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地域主導的中央支援の共生システム 一幸せの経済学の胎動一

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(1)早稲田社会科学総合研究. 第4巻第2号(2003年1ユ月). 地域主導的中央支援の共生システム 一幸せの経済学の胎動一. 田村. 目. 貞雄. 次. はじめに:中央支援領域と創造的構想機構. 1.地域主導的領域:MuldchamelMedicalSystemの構想と実践 2.自律的医師・医療関係者と白律的市民等の行動仮説:「能く生. きて、さわやかな死にいたる」実践 3.大分市地域保健委員会と情報システム:行政機構と市場の共生. のメカニズム 4、地球的共生領域1心の飢餓と物質の飢餓の同時克服を求めて 5.むすび:学際的共生研究:Ec㎝omics. for. Positive. Health(健. 康福祉経済学)への道. はじめに:中央支援領域と創造的構想機構 日本的地域包括医療システムの基本的特徴を端的にいえば、医療を後追い型の疾病治療 として捉えるのではなく、医療を医学の社会的適応という包括性1〕と未来志向的な心身の. 維持増進という積極性で捉え、人問の幸せ(Community. We1Lbeing)の増進を目標とし. て、自律的医師とその関係者の提供行動と、白律的市民等の参加行動による地域中心の実. 践活動として捉えるのである。これを元日本医師会長の武見太郎はポジティブヘルス (Positive. Health)2〕開発という概念で構想し、全国の白律的医師とその関係者と自律的市. 民等の参加を得て、実践した。. 中央支援の拠点である、日本医師会は、医学部を卒業してから、平均10年の実地研修 期問を経て、それぞれの地域に開業した医師達が中心となり、情報化社会・参加型社会の 中で、医学文化の昂揚の哲学と人類の幸せ(Commmi蚊Well−bei㎎)の増進の目標のもと. で結集した学術専門団体である。実際の実践集団は、8ブロックの広域医師会連合、47都. 道府県医師会の地域特性にもとづき、861の郡市区医師会により構成されている。 図1−1は、日本型地域包括医療システムの原型の中央支援の領域を、しめしている。こ. れは、故武見太郎元日本医師会長が、副会長時代を含めて、27年問の歳月をかけてつく.

(2) 図1−1. 中央支援の領城. 医療福祉の最適化. 創造的構想機構 中央政府. 日本医学会 ライフサイエンス学会. 関係機関. 日本医師会. 各種委員会 各種指導者講習会. 計 画 情 報. 回. 路. 各種統計調査. 効率的地域医療計画. 計画・実行・評価. 日医医学講座. 医政研究会. 各種委員会 地域医師会. 統計調査. 地域社会. りあげたものである。現在においても、幸せの増進にリーダーシップを発揮する白律的医. 師とその関係者によって、連綿として受け継がれている。学術専門団体としての日本医師 会は、日本医学会と融合しており(日本医学会長は、日本医師会の副会長)、また武見は、. 医学文化の昂揚の哲学の提唱者として、70有余の日本医学会の分科会の統合学会である 「ヒューマンライフサイエンス学会」3〕を組織して、近代科学主義の新展開「総合主義と分. 析主義の融合」を図った4)。この流れはハーバード大学公衆衛生大学院における「武見講 座」と早稲田大学社会科学部および商学部の「健康福祉経済学」の講義と演習、そして早. 稲田大学テーマカレッジ5〕の「資本主義と福祉社会の共生」の講義と演習に、受け継がれ ている。. 武見は、日本医学会・ヒューマンライフサイエンス学会を活用して、地域包括医療実践 の学問の基盤づくりをおこなった(図1−2参照)。そしてこれを、武見がつくりあげた包. 括医療情報の計画的循環を通して、861の郡市区医師会に流した。図1−1で示した日医医. 学講座・健康教育指導者講習会・医療経済実態調査が、その代表的な例である。また日本 医師会内に、地域包括医療実践における中央支援のための各種委員会を設け、ここに全国 の実践医師の参加をはかり、地域包括医療の指導者層を厚くすることを狙った刮。また、 自律的市民等が積極的に参加する合意形成づくりを助言した。. 武見は地域包括医療の目標を幸せ(Commmi蚊Wen−bei㎎)の増進にもとめた。ここで.

(3) 地域主導的中央支援の共生システム. 3ヨ. 図1−2中央支援の創造的構想俄籏 日本医師会理事会. 基幹委員会. 環医メ社社医 境婁百会会奮 学. 法. ス. 険. 祉. 報. 医. 特. 地. 医. 生. 公. 国. 学. 裂域師涯夏際. 文. 菱11教1薫. 化. 委. 療. 金. 育. 学. 委. ラ. イ フ. サ イ. ラ. 函. のCommunityは、地域社会・国家社会・地球社会の相互依存関係の内容で構想した。こ の場合の相互依存関係のしかたは、Commmity. Wen−being(幸せ)の特性にしたがって、. 地域主導的中央支援の共生システムで発想された。そこで地域包括医療システムにおける. 中央支援領域は、地域社会とともに地球社会とも対面し合う。このことは、世界医師会長 としての武見の実績からも明らかであるη。. また、現代経済学研究学徒として、筆者は、武見にこの中央支援領域に招かれ、図1−2 の創造的構想機構の中核で、研究する機会を持ち副、そして地域主導的領域と同時に世界 医師会活動領域の実践活動に参加した。このことの経験がこの小論の主題である地域主導 的中央支援の共生システムの発想を可能にしたのである9〕。. 1.地域主導的領域:Multichame1MedicalSystemの構想と実践 日本型地域包括医療システムの目標は、人問の幸せ(CommunityWell−being)の増進に おかれているので、このシステムは、人間の幸せに直接に関連している地域環境が基盤と なるので、まず地域主導領域から入る。.

