テレビ視聴における Pattern analysis に よる認知構造の研究
松 岡 重 博
1 研 究 目 的
一定の状況situa七ionにおける,ある人の行動は,その人がその状況をどのように知覚す るかによって,大きく規定されるものである。すなわち,一定状況におけるある人の行動は,
その人にとって,その状況が「意味」していることがらに依存している。それ故に,人の行動 にとって重要な役割を果している要因の一つは「意味」であり,「意味における変化」である といわれよう。ここで人間の知覚や判断は,対象の性格を直接反映するものでなく,情緒的反 応も含めて,対象の属性を自分のもつ一定の枠に関係づけて選択し反応するものであると考え られる。この「関係づけの枠組」Frame of referenceの年代による差,性差,知能差,およ び性格差などによる差異が,概念の形成や変化に個人差をもたらすものと考えられよう。そこ で,人間の思考に結びついている言語によって表現される意味を,量的に測定することでもっ て,逆にある個人ないしは集団の「関係づけの枠組」を,他との比較において,推知すること が出来るし,ひいては,その個人もしくは集団のもっている態度,価値観,あるいは,ある種 の行動をすら,推知することも可能となるものと考えられる。このような行動にとって重要な役 割をもっている意味を客観的に把握する方法として,Osgood氏らのSemantic differen七ia1 七estが注目される。
本研究では,テレビ番組の視聴を通して,前述のS.D.法を適用し,年令差,性差,知能差,
性格差など人格要因差によるテレビ番組に対する意味認知の構造差を分析することによって,
「関係づけの枠組」の発達,人格差を推知しようと試みたものである。
∬ 研究の対象と手続
(1)用いた意味尺度:意味尺度研究会による50対の形容詞対の中から,テレビ視聴におい て弁別力をもったPublic general因子尺度。
論理的な評価因子尺度(E) 10対 感性的感情的な評価因子尺度(P) 5対 力動的活動性因子尺度(A) 5対 E尺度形容詞対
①重要な一重要でない ⑥ふくざつな一単純な ②安全な一危険な ⑦易しい一むつかしい
一28一
⑧立派な一筆弱な ⑧近代的な一古めかしい ④すぐれた一おとった ⑨まじめな一ふざけた ⑤純粋な 一不純な ⑩重欧しい一浅薄な
P尺度形容詞対
⑪愉快な一不愉快な ⑭かたい一やわらかい ⑫明るい一暗い ⑮男らしい一女らしい ⑬美しい一みにくい
.A尺度形容詞対
⑯はっきりした一ぼんやりした ⑲すばやい一のろい ⑰にぎやかな一さびしい ⑳はげしい一おだやかな ⑱うるさい 一しずかな
く2)視聴番組:アγタッチャブル(ア),名犬ラツシF(名)ポップシヨP(ポ),これらの 番組は,人気番組の中から,ことなった意味プロフィールを示した性質の著しくことなった ものをえらんだ。
〈3)対象群:(長崎県長崎市東長崎町内居住者より無作為抽出)
曾)小学校5年生(小),中学校2年生(中),20才群(青),30才群(壮),50才群(老),
(各群男,女25名あて)
(司 中学生について,
学業成績,知能優秀群(60/360番以内の成績,1.Q.115以上)
{
学業成績知能劣等群(260/360番以外の成績,1.Q.85〜95)
内向性性格の著しい要注意者群 {
外向性性格の著しい要注意天馬
健全者群 (以上各群男,女20名あて)
・(4)手続:37年度2月第2週目の上記番組を,担当教師及び町民代表の指示によって,各家庭 で視聴させ,直ちに形容詞対の尺度上に回答させ,その都度回収。(bipolarの形容詞対に よって5,4,3,2,1,の5段階で評定)
皿 結果の整理と考察:
回収された回答を,各群別番組別に整理し,各集団の平均プ4フィールを算出した。そして 集団によって,異なるパターγをなしているかどうかを,分散分析法を適用することによって 行った。その結果,
1.年代差,性差の検討:
意味尺度上の得点を,年代別,性別で整理して,得られた平均得点が第一表である。ただ しこの表では,意味尺度上で全対象者を通じてあまりに回答が一定であった項目(3,9,11 18,20)および,意味不明瞭の回答の多かっだ項目(7,8,10,15,)の9項目を省略した。
