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我が教室における胸囲結核について : 特にその發生部位, 發生機轉, 手術方針について 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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(1)

我が教室にかける胸囲結核についで

特にその畿生部位,機生機轄,手術方針について

    大 生   定

札幌医科大学夕卜科学教室(指導 橋場教授)

A Clinical Report on Pericostal Tuberculosis in Our Surgical Department

      工ioeality, Gel】esis and Opera」tion

       By       SA1)AMU  O凱丁

        刀epartmentげS%γ9θγ〃,&mppuoro Univers吻げMedicine       (DiTecteel by Pr of. T. ffAstllBti)

 背椎カリエス,胸壁穿孔性脚舜旋除きわが敷室 を訪れ入院手術した胸囲結核の想、者は別表第1表 に示す通り23例であって,そのうち男子11例,

女子12例,年齢は.19歳より58歳に及んでV・る が,その大部分は20歳より31〜32:歳までの間で

ある。

         畿生部位

 從來の丈献にも見られるようにわれわ」tLl ・2 ,{)の例におい ても第2表の如く,胸膏附近の前月郷,側胸下部及び御属 下都であって,腋窩部附近及び背面上部には発生を見てい ない。なお左右の別はわれわれの例においてはほぼ同数で あるが,青京大柳・竹内氏:1)の4S7例においては右側に多 く左側のユ.5倍であり,東大清水氏工)の253例においても 右側に多く左側の1.7倍である。

発生機韓

 京大木原敦授の胸壁リンパ系統の研究bによると,胸膜 のリンパは先づ胸膜下結締織内に分布するII匂膜下リンパ替 綱に牧められ,各肋問1乃至数目の肋問リンパ轡に注ぎ,

その・一一tUKは胸膜下結締織内を走るが,多くは内肋間筋を穿

弧して内外両肋陶筋11)問に入り,この肋岡リンパ轡はほぼ 前腋窩線附近で前後に分流し,前に行くものは前肋問リン パ腺,胸骨の側線で内乳動静脈の内或いは夕卜側に羅列する 胸骨リンパ腺を経て内乳リンパ菅に7.1三ぎ,上行しで無名静

一k ?論文要旨は昭不1丹6・{i三7月∫4日第2回北海道結核学   会において発褒した、

1) 6Tt人Ei: ヒヨタ1、祐隊43, 910−913  ll{ 1. 7,.

2)  1司  : 1]夕卜諦苗 44,761−764(闘召18).

脈リンパ腺に至り,後に行くものは前腋窩腺と肋骨角との 悶に存する側設問リンパ腺を経,後肋間リンパ腺,夏に脊 椎前リンパ腺を経て胸脚に注ぐといわれている。更に正教 蟹は墨汁を胸騒内に注入するときは,暴汁は胸壁肋膜下の リンパ組織に現われ,肺肋膜下には現われないと述べてい る。以上の窮実上よV京大外科竹内氏1)は,胸臆結核は肺 に結核集があり,その際肋膜問に癒着の存する時は肺の結 核集から新に形成せられたリンパ道を経て,胸壁肋膜下に 存する難富なるリンパ綱に現われ,前記のリンパ道を経て 結核性リンパ腺炎を起したものと考えられるといっている。

また同氏の別の論文によると2), 胸骨リンパ腺に入るもの は上記のリンパ道を経ないで肺病楽より直接リンパ道を経 てくるともいっている。これに反:し東大滴水氏5)は,本症 の大多数は肋膜炎治癒過程中肥厚した胸壁肋膜内に限局遺 残した増殖性病巣に,新たに滲出性炎症が加わって発生ナ るもので,肋間リンパ腺の変化は何れも軽微で,リンパ腺 に初発したとは考え難く,膿瘍の存在による:二次的のもの であるといっている。われわれの例においても大部分の症 例に胸圃結核に罹患したと同側の肋膜炎を経過しており,

白血症朕のないものも胸部一幅により肋膜炎を経過したも のと考えられるので,前記の何れの號1・5)にも同意するも のであb,側転下部に発生するものは,或いはリンパ道を 経ず胸購肋膜白身の結核の連続かとも考えられるが,かつ ていはれた様な眞の肋骨カリエスの如きものは甚だ稀であ ると考えらオしる。更に竹内氏は手術により膿瘍から発した

       の

3, 「苛牢卯●↑〜『1み」: 夕トィ斗 8, 盤73r紫S8 (1i召19).

