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開発ガイドラインへの提言

ドキュメント内 (JICA) (ページ 37-40)

日本工営株式会社

(WACC)を上回った場合、2) WACC を割引率として使用した場合に、プロジェク トの正味現在価値(FNPV)が正の値をとる場合、において事業の財務的な採算性が 確保できると判断できる。

SEZ開発事業は、事業期間が長期に及ぶため費用及び便益についても、長期的な予測 が必要となる。ただし、これらの予測は、外的な要因によって大きく変化しうること から、感度分析の実施が不可欠である。感度分析では、建設費、賃貸収入など重要な 指標について、財務的にマイナスな影響を及ぼす方向に指標を変化させた場合の、

FIRR, FNPVへの影響を分析し、財務面での強靱性を確認することが必要となる。

ガイドライン本文では、財務分析を以下の5つの段階に分割し、それぞれについて各 指標の算定方法及び留意点を纏めている。

出典:JICA調査団

図 3.1 財務分析における5つのステップ

プロジェクトの経済評価は、国家的見地に立ち、資源の最適配分がなされるようなプ ロジェクトを選択することを目的としている。そのために、当該のプロジェクトが国 民経済にもたらす便益と、プロジェクトの実施に必要な費用を計測し、便益と費用を 比較して、プロジェクトの実施が国家経済的な見地から妥当であるかを評価する手法 であり、公共投資の効率性を評価するための手法である。

経済分析

経済分析では、財務状況同様に、プロジェクトの実施の有無における費用と便益を比 較して定量化することを原則としている。SEZ開発事業の場合の追加便益としては、

SEZ 事業を実施した場合にSEZ内で生じる付加価値の増加分及び間接的に外部に波 及する付加価値増分効果が経済便益として算定される。

一方、追加費用は、プロジェクトの建設費、維持管理費など、当該プロジェクトの実 施にあたり新たに生ずる費用である。経済分析で用いる経済価格は、財務分析で使用 される市場価格(Market Price)とは異なり、経済価格(Economic Price)に修正する 必要がある。経済価格への修正に際しては、税金、利子、補助金などを除外する必要 がある(これらは国家全体の立場から見ると単に移転項目にすぎないため)。また、

市場価格のゆがみを修正して「真の価格」を表す価格に修正するために補正を行う必 要がある。

経済分析では、1) プロジェクトの経済的内部収益率(EIRR)が、一定の割引率(資

日本工営株式会社 使用した場合に、プロジェクトの正味現在価値(ENPV)が正の値をとる場合、経済 的観点から事業を実施すべきことが判断できる。

また、経済分析においても、財務分析同様に、主要な指標を変化させた場合のEIRR、 ENPVの変化を分析するための感度分析の実施が必須となる。

ガイドライン本文では、経済分析を以下の4つの段階に分割し、それぞれについて各 指標の算定方法及び留意点を纏めている。

出典:JICA調査団

図 3.2 経済分析における4つのステップ

(2) モニタリング及び評価基準

SEZ法No.39/2009に順じ、SEZ認定後3年以内の事業運営開始するまでの期間、SEZ 国家審議会は6カ月毎に事業進捗のモニタリングを行わなければならない。モニタリ ング業務の簡略化と申請からの業務の一貫性を考慮し、モニタリングは申請書に基き、

一定項目の進捗を確認する事で実施する事を提案する。

(3) インフラ整備基準

SEZは地理経済的、地理的戦略的に優位性があり、産業活動、輸出入、及びその他高 い経済価値と国際競争力のある経済活動を支える地域にて開発される(2009年法律第 9 条第2 項)。SEZへの準備では、当該地域が質の高いインフラとサービスの基準を 有し、高い競争性があることを確実にするための開発努力が重要である。この点で、

インフラ開発のための基準が必要である。

国及び地方自治体による最少限の規制。

環境品質、安全性、国のシステムとの融合性。

中央及び地方政府による全ての関連法を参照し、SEZの必須項目と照合。

数値的基準は少なくし、インフラ設計におけるデベロッパーの自由裁量を極力尊 重。

国際競争力確保のため、国際水準のインフラとする。

インフラ基準は、既存の分野・地域の規制を参考とし、各分野別ガイドライン、分野 別規制、他国でのベストプラクティスを参考にしながら定められている

ドキュメント内 (JICA) (ページ 37-40)

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