一29一
第:一表 (年代別,性別意味尺度上の平均値表)
視 聴 番 組
ア ン タ
ツ
チ
ヤ
ブ
ノレ
形 容 詞 対
1 2 4 5 6 12 13 14 16 17 19
重要な一重要でない 安全な一危険な すぐれた一おとった 純粋な一不純な ふくざつな一単純な 明るい一暗い 美しい一みにくい かたい一やわらかい はつきりした一 ぼんやりした
にぎやかな一さびしい すばやい一のろい
小 学 期 女
2.8}2.8 2.1、2.2 3.6;3.5 2・7i3・2 3.6i4.2 3.7i3.8 3.Oi3.4 4.3i4.3
中 学 男 女
3・3i2・7 1.812.0
3.7 R.2 3.2:2.8 4.0:3.7 3・5}3・5 3.5i3.6 4.4i4.5 i;}illl
搬1
20 才 望 女
2.8i2.9 2・1:2・1 3.1:3.1 3・oi2・8
3.1 3.、1
i螢;1
1:lil:1
4・1i4・4
30 才 男 女
50 才
男i女
;:lil:ll:lil:1
3.5i 3.6 3.3i 3.5
1:lll:1,瓢:1
3.7i 3.5 3.6{3.4 4.4i4.2 3・613・4 3.6i3.2 4.1i4.2
3.2i3.5 3.1i3.4 4.Oi4.4 3.4i3.6 3.6i3.3
3.7i 4・.21
名 犬
ラ
ツ
シ 1
1 2 4 5 6 12 13 14 16
h917
5
同 上 3・6i4・1 4.414.3
2.212.1 2.3i2.3 3、3i3.4 1:lil:1 3.6i3.7
3・8i3・7 4.2:4.4 1:lil:1
4・1i44
2.1i2.2 2.5i2.1 2.9i3.1 4.oi3.9 4.1i3.3 3.2i3・5
鄭:1
4.O3・5:
l:lil:1 2.5{2.2 2.7i2.0 2.9i3.0 3.5i3.7 3.1i3.5 3.5i3.5
1:1}1:;
4.4i4.1 1:lil:1 2.2i2.5 1.8 2.5 3.0 3.1 4.Oi4.1 R.2i3.2 3.3i3.5
1:lil:l
l:;il:1
4・1i4・6 2.3i2.1 2.4i2.1 3.1i3.4 4・2i3・了 3.4i3.2 3.6i3.5
ボ
ツ
プ シ ヨ
1 1 2 4 5 6 12 13 14 16 17 19
同 上 2・712・9 4・1i3・4 3.0;3.2 1:lil:1
2・6i2・6 2.1i2.5 2.8i2.9 4.5i4.5
1編
ii諺1
1:lil:1 3・oi2・6 4.4i4.3 4.1i4,2 3.3i3.5
1:lll:1 3・1i2・9 2.9:3.0 2.7i2.5 2.5i2.3 2.3i2.5 3.Oi2.8 3.7i3.5
籠il:1
1:;il:1
3.113.2 3.3i3.1 2.4i2.2 iliiil}
4.2i4.8 4.5i4.2 3.7i3.6
2.8i2.4 1:lil:1
躍1:1
2.6i2.6 2.5i2.2 3.1i2.8 4・2i4・3 1:lil::
この年代別,性別の平均プロフィールが,年代および性別によって異なるパターγをなして いるかどうかを分散分析を適用することによって検討した。2つの集団の平均プロフィールが 同一のパターンをなすかどうかの検定は,各意味尺度と集団との交互作用の有意性を検定する
ことによってなした。その結果第二表を得た。
一30一
第二表a (平均プロフィールの年代間のパターン差の検定表) (F比表)
\
小
中
20
30
50 小
\
1.96
2.20
1.51
1.86 中
\
キボ4.17
をみ6.55
20 30
\
1.70 \
50
1.90 1.04 0.86i\
\
(男 子)
ラ ン タ ツ
チ ヤ ブ 乙
\
小
中
20
30
50 小
\
0.80 中
\
鞘:2.7511.28 1
0.88 0.48
0.3glO.57 20
\
をを2.37
2.26
30 50
\
\
0.31 \
、
\
、
小
小\
中
20
1.11
2.02 中
30
50
\
1.84
幹剥 聾
2.97 2.29 ぜギ3.46 L96
20
\
キを4.23 30
\
50
3・8言釜3・7誉「\