(4) 筆者が、中央支援領域で勉強してから9年目に、武見にそれまで勉強していた事を熊本 県医師会年次総会で話すように、依頼を受けた。地域主導的領域での初めての講演であっ たので、相当の準備で講演に臨んだm〕。結果として、中央領域の創造的構想機構で研究して. いたのに、地域包括医療を用語として理解していただけで、実態については何も理解して ない事が明らかになった。実証経済学の研究者として恥ずかしくて、地域包括医療の勉強. の為、1975年に2ヶ月間アメリカ、カナダ、イギリスに地域包括医療の勉強に赴いた。しか し海外での2ヶ月の調査では、武見のいう白律的医師と医療関係者によるPosi廿ve. Hea1th. 開発行動という内容の地域包括医療活動の実践事例を、探し当てる事はできなかった。. そこで帰国してすぐに、中央支援領域で勉強中に一度きいた事があった、杉田肇大分市. 医師会副会長(当時)の構想で大分市医師会実践のMulhchame1MedicalSystem(技術集 積型健康開発システム)の観察のため、大分に赴いたH)。. 日本九州北東大分市は、医学者で哲学者であった三浦梅園の生誕の地であり、ポルトガ ル宣教師ルイス・ド・アルメイダによって、日本に初めて西洋式病院が建てられた地であ るω。武見太郎日本医師会長(当時)の「リーダーシップ」に共鳴した故加藤新大分県医. 師会長(当時)は大分市医師会を中心として地域包括医療における「医療革命」をおこし. たMu1廿chamel. Medical. Systemめ創造と実践がそれである。これは、吉川曄大分市医師. 会長(当時)と杉田肇大分市医師会副会長(当時)を中心にしておこなわれた。 Multichamel. Medical. Systemは、武見が、開業医の共生と継続的白己革新の場として構. 想した、医師会病院組織化技術と、多様なる価値観がぶつかり合う、成熟化した地域社会 における合意形成の場としての、地域保健委員会組織化技術を、地域特性に合わせて展開. した。そして特筆大書さるべきは、武見構想にはなかった自律的医師の「リーダーシッ プ」の行動仮説を地域包括医療の実践過程から健康価値論(後述)により設定したことに より1刮、Commmi蚊Well−bei㎎が明確な形をとることになった。このことにより、論理実 践実証主義の方法による学際的研究が社会に定着の兆しがみえはじめた。. つぎに、図2のMultichamel. Mu1tichamel. Medical. Systemにより、学際的研究について説明する。. は、包括医学・医療面(A面)、政治・政策面(B面)、社会・経済面(C. 面)という多次元領域の融合によって実現する。まず包括医学・医療面を見てみよう。こ こは生命・身体システムだけでなく全生活環境の分析と総合が必要とされる。したがって. ここでは狭義の医学・生命科学だけでなく人問生態学、文化人類学、人文科学、社会科学 も必要とされるのである14〕。これらの学際的協力により、CommunityWelレbeingが論理実. 践実証的に具体化されるのである。また政治・政策面(B面)においても、地域保健委員 会における地域社会構成貝の健康価値論の実践による、合意形成を解明しなければならな. いので、政治学や政策科学だけでなく、包括医学・医療の助けが必要となる。そして社 会・経済システム(C面)においても、Communi蚊Well−beingの実現のためには、行政機.

(5) 地域主導的中央支援の共生システム. 35. 図2MultichannelMedicalSystem 健康福祉の最適化過程 ポジティブヘルス 包括医療 予防言†画. 医学研究計画. 億康教育計画. 治療計画. リハビリテーション計画 lA). 学校保健. 母子保健. 産棄保健. 成人保健. CS SS. Multichamel Medic乱1SysteI Multlchamel Medlc乱1System. ES. \ 社会経済システム. 健康開発型市場経済 (市場機構). (B〕. 政治・意志決定システム. (非市場北 (非市場機構). (C〕. CS(願客満足). 健康福祉開発のための社会拠出機構. 鴫(経営者、従業員満足〕 SS(社会的満足). 住民代表 専門家代表 地方・中央政府. NP0 産業社会 学術社会. 個人・企業拠出、財政支出. 発展的再生産の費用原理. 構と市場の共生が、必要とされるから、このためには行政行動においても、市場行動にお いても健康価値論による実践行動が要請される。したがってここでも、経済学・社会学・ NewPublicManagementだけでなく、包括医学・医療の協力が必要とされるのである15〕。. このようにMu1tichame1Medica1Systemの有効性の評価には、学際的研究による論理 実践実証主義の方法、総合主義と分析主義の融合の方法の確立が、必要とされるのである醐。. すなわち、これらの学問的方法が固まれば、大分地域における「医療革命」の他の地域へ の波及は容易に行われるようになると考える。地域主導的中央支援の共生システムの実践 的ノウハウが、国内的、地球的波及に大きな役割を果たすものと考えられる。. 2.自律的医師・医療関係者と自律的市民等の行動仮説: 「能く生きて、さわやかな死にいたる」実践 大分市医師会のMu咄chamel. Medical. Systemによる地域包括医療の実践は・開業医の. 共同利用施設である大分市医師会病院を拠点とする技術集積によって行われた。図3は大. 分市医師会病院とCommuni蚊Well−bei㎎の技術集積を示してい乱日本医師会員であり.

(6) 36. 図3犬分市医師会病院とWell−being技術集積 国立医科大学. 大分市医師会. 大分地域保健委員会. 保健所. 大分市 医師会病院 福祉施設. 医療機器 医薬晶産業 その他. 大分県地域成人病. 一\ぷン. 医師会員関業医. 地域住民. 企業. 学校. 公共機関. 大分市医師会員である開業医が、地域住民・企業・学校・行政・NP0と同じ目線で生活 し、「リーダーシップ」をもって、共同して医師会病院をつくり、ここを拠点として包括. 医学・医療にもとづくCommuni蚊Wen−beingの提供技術を集積してゆく。看護学院、心 臓血管センター、救急医療センターがそれである。このような「リーダーシップ」での技 術集積と、地域住民と同じ目線で生活を営んでいる実績による信頼感を基盤としてさらに. 技術を集積し、その提供を円滑に行うため、大分市医師会は市民と協力して、大分市地域 保健委員会を組織した17〕。この委員会は、Community. Well・beingの技術を開発し、提供. し、そして地域住民等が享受するための意思決定を担う組織である(後述)。図3の右に示. されている大分県地域成人病検診センターは、この委員会の意思決定により創設され、医 師会病院と機能的に連結された。これにより、医師会病院の足腰は非常に強くなった。さ らに加えてこの委員会の調整機能により、医師会病院と大分医科大学、国公立病院、福祉 施設、保健所等の連携が円滑に行われるようになった1呂〕。. 「リーダーシップ」を基盤とする、大分市医師会病院のCommm蚊Wen−beingの提供の 基本原理は、「客も家族の一員として接する」(新経営家族主義)i9〕にもとめられる。これ. に対して地域住民・企業・行政一NP0等のCommmity. We1l−beingの享受の基本原理は、. 健康価値論の実践一「能く生きて、さわやかな死にいたる」を自己実現の目標とする実 践にもとめられる。これにより、地域住民等の継続的自己革新のもとでの白己満足と社会 満足の充足が、可能になる洲。. 「能く生きて、さわやかな死にいたる」人間行ロカ仮説. 図2Multichannel. Medical. Systemで示したように、地域包括医療の目標はCommuni蚊.

