術について、NICT 独自のデバ イス作製技術、光非線形技術、高性能光変調技術 を中心に成果を述べる。また、量子情報通信につ いては、大容量化と信頼性確保に向けた量子情報 通信技術の全体像と戦略課題について概観した後 で、量子暗号、量子信号の制御と検出、新しい量 子ネットワーク技術について報告する。 ここで紹介する光波制御による新技術は、将来、 毎秒ペタ(1015)ビットの伝送レートを有するユビ キタスブロードバンドネットワークを実現する基 盤となる。さらに量子暗号技術を融合させること で頑健な情報セキュリティが確保できると期待さ れる。また、そこから先にある毎秒エクサ(1018 ゼッタ(1021)ビットのネットワークの扉を開ける のが量子信号処理であり、長距離化のための量子 中継技術である。最終的には、光通信と量子通信 が共存して、物理的制約やコストとの兼ね合いで それぞれの長所を生かして未来の情報通信ネット ワークが構成されることになるだろう。その夢に 向けて NICT が進める研究開発の最前線を本特集 で感じ取っていただければ幸いである。

1 NICT における光・量子通信の研究

1 Research Activities on Photonic and Quantum

Communications in NICT

佐々木雅英  川西哲也

SASAKI Masahide and KAWANISHI Tetsuya

光・量子通信特集 特集 さ さ き ま さ ひ で 佐々木雅英 新世代ネットワーク研究センター光波 量子・ミリ波 ICT グループ研究マネー ジャー(旧基礎先端部門量子情報技術 グループリーダー) 博士(理学) 量子情報通信 川西 か わ に し 哲 て つ 也 や 新世代ネットワーク研究センター光波 量子・ミリ波 ICT グループ主任研究員 (旧基礎先端部門光情報技術グループ 主任研究員) 博士(工学) 高速光変調技術の開発

参照

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