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交換レート 1US$ = JPY 79.87 100 IDR = JPY 9.1458

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目次

第1 章 プロジェクト概要 ... 1 1.1 プロジェクトの目的 ... 1 1.2 スケジュール ... 1 1.3 実施方法 ... 1 1.4 調査の成果品 ... 1 第2 章 SEZ 開発マスタープランへの提言 ... 2 2.1 目標とビジョン ... 2 2.2 開発経済フレーム ... 3 2.3 開発戦略 ... 4 2.4 官民連携パートナーシップ ... 8 2.5 空間計画 ... 10 2.6 投資優遇策及び法令整備 ... 19 2.7 実施計画 ... 25 第3 章 開発ガイドラインへの提言 ... 28 3.1 開発ガイドライン概要 ... 28 3.2 ガイドラインの内容 ... 28 第4 章 各種提言の背景(現状分析結果) ... 31 4.1 インドネシア国の経済と産業 ... 31 4.2 投資先としてのインドネシアの競争優位性 ... 38 4.3 インドネシアの産業・貿易構造及び SEZ の開発効果 ... 40 4.4 SEZ の先進事例 ... 42

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日本工営株式会社

図目次

図 2.1 SEZ 成功への必須要素 ... 2 図 2.2 インドネシア国全体及び工業セクターの GDP 予測 ... 3 図 2.3 SEZ 開発のための地域との連携 ... 4 図 2.4 ボトムアップ及びトップダウン双方向による SEZ 開発 ... 5 図 2.5 SEZ を構成するゾーン ... 6 図 2.6 インドネシア国における SEZ 開発への提案(3 タイプ) ... 7 図 2.7 SEZ タイプ別ゾーン構成 ... 8 図 2.8 SEZ 開発計画案1(積極開発案) ... 12 図 2.9 SEZ 開発計画案 2(限定開発案) ... 12 図 2.10 SEZ 開発計画案 3(消極開発案) ... 12 図 2.11 インドネシア国の SEZ 開発適地(州) ... 17 図 2.12 競合国の財政的インセンティブ(法人所得税の減免期間) ... 20 図 2.13 SEZ 実施に向けたロードマップ ... 25 図 2.14 SEZ 実施工程とステークホルダーの役割分担 ... 27 図 3.1 財務分析における 5 つのステップ ... 29 図 3.2 経済分析における 4 つのステップ ... 30 図 4.1 インドネシアのネット FDI の推移 (百万ドル: 名目価格) ... 38 図 4.2 ASEAN 各国における対 GDP、FDI 比率の推移 ... 39 図 4.3 1995 年におけるインドネシア製造業のスカイラインチャート ... 40 図 4.4 2008 年におけるインドネシア製造業のスカイラインチャート ... 41 図 4.5 SEZ の生産誘発効果 ... 41 図 4.6 アジア各国における輸出加工区・自由貿易地区・SEZ 開発の歴史 ... 44 図 4.7 SEZ 機能の変遷 ... 45 図 4.8 SEZ の開発規模 ... 45

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表目次

2.1 SEZ の開発目標と期待される効果 ... 4 表2.2 インドネシア国における SEZ3タイプの提案 ... 6 表2.3 SEZ タイプ別ゾーン構成要素 ... 7 表2.4 SEZ 開発適地選定方針 ... 10 表2.5 SEZ 開発計画案の環境影響評価項目とスコアー ... 13 表2.6 SEZ 開発計画案の評価項目とスコアー ... 14 表2.7 SEZ 開発計画案の評価結果 ... 14 表2.8 特定 SEZ 開発適地評価のための分析項目 ... 15 表2.9 特定 SEZ 開発適地(州) ... 16 表2.10 SEZ 開発計画まとめ(開発箇所数) ... 18 表2.11 SEZ 開発計画まとめ(SEZ 開発適地面積) ... 19 表2.12 インドネシアが付与している財政的インセンティブ ... 21 表2.13 SEZ に付与すべきインセンティブ(提案) ... 22 表2.14 生産に使用する機材・原材料の輸入に対する付加価値税(VAT)及び関税の免除 (提案) ... 22 表2.15 競合国等の非財政的インセンティブ ... 23 表2.16 関連法令条文等の修正案 ... 24 表 4.1 中期国家開発戦略の位置づけ... 32 表 4.2 SEZ 開発に係る主要現行法令 ... 34 表 4.3 SEZ に類似した既存経済ゾーンの法令等 ... 34 表4.4 SEZ 開発による直接・間接効果 ... 43 表4.5 世界の輸出加工区・自由貿易地区・SEZ 整備状況... 43 表4.6 地域別の輸出加工区・自由貿易地区・SEZ 整備状況... 43 表4.7 アジアにおける SEZ 開発の評価 ... 46

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略語表

ACFTA アセアン中国自由貿易協定 (ASEAN-China Free Trade Zone Area) AFTA アセアン自由貿易協定 (ASEAN Free Trade Agreement)

AMDAL 環境影響アセスメント (environmental impacts assessment) ASEAN 東南アジア諸国連合 (Association of South-East Asian Nations) BAPPENAS 国家開発企画庁 (National Development Planning Agency) BBK バタム、ビンタン及びカリムン(Batam, Bintan Karimun) BKK バタム経済特区 (Batam SEZ)

BKPM 投資調整庁 (Investment Coordinating Board Republic of Indonesia) BOI タイ王国投資委員会 (Board of Investment)

BOOT BOOT 方式 (Build, Operate, Own and Transfer) BOT BOT 方式 (Build, Operate and Transfer) BUMN 国有企業 (State-owned enterprises) CA 協力合意 (Cooperation Agreement)

CaSEZ 特定SEZS (Characterized Special Economic Zone)

CMEA 経済企画調整省 (Coordinating Ministry for Economic Affairs) CPI 消費価格指数 (Consumer Price Index)

DAC 開発援助委員会 (Development Assistance Committee) DPN 国家観光地 (National Tourism Destination)

ECER-SEZ 東海岸経済地域 (East Coast Economic Region)

ECSEZ 経済センターSEZ (Economic Center Special Economic Zone) EJIP 東ジャカルタ工業団地 (East Jakarta Industrial Park)

EPZ 輸出加工区 (Export Processing Zone)

ETDZ 経済技術開発区 (Economic and Technological Development Zone) FDI 海外直接投資 (Foreign Direct Investment)

FEZ 自由経済区 (Free Economic Zone) FTZ 自由貿易区 (Free Trade Zone)

FY 会計年度 (fiscal year, from April to March of the following year)

GCA インフラ整備担当中央省庁/国営企業/地方政府(Government Contract Agency)

GDP 国内総生産 (Gross Domestic Product)

GRDP 国内地域総生産 (Gross Regional Domestic Product) GHG 温室効果ガス (Green House Gas)

GIE 一般工業団地 (General Industrial Estate) GIZ 一般工業ゾーン (General Industrial Zone) GL ガイドライン (Guide Line)

HTDZ ハイテック開発区域 (High Technological Development Zone) ICT 情報通信技術 (Information and Communication Technology) IDR インドネシアルピア (Indonesian Rupiah)

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ILO 国際労働機関 (International Labour Organization) IP 工業団地 (Industrial Park)

ISIC 国際標準産業分類 (International Standard Industrial Classification) ITA 投資税額控除 (Investment Tax Allowance)

IZ 工業団地 (Industrial Zone)

JBIC 国際協力銀行 (Japan Bank of International Cooperation) JICA 国際協力機構 (Japan International Cooperation Agency) JST JICA 調査団 (JICA Survey Team)

KAPET 総合経済開発地域 (Integrated Economic Development Area) KB 保税地区 (Bonded Area)

KSPN 国家戦略観光地域 (National Strategic Tourism Area)

LARAP 用地取得及び住民移転行動計画 (Land Acquisition and Resettlement Action Plan)

LPI ロジスティック・パフォーマンス指数 (Logistics Performance Index)

MICE 会議/インセンティブ旅行/国際会議/イベント(Meeting, Incentive Travel, Convention/conference, Event/Exhibition)

MOF 財務省 (Ministry of Finance) MP マスタープラン (Master Plan)

MP3EI 経済開発加速化・拡充マスタープラン (The Master Plan for the Acceleration and Expansion of Economic Development of Indonesia)

O&M 事業運営・管理 (Operation & Management)

OECD 経済協力開発機構 (Organization for Economic Co-operation and Development) P3CU PPP 中央ユニット (PPP Central Unit)

PEZA フィリピン経済区庁 (Philippine Economic Zone Authority) PLN インドネシア国有電力会社 (Perusahaan Listrik Negara) PMA 海外投資資本 (Foreign Private Company)

