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博(生)甲第221号

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Academic year: 2021

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(1)

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

報 告 番 号

博(生)甲第221号

氏 名 石田 紀子

学 位 審 査 委 員

主査 中村 剛 副査 武藤 鉄司 副査

北村 美江 副査 高辻 俊宏

論文審査の結果の要旨

石田紀子氏は、2007 年 4 月に長崎大学大学院生産科学研究科博士後期課程に入学し、現在に至っ ている。同氏は、生産科学研究科に入学以降、システム科学を専攻して所定の単位を修得するとと もに、生物統計学のリスク解析への応用に関する研究に従事し、その成果を 2009 年 12 月に主論文

「移設可能性の理論構築とそのメタボリック症候群のリスク評価への応用に関する研究」として完 成させ、参考論文として、学位論文の印刷公表論文 6 編(うち審査付き論文 5 編)、学位の基礎と なる論文 2 編(うち審査付き論文 2 編)、その他の論文 3 編(うち審査付き論文 3 編)を付して、

博士(工学)の学位の申請をした。長崎大学大学院生産科学研究科教授会は、2009 年 12 月 16 日の 定例教授会において論文内容等を検討し、本論文を受理して差し支えないものと認め、上記の審査 委員を選定した。委員は主査を中心に論文内容について慎重に審議し、公開論文発表会を実施する とともに、最終試験を行い、論文審査および最終試験の結果を 2010 年 2 月 17 日の生産科学研究科 教授会に報告した。

本論文は“移設可能性(Transportability)”の理論の構築とその応用を扱っている。移設可能とは、

ある標本で得られた予測モデルを独立した別の集団での予測に用いることができる状況を言う。第

1

章では,メタボリック症候群(MS)の死亡リスクに関するコホート研究が必要とされる背景,及 びこのコホート研究を実施可能とするために必要な移設可能性の定義も検証法も未だ確立されてい ない現状を述べ,本研究の目的を明確にした.第

2

章では日本における

MS

診断基準を示し、腹囲 以外の条件に当てはまるとき

Semi-MS

と定義した.第

3

章では,移設可能性を数学的に定義し,そ れの成立する十分条件として、2つの母集団(現在と10年前の検査値ベクトル)がそれぞれ多変 量正規分布に従い,共分散行列が同等であることを示した.実際には,10 年前の腹囲は観察されて おらず,その十分条件を直接検証することは不可能である.そこで新たな条件として,y-定常性

(y-Homogeneity)を定義した.第

4

章では,腹囲定常性条件の検証法および

10

年前の腹囲の移設

推定値を利用したリスク解析法を示した.第

5

章では,実際のデータを用いた解析により、腹囲定

常性条件を検証し、さらに

Semi-MS

の場合,腹囲が大きいほど

MS

関連疾患による死亡リスクの低

(2)

いことが示唆された.第

6

章では, 統計解析法の妥当性を検証した.最後に第

7

章において,得ら れた結果が臨床医学の常識と矛盾している理由として,肥満パラドックスの可能性を示唆し、今後 の研究課題を考察した。

学位審査委員会は本論文を、生物統計学の分野において極めて有益な成果を示すとともに、

予防医学等の応用分野の進歩発展に貢献するところが大であり、博士(工学)の学位に値する

ものとして、合格と判定した。

参照

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