(男 子)
霧 参 ジ
↓
(女子)
\\
小
中
20
30
50 小
[\
中
。・40\
1.01
1.03
0.92 0.99
0.70
0.96
20 30 50
\1
L20
1.04
\
1.50 \
\
\
小
中
20
30
50 小
\
1.75 中
\
2.05 1.35
1.86
1.69 1.21
0.68 20
\
0.85
0.30 30
\
0.74 50
\
(男 子)
露
弘 フ シ ヨ
↓
(女子)
\ 小
小 \ \ 中
中
20
1.63i
̲
1.27 0.84
20 30 50
30
50 0.70
0.25
\
キキ3.40
みあ4.24
第二表b
キキ2.58
0,28
\
0.61 \
(女子)
F比 5%水準 1%水準
1.85 2.37
(平均プロフィールの男女間のパターン差の検定表) (F比表)
1/J、 1中 120 130 150 i
(アン)12.†1.61。51.21♂尊1
i小1中120130150
(名犬) 。.5i8響i2.繍3で誉
1小1中120130150/
(ポ・プ)瞬0.71。.6h.70.71 鞘印1%水準で交互作用の有意を示す。 菅印5%水準で交互作用の有意を示す。
一31一
此の結果から,
①ア・ンタッチャブルのような,強烈な印象をもつ番組にあっては,男子では小,中学生と20 才以上とでは,番組視聴によって受けるイメージに,非常に差異が見られる。ことに中学生 年代にあって著しい差異が見られる。
ことに中学生年代にあって著しい差異を示している。しかし20才代以上の年代にあっては,
ほとんど差異を示していない。このような番組視聴にあたっての認知構造の発達的差を示し ている。女子では,20才代のみが他の年代と差異を示している。
②名犬ラツシーのような,おだやかなホームドラマ風の番組にあっては,男子では小,中学 生の間では差異が小さく,20代,30代,50代の各年代間では,かなりな認知の差を示してい る。この傾向はアンタッチャブルの傾向と逆である。しかし女子にあっては男子と同じ傾向 を示してはいるが,各年代間の有意差は全く認められない。
⑧ ポップショーのような,ハイティーン向きのポプユラ・一番組では,男子では小学生と20代,
30代との間で,有意差を示している。やはり小学生から30代までの間に,このような番組か らうけるイメージの差を示す傾向をもち,30代以上では差を示していない。女子では,中学 生と30代,50代,および20代と30代との間に有意差を示し,男子の場合と同じく,小学生か ら30代までの間に,認知構造の差のあることを示している。
④性差について見ると,アγタッチャブルで,小学生と50代で,男女間の有意差を示し,名 犬ラッシーでは,小学生を除いて,他のすべての年代で男女差を示している。ポップショー にあっては,小学生のみが男女差を示している。
以上の諸傾向をFactor scoreとして比較検討するため,意味尺度研究会の研究になる日 本語版標準因子尺度の考察より純粋因子尺度
第一因子(論理的評価因子尺度)として(4)すぐれだ一一おとった 上
第二因子(感性的感情的因子尺度)……αのかたい一やわらかい 第三因子(力動的活動性因子尺度)……⑲すばやい一一一のろい
の3つの尺度を抽出して,Factor score profileを作製した。第一図がそれである。
E
P
A
第一図 FACTOR
(男子)
1←一一一〇一一→一1
4 3 2
〆
/!@ノ
!γ
!
く..ノ 〆
●・、、
f! ≒モ 、 、
SCORE :PROFILE
ア ン タ
≠ツ ヤ
ブ ル
(女 子)
1←一〇一一→一1 4 3 2
ノ
∠//
V
、1、1
1
一32二」
E
P
A
\\ \ x }\\\
\ .\ ㌦
軽\、
/1 4
易,琵!/
名 蓉 で
¥
E
P
A
\ll、1
ノ,1
^1
ポ
乙
7
二
i
〜〜
叉奮、、
∠ ∠
嘯V
ラ/
小学生 一 一 一曹一30才 一一一一中学生
中一」一←一一中50才 ・…・…… 20才
(図中,30才と50才のプロフィールについては、…致の著しい所 は50才で代表して30才のプロフィールを省略した)
このプロフィールより,年代間,男女間に,かなりな認知構造の差異があることがうかがえ.