PMDN 国内投資資本 (National Private Industrial Estate Developer) PPh 所得税 (Income tax)

PPP 官民連携パートナーシップ (Private-public-partnership) PTSP ワンストップ・サービス (One-stop Service)

R&D 研究開発 (Research and Development) RAPBN 政府予算原案 (Draft Government Budget)

RKP 政府年次作業計画 (Annual Government Work Plan) RPJMN 国家中期開発計画 (National Midterm Development Plan) RTRW 空間計画 (Spatial Plan)

RUPM インドネシア投資計画 (Indonesia Investment Planning)

SAIDI 一需要家当たり年間停電時間 (System Average Interruption Duration Index) SCM Agreement 補助金・相殺関税協定 (Agreement on Subsidies and Countervailing Measures) SEA 戦略的環境アセスメント (Strategic Environment Assessment)

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SEZNC SEZ 国家審議会 (Special Economic Zone National Council) SME 中小企業 (Small Medium Enterprise)

SPIPISE 電子投資ライセンスシステム (Electronic Investment Licensing and Information Service)

USD 米国ドル (United States Dollar) VAT 付加価値税 (Value Added Tax)

VGF 財務的実施可能性ギャップ補填 (Viability Gap Funding) WTO 世界貿易機構 (World Trade Organization)

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第1章 プロジェクト概要

1.1 プロジェクトの目的 対インドネシア向け海外民間投資の増大による経済振興、産業競争力の強化及び投資主導の経 済構造転換を最終目標とし、インドネシア国側によりSEZ 開発マスタープラン及び SEZ 開発 ガイドラインが作成され、SEZ 開発促進のための具体的政策・戦略として SEZ 国家開発審議 会で活用されることが本プロジェクトの目的である。 1.2 スケジュール SEZ 開発はインドネシア国の投資環境改善を目指した国家プログラムとして、下記のスケジュ ールで定められていた。 マスタープラン策定: 2011 年 7 月まで (延期) マスタープランの承認: 2011 年以内に最低 2 カ所の SEZ 2014 年以内に合計最低 5 カ所の SEZ ガイドライン: 上記スケジュールに沿って必要に応じて作成 1.3 実施方法 本プロジェクトのカウンターパートである投資調整庁(BKPM)は SEZ 国家審議会の副議長を務 めている。SEZ 開発マスタープラン及びガイドライン作成に当たっては、BKPM に加え SEZ 国家審議会の事務局メンバーと共に作業を実施した。 1.4 調査の成果品 本報告書は、下記の3 つのパートから成っている。 パートA SEZ 開発マスタープランへの各種提言 パートB SEZ 開発ガイドライン(案) パートC 現状と詳細の分析

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第2章 SEZ 開発マスタープランへの提言

2.1 目標とビジョン (1) ビジョン SEZ 開発は、更なる多くの外国直接投資(FDI)を誘致することで、効率的かつ効果 的に国家/地域経済及び社会の発展と成長に貢献する。産業発展と地域雇用機会の拡 大、持続可能な資源利用と環境保全への配慮のもと、地方の開発を促進し、均衡ある 国土の発展に寄与することが求められる。 (2) ゴール 本マスタープランの目標年は、国家中期開発計画(RPJMN)及び長期開発計画(RPJPN) に準じ2019 年とする。 (3) 使命 FDI 促進の成功の鍵は、魅力的なロケーション、望ましいビジネス上の優遇措置(イ ンセンティブ)、整備されたインフラ、優秀な労働力及び合理的な開発コストが、有 望な投資家に対して準備されていることである(図2.1 参照)。 SEZ の使命は、その ような魅力的なビジネス環境を如何に提供するかである。そのために、SEZ 開発は適 切かつ総合的に計画されなくてはならない。 出典:JICA 調査団 図 2.1 SEZ 成功への必須要素 税制 諸手続 諸権利 など 土地収用と補償 諸手数料 インフラ料金 建設費 人件費 労働力数 労働力品質 地域特性 物理的条件 交通アクセス・利便性 資源へのアクセス・裾野産業 市場へのアクセス 勤務者の居住環境 インフラ 場内) SEZ 内部( 維持管理費 水道 下水道 など インフラ 外部 電力 通信 廃棄物など 投資誘致促進のための

成功要因

立地 インフラ 雇用 優遇措置 コスト パフォーマンス 工業分野における 投資誘致促進に関して

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2.2 開発経済フレーム (1) 社会経済フレーム 図2.2 は、工業省戦略計画 2010-2014 に記載されているインドネシア国全体及び工業 セクターのGDP 及び伸び率の実績・予測値を示したものである。この図によれば、 過去において工業セクターのGDP 伸び率は、国全体の GDP 伸び率を大幅に下回って いた。一方、将来は工業セクターのGDP が国全体の伸び率を超える年率 6~9%とい う高い伸びが期待されている。また、工業省戦略計画では、工業セクターの労働者数 が毎年約65 万人増加し、2014 年には 1,721 万人に達すると予測している。 出典: 工業省戦略計画 2010-14 をベースに JICA 調査団作成 図 2.2 インドネシア国全体及び工業セクターの GDP 予測 一方、国連経済社会局人口部の予測によると、インドネシア国の人口は2020 年まで に年率0.83%~0.98%で増加するのに対し、労働年齢人口(15~65 歳)は、それを大 幅に上回る年率1.74%で増加するとされている。また、都市人口比率については、2010 年の64.7%から 2020 年には 69.5%に増加すると予測されている。 都市化と労働人口の急増が同時に進行し、都市部を中心とした地域で適切な労働機会 を提供できない場合、失業率が大幅に増加する恐れがある。工業セクターに期待され る高いGDP の伸びと、労働力の吸収を達成するためには、SEZ 開発による工業振興 及び雇用創出が期待されている。 (2) SEZ 開発フレーム SEZ開発(各種工業団地を含む)による労働者の吸収は、特にアジアにおいて目覚ま しい成果をあげている。2008 年の世界銀行の調査1によると、アジア太平洋地域にお けるSEZは、同地域の雇用の 2.3%を吸収していると推計されている。一方、インド ネシアにおける工業団地による労働力吸収は、全人口の 1.36%にとどまっており、 5.91%のマレーシア、4.35%のフィリピン、2.69%のタイ、2.19%のベトナムを大きく

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日本工営株式会社 下回っている。インドネシア国全体の労働人口、インドネシアにおけるSEZ以外の工 業団地の労働人口、単位面積あたりの労働者数、労働生産性などのデータを予測した 上で、SEZの開発目標及び期待される効果を表 2.1 の通りに設定した。 表2.1 SEZの開発目標と期待される効果 2009 (実績) 2019 2025 工業団地/SEZ の雇用貢献率 1.36% 1.74% 2.37% SEZ 以外の工業団地の直接雇用効果(人) 1,429,200 1,644,000 1,706,000 SEZ の直接雇用効果(人) - 524,000 1,300,000 SEZ 開発面積 (ha) - 4,100 11,100 SEZ における付加価値創出 (10 億 Rp.) - 74,700 275,200 出典: JICA 調査団 2.3 開発戦略 (1) SEZ 開発戦略 SEZ 開発の目的は外国投資家を誘 致することにより、SEZ 立地地域 の経済振興及び社会開発を促進す ることである。SEZ による地域経 済/社会の開発の為には、SEZ と 地域との様々な連携が必要である (図2.3 参照)。 (i) 国内及び国際物流セクターとの連携 工業生産活動には原料の搬入、製品の搬出という行程があり、適切な品質/コストの 物流サービスがSEZ 開発において必須である。そうした物流サービスは生産工場(投 資家)あるいは SEZ デベロッパーが自立的に整備することは難しく、専門業者あるい は公的な物流サービスが必要である。既存システムを最大限に活用しつつ、SEZ 開発 を担保する国内・国際物流サービスの確保が重要である。 (ii) 国内関連産業との連携 工業生産活動においては、部品や原材料を供給する下請企業、製品の仕上げ、あるい は梱包などに携わる関連企業との連携が重要である。そうした下請/関連企業との物 理的距離は適切でなければならず、道路などの輸送インフラも整備されていることが 求められる。 出典: JICA 調査団 図 2.3 SEZ 開発のための地域との連携 国内及び国際物流 セクターとの連携 賦存資源との 連携 国内関連産業との 連携