4) 清フ旗L: 目夕卜嶺愚 45 f6, 7), 呈7 f昭19).

5) 清ア氷L: i」タト}講 40 〔2,,2 (III{lg♪.

67

(2)

68

大生一我が教聾における胸囲結核について 札幌医誌1953

第1表 症  例

番号

1

3 4 5 6 7 8 9 0 1 11

0召1 りU1 4

5 1

6 17 S 1

9 1

0d0

041Od

Ω淘 り0

の右

氏 

○野  武

長○艶子

○谷0子

○丸○奏子・

川○  要

○田 イ○

金○○志

○井新○

○藤○ヤ子 北○ トシ

O々木○雄

○田○智子

小○節子

○宮○枝

○田洋O O野○光

○藤榮○

木○慶○

安○サ○

永○好○

安○初○

細○  正

○花○き

δ♀ΩT♀ε♀66♀QTδ♀♀♀6♂δ6♀♂♀δ♀

年令

21 1

リリ

21

0潮14 40

の召00

0幽5 25

9り4

9 2

1

6

0魂

9 4 21

33

8

7

4

41

30

Ω﹄

りり

4

0刈

48

発生部位

17皿皿17膝皿VW皿皿V迂X▽皿旺WW正VW.W17線線 線 線四線線線線脚線脚線 線線線.線 線

論聯盟乳轡乳轡乳乳晦乳量グ噸

右右左右 左右左左右左右右左右 左左早早右左

既往症

肋膜炎  tl

肋膜炎  11

肋膜炎

肋1漠炎

肋膜炎

JIJ]膜炎  t/

 11

肋膜炎  tl  tl  tl  r1

肋骨の変化

↓ω0ω㈲㈲㈲ωOOωO㈲099.O㈲0の︹.000

赤沈(術前、

    ρ0      7      0

88600429270942251005800 8788ユー632555857571866亘1

軌55︒9︐0︑&α3&生q&駄翫Lααqαq4翫0︒

34269 41 31142435.0563 7

       1

手術回数

3回

2回

2回

3圖 2回 2回 3回 3回

第2表  発生部位

 ↓ 肩脚線 右12

 ↑正中線

ee

o

一一)

腋窩線

e

く一→

乳線

e e

o

一一j.

ee

e o

肋間順位

礪一L乳

慰1線

1

:左u

1 lee

iv [e

V

e

ee

vr [ee li ee

咀KX

<一一一レ

腋窩線

く一→

正申線 ↓

 ↑肩脾線

xi

 レ

(3)

4巻1号

大生一我が教室における胸囲結核について

69

痩轡が横隔膜内に埋没しており,副管肋膜白身には著名な る肥厚を認めなかった症例をあげ,これは結核性腹膜炎或 いは腹腔臓隠の結核に原因を求むべきものであると言及し ている。また木原教授門下の榎本氏2)は,乳線より腋窩に 至る第1肋間から第5肋岡附近の胸膜下組織より起るリン パ督は,合して数本のリンパ幹轡となって腋窩リンパ腺に 注ぐと述べ,この事実がこの附近の胸園結核の発生の少な い芋を談明するものと竹内氏はいっている。

 既往症として肋膜炎を経過したものは,青柳氏3)の4S7 例の統計では228例,46.S%であり,更に気圏結核と同額 のものはその88.4%である。清水氏4)の£53例では118例,

46.6%,そのうち下側のものは91%となっている。 われ われの例では23週中ユ5例で65.S,%,全部同側である。

 なお青柳氏3)によれは,本疾患を次の4型に分類してい・

る。 即ち第1型は膿瘍が痩督で肺の病弊に達しているも の。我が教室においてはかかる症例の手術例はなt・が,肺 病集が泄行性のもので手術を行わなかった症例を持ってい

るが,これがこの型に属するのではなかったかとも考えら れる。第2型は大部分の症例に見られるもので,膿瘍と1胸 壁肋膜と蓉易に剥離でき麗・}こよる漣絡のないもの.第3 型は痩智が横隔膜面に達し或いはこれに埋没しているもの で,これは結核性腹膜炎或いは腹部臓器の結核に原因を求 むべききのといわれる。第4型は胸壁肋膜が著明に肥厚し,

