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死因リスクの確率認知の構造に関する調査研究

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Academic year: 2021

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558 第44巻 日本公衛誌 第8号 平成9年8月15日

死因リスクの確率認知の構造に関する調査研究

田村

川田智恵子

目的 住民や患者が保健医療のさまざまな場面で行動を選択するとき,意思決定のベースとなるのが,健康 に関するリスク認知と考えられる。本研究では,健康リスクの中でも最も基本的なリスクである「死因 リスク」の確率認知の構造を明らかにすることを,探索的に試みた。 方法 調査対象は,大手企業2社の従業員で,95年9∼10月に社内研修に出席した,合計350人とした。調 査は知識テストの側面を有するため,研修中に調査者の前で行った。ガン,脳血管疾患,心臓病,交 通事故,結核,肺ガンの6つの死因について一対比較法により日本人一般の発生の可能性等について 調査した。 結果 今回の調査対象者からは,以下の結果を得た。 ①全般的には,死因リスク認知は実際の死亡率に近い形で行われている。 ②死因別に見ると,過大評価されたリスクは「交通事故」であり,一方,過小評価されたリスクは「心 臓病」と「ガン」であった。 ③「交通事故」は,若年層ほど強く過大評価する傾向が見られた。 ④ある死因の日本人全般における発生率を高めに評価している人ほど,また,その死因にとって好ま しくない保健行動をとっている人ほど,その死因で自分が死ぬ可能性の高いと感じている人が多い 傾向があった。 結論 以上の結果より,本調査の対象者では,全体的には死因リスクの認知状況は,実際に近い形で,合理 的に行われているものと考えられた。ただし,将来のものより,当面のリスクを強く意識してしまう傾 向が存在することが示唆された。保健医療従事者と住民・患者間のリスク・コミュニケーションの改善 に資することが期待される。 Key word : リスク認知,死因リスク,過大評価,過小評価,リスク・コミュニケーション

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