る。すなわち,
① アγタッチャブルの番組では,男子にあっては小,中学生の年代が,他の年代より,より すぐれた方向において高い論理的評価(E)を示し,感性的感情的な評価(P)では,若 い年代でよりかたさを感じ,古い年代では若い年代より感じ方が弱い。力動的活動性(A)
については,50年代が低くなっている。女子にあっては,小学生と50年代,および中学生と 20代とがE,P, Aともに同じ傾向を示し∫中学生と20代が小学生と50代よりEが低く, P A,が強くなっている。
② 名犬ラッシーの番組について孚男子においては,Eでは,30代,50代で極めてすぐれた ものとして高く評価され,20代では低い評価しかされていない。Pでは中学生と20代でやわ らかく感じられ,小学生でかたく感じられている。女子にあっては,小学生と50代および中 学生と20代が同じ傾向をもち,20代がE,A, Pとも他年代より低く認知されている。
③ ポップショ・一の番組について,男子においては,小学生がすべてにおいてより低く認知き れている。女子では,中学生が,Pにおいて低い。
以上の傾向より,男子にあっては小,ヰ学生が同じような認知構造をもち,30代と50代が また同じ構造で,この老少年代間の構造差がきわだっている。20代はこの両年代間にあっ て,ことなった構造を示している。これに対レて,女子では,小学生と50代との一致が強 く.中学生は20代ど同じ構造を示している。そして(小,30代,50代)と(中,20代)との
一33一
間の構造差が著しい傾向を示している。
2.学業成績,知能優秀群と,劣等冷間の差の検討。
優秀群としては,中学校内での過去1年間の諸テストで,全員360名中60番以内の成績をお さめており,WISCで1.Q」15以上の生徒をえらんだ。劣等群としては,上記成績260番以 下で,1.Q.85〜95の生徒をえらんだ。この両群に同じようにテレビ番組を視聴してのイメF ジを意味尺度上に回答させ,整理して得られた平均プロフィ・一ルが第三表である。
第三表 優劣両群の平均値表
アンタッチャブル
騨尺暦■213141561781910111112113【141151611718119120
優秀群
劣等群
3.2
3.蓉
18
2.誉 3.雫
3.2
3・6P3・13・8 3.4!3.33.7
3.6 i 302.3 1 13.52,8 2.5
2.登13.首 3.7
1 2.53.5t3.8
3.8 副 4.83.6 1
3・6 P4・5
3.7
3.首3.213.4
1
3.1 聾1
3.53.5
4.尊
3.9 4.3
4.1
名犬ラッシー 優
劣
3.74.2 1 3.54.3
4.4
4.3 4.尊
3.3
4.学14.言3.23.54.514.6i2.5
3・8
P4・213・2i4・δ
4・6P4・42・9
1.7
2.δ
2.1 2.8
2.113.学
4.0 4.0 3.1
4.14.・13.茸 』 1
2.3 3.3
2.73.6瀞1聾
2.5
2.首
ポップショー 優
劣
2.2 3.3
キ オ
2.83.9
3・・g0
盤1
3.33.0 3.0
3.2 2.誉
2.3
12.7
3.9
3.δ 3.9 4.2
4.4 3.4
3.誉 2.5
3.4
2.誉 2.6
2・3p2・7
2.8}3.5 4.214.登
2.9 3.94.1 3.9 3.7
3.6
3.3 3.6
3.23.6 1 び印…有意差を示す)
この優,劣両群の平均プ駆フィールが,異なるパターγをなしているかどうかを,交互作用の 有意性を検定することによって検討したのが,第四表である。
第四表 優.劣両群間の交互作用の有意性の検定表(F国表)
アンタッチャブル
名犬ラツシー ポツプシ ヨー
全領域 E領域
1・8 ll・9デ
剥1・76 P