(7) 地域主導的中央支援の共生システム. 図4. 37. 「能く生きて、さわやかな死にいたる」人間行助仮説 健康価値論の実践. (生理的規範). 健やかに育ち、健やかに老い、さわやかな死に至る. 近づきつつある死を認識して、現在をよりよく生き抜く行動. 組織適応能(Adaptability〕の向上の人間行動仮説. a.企業家精神. 1Entrepreneurship〕. 1. ■. 一. A.競 争(Competition〕 B.相互信頼{Confidencel. b.自己抑制(Di。。ipli・・〕 C.家庭教育. 1Fami1y. Education〕. C.献 身1Sacri迫㏄). 自然、宗教、哲学、科学披術、社会、政治、経済. ■一一・. Well−beingの最適化過程に求められた。ここにおけるCommunityWell−bei㎎の提供者と享 受者の行動仮説は、Va1ue. for. M㎝ey経済学における短期的で貨幣評価のGNP極大化行動. (利潤極大化行動・効用極大化行動)とは異なり、長期的で包括的な行動を考慮すること. が必要とされる。われわれはこれを「能く生きて、さわやかな死にいたる」人間行動仮 説刎〕とよび、健康価値論のもとで、論理実践実証的にリサーチを続けている22)。図4がそ. の行動仮説を示している。われわれは地域包括医療の実践の中から、健康価値論として健. やかに育ち、健やかに老い、さわやかな死にいたる。近づきつつある死を認識して、現在 をよりよく生き抜く行動を導出し、これを基盤として組織適応能(Adaptability)の人聞. 行動仮説を設定した。この仮説は、包括医学・医療にもとづいて人間生理的規範として設 定したものである。すなわち人間は身体的に、精神的によりよく生きようとする本能的力 (Adaptabili蚊)をもっている。これを組織適応能とよび、主体的要因と環境的要因に分け. て3対の要素をとりだした。図4に示されているa.企業家精神、b.白己抑制、c.献身、. A.競争、B.相互信頼、C.家庭教育がそれである。この組織的応能は、人間が実際に生. 存している場の自然、宗教、哲学、科学技術、社会、政治、経済によって影響を受ける が、地域包括医療の実践により組織適応能が向上すると、その効果が、その社会の生存環 境に影響を与えることになる。.

(8) 3豊. この組織適応能は、生存の地域特性の多様性とともに、人間生理メカニズムの共通性を もっている。そして、この組織適応能は、人問生存の最小の単位の家庭で生まれ、育成さ. れることを特徴としている。これが、Commmi蚊We1止beingの提供者と享受者の共通の 性質である。このように育成され、学習した個人が自己選択のもとで、社会におけるそれ ぞれの組織を選択し、「能く生きて、さわやかな死にいたる」の実践を行うのである。こ. こに役割相乗型社会の実現の根拠を見出すことができる囲〕。すなわち、GNP極大化社会. からCommuni蚊Wel1−being最適化社会への転換である。方法論的にみれば、論理実践実 証主義にもとづく総合主義と分析主義の融合の道筋の明確化である。また図2,C面にお ける非市場機構と市場機構の共生、B面における地域保健委員会における政治・意志決定 システムが円滑に作動することになる。. 3.大分市地域保健委員会と情報システム:. 行政機構と市場の共生のメカニズム 図5−1は、大分市地域保健委員会の構成を示し、図5−2は、図2で構成を示し、図3で その機能を説明した、大分市地域保健委員会の調整活動に必要な情報システムの形成と実 践を示している24〕。大分地域健康開発センター(大分県地域成人病検診センター)と機能. 的に連結した大分市医師会病院の創造的構想による地域健康開発情報センターがデータベ ースになるとともに、地域保健員会と協働して共生機能を果たす25〕。. 基幹部分は会員開業医を媒体とし、地域住民等のCommuni蚊Wen−being享受者と大分 地域健康開発センター、そして大分市医師会病院間の包括医学・医療情報循環である。基. 幹システムは図2のA面に示されている母子保健システム・学校保健システム・産業保健 システム・成人保健システムである。サブシステムとしての救急医療システム・健康開発. 調査システム・健康教育システム・社会経済システムも包括医学・医療の展開には不可欠 の要素である26〕。. このような大分市医師会病院の創設を基盤とする大分市地域保健委貝会と情報システム. の形成と実践の背景には、吉川・杉田をはじめ大分市医師会員の「魂の入れようのない現 行の医療制度に活きた魂をいれるべく. 正常化. の戦いを進めている日本医師会に、力を. 与えるものはなにか。それは地域医師会員の地域医療活動への献身であり、学問的基盤に 立った実践行動である。自己利益追求でない社会福祉活動こそ信頼感回復の近遺である。. 私共は医師会病院を会員の心のオアシスとし、医師会活動のメッカとしたい。実験先駆都. 市大分が地域医療概念の定着の場として、また新しいメディカ・テクノポリス、として誕 生する日も間近いと思われる。」27〕という熱き思いがふつふつと発酵しているのである。.