リンケージ

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(iii) 賦存資源との連携 自然資源、人的(労働者)資源、整備イン フラは SEZ をプロモートするための重 要な地域資源である。自然資源は当該資 源を利用する資源加工型工業にとって 必須であり、人的資源及びインフラはあ らゆる種類の工業が求めるものである。 地域資源を有効に活用し SEZ 開発を成 功させるためには、ボトムアップ的な SEZ 開発が基本的手法である。地方政府 との協力を確保しつつ、マーケットオリ エントな SEZ 開発が望まれる。民間資金 による SEZ 開発整備、需要に則した最適 な開発規模・内容、民間ネットワークを 活用した効率のよい工場やテナント等の誘致が可能となるはずである。 一方、国家開発政策との整合、特に均衡ある地域開発の観点からの SEZ 開発も求め られており、中央政府によるトップダウン的開発主導も必要である。それゆえ、図 2.4 に示すボトムアップとトップダウン双方向からの開発が、SEZ 開発においては求 められると言えよう。 (2) SEZ のゾーン構成要素

2009 年制定の SEZ 法 No.39/2009 によれば、SEZ は経済地理上及び開発戦略上の有利 性を有した地域において開発され、工業、国際交易、その他経済活動など高次の経済 価値と国際競争力を期待できる産業が立地するものと規定されている。また同法では、 SEZ は下記の機能を有するゾーンのひとつあるいは複数により構成されることが規 定されている。 i. 輸出加工ゾーン ii. 物流ゾーン iii. 工業ゾーン iv. 技術革新(研究開発)ゾーン v. 観光ゾーン vi. エネルギー開発ゾーン vii. その他の経済活動ゾーン SEZ の概念的ゾーン構成を図 2.5 に示す。 出典: JICA 調査団 図 2.4 ボトムアップ及びトップダウン 双方向による SEZ 開発 TWOFOLD DEVELOPMENT APPROACH TOP-DOWN Government Led SEZ Development BOTTOM-UP Market Driven SEZ Development location sector fund etc.

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日本工営株式会社 図 2.5 SEZ を構成するゾーン 更に、SEZ 法は SEZ の立地個所につき下記を規定している。

空間計画と整合し、環境保護地域への環境影響がないこと。

国際交易ルートあるいは国際海運コース上及びその近傍、あるいは資源ポテンシ ャル地区に位置していること。

SEZ 境界が明確なこと。 (3) SEZ のタイプ 近隣諸国における SEZ 開発事例、豊富な資源等のインドネシア国現況を踏まえ、3 種類のSEZ タイプを SEZ 開発コンセプトとして提案した。(表 2.2 及び図 2.6) 表2.2 インドネシア国におけるSEZ3タイプの提案 SEZタイプ 経済振興における役割 主要な活動 SEZ+(SEZプラス) 中長期的国家経済成長のた めの戦略的、基幹SEZで、近 隣諸国との競争手段 ハイテク産業、先端技術産業、R&D、 ICT、メディア事業、金融ビジネス、 国際高度教育、国際高度医療サービ ス、国際会議・展示、国際物流、観 光レクリエーションなど多様な機能 がフルに立地した先端的SEZ。 ECSEZ(Economic Center SEZ)

MP3EIで規定された地方の 経済センターの開発に資す る 工業、交易・物流、R&Dなど複数の活 動が立地する一般的SEZ。 特定SEZ (Characte r-ized SEZ: CaSEZ) 鉱産資源・エネルギー資 源立地型特定SEZ 地域の資源、特徴を活用し たSEZ 鉱産品の1次加工、2次加工業、エネ ルギー開発を主としたSEZ。 農林水産資源立地型特定 SEZ 食品及び林産品加工業を主とした SEZ。 観光地型特定SEZ 別荘地、リゾート、観光地開発の為 のSEZ。 R&D(含ICT)型特定SEZ R&D、情報産業、知識集約型産業のた めのSEZ。 物流型特定SEZ 物流センター、貨物ターミナル。 出典:JICA 調査団 研究 開発 エネル ギー その他 製造 シナジー 付加価値工業 - ハイテク工業 - バイオ・化学工業 - 一連産業 (資源発掘から採取、精製、 第2次・第3次産業まで) - その他 国際競争力 の強化 SEZ開発概要コンセプト 観光 物流 輸出 加工 教育 MICE 医療 等 住宅などの支援施設およびインフラ 中小企業などの裾野産業 出典:JICA調査団

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出典:JICA 調査団

図 2.6 インドネシア国における SEZ 開発への提案(3 タイプ) (4) SEZ タイプ別の構成要素

提案した3 タイプの SEZ は表 2.3 及び図 2.7 に示すゾーンで構成されることになる。 SEZ+はほとんど全ての経済活動を網羅した先進的複合 SEZ である。ECSEZ は工業活 動とR&D 及び観光機能が含まれ、輸出加工区が立地する可能性もある。特定 SEZ は 鉱産資源・エネルギー資源立地型、農林水産資源型、観光型、R&D(ICT)型など地 域の資源や特徴を活用した単一機能のSEZ である。 表2.3 SEZタイプ別ゾーン構成要素 Type of SEZ Zone/Function export

prc. logistics industry R&D tourism energy others

SEZ+ - ✔ ✔ ✔ ✔ ✔*1 ✔

Economic Center SEZ (ECSEZ) ✔ ✔ ✔ ✔ ✔ - -

Characterized SEZ (CaSEZ)

- Mineral/Energy Resources CaSEZ - - ✔ - - ✔*2 -

- Agro/Fishery/Timber Resources

CaSEZ - - ✔ - - - -

- Tourism CaSEZ - - - - ✔ - -

- R&D / ICT CaSEZ - - - ✔ - - -

- Logistics CaSEZ - ✔ - - - - -

Note: Characterized SEZ (CaSEZ) can be developed independently and jointly one another.

*1 Renewable energy supply industry only

*2 Mineral/energy resources processing industry such as coal upgrading, coal gasification industry including refinery industry of mineral and energy resources.

SEZ+

ECSEZ

SEZ

Characterized

THREEFOLD

SEZ

開発戦略

ECSEZ (Economic Center SEZ): MP3EIで規定された地方野経済 センターの開発に資するSEZ Characterized SEZ (特定SEZ, CaSEZ): 地域の資源、特徴を活用し たSEZ SEZ+ (SEZプラス): 中長期的国家経済成長のための戦略 的、基幹SEZで、近隣諸国との競争手 段となるSEZ

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日本工営株式会社 図 2.7 SEZ タイプ別ゾーン構成 2.4 官民連携パートナーシップ (1) SEZ 開発に対する PPP スキーム適用の必要性 インドネシアにおける工業団地開発は、他国と同様に政府が主導する形で始まった。 しかし、1989 年に工業団地法が改正されて以降、民間資金の導入が進んでおり、現 在では多くの工業団地が民間のデベロッパーにより開発・運営されている。 これらの工業団地の多くは、民間事業者が全ての開発資金を負担し、工業団地開発及 び運営におけるほぼ全てのリスクを負担する形で事業が進められている。こうした案 件は、民間資金を活用しているものの、官民が資金及びリスクを分担する PPP とは 異なる性格を有していることから、単独の民間開発に分類することができる。 こうした民間単独開発による工業団地/SEZ は、経験豊富な民間の厳しいコスト管理 とマーケット活動を踏まえて実施されるため、政府主導のプロジェクトに比べ一般的 に成功しているケースが多い。そのため、民間が単独で実施した場合でも採算性がと れるような事業の場合、政府予算節約の観点からも、民間単独開発のスキームを選定 することが合理的であると思われる。 Logistic Center House/ Facility High-grade Education International Medical Service High tech Industrial Park MICE Rec. Tourism ICT Park Trade center Utility Metropolis rail highway boat R&D SEZ+ Recreation, Villa, Resort Tourism SEZ Utility

Trade tax treatment can be applicable inside.

Mineral/ energy Resources Processing Utility Board/ Residence

Mineral/Energy Resources SEZ

Mineral/Ene rgy Resource Exploitation

Utility

Agro/Fishery/Timber Resources SEZ

Primary Process IP Secondary Process IP Agro, Fishery, Timber Resources Characterized SEZ

SEZ+ ECSEZ (Economic Center SEZ)

Logistic Center Industrial Park, High-tech IP Rec. Tourism R&D/ ICT Park Utility rail highway boat ECSEZ Metropolis/ City of Economic Center

MICE: Meeting, Incentive Travel, Convention/Conference, Event/Exhibition

R&D/ ICT park Utility R&D/ICT SEZ Accommodation University/ Institute

Source: JICA Survey Team Logistics SEZ Logistic Center Utility Trade center EPZ

Combined development with couple of Characterized SEZ can be conceivable in addition above. For instance, combination of ①Mineral/Energy Resources SEZ and Agro/Fishery/Timber Resources SEZ, ②Mineral/Energy Resources SEZ and Logistics SEZ, ③Agro/Fishery/Timber Resources SEZ and Logistic SEZ, ④R&D/ICT SEZ and Tourism SEZ, etc. can be flexibly developed on the basis of the investor's requirement.