1.93
0.96
2.96菩幹
P領域
0.56
A領域
3.48蔚襲
070 3.05 3・副0・・1
砦印……5%水準での有意差を示 す。
漸印……1%水準での有意差を示 す。
15%水準F比11・6・11・921 2.44 1%水準F比ll 2・9212・50{ 3.47
これらの結果から,成績知能優秀群と劣等群との間では,全番組を通じて相当の認知構造の 差異が認め.られる。各因子領:域別に見ると,E因子領域では,アγタツヂャブルとポップショ
ー34一
・一ナ有意な差を示し,P因子領域では,ポップショーが,そしてA因子領域では,アγタツチ ャブル,名犬ラツシーで著しい差異を示している。テレビ番組を視聴するにあたって;両群の 認知構造にかなりな差があり,その影響のされ方に差があることが推知される。それぞれの因
子領域内で,各意味尺度ごとに差異を見ていくと一
①E因子領:域:アγタツチャブルのような強烈な激しい印象をもっているが,社会問題を内 容とするような劇番組では,優群で,(立派な,すぐれた,重女しい,しかし危険な)とい う意味認知が,劣群より高く,劣群で,(重要な,しかし浅薄な)という評価が与えられて いる。名犬ラツシーのようなおだやかな,ホームドラマを内容とする番組では,優群,で,
(すぐれた,純粋な,ふくぎつな)という認知が劣群より高い。劣群では(近代的な)とい う認知が竹群より強い。ポップショーのような内容を伴わない歌謡曲を内容とするようなシ ヨー番組では,優群は(重要でない)という評価が強く,丁丁より著しく評価が低い。劣群 は(安全な,立派な,高山しい)という認知をすることで,半群と著しく差をもうている。
以上の諸傾向を図示したのが第二図である。
第二図 E因子領域における優・劣山群の認知プロフィール
ユ1重 要 な
2安 全 な
3立 派 な
4すぐれた
5純 粋 な
もふくざつな
7易 しい
8近代的な 9まじめな
10重々しい
アンタッチャブル
4 3 2
\
、
、
\
\
、 ノ
/
!
1
1
!
∠
7
、
、
、
、
、
\
、
、
、
1
1
重要でない1
危 険 な2
貧 弱 な3
おとった4
不純 な5 単 純 な6
むつかしい7
古めかしい8
ふざけた9 浅 薄 な10
名犬ラッシー rlミップショー
4 3 4 3 2
ユ
/ !
!
! !
/
!!
2 !
、\
、
1 、\
3
\ 、
、
、
\ 、 、
、 、
\ 4
/
! /
^ ノ
5
ノ \
!
! N \
ノ 、
6
、 !
、 \ /
、
、 !
!I 7
! !
!I !f
! !
! !
! !
8
! !
^
! !
!. !
9
\
、
、 、
、
、
10
優群
一一一一一一一 群
②同じようにP因子領域を検討すると,アγタッチャブルでは優群が劣群より(愉快な,
かたい)という認知をし,名犬ラッシPでは,劣群が優群より(愉快な,明るい,かたい)
と感じとっている。ポップシヨ・一では,劣群が優群より非常に(愉快な,男らしい,しかし 暗い)という認知をしている。また両群のプロフィール,パタ・一γに大きな差異を示してい る。これらの傾向を図示したのが第三図である。
一35一
ユ1愉快な
ユ2明るい
13美くしい
エ4カ・た い
115三乃らしい
③
第三図・
アンタッチャブル
4 3
1
1
、
、
/
!
!
/
!
、
、
、
黛
P因子領域における優・劣両群の認知プロフィール ニ名犬ラッシー
不愉快な11
均ヤ し・12
みに,くい13
やわらかい14
=女らしい15
一一一一一・・一 優五@劣群 ポップショー
4 3 2 4 3 2
11
\ 、
、 、
、、 、
\ 、
12 、
/
13
∠
1! ノ
!I
!
14
! /
/ !
! !
ノ !
! /
! !