(9) 地域主導的中央支援の共生システム. 5一. 図. 1. 夫分市地域保健委貝会の構成 夫分市地域保健委〔会委員推o団体 (昭和58年3月. 推薦団体. 大分市地域保健委員会. セ医師師大所ガ会. 表. ン師会会分. ン. タ会. 市. 協. 1. ). 薬剤師会. 学專住結大大大自大大歯男識門民核分分分治分分科斉経団代予郡市東体保県医師験体表防市医医^健対師雀者代. 大分市医師会. 会. 嚢大分市歯科医師会 代表大分市助産婦会. 大鶴医師会. 北海部郡医師会. 大繕歯科医師会. 北海部郡歯科医師会. 県立厚生学院. 大分市薬剤師会. 大分市自治委員連絡協議会. 大分市保健衛生組合違合会. 地域成人病検診センター 大分市議会 大分市地域猷血推薦遵合協議会. 大分市地域婦人団体連合会. 市政モニター 大分市民生委員協議会. 民代中小企業連合会表. 肺ガン対策協議会. 住大分市老人クラブ連合会. 大分市工業連合会. 大分市保育部会. 老人福祉施設. 企業. 大分市卸商連盟. 大分市商店衝遵合会. 大分市PTA連合会. 中央町商店街振興組合. 大分市農業協同組合. 大分商工会議所. 大分市中央地区労 大分中央同盟. 民労協. 印刷工業組合. 大分保健所. 警察署. 行大分県赤十字政血液センター. 結核予防会. 大分市小・申学校校長会. 大分市養護部会 代. .表大分県対カン協会. 大分労働基準監督署. 大分県. 大分労政事務所. 大分市 (順序不同). 犬分県地城保健協饒会組竈図. (肪a25現在〕 会. 長. 1.県関係部課長. 2.県立病院長. 県医師会長. 会. 副. 県保健環境部長. 3.県下保健所長 4.県下市町村長 5.地域保健協議会長 6.婦人団体. 会. 7.歯科医師会. 会. 8.薬剤師会 9.看護婦・助産婦会. 』. ノ. 、. 10.医蘭会. 腎不全対策小委員会. 脳心疾患調査小委員会. 老人保健小委員会. 保健教育栄養改善小委員会. 導. 救急医療対策小委員会. 環境衛生産業保健小委員会. 成人保健小委員会. 母子保健小委員会. へき地保健医療対策小委員会. 行. 学校保健小委員会. 意見具申. m. 言. 指導助言. 地域保健委員会. 民聞団体. ︺. 在 現. 大分市地域保健委貝会の和成.

(10) 図5−2大分市地域保債委員会と情報システム 大分市地域保健委員会. 分析 医科大学 保健所. 評価. (サブシステム) 岬、MU、、〕. 地域健康開発情報センター. 救急医療システム. (フイードバック). 地域住民. 学校. 公共機関. 4.地球的共生領域:心の飢餓と物質の飢餓の同時克服を求めて 共生システムの終点としての地球的共生領域について説明する。図6は、図1−1でふれ た武見の世界福祉イニシアチブの日本からの発信の実践的展開を示している捌。. ところで健康価値論の「能く生きて、さわやかな死にいたる」人間行動は、生存の最小. 単位である家庭で生まれ、育成されていく。このような行動の実践により、家庭組織の. Commmi蚊Well−beingの最適化過程が達成され乱この行動型が・地域社会の他の組織 に適用されるとともに、地域社会におけるCommmity. Well−bei㎎の最適化過程に適用さ. れる。この場合、社会組織としての地域保健委員会と市場機構が調整機能をはたすことに. なる2副。そしてこの行動型が、国家社会に適用されて、国家保健委員会と国家レベルの市. 場機構調整機能のもとで、国家レベルのCommmity. We11−beingの最適化過程が実現され. る。そしてさらに、この行動型が、国家・NP0・NG0を媒介として、全地球市民の参加 により地球社会に適用され、世界保健委員会(仮称)と世界レベルの市場機構の共生によ りGlobalWell−beingの最適化過程が達成される。これは「リーダーシップ」を起点とする. 人類生存の福祉の実現を意味する。またマザー・テレサのいう地球市民には、心の飢餓と 物質の飢餓の同時克服が、可能になるといえよう。. 現実の世界に目を転じると、家庭の内外での争い、地域社会内外での争い、国家社会問 すなわち地球社会での争いが、数多く観察されるが、「能く生きて、さわやかな死にいた る」人聞行動仮説は人類共通の人間生理的規範であるから、長期的にはGloba1Well−being. への収敏の動きが出ることを願って、教育研究を続けている。ここで記述した、「日本型. 地域包括医療の実践」の世界化を目指して地球市民と共創したいと考えてい乱.

(11) 地域主導的中央支援の共生システム. 図6. Global. 41. Wel1・being. ㌫㌃ニラζ三ルニステム1. k一ケットエコノミー・システム」. G1oba1WeH−being. (訂李孤鳩ダA/ アジア太平法Eしr,NA町A. 世界拠出機構. 市場機構. (南米、アフリカ、中東等. 」. (世界レベル〕. 環境・健康と共生. 世界保健委員会. (サ撃奪㌧ヅ0). 1中央 劇 国家による 創造的構想と調整. 国家社会拠出機構. 市場機構 (国家レベル). 国家保健委員会. 他県協議会. 大分県地域保健協議会. (日本医師会リーダーシッブ〕 (日本医師会リーダーンノブ). 他県協議会. 他県協議会. 地域社会拠出機構. 市場機構 {地域レベル). 他市町村委員会. 大分市地域保健委員会. 地域実践活動 腕. 他市町村委員会. 他市町村委員会. (地域医師会リーダーシップ). 主導的]. 健康福祉志向の価値選択行動の実践 (自律と違帯). 個人・家庭. 産薬. NP0等. 行政. 地域主導的中央支援の共生システム. 5.むすび:学際的共生研究=EconomicsforPositive. Hea1th. (健康福祉経済学)への道 経済学はもともと経世済民として、すなわち庶民の強い味方として、世の人々が健やか に生き、さわやかに死ぬ人生、つまり世の人々のCommunity るものとして誕生したのであるが、いつのまにか. Wel1−beingのために寄与す. 差をつけるゲーム. (希少価値が高価. 格、高所得を生む)に浮き身をやつすようになった。このことは米国における著しい貧富 の格差の存在、南北間の経済の格差の実態をみれば明らかである。つまりこの. ゲームの経済学. はGNPの極大化を志向し、世のひとびとのCommunity. 差をつける. Well−bei㎎(幸. せ)には見向きもしなくなったのである。このことが環境破壊、家庭崩壊、学級破綻、成 人自殺の著増(日本)、宗教の暴走の因となっていることはつとに知られた事実である洲。. このような状態を打破するためには健康価値論を基盤としたCommuni蚊We1l−bei㎎の経.