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ただし、民間単独開発が可能なのは、インフラが整っている大都市周辺部または、有 望な資源に隣接する一部の SEZ に限られる。一方、地域格差是正のために戦略的に 地方部に整備するようなSEZ では、民間が単独で事業を実施することは困難である。 このため、地方部に開発する SEZ の場合、政府が一部の資金及びリスクを分担する 形での開発が必要になると考えられる。 (2) SEZ 開発に対する民間資金活用のスキームについて インドネシアでは、アジア通貨危機以降停滞していた PPP によるインフラ整備を促 進するために、2005 年以降立て続けに PPP 関連の法整備・関連機関の設立が進んで いる。しかしながら、こうした既存 PPP 関連法は、空港、鉄道、道路、港湾、上下 水、廃棄物、灌漑設備、通信、電力、石油・ガスを対象としたもので、SEZ を含む工 業団地の開発は対象外となっている。 既存の PPP 法に則って事業を実施した場合、インドネシア・インフラ保証基金を通 じて政府保証を受けることができるほか、中央政府から採算性を補填するための補助 金(VGF: Viability Gap Funding)を受け取ることができることがメリットとなる。一 方、PPP 法適用のためには、法改正の必要性があることに加え、実施に際して複雑な 手続きを経る必要があるため、運営開始までに多くの時間が必要となることがデメリ ットとなる。

PPP 法に則らない形で官民が連携して事業を行うことも可能ではあるものの、この場 合、中央政府からの財政的・非財政的支援を受けることができなくなるため、政府側 の発注機関(GCA: Government Contracting Agency)である地方政府または公社が独自 の財源で民間をサポートする必要がある。こうした形で事業を実施した場合、PPP 法 の場合とは異なり、GCA は入札を経ることなく、直接事業を提案した民間事業者に 開発を任せることもできるため、事業実施までの時間を短縮でき、民間事業者にとっ ては自ら提案した最適と思われる事業内容で開発を実施できるメリットがある。一方、 GCA が民間をサポートするだけの資金的な余裕がない場合、本スキームでの SEZ 開 発は困難である。 以上より、事業が単独で採算が取れる場合は、政府が資金負担を行わず、民間が独自 の裁量で事業を実施する民間単独開発が望ましい。一方、GCA に資金的余裕がある 場合は、既存PPP 制度を活用することなく、GCA と民間事業者が資金及びリスクを 分担する形での事業実施が期待できる。事業の独立採算が難しく、GCA に資金的な 余裕がない場合は、PPP 法に則った事業実施が必要となる。この場合、法改正の必要 があることが大きなネックとなる。

(19)

日本工営株式会社 2.5 空間計画 (1) SEZ の配置方針 SEZ の配置は、インドネシア国の工業立地方針及び地域経済の開発方針を参考として 決定される。SEZ+は、インドネシアの国家経済及び工業発展の中心的役割を担うべ く首都圏等の大都市圏内あるいはその近隣に立地するべきである。一方、ECSEZ

(Economic Center SEZ)は、MP3EI で規定されている地方中核都市(Economic Center)の 経済発展を支えるべく配置される。特定SEZ(CaSEZ: Characterized SEZ)は、各州にお ける資源賦存状況、環境評価、インフラ整備状況の評価に基づき開発適地が選定され る。(表2.4) 表2.4 SEZ開発適地選定方針 SEZタイプ SEZ開発適地選定の基本方針 配置のアイデア SEZ+ SEZ+は、国家経済開発の戦略拠点として認識 されるべきである。 SEZ+は、豊富で質の高い人的資源、整備され たビジネス環境、居住環境、港湾、空港など のインフラ・供給処理施設へのアクセスが保 証されている大都市圏において整備されるべ きである。 MP3EIにおいて規定されているメ ガ経済センターであるジャカル タ及びスラバヤ、その他の大都市 圏に整備し、国家経済発展の牽引 車になることを想定。 ECSEZ (Economic Center SEZ) ECSEZは、地方中核都市の経済開発拠点とし て整備されるべきである。 地方中核都市では、人的資源、ビジネス環境、 生活環境、一級港湾、空港などインフラの利 用が可能であること。 MP3EIに規定された地方中核都市 /経済センターに整備し、地域経 済発展に寄与することを想定。 CaSEZ (特定 SEZ) 鉱産資源、エネルギー資源、農水産資源賦存 地立地型特定SEZ: 資源へのアクセス(海運及 び内陸運輸)、用地及び供給処理施設(資源 処理のための給電、給水施設)の有無が立地 の基本的条件 特定SEZは地方政府及び民間によ る開発申請を基に、資源分布、港 湾・空港/インフラへのアクセ ス、環境条件、地方経済への効果 などを評価して選定される。 観光省定義の国家観光地、戦略的 観光地域は特定観光SEZの候補で ある。 観光地型特定SEZ:観光開発と資源保護のバラ ンスがとれた持続可能な観光地で、空及び海 上アクセス利便性が高い地域であること。 R&D型特定SEZ (ICT含む):大学及び研究所など 学際施設へ近接、国際空港へのアクセス、 高 品質な情報通信施設、安定的なエネルギー供 給が可能な地域であること。 物流型特定SEZ: 主要港湾、主要空港、大規模 工業団地などにおける、貨物流通機能の高度 化が求められる地域が候補である。 出典:JICA 調査団 SEZ+はインドネシア国の国家経済振興、社会開発のための戦略的拠点である大規模 経済センター/大都市圏に整備することを下記の通り提案する。

(20)

① ジャカルタ首都圏大規模経済センター:インドネシア国経済・産業振興のエンジ ンであり、産業の高度化に焦点を当てたSEZ開発を行う。 ② スラバヤ大規模経済センター:東部ジャワ成長の核であり、ジャカルタとともに ジャワ島ひいてはインドネシア国経済成長の双エンジンとして整備。 ③ メダン都市圏・経済センター: メダン大都市圏は、スマトラ島に賦存する各種 資源が近隣アジア諸国に流出することを防止するための防波堤として、地政的な 好位置にある。資源活用型産業の振興を中心に、北インドネシアの開発エンジン として整備。 ④ マカサル都市圏・経済センター:東インドネシアの経済社会発展を先導するSEZ+ として機能することが求められる。 (2) SEZ 開発計画 SEZ 配置方針を踏まえ、インドネシアにおける SEZ 開発計画3案を以下に提案する。

開発計画案1(積極開発案):ジャカルタ、スラバヤ、メダン及びマカサルに 4 箇 所のSEZ+、MP3EI に規定された地方中核都市全てに ECSEZ を整備する。特定 SEZ は資源分布などの評価結果に基づき全国を視野に最大限整備する。

開発計画案2(限定開発案):ジャカルタ、スラバヤ、メダンの 3 箇所にSEZ+を整 備する。ECSEZは地方開発への効果の高い主要な地方中核都市での整備とし、例 えば国家空間計画が提言している10 箇所の大都市圏に限定して整備する2

開発計画案3(消極開発案):インドネシア国経済振興の牽引車であるジャワ島の 更なる経済振興のため、ジャカルタ、スラバヤの2 大都市圏に SEZ+を整備。ECSEZ2 と同様、主要な地方中核都市に 10 箇所程度を整備する。特定 SEZ は MP3EI において提唱された国家経済コリドー上に限定した整備とする。 。特定 SEZは案 1 と同様とする。 以上開発計画3 案の配置を図 2.8、図 2.9 及び図 2.10 に示す。

(21)

日本工営株式会社 図 2.8 SEZ 開発計画1 (積極開発案) 図 2.9 SEZ 開発計画2 (限定開発案) 図 2.10 SEZ 開発計画3 (消極開発案) 出典:JICA調査団 400km Scale 0 Strategic location for SEZ+ Strategic location for ECSEZ Strategic area for Characterized SEZ

Legend

Strategic Location for SEZ Development

(Alternative 1)

Note: National park, protected nature reserve, protected forest area and marine reserve should be excluded from strategic area of SEZ. Bengkulu Jambi Jayapura Palu Medang Jakarta Denpasar Manado Bandung Surabaya Makassar Palembang Banjarmasin Semarang Samarinda Batam Pontianak Aceh Pekanbaru Padang Lampung Serang Yogyakarta Kendari Ambon Sorong Mataram Sofifi Pangkal Pinang Kupang Mamuju Gorontalo Manokwari Merauke Timika

Note: National park, protected nature reserve, protected forest area, and marine reserve should be excluded from strategic area of SEZ.

