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市立千歳市民病院医誌第5巻1号の発刊にあたって 利用統計を見る

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市立千歳市民病院医誌第5巻1号の発刊にあたって

院長 堀本和志

 北海道の初夏は一斉に緑が萌え、花々が咲き誇り暖かい日差しが降り注ぐ躍

動感に満ちた季節です。

 こうした初夏の澄みきった空とは裏腹に、医療状況は全く好転する気配が見

られません。

 政府は多額の海外向けの融資や財政援助を行う一方で、国民総医療費を厳し く抑制しており、地域医療の崩壊とそれによる地域住民の健康不安や生活不安 を引き起こしています。麻生首相は海外向けに愛想を振舞うよりも、自国での 医療を含めた国民生活をもっと重視すべきと思います。

 最近、自治体病院では医師不足のために診療内容の縮小や病床数削減を余儀i なくされ、地域医療が維持できなくなっています。当院でも循環器科医師の減 員により循環器疾患の入院対応ができなくなり、救急医療を含め多方面に影響 がでています。医師不足による診療内容の縮小は病院経営を圧迫し、尽きると ころ赤字決算や不良債務を引き起こします。自治体と自治体病院は連結決算に なっており、銚子市のように自治体財政を維持するために、病院を閉鎖しその 赤字を解消して自治体財政を改善するという事例まで起こっています。

 総務省は効率的な病院経営を目標に、公立病院改革プランの提出を求めてき ました。その心は病院経営を黒字にすることで医療における国からの財政負担 を縮小させることにあります。しかし奇妙なことに、病院経営が困難になる主 な要因としての医師不足には一切言及せず、とにかく経営改善に努めよという 一方的な経営視点になっています。このような視点では現在の医療状況や病院 経営を改善できるはずもなく、医師の地域偏在、診療科偏在、勤務医不足とい

う重要課題に取り組まなければ今後の日本の医療はありえません。

 さて、2009年度の病院医誌の内容を見ると、今回も診療部からの投稿が少な くて残念ですが、産婦人科からは産科医師が少ない現状での分娩対応策、看護 部からは患者・家族の心理面を配慮したより質の高い看護の実践、放射線科か

らは64列MDCT画像構築など、各部門から日常業務での課題とその改善策あ るいは経営視点から見た分析が記載されています。職員が日常業務に埋没せず、

問題意識や目的意識をもって就業した結果が論文となっています。この内容が 引き続き日常診療にフィードバックされることを願ってやみません。

平成21年6月吉日

参照

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