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博(生)甲 第159号

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Academic year: 2021

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論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

報 告 番 号

博(生)甲 第159号

氏 名

竹下 朗

学 位 審 査 委 員

主査 征矢野 清 副査 夏苅 豊 副査 石松 惇 副査 阪倉 良孝

論文審査の結果の要旨

竹下 朗氏は、昭和 61 年 3 月長崎大学水産学部を卒業後、日本水産株式会社に 入社し、水産生物の養殖用餌料の開発研究やマダイ、トラフグ、チャイロマルハタ などの種苗生産技術開発に携わった。その後同氏は、社会人特別選抜学生として平 成 16 年 4 月長崎大学大学院生産科学研究科博士後期課程海洋生産科学専攻に入学 し現在に至っている。

同氏は、所定の単位を取得するとともに、平成 20 年 5 月に主論文「飼育環境下 におけるチャイロマルハタの共食いに関する基礎的研究」を完成させ、平成 20 年 7 月に本研究に関連する参考論文 3 編(内 2 編は印刷済み論文、1 編は投稿審査中論 文)を添えて、長崎大学大学院生産科学研究科教授会に博士(水産学)の学位を申 請した。

長崎大学大学院生産科学研究科教授会は、平成 20 年 7 月 16 日の定例教授会にお いて、予備審査委員会による予備審査結果及び論文内容の要旨を検討し、課程修了 のための学位論文提出資格があると判断して、上記の審査委員を選出した。委員は 主査を中心に論文内容を慎重に審査し、公開論文発表会を行わせるとともに、口頭 による最終試験を行い、論文の審査及び最終試験の結果を平成 20 年 9 月 10 日の研 究科教授会に報告した。

提出された学位申請論文は、水産増養殖対象種として注目されているチャイロマ ルハタの共食い現象に焦点を当てた研究である。

ハタ科魚類は、日本、中国、韓国、台湾および東南アジア各国において重要な食

用水産資源として盛んに養殖されている。従来養殖で使用されていた種苗は天然種

苗が中心であったが、日本、台湾および東南アジア各国において種苗生産研究が進

(2)

み、現在は人工種苗を用いた養殖も拡大している。ハタ科魚類の種苗生産における 課題の一つに共食いによる減耗がある。そこで本研究は、近年中国、台湾でその種 苗生産数量が拡大しているチャイロマルハタを研究材料とし、共食い行動とその発 生要因を解明し、共食いを種苗生産の現場で抑制するための技術開発を目的として 実施された。本研究の特筆すべき内容は、1)チャイロマルハタの共食い行動の解 析を行い、これを噛付き( C-1 )、飲込み( C-2 )、窒息による共倒れ( C-3 )に分 類した上で、発達段階の違いによる発生率を調べ、全長 25mm から全長 40mm で最 も活発に共食いが発生することを明らかにした点(第 2 章、審査付き雑誌 Fisheries

Science へ投稿、審査中)、2)チャイロマルハタの共食いと各種環境要因との関係

を解析し、全長 30mm から 40mm の稚魚において、水槽内構造物の存在が共食い行 動を促進することを明らかにした点(第 3 章、審査付き雑誌 水産増殖 56 巻に掲 載)、 3 )高照度( 1000Lx )下で共食いは活発になるが、壁面色が赤色の水槽で飼 育すると共食い行動が抑制されること明らかにした点(第 3 章、審査付き雑誌 Aquaculture Science 56 巻に掲載)、 4 )飼育水中に生理活性物質を添加することに よる共食い抑制の可能性について検討を行い、シナミックアシッド添加による共食 い抑制効果を確認した点である。さらに、脳内のセロトニン、ドーパミンの測定を 行い、共食いを調節する生理機構を内分泌学的に解明するための糸口をつかんだ点 も注目すべき成果である。

本研究ではチャイロマルハタを用い、ハタ科魚類の共食いとその抑制技術開発に むけた基礎知見の収集をめざした。その結果、上述したようにチャイロマルハタの 共食いに関する様々な重要知見を得ることができた。これらの成果は、ハタ科魚類 の種苗生産技術の向上はもとより、本科魚種以上に共食いによる減耗の激しい養殖 対象魚種の共食い抑制技術開発においても有効な情報である。このことからも本研 究は極めて意義深い研究であるといえる。

長崎大学大学院生産科学研究科教授会は、審査委員会の報告に基づいて審査した

結果、本論文は水産学の進歩に貢献するものであることを認め、博士(水産学)の

学位に値するものとして合格と判断した。

参照

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(a)第 50 類から第 55 類まで、第 60 類及び、文脈により別に解釈される場合を除くほか、第 56 類から第 59 類までには、7に定義する製品にしたものを含まない。.