400km Scale 0 Strategic location for SEZ+ Strategic location for ECSEZ Strategic area for Characterized SEZ

Legend

Strategic Location for SEZ Development (Alternative 2) Mebidangro Jabodetabek punjur Banjarmasin-Banjarbaru-Martapura Sarbagita Manado – Bitung Cekungan Bandung Kedungsepur Gerbang Kertosusila Maminasata Batam Samarinda 400km Scale 0

Strategic Location for SEZ Development (Alternative 3) Strategic location for SEZ+ Strategic location for ECSEZ Strategic area for Characterized SEZ

Legend

Note: National park, protected nature reserve, protected forest area, and marine reserve should be excluded from strategic area of SEZ.

Mebidangro Jabodetabek punjur Banjarmasin-Banjarbaru-Martapura Sarbagita Manado – Bitung Cekungan Bandung Kedungsepur Gerbang Kertosusila Maminasata Batam Samarinda

(22)

(3) SEZ 開発計画の環境影響評価 3 つの SEZ 開発計画案について、州単位で以下の項目を考慮して環境影響評価を行っ た。

社会環境:人口密度を基準に開発による影響を評価。

自然環境:土地利用(緑化率)を基準に開発による影響を評価。

地球温暖化:開発面積および自然環境への影響度によって評価。SEZ 開発面積は 1ヶ所400 ha と想定した。400 ha は前工業団地法で規制していた1ヶ所に対する 最大開発面積である。また製造業には該当しない、物流、研究開発および観光SEZ は環境負荷が少ない為、面積計算から除外した。 表2.5 に SEZ 開発計画案の比較評価結果を示す。案 2 と 3 が同点で、案 1 より環境へ の影響が少ない。 表2.5 SEZ開発計画案の環境影響評価項目とスコアー 開発計画案 社会環境 自然環境 地球温暖化 総合評価点 1 22.2 21.9 24.1 68.2 2 38.0 38.3 36.7 113.0 3 38.0 38.3 36.7 113.0 (4) SEZ 開発計画の評価 SEZ 開発計画案 3 案について、経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC) による国際的なODA 評価の視点である「DAC 評価 5 項目」を用いて評価した。評価 5 項目は以下の通り。

妥当性:MP3EI、PRJMN(国家中期開発計画)及び関係各省の開発マスタープラ ンに照らし、SEZ 整備の妥当性を評価。

効果:就業機会の拡大、地方経済振興への寄与などSEZ 開発効果を比較評価。

実現性:SEZ 投資需要や開発組織の実施能力など SEZ の実現性を比較評価。

影響:SEZ 整備による環境への影響(直接/間接)を比較評価。

持続性:環境影響評価、資源に関する持続性を比較評価。 5 評価項目は表 2.6 のサブ項目で構成し、合計 100 点とする様に評価点配分を設計し た。

(23)

日本工営株式会社 表2.6 SEZ開発計画案の評価項目とスコアー 評価項目 評価点 サム評価項目 評価点 妥当性 20 国家開発計画との整合性 10 各省開発マスタープランとの整合性 10 効果 20 就業機会の拡大効果 10 地方経済振興への寄与 10 実現性 20 投資需要 10 開発組織の実施能力 10 環境影響 20 環境影響 20 持続性 20 環境及び資源持続性 20 合計 100 出典:JST 表2.7 に SEZ 開発計画案の比較評価結果を示す。3 案の得点差は大きくないが、案 2 (限定開発)が最も高い評価点である。 表2.7 SEZ開発計画案の評価結果 SEZ 開発計画案 評価項目 案1 (積極開発案) 案 2 (限定開発案) 案 3 (消極開発案) 妥当性 国家開発計画との整合性 10 10 10 各省開発マスタープランとの整合性 10 10 5 効果 *1 就業機会の拡大効果 10 5*2 5 地方経済振興への寄与 *3 10 5*4 5 実現性 *5 投資需要 5*6 10 10 開発組織の実施能力 5*7 10 10 環境影響 環境影響 10*8 20 20 持続性 環境及び資源持続性 20*9 20 20 総合 80 90 85 評価: *1 案 3 の観光型特定 SEZ は MP3EI の経済コリドー上に限定配置。全国の観光資源を活用 する国家観光地及び戦略的観光地開発(観光省観光MP)との整合性が限定的。 *2 ECSEZ 開発個所が少ないため、案 1 に比較して案 2 の雇用創出効果は限定的。 *3 ECSEZ 開発個所が少ないため、案 1 に比較して案 3 の雇用創出効果は限定的。 *4 ECSEZ 開発個所が少ないため、案 1 に比較して案 2 の地域経済効果は限定的。 *5 ECSEZ 開発個所が少ないため、案 1 に比較して案 3 の地域経済効果は限定的。 *6 多くの ECSEZ 整備には多大な投資需要が前提であり、案 1 の実現は簡単ではない。 *7 多くの ECSEZ 整備にはステークホルダーの多大なインプットが必要であり、案 1 の実現は簡単ではない。 *8 全国に多くの SEZ を整備する案 1 は、案 2 及び 3 と比較し、環境影響も大である。 *9 適切な資源活用が行われるならば、案の持続的開発性は差異がないと考える。 出典:JICA 調査団 (5) 特定 SEZ の整備可能地域 特定 SEZ は、地方自治体あるいは民間による開発申請に基づき開発審査が行われ、 開発の是非が評価されることとなるが、事前に全国レベルで開発適地を評価し整備効 果の高いSEZ を誘導することも重要である。

(24)

2.4 に示した様に特定 SEZ には、1)鉱物資源/エネルギー資源賦存地特定 SEZ、2) 農林水産資源賦存地特定 SEZ、3)観光地特定 SEZ、4)研究開発・IT 型特定 SEZ、5) 物流型特定 SEZ が考えられる。これら特定 SEZ の開発適地評価は、SEZ タイプ毎、 州別に、1)開発ポテンシャル、2)サポート施設、3)開発ニーズの分析により行った(表 2.8 参照)。表中でマーク(✓)されている項目を使って、開発適地の分析・選定を行っ た。 表2.8 特定SEZ開発適地評価のための分析項目 評価項目 特定SEZ Mineral/ energy resource SEZ Agro/ fishery /timber resource SEZ Tourism

SEZ R&D/ ICT SEZ Logistics SEZ 開発ポテンシャル 鉱物資源 現在の生産量 (GRDP 比) ✔ 重要なポテンシャル資源の有無 *3 ✔ 農産、森林、水産 資源 現在の生産量 (GRDP 比) *1 ✔ 重要なポテンシャル資源の有無 *3 ✔ 観光資源 ホテルおよび飲食業の (GRDP 比) ✔ 観光開発計画 *2 *3 重要な観光資源 ✔ 高等教育 大学の有無 ✔ 優秀な大学の有無(政府評価上位10 校) ✔ 利便性および 内需 工業団地の有無 ✔ 主要都市の有無 ✔ 支援・補 助施設 国際空港へのアクセス *3 ✔ ✔ ✔ 国際港湾へのアクセス(水産業主体SEZの場合は漁港へ のアクセス)*3 ✔ ✔ ✔ 国際(海)航路の有無 ✔ ✔ ✔ 高速道路の有無 ✔

電力供給の品質(System Average Interruption Duration:

SAIDI 評価) ✔

開発

需要 地域の雇用可能人口数

地域の一人当たり平均収入 ✔ ✔ ✔ ✔

*1 青果作物、材木、水産、家畜を分析対象とする

*2 観光庁指定の National Tourism Destination (DPN) および National Strategic Tourism Area (KSPN)対象地域

*3 Appendix A を 参 照 : “Distribution of Potential Resources, National Tourism Destination and Logistic Infrastructure Contributable for SEZ Development”

出典:JICA 調査団

2.9、図 2.11 は開発適地(州)の選定結果である。特定 SEZ 開発適地の第 1 次適地及 び第2 次適地となる州を、SEZ+及び ECSEZ の配置計画とともに示してある。

(25)

日本工営株式会社 表2.9 特定SEZ開発適地(州) 出典:JICA 調査団 Mineral/ Energy resources SEZ Agro/ fishery/ timber resource SEZ Tourism

SEZ R&D, ICTSEZ LogisticsSEZ 1 Nanggroe Aceh Darussalam Banda Aceh ✔ ✔

2 Sumatera Utara Medan ✔ ✔✔ ✔✔ ✔✔ ✔✔ 3 Sumatera Barat Padang ✔ ✔

4 Riau Pekanbaru, Dumai ✔ ✔✔ ✔ ✔ 5 Jambi Jambi ✔

6 Sumatera Selatan Palembang ✔✔ ✔✔ ✔ 7 Bengkulu Bengkulu ✔

8 Lampung Bandar Lampung ✔ 9 Bangka Belitung Pangkal Pinang ✔

10 Kepulauan Riau Batam ✔✔ ✔ ✔✔ ✔✔ 11 DKI Jakarta DKI Jakarta ✔✔ ✔✔ ✔✔ ✔✔ 12 Java Barat Bandung ✔✔ ✔✔ ✔✔ ✔ ✔✔ 13 Java Tengah Semarang, Solo ✔✔ ✔✔ ✔ ✔✔ 14 Yogyakarta Yogyakarta ✔✔ ✔