その中に樹枝状の痩管が拡がっているもの。これは胸壁肋 膜下のリンパ管網結核と考えられる。われわれは第3及び 第4型にぞくする症例はもっていない。次に組織学的所見 としては,完全に膿瘍化した症例では肉芽面識或は乾酪様 物質により充項され,組織学的にリンパ腺構造を見出すこ

とは困難であ防上述の発生機縛を決定的に証明すること が出來なく残念であるが,竹内氏のによれば周忌を月別園 に切除した例で,リンパ行性感染のあるリンパ腺が見られ たといっている。

手術方針

 胸園膿瘍の手術方針としては,肺結核と合併してしかも 究進性のものに対しては,切開排膿程度の極めて軽い侵襲 で止めるべきであると思う。また掃討期のものでも血沈の 早いようなものに対しては分劃手術がよいと 考える。徹底 的な別出手術のために1胸廓に対して大侵襲を加える時には,

呼吸障警肋膜刺11尭による肺結核集の葺燃を考慮しなけオしば

ならない。当教室において手術後肺結核の併進による死亡 例を2例持っている。手術の侵襲を可及的小ならしめるた めに,無用の肋骨切除は臓に愼しむべきであって,止むを 得ず切除する場合は二次的に肋骨が侵蝕された場合とか,

痩孔が肋骨の下にはい7vこんで切除しなければ充分蔀清出 田ない場合にのみ行うべきであると考え.られる。さて切除 稟を開放性に処置すべきか,或いは一時的閉鎮を計るべき かの問題であるが,1924年京大伊藤氏は,膿瘍を切開し周 囲を可及的廣範囲に切除し,その死腔には有董筋肉弁を充 填し,皮膚を一時的に縫合することを提唱している。更に 竹内氏は膿瘍に小切開を加え膿汁を徹底的に吸引排除し,

これに加熱融解した固形パラフィンを注入して膿汁とおき かえると呼出の際誤って膿瘍を損傷しても,手術野の渇聾 するのを遜けることが出來ると同時に,腫漉の硬度の増加 により手術操作が容易となるといって一蒔的に閉鎮するこ とを提唱している。しかし一噂的に捌鎖するには充分適懸 を選ぶべきで,前述の肺の結核葉の状態を充分考慮した上,

更に局所の條件として膿瘍壁が厚いもの,膿中に結核菌が 皆無か,存嘉しても数湖野に1個程度のもの,死腔を残し てないもの,即ち脂肪弁や有茎筋肉弁で充墳可能なものに は,一時的に閉鎖するのがよいと考えられるが,死腔の充 墳が不可能なものは一部開放 1生に処置しなければならない

と考えられる。なお最近は抗菌物質の局所及び全身的使用 が好結果をおさめている。

結  語

 わが敏室で乎術を行った胸囲結核23例につき,

心魂の文献により考按を行い,その発生部位は前 胸部,側胸下部,背順下部に発生し,発生機縛は 大多数は肋膜癒蒲を前提條件とするリンパ道感染 による結核性リンパ腺炎であり,手術方針として は全身及び局所の適慮が許すならば,膿瘍開脚出 一次縫合を行うを可とすることを述べ,雪平の肋 骨カリエスなる診断名はあまρに狭義であり,た

とえ肋骨カリエスがあっても大部分は二次的に侵 蝕されたものであるから 胸囲膿瘍Pericostaler Abszess なる名稻が臨床診断上安当であると考え

られる。      (昭和27.8、25受付)

(4)

70 大生 我が教室における胸囲結核について

    .

札幌医誌1953

      Summary

    A report on 23 cac ses of pericostal tuberculosis operated in our surgical department and a, review on previous litera, ture was made.

    The  predirection sites wete in the frontal thorax, inferior region of side and dorsal thorax.

    The majority of the cases were a degeneration of the tuberculous lymphadenitis around the

・ribs followiロg tuberculous pleuri.tis.

    Operation methods・ when general and local conditions allowed were a total resection of the ab$cess and primary suture.

    It is suggested that the previous nQmenclature  Costic l caries  is unsuitable since even in the case of actual costal caries it is merely a sequence of pericostal a bscess. Hence we suggest that  Pericostal absgess  be used in clinical diagnosis.

      (Reeeived Aug. 25, 1952)

e

u

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