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被削物の取付偏心とコンブライアンスが 被削物振動に及ぼす影響
一一旋削中の被削物振動と仕上面のうねりについて(第 3 報〉一一
門 脇 義 次 ・ 後 藤 美 千 男
The E f f e c t o f E c c e n t r i c i t y and Complaiance o f Chucked Workpiece on The Turning Vi b r a t i o n .
‑Turning V i b r a t i o n o f Workpiece and Undulation Remaind on The Machined Surface ( 3 r d r e p o r t )
1 . 緒 言
前報じでは, 旋削物の軸直角断面形状の測定を行な い,その幾河学的円からのずれの内,周上に数個のピー クを有するごく粗いピッチのいわゆるうねりに注目し,
これは旋削中被削物の水平方向変位が模写されたもので あることを明らかにした。このようなうねりは被削物と 刃物との低サイクル相対振動によって生ずることにな り,断面位置を変えても,その形状はほぼ相似となって 同じ位置にピークを生ずることから,この低サイクル振 動は被削物一回転を基本周期としていることになる。
本報告は,静的な検討のに引き続き,取付偏心とチャ ックの爪による静的コンブライアンスの相違めを考慮し て,この低サイクノレ振動の性質を実験的に吟味したもの である。
2 . 切削力に起因する強制振動
切削中,刃先と被削物との相対振動において,ある周 期のものは空転時においても生じており,これが一種の 加振源となって切削中にはその周期のものが増巾される ことが示された 3) 。一方空転時に見られない周期の振動 であっても被削物の取付偏心とチャック部分での曲げに 対するコンブライアンスの相違により,切削力を加振源
とする強制振動を生ずる。すなわち,
D: 実切込ミ r : 被削物の半径 D o : 切込ミの定常値. x . y 被削物中心の座標,
e 取付偏心量 0: 回転角,
昭和信年 2 月
Yoshitugu KADOWAKI. M i t i o GOTO (昭和47 年 1 0 月 3 1 日受理〉
として,幾何学的に考えれば,
D = r + D o ‑ Y か + X ) 2 + y 2
ここで. X . Yは取付偏心によるものとして . x2+ y 2
= e 2 であるから,
D = r + D o ‑ Y 云 2+‑2ecosO+e 2 となり切込ミは被削物一回転を周期として変動し,これ につれて切削力が変動するものとすれば,被削物一回転 を周期とする強制振動が生じ得る。
さらに,被削物はチャッタの爪に起因するコ γ プライ アソスの相違がありの
y : 静的コンプライア γ ス. x: 切削力方向の被削 物変位. F: 1 0 :位相角. YO:: 最大コンブライアン ス ,
として,三ツヅメスクロールチャックにおいては,
y = YO c o s ( ' j 0 + 伊)と表わされ,したがって,
x = y. F = Y o c o s ( ; , 0 + I F )
この結果,切削力が一定であるとしても,被削物一回転 につき. 3 つのピークを有する水平方向の変位を呈する はずで・ある。
次に刃先と被削物との相対振動を一回転を基本周期と して,
f ( 0 ) = A o + A 1 c o s ( 0 + 1 0 ) + A 2 c o s (20 + ' f 2 ) + Aa c o s ( 3 0 + ' P a ) + ・ ・ の如くフーリェ解析を行えば,第 2 項すなわち,
A
1c o s ( 0 + 少 1 ) は取付偏心自体と,取付偏心に起因す る切込ミの変動の影響として,又第 4 項すなわち,
A8cos ( 3 0 + 円〉はチャックの爪に起因するコ γ プラ
2 0 I " J 1 1 仏 政 次 ・ 後 藤 美千男 イアソスの相違の影響として表われる 。
3 . 実 験方法及び実験装置