15 Java Timor Surabaya, Malang ✔✔ ✔✔ ✔✔ ✔✔ ✔✔ 16 Banten Serang ✔✔ ✔ ✔✔ ✔✔

17 Bali Denpasar ✔✔ ✔ ✔ ✔✔ 18 Nusa Tenggara Barat Mataram ✔✔ ✔✔ ✔

19 Nusa Tenggara Timor Kupang ✔✔ ✔

20 Kalimantan Barat Pontianak ✔ ✔ ✔ ✔ 21 Kalimantan Tengah Palangkaraya ✔

22 Kalimantan Selatan Banjarmasin ✔ ✔ ✔✔ ✔✔ 23 Kalimantan Timor Samarinda ✔✔ ✔✔ ✔ ✔ ✔✔ 24 Sulawesi Utara Manado ✔ ✔✔ ✔✔ ✔✔ ✔✔ 25 Sulawesi Tengah Palu ✔ ✔

26 Sulawesi Selatan Makassar ✔ ✔✔ ✔ ✔✔ ✔✔ 27 Sulawesi Tenggara Kendari ✔ ✔✔

28 Gorontalo Gorontalo ✔ 29 Sulawesi Barat Mamuju ✔

30 Maluku Ambon ✔✔ ✔✔ ✔ 31 Maluku Utara Sofifi ✔✔

32 Papua Barat Sorong, Manokwari ✔ ✔ 33 Papua Jayapura, Merauke, Timika ✔ ✔✔ ✔ Legend

✔✔: first priority potential area ✔: second priority potential area

ECSEZ no. Province Major city

特定 SEZ (CaSEZ)

(26)

出典:JICA 調査団 図 2.11 インドネシア国の SEZ 開発適地(州) 500km Pekanbaru Pangkal Pinang Dumai Api-Api Palembang Sei Mankei Medang Batam Bintan Teluk Bayur

Economic Center Connecting Lane (MP3EI) Capital City/Economic Center (MP3EI) Legend

SEZ+: Integrated SEZ ECSEZ: Ecnomic Center SEZ

Gorontalo Tanjung Pinang Jambi Bengkulu Bandar Lampung Pangkal Pinang Banda Aceh Padang Alternative International Hub Port Lhokseuma KualaTanjung Panjang Madura Mataram Denpasar Tanjung Perak Port Yogyakarta Jakarta Banten Bandung Bali Semarang Surabaya

Tanjung Priok Port

Banjarmasin Balikpapan Port Balikpapan Samarinda Maloy Port Palangkaraya Pontianak Palu Makassar Makassar Port Bitung Port Manado Kendari Mamuj Merauke Banda Island Sofifi Morotai Sorong Manokwari Biak Jayapura Timika Ambon Kupang Sumba Sumbawa

SEZ Development Potential by Province (Second Priority Potential Area)

Nanggroe Aceh Darussalam

-CaSEZ: ・Tourism, ・Logistics

Jambi

-CaSEZ: ・Agro/Fishery/Timber reousrce

North Sumatra -CaSEZ: ・Mineral/Energy resources South Sumatra -CaSEZ: ・Logistics Lampung -CaSEZ: ・Agro/Fishery/TImber resouce Banten -CaSEZ: ・Agro/Fishery/Timber resources

South East Sulawesi

-CaSEZ: ・Mineral/Energy Resources, Central Sulawesi -CaSEZ: ・Mineral/Energy Resources, ・Agro/FIshery/Timber Resources South Sulawesi -CaSEZ: ・Tourism East Kalimantan --CaSEZ: ・Tourism ・Logistics Central Kalimantan -CaSEZ: ・Agro/Fishery/Timber Resource West Kalimantan -CaSEZ: ・Mineral/Energy Resources, ・Agro/Fishery/Timber Resource, ・Tourism, ・Logistics ・EPZ Gorontalo -CaSEZ: ・Agro/Fishery/ Timber Resources West Sulawesi -CaSEZ:・ Agro/Fishery/Timber Resources Maluku -CaSEZ: ・Logistics Papua -CaSEZ: ・Mineral/Energy Resource, ・Tourism

East Nusa Tenggara

CaSEZ: ・Tourism

West Nusa Tenngara

-CaSEZ: ・Logistics East Papua -CaSEZ: ・Mineral/Energy Resource ・Torusim West Sumatra -CaSEZ: ・Tourism, ・Logistics Riau -CaSEZ: ・Minerall/Energy resources, ・Tourism, ・Logistics Bengkulu -CaSEZ: ・Tourism Bengka Belitung -CaSEZ: ・Mineral/Energy

resources South Kalimantan-CaSEZ: Mineral/energy resources Yogjakarta -CaSEZ: ・R&D ICT Tanjung Pinang Pangk Madura Kupang Sumba Bengkulu Bandar Pangk Timika Banda Aceh Palu Gorontalo Balikpapan Ambon Padang Jambi 500km Bali Mataram Lombok Sumbawa

Economic Center Connecting Lane (MP3EI) Capital City/Economic Center (MP3EI) Legend Banjarmasin Manokwari Biak Jayapura Sorong Bitung Port Mamuju

Alternative International Hub Port Kuala Tanjung/Belawan Lhokseumawe

KualaTanjung

Panjang

Tanjung Perak Port Yogyakar

Tanjung Priok

SEZ+: Integrated SEZ ECSEZ: Economic Center SEZ

SEZ Development Potential by Province (First Priority Potential Area only)

Banda Island Merauke Morotai Makassar Kendari Manado – Bitung Api-Api Palembang Sei Mankei Medang Banten Bandung Jakarta Surabaya Balikpapan - Tenggarong – Samarinda - Bontang Banjarmasin-Banjarbaru-Martapura Batam Semarang Pontianak Bintan Sofifi Teluk Bayur Pekanbaru Palangkaraya Makassar Port North Sumatra -SEZ+ in Mebidangro, -CaSEZ: ・Agro/Fishery/Timber resources ・Tourism South Sumatra -CaSEZ: ・Mineral/Energy resources, ・Agro/Fishery/Timber resources DKI Jakarta -SEZ+ in Jabodetabek Banten -CaSEZ: ・Mineral/Energy resources, ・Logistics ・Tourism Central Java -ECSEZ (Semarang)

-CaSEZ: ・Mineral/Energy resources

West Java

-ECSEZ (Bandung)

South East Sulawesi

-CaSEZ: ・Agro/Fishery/ Timber Resources South Sulawesi -ECSEZ (Makassar) East Kalimantan -ECSEZ (Samarinda) -CaSEZ: ・Mineral/Energy Resource East Java

-SEZ+ in Gerbang Kertosusila -CaSEZ: ・Tourism Bali -ECSEZ North Sulawesi -ECSEZ (Manado/Bitung) -CaSEZ: Tourism Maluku -CaSEZ: ・Agro/FIshery/Timber Resources, ・Tourism North Maluku -CaSEZ: ・Agro/FIshery/Timber Resource Papua -CaSEZ: ・Agro/Fishery/Timber Resource

East Nusa Tenggara

CaSEZ:

・Agro/Fishery/Timber resource

West Nusa Tenngara

-CaSEZ: ・Agor/Fishery/Timber resource, ・Tourism Yogjakarta -CaSEZ: ・Tourism Riau -CaSEZ: ・Agro/Fishery/Timber resources South Kalimantan -ECSEZ (Banjarmasin) Kepulauan Riau -ECSEZ (Batam/Bintan) Denpasar Maloy Port

SEZ Development Potential by Province (First Priority Potential Area)

SEZ Development Potential by Province (Second Priority Potential Area)

(27)

日本工営株式会社

(5) SEZ 開発計画まとめ

開発計画案 2(限定開発案)の SEZ+、ECSZE、特定 SEZ 開発適地をまとめると、3 箇所のSEZ+、8 箇所の ECSEZ(バタム島を含む)、21 箇所の第 1 次優先特定 SEZ 及 び36 箇所の第 2 次優先特定 SEZ となる。(表 2.10)

表2.10 SEZ開発計画まとめ(開発箇所数)