15
A因子領域を検討すると,アγタ,ツチャブルでは,優群は劣群より(はっきりした,すば やい;しかしさびしい)と感じ,劣群は(にぎやかな)を優群より強く感じている。そして 両論のパターγは著しくことなっている。名犬ラッシーでは,劣群が優群より(にぎやかな,
うるさい,すばやい,はげしい)という認知を強くしている。ポップショーでは,優群が劣 群より(にぎやかな)と感じている。これら両群の差異傾向を図示したのが第四図である。
第四図 A因子領域における優・劣両三の認知プロフイ〒ル アンタッチャブル 腫
4 3
16はっきりした ぼんやりした16
17;こ ぎべ⊃カ、な
18う る さ い
19一ξ9 iご や し、
ぴ し
ずかな18
の ろ
20はげし 才∫だやかな20
優群 一__一一一一劣群
3.内向性が著しく,問題行動をもつ要注意者群と,外向性が著しく,問題行動をもつ要注 意者群との間の差の検討。
内向性群としては,向性検査で,内向性偏碕が著しい中学生の中から,担当学年教師により 問題行動を持つ要注意者を順番に20名抽出した外向性群も,同じように外向偏碕の著しい順 に,要注意者を20名抽出した。健全群は,比較の意味において,向性検査で内,外向偏碕の最
も少い,そして行動において健全と評価された20名をもって構成した。この三つの群に同じよ うにテレビ番組を視聴してのイメージを意味尺度上に回答させた。その結果の平均プロフィー ルが第五表である。
第五表 内向性群,外向性群,健全群の平均値表 アンタッチヤブノレ
名犬ラ ツ ソ 一 ポップショ 一
4 3 2 4 3 2
た16
飛\\層
16
\ 、
い17 17
\ \
\ 、
な18 \ 18
、
/ \
/ \
/^ 、
い19 19
\ !
\\ /
、 \ 7
な20 \ 20
li1回3国.5.617国gi10囲12i13i坤511611711串1gi・20
内向蝋2・7D・8}3・2i 3・3/3・013・913・21・2・gl 2・2i 2・813・7/3・同3・5i 4β:3・713・5;莞3・51馨3・8i 3・914・1
健全群113・112・213・4i3・4}3・33・813・5{3・1似413・d3・813・513・e4・6i3・4i3・7i3・・13・4/4・04・2
一36一
陣蝉3・1i・2・5}3・313・41・3・5i3・913・312・6}2・312・7卜4・0卜3・813・514・3i3・513・513・013・313・914・21
名犬ラッシー
内[}・3・81・4・414・5}4・3}3・gl 4・5}3・1}3・7[4・6[4・512・9}・2・1i・2・5}3・Ol 4・114・1t 3・512・7[3・5卜3・0
矧3・8i4・・14・4圃4・1t4・413・2固4・414・6}2・6}2・・12・1}3・013・8i3・8i3・212・513・4}2・7 外il 3・34・24・314・43・9,4・33・13・64・44・62・711・82・1i 2・914・2{4・1{3・3【2・7}3・3!2・7
ポップショー
内II 2・li 3・6}2・9}2・913・31・2・5t 2・了13・414・413・4[3・1卜2・912・5卜3・・13・414・514d剛3・513・5 副2・5}3・2}3・1岡3・112・812・713・8}4・2}3・6}2・7}2・82・412・813・6i4・314・2團3・413・5
外ll 2・3「3・6{蔚3・2i 2・gl 3・1i 2・02・71膏4・1i 4・2i 3・3i 3・112・6i 2・5【2」3・514・34・213・7i 3・3i 3・3
(%印……内,外窄群間の有意差を示す)
さらに,この三つの群の平均プロフィ・一ルが,異なるパターγをなしているかどうかを.交 互作用の有意性を検定することによって検討したのが第六表である。
第六表 内向性群、外向性群,健全群,各相互間の交互作用の有意性の検定表(F比表)
ア ン タ
ツ
チ
! フ
ノレ
髄域瞳域晦域睡域
内向性群i
〜外向性群 健全群 〜内向群 健全群 〜外向群
1.7㍗
0.80
0.40 6.2二四
0.50
瀞△
1.87 0・47 o2・7益
1.03 2.87
0.47 0 誰水準ll 1・6011・92 i 2・4412・44
叢酬2・92}2・5013・4713・47
名 犬
ラ
ツ
シ
}
全障1司A
0.67
1.93
柴△
1.54 0.83
0.54
1.00 2.6準
2.8誉薦
2.3掌 0.55
0.28
0.70
1・6011・9212・4412・44 2・9212・5d3・4713・47
ボ ツ
プ シ ヨ 1
全障 酬A
1.61
△1.55
1.7茸 △!