(12) 4ユ. 済学へのパラダイム転換が必至と考える。. ところで健康価値論の「能く生きて、さわやかな死にいたる」人問行動は、生存の最小. 単位である家庭で生まれ、育成されていく。このような行動の実践により、家庭組織の. Communi蚊Well−beingの最適化過程が達成される。この行動型が、地域社会の他の組織 に適用されるとともに、地域社会におけるCommuni蚊Well−beingの最適化過程に適用さ れる31〕。この場合、社会組織としての地域保健委員会と市場機構が調整機能をはたすこと. になる。そしてさらにこの行動型が国家社会に適用されて、国家保健委員会と国家レベル. の市場機構調整機能のもとで、国家レベルのCommmity. Wel1−bei㎎の最適化過程が実現. される。そしてさらにこの行動型が国家を媒介として地球社会に適用され、世界保健委員 会(仮称)と世界レベルの市場機構によりGlobal. We1止beingの最適化過程が達成されるヨ2〕。. この場合、自律的市民等を基底として共生的国家組織づくりと、共生的国連組織づくりが 必要である。. 最後に、恩師武見太郎先生を起点とする杉田と田村の共同研究は、人間の幸せ(Com− muni蚊Well−being)を目標とした学際的共生研究の軌跡として特徴づけられる。学際的共 生研究は次のような内容をもっている。. 学際的共生研究の特徴. 基軸仮説1健康価値論. 2地域主導的中央支援の共生システム. 3論理実践実証主義 展開仮説1新経営家族主義 2. ネオキャピタリズム(新生資本主義). この内容は国際(ドイッ・ボン)シンポジウムで我々が発表したEconomicsforPos拙ve Health(健康福祉経済学)と一致する捌。経済学は医学・医療と共創して新しい時代を迎 えることになった。. *われわれは、早稲田共生研究会のメンバーと諮って、お金中心の経済学から人間中心の経済学へのパ ラダイム転換、言葉を変えていえば、消費者主権から地域住民主権へのパラダイム転換という共通の 目標のもとで、早稲田大学の新機軸である、オープン教育センターのテーマカレッジの学際的な共同. 講義と学部横断的演習に参加した。ここでは、物質中心のGNP極大化志向から、幸せ(Commu皿海 We1止being)の最適化(バランス的達成)への目標転換が、強調された。筆者は、この幸せ(Com− munity WeILbeing)を大分地域に展開されていた地域包括医療システム(Mu1tichamel Medica1 System)を実証的基盤に求めた。. 本文で明らかにされているように、地域包括医療は、Regi㎝alなCommuni蚊の側面を基盤にして、 幸せの享受者と提供者を中心として展開される。この意味において、われわれの大分地域における共 同研究の標的を、「地域主権・地域包括医療の経済評価の実践モデル」に定めてきた。しかしわれわ.

(13) 地域主導的中央支援の共生システム. 43. れの学問にたいする基本的態度は、20世紀で主役であった近代科学主義のそれではなく、地球環境 に羽ばたき、赤い血の通う人間を主役とした、実学志向なのである。このため、われわれは、新しい 学問的手法として論理実践実証主義を提唱してきたのである。すなわち、われわれの学間的貢献は、. 大分地域における市民、企業、行政、NP0の日常生活の営みいかんにかかっているといっても過言 でないのである。そこで、伝統的に中央集権的行政実践が顕著なわが国において、たとえ、学問的な. 意味においてであっても、地域主権を強調することは適切ではないと考える、大分地域の市民とその 関係者が多くいるのではないかと反省した。. 以上の理由からわれわれは、大分地域における学際的共生研究の柱のひとつとしてきた、地域主権 的中央制御(あるいは中央統治)のグローバルシステムと永年呼称してきたのを、地域主導的中央支. 援の共生システムと改めることにした。このことは、重要な内容の変更ではなく、実学の視点での呼 称変更を意味しているのである。しかし、われわれの教育・研究に賛同されてきた、多くの方々に一 つの論文をもってわれわれの実学態度を明確にすることにした。 注. 1). 武見(1967)は、包括医学について次のような説明を与えている(『あなたの健康』春秋社)。「古. い時代においては、病気を治すことが、医療であると考えられていた。古典的な病理学の概念から発 したものであるが、今日においては、世界の通念としてポジテイブ・ヘルス(建設医学)を目標とし. て医療概念が拡大されてきた。肉体的にも、精神的にも健康であるということは、さらに、その健康 度を増進することができるという条件を、常にもつことである。医療概念が、このように拡大されて きた今日において医療は、コンプレヘンシブ・メディシン(包括医学)の概念で表現されるようにな った。したがって、この中には、医学が社会的に適用されるあらゆる分野を包含する事になった。」. 2)武見太郎のポジティブ・ヘルス観については、田村貞雄(2001a)「2健康投資とポジティブ・ヘ ルス開発の最適化過程」を参照されたい。また杉田 肇(1973〕は、大分地域を実践的基盤として展 開した地域包括医療システムをMultichamel. Medic創System(技術集積型健康開発システム)と呼. び、ポジティブ・ヘルス開発を健康価値論の創造的構想のもとで、体系化した。健康価値論について は、この小論の2「能く生きて、さわやかな死にいたる実践」を参照されたい。この小論の主題であ. る地域主導的中央支援の共生システムは、杉田のこの創造的構想の論理実践実証的展開の線上にあ る。. 3)図iは、人問の生存の理法とライフサイエンス研究を基軸とする学際的創造研究の歴史的流れを 第1回(1974年〕ライフ・サイエンスの概念. 人間生存の理法. メデイ コエコ ノミツ. 般理論. クス. (1975). 新しい 福祉体系. 第2回(1974年〕人間生存の秩序. 社会保 障の] (1966〕. Bioinsurance. (1。。。). (1979). 福祉 立地論. (1967) (1971). 医療資 源の開 発と配. 不確定性の 記号誇理学. 分. (1973〕. 的接近 ライフサイェンス (ユ974〜1981). 図i武見太郎の創造的柵想の実践の歴史的過程. 第3回(1975年)生命現象におけるパターンとパター ン認識 第4回(1976年〕 ライフ・サイエンスと生存資源 第5回(1977年〕 ライフ・サイエンスにおける相関の 間題 第6回(1978年) ライフ・サイエンスと福祉国家 第7回(1979年)子供のヒューマン・バイオロジー 第8回(1980年) ライフ・サイエンスと自由 図ii 目医ライフサイエンス学会の実漬 (ライフサイエンスの進歩 第1集〜第8集として春 秋社から出版されている).