出典:JICA 調査団

2.11 に示すとおり、SEZ 開発適地面積は第 1 次優先適地が 9,600ha、第 2 次優先適 地が6,800ha、合計 16,400ha と推計される。

これらの SEZ 開発適地面積は、SEZ 開発需要である 4,100ha(2019 年目標) 及び 11,100ha(中長期目標)の 2 倍(第 1 次優先適地:2019 年目標)あるいは 1.5 倍(第 1

次及び2 次優先適地:中長期目標)であり、十分な開発適地があることになる。

First Priority Potential Area

Sumatra Java Kalimantan Sulawesi Bali-Nusa Tengara Papua-Maluku Total 1 2 3 2 2 2 1 7 1 1

Characterized SEZ (CaSEZ) 5 6 1 2 3 4 21

Mineral/energy resources IP SEZ 1 2 1 4

Agro/fishery/timber resources IP SEZ 3 1 2 3 9

Tourism SEZ 1 3 1 1 1 7

R&D inclusive of ICT park SEZ

Logistics/trade SEZ 1 1

7 10 3 4 4 4 32

Second Priority Potential Area

Sumatra Java Kalimantan Sulawesi Bali-Nusa Tengara

Papua-Maluku Total

Characterized SEZ (CaSEZ) 13 2 8 6 2 5 36

Mineral/energy resources IP SEZ 3 2 2 2 9

Agro/fishery/timber resources IP SEZ 2 1 2 3 8

Tourism SEZ 4 2 1 1 2 10

R&D inclusive of ICT park SEZ 1 1

Logistics/trade SEZ 4 2 1 1 8

13 2 8 6 2 5 36

SEZ+

Economic Center SEZ (ECSEZ) SEZ -BKK

SEZ Type Num. of Potential Area

SEZ Type Num. of Potential Area

SEZ+ Total

Economic Center SEZ (ECSEZ) SEZ -BKK

(28)

表2.11 SEZ開発計画まとめ(SEZ開発適地面積)

First Priority Potential Area

SEZ Type Sumatra Java Kalimantan Sulawesi Bali-Nusa Area of SEZ (ha) (Gross area)

Tengara Maluku Total Papua-

SEZ+ 400 800 1,200

Economic Center SEZ (ECSEZ) 800 800 800 400 2,800

SEZ -BKK 400 400

Characterized SEZ (CaSEZ) 5,200

Mineral/energy resources I P SEZ 400 800 400 1,600

Agro/fishery/timber resources IP SEZ 1200 400 800 1200 3,600 Tourism SEZ

R&D inclusive of ICT park SEZ Logistics/trade SEZ

Total 2,400 2,400 1,200 1,200 1,200 1,200 9,600

Second Priority Potential Area

SEZ Type Sumatra Java Kalimantan Sulawesi Bali-Nusa Area of SEZ (ha) (Gross area)

Tengara Maluku Total Papua- SEZ+

Economic Center SEZ (ECSEZ) SEZ -BKK

Characterized SEZ (CaSEZ) 6,800

Mineral/energy resources I P SEZ 1,200 800 800 800 3,600

Agro/fishery/timber resources IP SEZ 800 400 800 1,200 3,200 Tourism SEZ

R&D inclusive of ICT park SEZ Logistics/trade SEZ

Total 2,000 400 1,600 2,000 800 6,800

Note

*1 Size of industrial land use of SEZ+, ECSEZ, CaSEZ is assumed 400 ha.

*2 Logistics/trade SEZ, R&D (ICT) SEZ, and Tourism SEZ area are excluded in area counting because of non-manufacturing land use.

出典:JICA 調査団 2.6 投資優遇策及び法令整備 (1) 投資促進のための手法 外国投資を促進するための優遇策は大きく分けて2種類ある。ひとつは財政的インセ ンティブの付与3であり、もうひとつは非財政的インセンティブ4 3 主に税の優遇策を指す。具体的には法人所得税、関税、付加価値税あるいは地方税等の減免、投資額に応じ た税額控除、個人所得税の減免などである。 の付与である。 4 財政的インセンティブ以外の優遇策で、ワンストップサービスの提供、輸入手続きの簡素化、外国人投資家・

(29)

日本工営株式会社 (2) 財政的インセンティブ 外国投資に関してインドネシアの競合国となるアジア諸国の財政的インセンティブ (法人所得税の減免期間)を表したのが下図である。特に競合国と想定されるマレー シア、フィリピン、タイあるいはベトナムでは法人所得税免除期間が3 年~8 年あり、 さらにその後も半額免除を設定しているケースが見受けられる。 出典:JICA 調査団 注:法人所得税の減免適応はフィリピン、インド、中国が操業開始時から、ベトナム、マレーシア、タイ、韓 国が利益発生時から。 図 2.12 競合国の財政的インセンティブ(法人所得税の減免期間) 一方、インドネシアが複数の経済ゾーンに付与している財政的インセンティブは表 2.12 に示すとおりである。基本的に法人所得税の免除はなく5 5 2011 年 8 月 15 日に財務省は財務大臣令(省令)130 号/2011 を発出し、パイオニア産業(①基礎金属(製 鉄)、②石油精製あるいは石油天然ガスを資源とする有機化学、③機械、④再生可能エネルギー関連(太陽光、 地熱、風力等)、⑤通信機器(携帯電話等))に該当し、1 兆ルピア以上の新規投資を行う企業に対して、イン ドネシアにおいて始めて、法人所得税の免除(タックスホリデー)を付与した。免除期間は財務省等が精査し て決めるが、利益が出るまでに時間がかかりそうな業種は 10 年、そうでない業種は 5 年になる。また、その 後 2 年間、法人所得税を 50%軽減する。なお、この省令は発効後 3 年間有効と記された時限法令である。 、一定の条件を満たせ ば、投資額の30%を年間 5%ずつ合計 6 年間に渡って利益から控除する優遇策(税額 控除)が取られている。また、加速度償却、損失の10 年間繰り延べ、配当に係る所 競合国 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13   備 考 マレーシア 東部海岸地域SEZ(ECER-SEZ)内 フィリピン 拡張プロジェクト エコゾーン内非パイオニア業種 エコゾーン内パイオニア業種 タイ バンコク首都圏工業団地内 バンコク首都圏近郊工業団地内 地方工業団地内 ベトナム (参考情報) 韓国 SEZ内 中国 SEZ内ハイテク業種 インド SEZ内 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 特別促進地域、SEZあるいはハイテクパーク内 法人所得税の減免期間(単位:年、%は控除率:100%なら免除) 100% 100% 100% 50% 100% 100% 50% 100% 50% 100% 50% 100% 50% 100% 100% 100%

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得税の軽減、資本財・原材料にかかる関税や付加価値税等の免除などが適用されてい る。 表2.12 インドネシアが付与している財政的インセンティブ 保税区 (KB) KAPET FTZ SEZ(未決定) 法人所得税 一定の条件を満たせ ば、投資額の30%を 年間5%ずつ 6 年間に 渡って利益から控除 できる。 (政令: No1/2007 及び政 令:No.62/2008) 一定の条件を満たせ ば、投資額の30%を 年間5%ずつ 6 年間に 渡って利益から控除 できる。(政令: No147/2007) 一定の条件を満たせ ば、投資額の30%を 年間5%ずつ 6 年間に 渡って利益から控除 できる。(政令: No1/2007 及び政 令:No.62/2008) (左記以外の)インセ ンティブ付与を考 慮する。(SEZ 法: No.39/2009 第 30 条) 法人所得税 関連 ・加速度償却 ・損失の10 年間繰り 延べ ・配当に係る所得税 の削減 ・加速度償却 ・損失の10 年間繰り 延べ ・配当に係る所得税 の削減 ・加速度償却 ・損失の10 年間繰り 延べ ・配当に係る所得税 の削減 FTZ と同等以上の インセンティブを 付与する。(SEZ 法 No.39/2009 第 30 条) 輸入関税、 付加価値 税、奢侈品 販売税等 資本財、原材料にか かる関税、付加価値 税等の免除。 生産に関係する資本 財、原材料にかかる 関税、付加価値税等 の免除。 FTZ 内に持ち込まれ た財に対する輸入関 税は免除。付加価値 税等も徴税されな い。 輸入関税、付加価値 税、奢侈品販売税等 の免除を付与する 予定(SEZ 法: No.39/2009 第 32 及 び33 条) 出典:JICA 調査団 競合国において付与されている財政的インセンティブの方が、インドネシアの既存の 経済区(KAPET 等)で現在付与されているものと比べて、投資家にとって、はるか に魅力的であり、さらにSEZ 法 No.39/2009 で記載されている内容(将来的に各種イ ンセンティブの付与に含みをもたせている点)を考慮し、インドネシアで今後 SEZ 開発を効率的効果的に進めていくために、表2.13 のような財政的インセンティブ(法 人所得税の減免)を付与することを提案する。具体的な法人税の減免期間の根拠とし ては「研究開発」では、国家戦略上の優先目標であるので、競合相手と想定されるバ ンコクのインセンティブ、「流通」や「工業優先業種」への投資は拠点開発推進にと っ て 重 要 で あ る た め 、 競 合 す る と 考 え ら れ る マ レ ー シ ア 東 部 沿 岸 経 済 地 域 SEZ(ECER-SEZ) のインセンティブ、「工業非優先業種」は広範な投資の中核をなす ので、競合国となるフィリピンやベトナムと同等のインセンティブをそれぞれ参考に した。「観光」では島嶼国として競合する可能性の高いフィリピンのインセンティブ と同等とした。3 つのメトロポリタン地域は、恵まれた地域特性と十分に整備された インフラを有するので、上記の中で最もインフラが整備されている韓国仁川(インチ ョン)地域の FEZ と同等のインセンティブとした。これらのインセンティブは中期 開発計画(RPJMN)や MP3EI による各地域の開発目標、開発拠点、経済拠点等にも配 慮し、ゾーン別・地域別に提案したものである。また、法人所得税の減免と同時に、 生産に使用する機材・原材料の輸入に対する付加価値税(VAT)及び関税の免除を、 現在類似事業(KAPET 等)と同等となる様、表 2.14 の通り提案する。 なお、インセンティブは基本的にSEZ 入居企業および SEZ の開発・運営事業者(デ

