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(1)

41

回帰直線による授業評価 竹 友 一 成*

(昭和59年10月31日受理)

AStudyonEvaluationbyUsingRegressionLine

Kazushige TAKETOMO

(Received for Publication,Oct.31,1984)

1.はじめに

 学習者が1回の学習により学習内容の何%を理解し得るかは,学習者に対する学習内容 の等質化の程度その他により著しく相違する。先に,筆者は1),学習者がその学習能力を最 大限に発揮して学習に取組む場合,1回の学習で未吸収教育情報(わからないところ)の 37%を吸収することができるよう,学習内容の学習者に対する等質化をはかることが望ま

しいであろうことを提案した。換言すれば,有効度指数(以下,吸収率)37%となるよう な授業を「無理のない授業」と考え,これを「望ましい授業」と仮定してきた。そして,こ の考えをストラテージの基盤とし,筆者および共同研究者は,中学校理科の個別学習プロ グラム「原子と分子」を開発し,その実験学習を4年間にわたって実施した2蕩3L4) 5)。

 今回は,この実験学習等について,プリ・ポストテスト得点回帰直線(以下,回帰直線)

を求め,その切片,勾配を吸収率と関連せしめて分析した。この分析結果を中心に,回帰 直線による授業評価について総括的に報告する。

2.回帰直線の型

 プリテスト得点をX,ポストテスト得点をッとすれば,回帰直線は,ッ=砿+6である。α は勾配,ゐは切片である。この4およびわの値如何によって回帰直線の型が決まることは言う までもない。回帰直線の型としては,基本的に2種あるものとしてよかろう。図1で示さ れる(i)型および(ii)型が回帰直線の基本型であると考えられる。この基本型の変型として,

㈹型,(iv)型,(V〉型,およびその他の型がある(図1)。

 (i)型は,テスト得点を100点満点とすれば(以下他も同様),次式で表わされる。

   (100−6)・%

  y=      十6  ………(1)

     100

 この型の回帰直線が得られる授業では,学業成績下位者,上位者ともに,平均的には吸 収率が同一である。単に得点の伸びだけでみれば,上位者より下位者の伸びが大きい。吸

*長崎大学教育学部化学教室

(2)

    7

    !    /   /   /  /  / /

(i)型

    /    /   /   /  /  / /

(ii)型

    /     /    /   /   /  /  / /

(1iD型

    /     /    /   /   /  /

 / /

(1v)型

  7 /

 /

(v〉型 その他の型

図1 回帰直線の型

収率が同一であるという点で理想的な型と考えられる。しかし,σ値およびδ値の大きさは 別途問題とされなければならない。それについては,後出の3で述べる。

 (i)型における勾配召と切片6との問には次の関係がある。

     1

  α=一一6+1 ………(2)

    100

 後述の5に記載する個別学習群(64例)の回帰直線(64本)について,α・δ間の相関 を検討するに,高い相関で,(2)式に極めて近い式が得られていることを,余談ながらあら かじめ付記しておく。

 (ii)型は次式で表わされる。

y=x十∂ 一(3)

 基準線(ッ=冗)が左上方に平行移動した型である。学業成績上位者の吸収率が大である のに対し,下位者のそれが小さい。したがって,好ましい回帰直線とは言い難い。

 GiD型およびGv)型は,(ii)型の変型で,(ii)型と同様に好ましい回帰直線とは決して言い得な い。わ値が小さければ,特に問題となろう。

 (v)型には,各種のケースが想定され,これによる単純な評価は避けなければならないで あろう。教育実践の場においては,この型は比較的多く見受けられるようである。(v)型の 場合,基準線(y=X)と回帰直線との交差点(κ,ッ)が大切である。交差点(%,ッ)が大

きい場合,例えば(95,95)であれば,一般的には(i)型に近似した型,つまり(i)型の変型 と見倣してよいが,小さい場合,例えば(50,50)であれば,授業に何らかの大きな問題 点が内在しているものと見てよかろう。

3.無理のない(望ましい)教授学習

 学習内容には適当な難しさが必要である。教育は,学習者に思考その他のトレーニング を求めている。易しすぎても,また難しすぎても好ましくない。易しすぎる学習内容であ れば,回帰直線は,ッニ100となる。教授学習の効果のみからすれば,これをもって最高に

(3)

43 回帰直線による授業評価

良しとすべきであろうが,学習者の思考その他のトレーニングという点で大いに問題があ る。難しすぎれば,回帰直線は,ッ=%となる。教授学習の効果からして,これは,少なく とも形式面においてさえ,非常に好ましくない。好ましいα値や6値は,という問題があ る。これを,筆者は1),α=0.63,6=37と理論的に算出した。このときの吸収率[(ポストー プリ)・100/(100一プリ)]は37%である。そして,このような教授学習を,無理のない