旋削中 ,被削物と刃物との相対振動社 [ I J 定に J T J l 、た装 i E
等は次の通りである。
旋盤, ジャパンカスヌープ 3 6 0 HB‑X ベット上の振り 3 6 0 m m 心開距離 7 5 0 m m 主 動 力 モ ー タ ‑ 5.2KW 主軸回転数 50~3000y pm 無段変速 チャック一三ツ爪スクローノレ, M 6 ,マツモト。
測定装置, 振動変位の測定,ー静電容量形微小変位
イ
ロ
計,直流増巾器, 記録ーデータレコーダ ( 4 チャンネノレ, F M 変調, DC~5 KH z) , フォトコーダー (6 チャソネノレ,振動 7
・G
ー1 0 0 0 AF)
周波数分析ー振動,騒音分析1*,
図 1 静電容量形微小変位計の電極位置 上図中 A : 水平方向変位iJl• 1 ]定屯極
B: 垂直方向
グ下図中 矢印の先端に垂直方向変位制 J I 定電極の中心がある。
被削物の取付偏心 i ) l I . J 定一屯気マ イクロメ ーター。
終盤回
E伝数の校正一ストロ ボスコープ。
モニタ 一一二現象シンクロスコープ。
これらは次の 2} 誌を除き,ほぼ前報 1 ) と ! 日 l 燥で。ある 。 すなわち, 1)相対振動の記録分折のため,データレコ ーダと周波数分折装置を加えた。 2 ) 静電容量形微少変 位計の検出電極を往復台に取付け,バイトと共に縦方向 に移動した。なお電極附近を図しに示す。 上図は心事 j l 台似 ] 1 から見たもの,下図は真上から見たものであり,電 極は被削物の未加工部分に対向している。すなわち,電 駆はノ
ζイトと対向の位置であれば , t J J 削点の実変位が首 [ 1 ] 定 1 1 :1来理想的と忠われ る 。 し か し こ の 部 分 は 段付部で あり,切削断面には j 惨状誤差を生じている,切}i'fが接近し やすい,などの誤差原因が考えら , / L ,切削 . } ' X より,ヘッ
ド ス ト
γク ( J ! ] I に 2 0 間後近させたものである。一方 , ', l i l 程 [よチ十ヅタと 対向する似 1 1 にも面積を布しており ,爪とチ ャック本 体と対向するときとがあり, 1 1 可 1 ' 去につき 3 回 の m J W I で静屯容はは変化することになる。このため , t E
阪を怖 くして,チャックとの文、 t l ; : ' J I l J j 肢を充分炊く作り,
爪による有志 i な J i i をを生じないようにした。
なお屯極をチ t ックに充分近づけてさを 1 ' 云し,変動は被 i 判物のI 収 ( J f i 扇心のみによることを他認した。 さらに,電 極対向部の形状誤差を除 くため,被削物はあらかじめ注 意深く研削を行なって真門}交を 2 μ 以内とした。
4 , 実験結果 とその検討
(その 1 )
被 削 物 ‑SS41 ,直径 4 0 ' l l m , 長さ 1 3 0 n u l t , 突出 1 0 0 m m ,
t ' J 削条(q:一切削述度 30ml min ,送り O
目4 n l l n l
1・
e v ,切込ミ 0 . 5 , 0 . 7 5 , 1 . 0 , 1 . 2 5 , 1 . 5 , 1 . 7 5 m m ,
じ J 4 一市 ' j 4 : J . J 主 鋼 H 刃料 y t l l え ノ イト
( 1 3
0, 9 , r , 3
0, 2r , 2r , 1 . 1 ) 測定条件 切削序走昔日 2 0 m m ,電極(チャック端
より ) 6 0 m m
J子走 i~1を切削後,バイトと共に電1涯を移動しつつ屯極 と被削物との相対振動を記録しこの波形の周波数分析 を行った。 1 例として,切込ミ 1 . 6
11lm の場合を図 2に示 す 。
Z E 転l 時 には, 水 、│ 正 ブ ' J j . ! , , J Æ直方 I~'J のいづれにも, 8 0 0
Hz 及び 1KH z の振動があり, この程度の振巾感度で
は , f自の周波数の振動は見られなし、。 一方 ,被 ì~U物 の取
秋田高専研究紀要第 8 号