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日本工営株式会社 表 2. 13 S E Z に付与すべき 法人税の 免税期 間(提 案) (単位: 年 ) 地域開発目標 後発地域 主要開発拠点 副次的開発拠点 エ ネ ルギ ー 8 n. a. 8 n. a. n. a. 8 8 研究開発 (IT を含 む ) n. a. n. a. n. a. 8 8 n. a. n. a. 輸出加工 8 n. a. n. a. n. a. n. a. n. a. n. a. 流通 8 8 8 3 0 8 n. a. 工業( 優先業種) 8 8 8 3 3* 8 8 工業( 非優先業種) 4 4 4 0 0 4 4 観光 4 4 4 0 0 4 4 そ の他 (M ICE ( コ ン ベ ン シ ョ ン 等) 、 国際医療、 高等教育 ) n. a. n. a. n. a. 3 3 n. a. n. a. そ の他 ( 上記以外 ) n. a. n. a. n. a. 0 0 n. a. n. a. * JAB ODE T AB EKP UNJUR に お いて 3 年間の 法人所得税免除を 与え ら れ る の は ハ イ テ ク 業種の み。 研究開発は 国家戦略上の 優先目標で あ り 、 少な く と も 競合相手で あ る バ ン コ ク の イ ン セ ン テ ィ ブ と 同等以上に すべき で あ る 。 エ ネ ル ギ ーは 中期国家計画 (RP JM N )や長期投資計画( RU PM )等の 主要政策あ る い は 法令等に 明記さ れ た 優先分野で あ る 。 工業優先業種は 政令 N o. 62/ 2008 に依 る 。 中期開発計画 (RP JM N )に よ る 開発目標 大統領令 N o. 5/ 2010 経済セ ン タ ー (M P3 EI) 経済拠点 : [S um at ra ] Ba nda A ce h, M eda n, P ake nba ru, J am bi , P al em ba ng , T anj ung pi na ng , P ang ka l P ina ng , P ada ng , Ba nda r L am pung , Be ng kul u a nd S era ng ; [J ava ] J aka rt a, Ba ndung , S em ara ng , Y og ya ka rt a a nd S ura ba ya ; [K al im ant an] P ont ia na k, Pa la ng ka ra ya , Ba nj arm as in a nd S am ari nda ; [S ul aw es i] M aka ss ar, K enda ri, M am uj u, P al u, G oront al o a nd M ana do; [Ba li-N us a T eng ga ra ] D enp as ar, L om bok, K up ang a nd M at ara m ; [P ap ua -M al uku] S ofi fi, A m bon, S orong , M anokw ari , T im ika , Jay ap ur a an d M er au ke. 副次的開発拠点 : [S um at ra ] P eka nba ru a nd J am bi ; [J ava ] S era ng a nd vi ci ni ty , Ci la ca p a nd vi ci ni ty , Ci re bon a nd vi ci ni ty , a nd S ura ka rt a a nd vi ci ni ty ; [K al im ant an] P al ang ka Ra ya , S am ari nda , Bont ang a nd T ara ka n; [S ul aw es i] G oront al o, P al u a nd M am uj u; [P ap ua ] M anokw ari a nd T im ika . 後発地域 : こ の 定義は Pe m ba ng una n D ae ra h T ert ing ga l (M ini st ry for D eve lop m ent of D is adva nt ag e Re gi on) の 評価に 依拠する 。 JAB ODE TA-B EKP UNJUR そ の他 の地 域 G ER B ANG KE R TA-SU SI LA およ び M EBID A N G RO 主要開発拠点 : [S um at ra ] Ba nda r L am pung a nd vi ci ni ty , P al em ba ng a nd vi ci ni ty , L hoks eum aw e, D um ai , Ba ta m a nd P ada ng ; [J ava ] Ba ndung , D enp as ar, S em ara ng , Y og ya ka rt a a nd vi ci ni ty ; [K al im ant an] Ba likp ap an,  Ba nj arm as in, a nd P ont ia na k; [S ul aw es i] M am ina sa ta a nd M ana do-Bi tung ; [N us a T eng ga ra ] M at ara m a nd K up ang , [M al uku] A m bon a nd T erna te -S ofi fi; [P ap ua ] S orong a nd J ay ap ura . 流通や工業優先業種への 投資は 拠点開発推進に と っ て 重要で あ る 。 競合する マ レ ーシ ア 東部沿岸経済地域 SE Z (E CE R-S EZ ) と 同等の イ ン セ ン テ ィ ブ を 付与する 。 国家開発戦略の 重要政策で あ る 地域格差の 是正に 資する た め 十分な イ ン セ ン テ ィ ブ を 付与する 。 工業非優先業種は 広範な 投資の 中核を な すの で 、 競合国で あ る フ ィ リ ピ ン やベト ナ ム と 同等の イ ン セ ン テ ィ ブ を 付与する 。 観光で は 島嶼国と し て 競合する 可能性の 高い フ ィ リ ピ ン の イ ン セ ン テ ィ ブ と 同等と する 。 3 つの メ ト ロ ポ リ タ ン 地域は 、 恵ま れ た 地域特性を 有し 、 イ ン フ ラ が 十分に 整備さ れ て い る の で 、 韓国仁川(イ ン チ ョ ン )地域の FE Z と 同等の イ ン セ ン テ ィ ブ を 付与する 。 [ n.a . ] 当該地域に 適用な し 。 新規投資に イ ン セ ン テ ィ ブ が 付与さ れ る と 既存の 立地企業・活動と の 間に 齟齬・格差が 生じ る 。 凡例: 注: 地域が 重複し た 場合は 左側に 位置する コ ラ ム を 優先する 。 0 8 88 8 4 3 地名略称 : G er ba ngke ita sus ila : G re si k, B angka la n, M oj oke rto, M oj oke rto, S ur aba ya , S idoa rjo , L am onga n. M ebi da ngr o: M ed an , B in jai , D el is er dan g, K ar o. Ja bode ta be kpunj ur : J aka rta , B ogor , D epok, T ange ra ng, B eka si , P unc ak, C ia nj ur

図 2.6  インドネシア国における SEZ 開発への提案(3 タイプ)    (4)    SEZ タイプ別の構成要素
表 2.4 に示した様に特定 SEZ には、1)鉱物資源/エネルギー資源賦存地特定 SEZ、2) 農林水産資源賦存地特定 SEZ、3)観光地特定 SEZ、4)研究開発・IT 型特定 SEZ、5) 物流型特定 SEZ が考えられる。これら特定 SEZ の開発適地評価は、SEZ タイプ毎、 州別に、 1)開発ポテンシャル、2)サポート施設、3)開発ニーズの分析により行った(表 2.8 参照)。表中でマーク(✓)されている項目を使って、開発適地の分析・選定を行っ た。 表2.8  特定SEZ開発適地評価のための分
表 2.11 に示すとおり、SEZ 開発適地面積は第 1 次優先適地が 9,600ha、第 2 次優先適 地が 6,800ha、合計 16,400ha と推計される。
図 4.8 に見るように、SEZ の規模は 10ha から 10 万 ha まで様々である。小規模な SEZ は特定 SEZ に特化しているフィリピン及びインドに多く、大規模な SEZ は先進的 SEZ+が開発されている韓国、中国、マレーシアに見られる。

参照

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