(14) 示している。そして図iiは、学際的創造的研究の中核としてのライフサイエンス研究の成果の歴史的 実績を示している。この成果は、日本医師会編、春秋社刊として田村の研究室に保管され、活用され ている。このような学際的創造研究の蓄積を基盤として、本文の図1−2で示した創造的構想機構が組 織化されて、日本型地域包括医療システムの実践を支えているのである。. 4)近代科学主義の批判と総合主義と分析主義の融合については、清水. 博(2003)、田村貞雄. (2003c)を参照されたい。ここは、お金中心の経済学から、人間中心の経済学へのパラダイム転換 の、学問的核心ともいわれる領域である。. 5). 武見は、ハーバード大学公衆衛生大学院にIntemati㎝al. Healthに関する「武見講座」の設置を実. 現し、世界福祉イニシアチブを発信できる、マンパワーの育成を図った。この講座は1981年から現 在(2003年)まで継続しており、特に発展途上国に、福祉と経済の共生の実践技術を体得した人材 を提供し続けている。また早稲田大学社会科学部大学院に講義・演習・研究指導が設置されている。. 商学部では、演習科目「現代経済リサーチ」が設置され、健康福祉経済学を意欲的に学習し、リサー. チしている。そしてまた、早稲田大学の新機軸としてのオープン教育センター設置のテーマカレッジ の学際的講義科目として「政府と市場の共生リサーチ」が設置されており、また学部横断型ゼミナー ルとして「福祉と経済の共生」(前期)、「世界福祉イニシアチブの日本からの発信」(後期)が設置さ. れて、3年目を迎えている。これらについては、図iii、図ivを参照されたい。. 6)本文の図1−1が、地域主導的中央支援の共生システム発想の原点を、示している。そして本文の 図1−2が、図1−1のシステムを円滑に動かすための創造的構想機構を構成する各種委員会を示してい る。武見は、この委員会に、日本における各学問分野の一流の研究者を三顧の礼をもって招聰し、学 問を基盤とした実践的、政策的対応を行った。武見は、この各種委員会の中に地域包括医療の実践の. 図iii2003年度オープン教育センター設置講義科目一覧. 0007. 政府と市場の共生のリサーチの 早稲田的革新. 図iv. 2003年度テーマカレッジ漬習科目一覧. 新入生からの学部横断型ゼミナール. 工藤. 裕子. 前期. 1年以上. 2. 月3. 120−4−207. 西早稲田. 工藤. 裕子. 後期. 1年以上. 2. 月3. 120L4−207. 西早稲田. 八巻和彦. 前期. 1年以上. 2. 水5. 120−4−207. 西早稲田. テーマカレッジ演習. 八巻和彦. 後期. 1年以上. 2. 水5. 120−4−207. 西早稲田. テーマカレッジ演習. 田村. 貞雄. 前期. 1年以上. 2. 土2. 14−406. 西早稲田. テーマカレッジ演習. 田村. 貞雄. 後期. 1年以上. 2. 土2. 14−406. 西早稲田. テーマカレッジ演習. 世界福祉イニシァチブの早稲田からの発信. 資本主義と福祉社会の共生. 西早稲田. 福祉と経済の共生の実践. 1050. 1051. 7−205. 役割相乗型社会の哲学的基礎. 1049 資本主義と福祉社会の共生. 金2. テーマカレッジ演習. 資本主義と福祉社会の共生. 共生理論の基礎的探究. 資本主義と福祉社会の共生. 4. 政治と市民社会の国際比較. 1047. 1048. 1年以上. 「3つの市民」と役割相乗型社会. l046 資本主義と福祉社会の共生. 通年. テーマカレッジ演習. 資本主義と福祉社会の共生. 田村 貞雄 縣 公一郎 卯月 盛夫 近江 幸治 工藤 裕子 後藤 光男 常田 稔 堀口 健治 八巻 和彦 寄本 勝美 藁谷 友紀. 関心の対象により履修可能な学際的テーマ. 総合講座.

