352 (115) 氏名(生年月日)
本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
カネ コ ヒデ ミ金子秀実(昭和26
博士(医学) 乙第1363号平成5年3月19日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
心拍数決定のための諸因子に関する研究一レート応答型ペースメーカ「への
応用一 (主査)教授 細田 瑳一 (副査)教授 小柳 仁,内山 竹彦論 文 内 容 の 要 旨
目的 ペースメーカー患者の運動耐容能改善のために心拍 数を自動的に制御するレート応答型ペースメーカーで は,心拍制御の指標に運動強度・‘ フ温・呼吸数・分時 換気量・QT間隔或いは血圧が用いられ1従来のペース メーカーでは夫々単独の因子が用いられている.本研 究では,運動中の健常者で単独又は複:数因子と心拍数 乏の間にどのような相関が存在するかを検討し,生理 的なペースメーカー開発に役立てる. 対象と方法 健康な成人男性11名,女性9名,計20名を対象とし, Bruceプロトコールによる運動負荷を行った.運動負 荷中及び回復期に心拍数,運動強度,体温,呼吸数, 分時換気量,QT間隔,収縮期血圧を1分ごとに記録し た. 単独因子又は因子の組合せの変動が,心拍数の変化 をどの程度説明できるかを評価するため,まずこれら 単独因子と心拍数の間の決定係数(単相関係数の2乗) を求め,ついで複数因子と心拍数の間の決定係数(重 相関係数の2乗)を多変量解析にて求めた. 結果 1.単独因子の場合 運動負荷中において決定係数の大きい順に因子を2 つ挙げると,分時換気量〔決定係数(以下略):0.980〕, 呼吸数〔0.974〕であった.回復期においては分時換気 量〔0.988〕,呼吸数〔0.904〕の順であった. 2.複数因子の場合 運動負荷中において決定係数の大きい順に因子2つの組み合わせを2つ挙げると運動強度・QT間隔
〔0.987〕,運動強度・分時換気量〔0.985〕であり,回 復期においては呼吸数・分時換気量〔0.995〕,分時換 気量・血圧〔0.987〕の順であった.運動負荷中におい て決定係数の大きい順に因子3つの組み合わせを2つ 挙げると運動強度・分時換気量・血圧〔0.990〕,運動 強度・呼吸数・血圧〔0.989〕であり,回復期において は呼吸数・分時換気量・血圧〔0.998〕,体温・分時換 気量・血圧〔0,997〕の順であった. 考察 運動負荷中及び回復期における決定係数の値は,因 子の数を増やすことでより大きい値を示した.因子を 1つから2つへ増やした場合に決定係数は増加した が,因子を2つから3つへ増やした場合は僅かであっ た.したがって,レート応答型ペースメーカーにおい ては因子2つの組み合わせで十分な心拍制御が期待で きると思われる.なお,運動負荷開始直後の急激な心 拍数増加は,主に迷走神経緊張低下によると考えられ ている.また,その後の増加は中枢神経系の作用のほ かに,体液性因子,代謝性因子などの関与も考慮する 必要がある. 結論 複数の因子の組み合わせを行うことにより,心拍数 との相関がさらに高くなり,心拍数の変化をより正確 に反映することが判明した.因子2つの組み合わせで も十分な心拍制御が期待できる.どの因子を選ぶかに 一986一353 ついては決定係数の大きい組み合わせが望ましいが工 学的,経済的な点からも検討されるべきである.