被削物の取付偏心とコ γ プライアンが被削物振動に及ぼす影響(第 3 報 〉 付偏心は,チャッグの爪の一つに加工をおこなって,不
ぞろいを作ってあるため 7 1 . 7 μ である。しかし,被削物 の回転は 240rpm であり,これは 4Hz に相当し,本記 録紙上には現われていない。切削時のものは空転時には 見られない 100Hz 以下及び,空転時に生じていた。
800Hz 及び 1KHz のものが見られ,特に 1KHz は増巾 が顕著である。
ここで周波数 12Hz は,被削物一回転を基本周期とす る振巾の 3 次に相当する。しかし突出しが比較的短か
1曲
L 空転時水平方向
~--~~--+---+---←~tー→一一+
ミ ) ニ ‑ 磁 寄 贈 円
︑ 霊 知 泰
R 容さ誕
J ム」←→
切削時水平方向
笠松 II.~ 垂直方向
d l
十一切削時垂直方向
1仙川恥 ~ll +
I O K
図 2 変位の周波数分析結果の比較
ーー・ーー垂直方向 ーー。ーー水平方向
•
'~ー/-
図 3
切 込 ミ ( 醐 )
切削による 1次振巾の増巾率
2 1 く,チャックによるコ γ プライアンスの相違が明らかで はなく,上記の結果に終ったものである。
次に同じ援動記録を電厳オシログラフによって波形を 顕出し,数値的にフーリエ解折を行った。これにより得 られた切削時の l 次振巾 a と空転時の 1 次 振 巾 a o と の 比 甲 = a / a o ,を振巾増巾率とし,切込ミを変化させ た場合の甲を図 3に示す。 ここで a o は取付偏心であ り, a は取付偏心と,これによる切込ミ深さの変動によ る変位の和でるる。従って,切込ミが小で,切削力の小 さい範囲では , a の影響が大きく,甲は 1に近い。切込 ミが増して切削力が大きくなると,切込ミの変動の影響 が大きくなり甲 > 1 となるものと考えられる。
実際には図 3 に示す如く, 1 . 3 1 1 1 1 1 1 附近まで守は漸減しこ れ以上では急増している。
(その 2)
要因実験,被削物の剛性が充分小さい範囲で,取付偏 心の影響と,チャックの爪によるコンブライアンスの相 違の影響の程度を知るため,Z!型要因実験をおこなっ
た。実験条件を表 lに示す。
表 1 実 験 条 件
~ 白 1品川~-( 1 ‑ ) ‑ ] 時 可
パイト形状 I A 1 ) 十刃パイト│斜剣バイト 切 込 ミ I B I 0 . 5 1 1 1 1 1 1 I 1 . Q I / I I 1 I 締付モーメント I C 15. 7 k g ー m 17.6kg‑‑m 切削速度 I D I 10m/min I 2 o : m/min
J¥‑刃バイト, 9
0, 1 0
0,ゲ, 6
0, 9
0, 1
0, 0 . 6 斜剣パイト, 1 3
0, 9 ぺ 7
0, 3
0, 2 7
0, 2 7
0, 1 . 1 被削材 材質 (SS4 1),直径 ( 2 0 m m ) ,つかみ
代(3 0 l 1 1 l 1 I ) , 突 出 シ ( 1 0 0 1 1 1 1 1 1 ) 送 り O . 4 1 1 1 1 1 1 / r e v ,
測定時切削点, (チャッタ端より 9 0 1 1 1 1 1 1) , 測定点, ( " 7 0 1 1 1 1 1 1) ,
なお各要因における水準は一般におこなわれている切 削条件,作業条件等を参考にして 2 個を選んだものであ る。ここで締付モーメ γ トは前報 2 ) と同様,被削物を締 付ける際にチャッタハ γ ドルに作用させるモーメ γ トで ある。
各切削条件での水平方向変位を回転角を横軸として表 わし,これをフーリェ解折した。
次に同一実験条件での繰り返しによる振巾の相関を検 討した。 これにより, 実験の再現性を知ることができ る 。
ただし, 1 次に関しては,取付変心量は偶然に生ずる
2 2 門 脇 義 次 ・ 後 藤 美 千 男
実 験 条 件 「 五 巾 比
YETES の方法による l 次振巾増巾率(引の比較解析
計 算
( 1 ) ( 2 ) ( 3 ) ( 4 ) 三 効 果 自乗平均 1 . 1 7 8 . 7 0