1.70 0.R2
1.8会i1.52
副2.95 0.53 1.01
0.75
0.61
1・6・11・42i2・44 2・44 2・92t2・503・4713・47 縦1%水準で有意差を示す。 膏5%水準で有意差を示す。 △5%水準で有意差を示す傾向がある。
ζれらの結果から,アンタッチャブルでは,内,外両向性二間で有意なパタドγ差を示し,
健全群とは,内,外呈上に差を示していない。名犬ラツシPでは健全群が,内,半群と差を示 1し,内,外割間では差が小さい。ポップシヨ・一では,三群相互に差異を示している。すなわ ち,番組の内容いかんによって,あるいは,内,外群間で有意差を示し,あるいは,健全群が 両要注意群と差を示し,あるいは三群相互に差を示している。各因子領域別に検討すると,第 六表で示すように,E因子領域では強烈な印象を与える番組アγタッチャブルで内,外画群の 差が著しく,外向性群が特に著しい差を示している。名犬ラッシーのような,おだやかな印象 を与える番組では,各課間の差がなく,ポップショーのような番組では,内,外両群間の差は もちろん健全群からも,両群とも大きくへだたっている。P因子領域では,アγタッチャブ ル,ポップシヨ・一では十六差異が見られず,名犬ラッシーのような穏健な番組で,各群著しい 差を示している。A領域では,アγタッチャブルのみ,内,半群間の差を示し,他の番組では 有意差を示していない。以上テ1・ビ番組を視聴するにあたって,強烈な印象を与える番組で
一37一
は,A, E因子領域で,その認知構造に内,外群間がかなりな差があり,おだやかな番組で曝 P因子領域で差を示している。それぞれの因子領域ごとに,各意味尺度にしたがって,差を見
ていくと一
① E因子領域,アンタッチャブルでは,内向性群が,外向性群より,重要性,安全性,純粋 性において,低く評価されている。すなわち,外向性群がより(重要な,安全な,純粋な)
という評価が高く,内向性群は(近代的な)という評価のみが,外向性群より高い。名犬ラ ッシーでは,内向性群がより(重要な,安全な)という認知をしているのみで,大した差は ない。ポップショーでは,外向性群がより(立派な,近代的な,そして単純な)という認知 を強くしている。これらの諸傾向を図示したのが第五図である。
第五図 E因子領域における内・外・健群の認知プロフィール
1重 要 な
2安 企 な
3立 派 な
4すぐれた 5純 粋 な
6ふくざつな
7易 し い
8近代的な
9ま じめな
10重々しい
アンタッチャブル 4 3 2
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② P因子域領:アγタッチャブルでは,外向性群が内向性群より,(愉快な,明るい)とい う認知が強い。名犬ラッシ戸では,外向性群が内向性群より(暗い,みにくい)という方向 第六図 P因子領域における内・外・健群の認知プロフィール
1111衙りとな
12明ろい
13ゴ「こくしい
14かたい 15男らしい
アンタノチー、ブル 4 3 2
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4 3 2
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の認知が強い。ポップショーでは,外向性群が内向性群より(暗い,やわらかい)という方 向の認知傾向を示している。以上外向性群が,番組によって,あるいは十方向,あるいは一 方向に内向性群より強く感じる傾向を示している。このような傾向を図示したのが第六図で
ある。
③ A因子領域:アンタッチャブルでは,内向性群が,外向性群より(にぎやかな,うるさ い)というイメージを強くうけている。名犬ラッシーでは,外向性群がより(おだやかな)
イメージをうけている。ポップショーでは,内向性群がより(うるさい)という印象を強く うけている。全番組を通して,内向性群が,+方向の印象を強くもつ傾向を示している。こ一 れらの傾向を図示したのが第七図である。
第七図 A領域における内・外健群の認知プロフィール
16はつとりした
17;二 き 一、, カ・な
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ポノブショー 4 3 2
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W 結 果 の 概 括
対象についての個欧のイメー・ジは極めて漠然としたもので,それを具体的な言葉で表現した り,その程度を明確に把握することは困難であろう。しかしこれを解決する為の一つの方法と してS.D. T.がOsgood氏らを中心として考案されて来た。すなわち,対象を形容詞の 意味室間でとらえ,連続であると仮定されるbipolarな形容詞対としての意味尺度によって 評定するのである。本研究においては,対象として具体性の強いテレビ番組をえらび,S.