(15) 地域主導的中央支援の共生システム. 4,. 医師を選抜し、地域包括医療のリーダーシップ実践の層を厚くすることを図った。. 7)武見は、広域ブロック医師会運合や都道府県医師会の会合だけでなく、861の郡市区医師会を丹 念に訪問し、懇談した。この意味において地域主導的中央支援の共生システムは武見の中で揮然一体 となっていたのである。また武見の洋書の読書量は抜群であり、海外への訪問回数と海外の客を招待 し交流する回数も非常に多かった。この中には世界医師会活動・アジア・太平洋医師会活動への積極 的貢献も含まれる。1975年に、世界医師会長として、東京で「医療資源の開発と配分」の学術集会 を主催した。そして「メディコエコノミックス宣言」を行い、これを、6年間で3回の会議を開催し て検討する「Followup委員会」を組織L、実践することを約束した。. 8). 当時、未熱な現代経済学研究学徒であった私が、各分野の一流ぞろいの創造的構想機構に招かれ. たのは、恩師故中山伊知郎先生の推薦があったからである。このおかげで創造的構想機構の委員会だ けでなく、数多くの内外の学会・シンポジウムー現地実態調査に参加でき、人間的、研究的に変身可 能な素地ができたのだと、この幸運に、感謝している。. 9)武見の創造的構想機構を基盤とする、世界福祉イニシアチブの日本からの発信の実践を内部から 観察していて、「門前の小僧、習わぬ経をよむ」の心境である。. 10). われわれは、これまでよく使用されてきた福祉、あるいはウェルフェアをCommmity. WelLbeing. の内容で捉え、医療福祉、あるいは健康福祉という用語を使用してきた。しかしこの用語は、日常生 活ではなじみがうすいので、われわれは、幸せという平易な用語を用いることにした。これについて は田村貞雄(2001Winter)「経済学で幸せになれるの?」、田村貞雄(2003b)、そして田村貞雄「健康. 価値のものさしによる経済成果の測定」平成15年度第2ブロックシルバー人材センター合同役員研修 会講演記録(2003.6.27)を参照されたい。この小論の主題である地域主導的中央支援の共生システ. ムは、この幸せ(Commun吋Welrbei㎎)を目標としたシステムづくりと密接に関連しているのであ. ㌫学問的にいえば、GNPの極大化から、幸せ(Communi蚊Wel1−bei㎎)の最適化過程へのパラダ イム転換の理解が基本となる。. 11) これは、1974年経団連会館で、杉田から、また同年大分県医師会館で吉川から、Multichannel MedicaISystemの実践の報告を聴いて、強烈な印象をうけていた。 12). これについては、大分市医師会編『アルメイダ病院20周年記念誌』大分市医師会、を参照された. い。. 13)健康価値論については、田村貞雄・杉田. 肇(1995)第2章を参照されたい。この健康価値論の. 実践が、「幸せを呼ぶ経済学の実践」、「役割相乗型杜会の実現」を可能にする。. 14). このことについては、注3の図噛iiを参照されたい。武見のライフサイエンス研究を核とする創. 造的構想機構の実践が、これである。本文5むすびの杉田・田村の学際的共生研究は武見方法論の 展開過程を示すものである。. 15〕. これについては、田村貞雄(1997)「激動の日本経済変革に対して、我々は、何ができるか一健康. 開発型市場経済論のすすめ」『早稲田社会科学研究』第55号、を参照されたい。. 16). 論理実践実証主義については、田村貞雄(1999)「健康福祉の最適化過程評価とパターン認識一. HolismとReducO㎝ism融合の実践的観察」『早稲田社会科学研究』第58号、を参照されたい。. 17)大分市地域保健委員会については、田村貞雄・杉田. 肇(1995)第3章3節②「第2ステップ1大. 分市地域保健委員会の組織化」の項と田村貞雄(2002b)を参照のこと。. 18). これについては、田村貞雄(2003b)「幸せをよぶ経済学の実践」『ソシオサイエンス』第9号を参. 照されたい。. 19)新経営家族主義については、田村貞雄(1996)「新経営家族主義と共生の経営行動r新しい競争論 理と経営行動」『経営行動』Vol.11,No,1を参照されたい。. 20)地域住民等の自己実現における白己満足と社会満足の同時充足については、田村貞雄(2002b) 「政府と市場の共生一Community. Well−beingの最適化過程」『早稲田社会科学総合研究』第2巻第2号. を参照されたい。. 21). 「能く生きて」は、日常生活における、健やかに生まれ、健やかに育ち、社会的に健やかに生き. る実践から洞察された仮説であり、「さわやかな死にいたる」仮説は、「能く生きて」の仮説の系とし.

(16) 46. て洞察され、経験的に検証されつつある仮説である。. 22). われわれは、「能く生きて、さわやかな死にいたる」伝説を九州の大分地域、宗像地域、肝属郡地. 域、千葉県の安房地域のCommm吋We1止beingの達成過程を場として検証を継続している。 23)役割相乗型社会については、田村貞雄(2003b〕「幸せをよぶ経済学の実践一役割相乗型社会形成 の検証」『ソシオサイエンス』第9号を参照されたい。. 24)地域保健委員会と情報システムの機能については、杉田. 肇(1973)「惰報化社会と医師会病院」. 『九州医師会病院・臨床検査センター研究協議会記録』、を参照されたい。ここでは、健康価値論の視. 点から情報システムの形成のあり方が、実践的に説明されている。また、大分県地域成人病検診セン ターを拠点とした、大分市地域保健委員会機能と情報システムの実際については、国広. 潔(1999). 「医療・保健・福祉総合情報システムの形成と展開」財団法人生存科学研究所編『21世紀への大分の まちづくりプランニングと実践』に所収、を参照のこと。. 25). これについては・田村貞雄(2003c)「NewPublicM㎜agem㎝tから「共生・福祉社会」へ」『早稲. 田社会科学総合研究』第4巻第1号補論2、を参照されたい。. 26). 「能く生きて、さわやかな死にいたる」は、地域包括医療システムの基本的行動仮説である。こ. れは、未来志向的な積極性と人聞生活の包括性の共生を、基盤として構想されている。われわれは、. これを学問的にCommmity. We1l−beingの最適化過程と呼んでいる。これについては、田村貞雄. (2002b)「政府と市場の共生一Communi蚊Wen−bei㎎の最適化過程」図1、を参照されたい。. 27). このことばは、大分市医師会員(白律的医師)のリーダーシップの具体的な証拠を示すものとい. えよう。. 28). これについては、田村貞雄(2001b)「世界福祉イニシアチブの日本からの発信」『ソシオサイエ. ンス』第7号を参照されたい。 29). これについては、田村貞雄(2002d)「ポジテイブヘルス開発とバイオインシュアランス制度の構. 築一経済保障から人間保障へ」『早稲田社会科学総合研究」第3巻第3号を参照されたい。. 30). この部分は、田村貞雄(2001Winter)「経済学で幸せになれるの?」早稲田広報誌噺鐘』からの. 引用である。. 31). 地域主導的中央支援の共生システムの核心はCommunity. WelLbeingの最適化過程を目標として. の、横の共生と縦の共生の同時達成に求められる。この場合、横の共生は、個人・家庭を軸として. の、企業、行政、NP0,NG0間の共生(地域社会)と国家社会の共生と地球社会の共生があげられ 乱すなわち、個人から地球までの共生であ㍍これは主体軸における共生であるが、縦の共生は過 去、現在、未来という時間軸での共生である。この二つの共生の同時達成が必要である。これを可能 にする条件は、各構成主体が「能く生きて、さわやかな死にいたる」行動仮説の実践に求められる。. この主体的行動仮説を支える条件としてポジティブ・ヘルス開発の技術集積(一般的にいえば地域包 括医療システム形成の実践)が必要とされる。そしてこのためには、健康開発型市場経済と未来志向 的行政機構(共生国家)の共生が必要である。すなわち、政府と市場の共生である。 32〕. これについては・田村貞雄(2003c)「New. Public. Managementから「共生・福祉社会」へ一「経. 世済民」的経済政策の早稲田からの実践」補論2マルチチャンネル・メディカル・システムの地球 的実践、とこの項における共生国家論と、大分市地域保健委員会と社会拠出機構の歴史的意義を参照 されたい。健康価値論を基盤とした、共生国家論の制度的検討と新しい国際法に立脚した、共生的国 連組織の制度化の検討が、全地球市民の参加によって行うことが必要である。このことによって、マ ザー・テレサの説く心の飢餓と物質の飢餓の同時克服が夢ではなくなるといえないだろうか。. 33). このシンポジウムはわれわれ早稲田共生研究会主催のもとで、1999年12月18日、19日の二日間. にわたりドイツ・ボンで關催された。このときの会議録がつぎの書名でイギリスRoutledge社から今 秋出版される。 S〕㎜biosis The. ofGovemm㎝t. private,the. pub1ic. and and. Market. the. bureaucracy.