a 2 . 2 0 1 0 . 4 1 b 2 . 3 9 8 . 1 4 ab 2 . 9 4 1 0 . 6 2 c 1 . 9 2 1 . 5 8 ac 2 . 0 4 0 . 1 9 bc 3 . 1 9 ‑4.28 abc 3 . 2 6 ‑1. 4 2 d 2 . 2 1 1 . 9 6 ad 1 . 7 2 2 . 4 9 bd 4 . 0 0 0 . 2 8 abd 0 . 2 1 2 . 0 0 cd 2 . 3 8 ‑0.48 acd 1 . 9 3 ‑0.05 bcd 3 . 6 4 ‑3.30 abcd 2 . 6 7 ‑0.52
7 3
6 5
3 1
A 1
1 3
5 2
7 9
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1 9 . 1 1 1 8 . 7 6 1 . 1 7
‑5.70 4 . 4 5 2 . 2 8
‑0.53
‑3.82 1 . 7 1 2 . 4 8
‑1. 3 9 2 . 8 6 0 . 5 3 1 . 7 2 0 . 4 3 2 . 7 8
37.87= 計
‑ 3.93=A 6.73= B
‑ 4.35=AB 4.19=C 1.47=AC 2.25= B C 3.21=ABC
‑ 0.35=D
‑ 7.47=AD
‑ 2.17= B D
‑ 3.29=ABD O.77=CD 4.25=AC D
1 . 19= B C D 2.35=ABCD
6 3
2 7
3 1
4 0
7 6
3 5
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表 3 1 次 振 巾 増 巾 率 の 分 散 分 析 表
変一一動一一原一面ー‑下一百蚕手均「自一由度一 l 分 散~F-- ‑ 値 r F ‑ ち弱了!F C 弱%了了語意末準一 { パ イ ト 形 状 0 . 9 7 1 0 . 9 7 2 . 0 0 4 . 9 6 I 10.04: 一一
主 効 果 │ 切 込 ミ │2.831 1 [ 2 . 回 15.84│ グ 1 9 1 9 5 Z l 締付モーメント 1 . 1 0 I 1 1 . 1 0 2 . 2 7
11 111 l 切 削 速 度 0 . 0 1 1 0 . 0 1 0 . 0 2 か
1/交互作用 品イ向削 J t ト霊状皇 I 3 . 4 9 1 I 3 . 4 ψ 9 7 . 2 勾 o I グ │ グ │ 勿
一一語一‑一 一 一 一 一 一 三 主 主 一 一 一 「 一 ‑ ‑ 1 一 1 τ . 8 百 F 一 l 一寸 F 一│一百疋疋一話 6 一 一 「 一 寸 │
争I I I
二三仁二二二工計 1 一二三亙ニ L二 一 │ 一二│二二二コ二二二仁三二
表 4 YETES の方法による 3 次振巾の比較解析
実 験 条 件 │ 変 位 成 分 I z x . .
1.!L.JlA.r/Jμ! , ‑ 一 一 一 一 一 一 1 一 計 算 │ 自 乗 平 均 1 4 . 6 3 I
6 7 . 7 6 I 7 . 7 0 i 6 5 . 0 1 1 7 . 3 9 8 8 . 0 。
7 . 4 4 3 9 . 4 9 0 . 0 5 4 7 . 0 8
‑ 1 . 2 0
‑27.75 0 . 5 1
‑37.06 1 . 1 4
‑ 4 . 1 9
ab 的 9442558345375945 2334423649541286 7
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‑ b a
8 2 . 3 9 7 2 . 7 1 1 0 5 . 3 9 4 6 . 9 3 4 7 . 1 3
‑28.95
‑36.55
‑ 3 . 0 5 5 3 . 1 3 5 7 . 3 1 7 0 . 6 1 3 2 . 0 5 4 7 . 0 3
‑26.55
‑37.57
‑ 5 . 3 3
0280468086808684
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