D.Tを適用することによって,形容詞の意味室間でとらえ,対象を認知する際,人格要因の 差異により,どのような構造差を示すかを検討したのである。その結果,
① 年代間の認知構造差はかなり著しものがあり,男子にあっては,(小,中学生)と(30年 代,50年代)との差が著しく,年少者の方がアγタッチャブルのような強烈な印象をもつ番 組で価値を+方向に高く評価し,名犬ラッシーのようなホームドマラ風の穏健な番組では老 人の方が+方向に高く評価する傾向を示している。しかし,感性的感情的な評価因子の領域:
では,一般に年少者の方が+方向に強い印象をうける傾向を示している。力動的活動性の因 子領域でも,同じように年少者の方が+方向に強く印象づけられている。
②女子にあっては,(中学生,20年代)と(小学生,30代,50代)との間の差がきわだって おり,アγタッチャブルでは(小,老年代襲)が(中,20年代群)より+方向に高く価値づ け,名犬ラッシーでは,ほとんど差がない。P領域では名犬ラッシーで(小,老年代群)が
一39一
+方向の感じを強くうけている。A領域では,年少者の方が+方向に強く印象づけられる傾 向を示している。
⑧成績,知能の優秀群と劣等群との間では,著しい認知構造差を示している。E領域では名 犬ラッシーにおいて+方向の評価が高く,アンタッチャブルでは+一方向の評価が劣群より 明確であり,ポップショーで+方向に主群より低い評価を与える傾向を示している。P領域 では,優群がアンタッチャブルで+方向,名犬ラッシーで一方向に劣群より強く感ずる傾向 を示している。ポップシヨ・一では,その(愉快さ)と(明るさ)で優劣両群は逆方向の感じ 方をしている。A領域ではアγタツチャブル,ポップショーで優群,名犬ラツシーで劣群が +方向に高い傾向を示している。以上優劣平群の間では,著しい認知構造差を示し,ことに A領域で著しい。
@ 内向性群と外向性群との間でも,かなりな差を示している。E領域では強烈な印象をもつ 番組に対して,外向性群が+方向に高い評価を与えてをり,おだやかな番組では差を示して いない。P領域では,外向性群が内向性群より,番組によって+の方向にか,一の方向にか 内向性群より強い感じ方をする傾向を示している。A領域では,内向性群がいずれも+方向 に強く印象づけられている。
以上個汝人の対象に対する認知構造は,人格要因の差により,かなりな差を示している。対 r象に対する「関係づけの枠組」の個汝人の差は,形容詞の意味室間で,量的にとらえることが 可能であることを推知できよう。
一 39● 1 ●26
参 考 文 献
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
11.
Charles E. Osgood 3 The measuremellt of meaning 古謡節子,浅井正昭:言語にあらわれた感情的構造分析 第二報
日本心理学会,第23回大会発表論文集 芳賀純,大山正:S.D.法による色彩および色名の測定について
日本心理学会,第23回大会発表論文集 意味尺度研究会:S.D.法による日本語の意味構造の研究
日本心理学会第24回大会発表論文集 三 好 稔 編3心理学と因子分析
岩原信九郎:教育と心理のための推計学
松岡重博:幼児の色彩認知に関する研究(長大,教育科学研究紀要)第七号 松 岡 重 博:幼児の形体認知に関する研究(長大,教育科学研究紀要)第八号 飽戸 弘:S.D.法の原理と方法,市場調査No.81
意味尺度研究会:SD法による日本語の意味構造の研究市場調査No.82
飽戸 弘:日本語版標準因子,尺度の考察,市場調査No.90 Nり91合併号
1957
1959
1959
1960 1962 1057 1961 1962 1960 1960 1961
一40一