(17) 47. 地域主導的中央支援の共生システム. 参照文献. 浅野史郎・北川正恭・橋本大二郎(2002)『知事が日本を変える』文葵春秋社. 片岡弘光(1997)「人間と行政」小林. 登・田村貞雄編『社会人閲学』第4章. 成文堂. 工藤裕子(1999)「政策形成過程における市民活動の機能」山梨学院大学行政研究センター編『市民活 動の展開と行政』中央法規. 草場郁郎・松田亀次監修(1991)『アルメイダ病院QCサークル活動』大分市医師会立病院 榊原英資(2002)『分権国家への決断』毎日新聞社. 清水. 博・前川正雄(1988)『競争から共創へ』岩波書店. 清水. 博(2003)『場の思想』東京大学出版会. 宮川公男・山本. 清(2002)『パブリックガバナンス」日本経済評論社. 平松守彦(1990)『地方からの発想』岩波書店 平松守彦(1997)『私の日本運合国家論』岩波書店. 岡本三彦・田村貞雄(ユ997)「地方白治のしくみと人間行動」小林登・田村貞雄『社会人間学』第7章 成文堂. 嶋津義久編(2000)『大分市医師会立アルメイダ病院30周年記念誌』大分市医師会立アルメイダ病院 杉田. 肇編(1999)『天行は健なり』大分県地域成人病検診センター. 杉田. 肇(1974)「Mu1七chamelMedica1Systemについて」『日本医師会雑誌」72巻第4号. 杉田. 肇(ユ974)「学間の進歩と国民医療一地域医療概念の定着」『日本医師会雑誌』73巻第6号. 杉田. 肇(ユ984)「地域医療20年のあゆみ」『季刊社会保障研究』Vol.20,No.2. 杉田. 肇(1989)「医師会活動と共同利用施設一日本的包括医療を守り育てるために」『第22回東北・. 北海道医師会病院臨床検査センター連絡協議会会議録』山形県医師会. 武見太郎(ユ972)「序論. 人間生存の理法について」日本ロッシュリサーチセンターシンポジウム記録. 『生命のしくみ』日本ロッシュリサーチセンター. 武見太郎(1974)「人類生存秩序と医療」日本医師会編『国民医療年鑑』春秋社. 武見太郎(1975)「医療資源の開発と配分」日本医師会繍『国民医療年鑑』春秋社. 田村貞雄(2001)「経済学で幸せになれるの?」『新鐘』2001WINTER 田村貞雄(2002a)「Value. for. Money経済学(市場原理主義)の経済観・福祉観」『ソシオサイエンス』. 第8号. 田村貞雄(2003a)「経済価値論の動態的変化の一考察一人間科学的視点からの経済価値論の評価」『早. 稲田社会科学総合研究』第3巻第3号 田村貞雄(2001a)「ポジティブヘルス開発と健康価値評価一健康福祉経済学序説」『早稲田社会科学総. 合研究』第1巻第2号 田村貞雄(2002b)「政府と市場の共生一Commmi蚊Well−bei㎎の最適化過程」『早稲田社会科学総合研. 究』第2巻第2号 田村貞雄(2001b)「世界福祉イニシアチブの日本からの発信」『ソシオサイエンス』第7号. 田村貞雄(1996)「新経営家族主義と共生の経営行動一新しい競争論理と経営行動」『経営行動』Vol. ユ1,No.1. 田村貞雄(2001c)「健康投資と福祉立地論一資本主義と福祉社会の共生のリサーチ」『早稲田社会科学. 総合研究』第2巻第1号 田村貞雄(2002c)「地域主権・地域包括医療システムの経済評価の実践モデルー健康福祉経済学と論理 実践実証主義」、『早稲田社会科学総合研究』錦3巻第1号. 田村貞雄(2002d)「ポジティブヘルス開発とバイオインシュアランス制度の構築一経済保障から人間 保障へ」、『早稲田社会科学総合研究』第3巻第2号. 田村貞雄(2003b)「幸せをよぶ経済学の実践一役割相乗型社会形成の検証」『ソシオサイエンス』第9 号. 田村貞雄(2003c)「NewPublic. Managementから「共生・福祉社会」へ一「経世済民」的経済政策の早. 稲田からの実践」『早稲田社会科学総合研究』第4巻第1号.

(18) 4g. 筑井甚吉・田村貞雄(1972)『現代経済学』春秋社 田村貞雄・杉田. 小林. 肇(1995)『ヘルスエコノミックス』成文堂. 登・田村貞雄(1997)『社会人聞学』成文堂. 寄本勝美・田村貞雄(1999)『環境・資源・健康共生都市を目指して』成文堂 寄本勝美(2002)『地球時代の白治体環境政策』ぎょうせい. 原科幸彦・寺西俊一・寄本勝美編著(2001)『公共を支える民一市民主権の地方白治』コモンズ.

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