(望ましい)教授学習と呼んできた。つまり,無理のない教授学習の回帰直線は,

y=0.63%+37 一(4)

である。しかし,この式を求めるに当っては,1回の教授学習で,学習内容と学習者との 衝突が1回起こるとの仮定があり,かつ,心理学的側面を全く無視している。これが,こ の式,数値の最大の難点であるが,筆者の経験からしても,これが教育実践上,一つの大 まかな目安になってよいように思われる6)・7)。そして,教授学習の表面的効果と言うことま で考え,かつそれを重視するならば,召≦0.63,δ≧37であることが望まれるのかも知れ ない。言うまでもなく,教授学習の表面的効果のみを最重視すれば,α→ O,6→100の接       \、

近が好ましいわけである。

4.学習意識および性格と回帰直線

一高等学校数学⑳授業について,学習意識と回帰直線のαおよび66),ならびに性格と回帰直 線のσおよび67》との関係をそれぞれ検討したところ,学習意識の高いグループほど,また,

性格上層グループほど,αは小さく,6が大きくなる傾向を示した。つまり,教育効果が表 われやすいと推定されるグループほど,αが小さく,6が大きくなるものと推定された。た だし,念のため記しておくが,学習意識や性格は固定的でなく経時的変化のあることに注 意しておきたい。また,教授方法などが異なれば,仮令,学習意識や性格が同一であって

も,違った教育効果のあることは論を侯たない。

5.中学校理科授業における回帰直線

 個別学習および一斉授業について,回帰直線(ッ=砿+δ)および吸収率(A)を求め,

次いで,δ・A問,α・A間,およびα・6間の相関を検討した。

 5.1 個別学習例2) 3) 4) 5)

 中学校2年生を主対象(55クラス)に,12校(離島,僻地,都市,都市近郊)59クラス について,4年間にわたって実施した。使用した個別学習プログラム「原子と分子」は3 種類(実際は4種類であるが1種類はデータ不足のため割愛)である。プリテストとポス トテストは同一問題で,プリテストからポストテストまでの学習時間は約1時間余であっ

た。

 プログラムは,学習項目,手順と注意,カードの使い方,プリテスト,学習(フレー ム),およびポストテストから構成され,使いやすいように冊子型とした。プログラム51 は,学習内容のむつかしさにおいて標準的であるがヒント数が少ない。プログラム52は,

学習内容のむつかしさで標準的,他方,ヒント数その他が多く,プログラム51よりやや易 しくなっている。プログラム53は学習内容をやや高度なものとした。いずれのプログラム も,コースアウトライン自動決定法により学習のコースを定め,学習者が学習能力を最大

(4)

限に発揮しながら,自動的にゴール目標行動がとれるよう意図した。ゴール目標行動は,

プログラム51および52で,一「酸化水銀の分解を化学反応式で表わすことができる」と設定 し,またプログラム53で「化学反応式から,合成されるアンモニアの体績を計算すること ができる」と設定した。

 54クラスが1クラス1プログラムで,また5クラスが1クラス2*プログラムで,それぞ

表1.中理,学習プログラム「原子と分子」による個別学習の回帰直線と吸収率

学級学校

 回帰直線

α   6   7

1。02    3.3   0.53 0.85    24。9    0.41 0。78    19.5    0 62 0.80    27。2    0.40 0.71   33 1   0 30 0.51   41.4   0.17 0 65    33 2    0.50 0.89    12.7    0.61 1.05     1.0    0.64 0.53   47.2    0.31 0 65    37.3    0.53 0.33    63.3    0.16 0.68    36 1    0.36 0 47    51 7   0.28 0 54    42 3    0.26 0.71   31 4    0 60 0.63    35。3    0.51 0.76    31.2    0 50 0.76    22.6    0.55 0.77    27.5    0 59 0,68    29。4    0.82 0.80    25.1    0.74 0.88    13 6    0。79 0.71   28,4    0,68 0.76    28.4    0.75 0.56   41 3   0 65 0.92    10。8   0,83 0.57   45.1   0。61 0.64    36.5    0.72 0.19    76,5    0.33 0.15    78。9    0.20 0.07   81.2   0.14

   授業 プログ

吸収率   前・後  ラム

IIIIE耳EMMSSSSSSSSSSOTTTTTYYYYFFF

787466916166856979760904786466633844620858143945126044779378792713133331144544333413231233143676

途〃〃〃前〃〃後〃途〃〃〃〃〃〃〃〃〃後〃〃〃〃〃〃〃〃〃前〃〃 52  〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃53〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 学級学校

 回帰直線

α   ゐ   7

0,38    61.2    0,67 0.40   60.9   0.66 0 52   49.1   0 70 0.24    64.1    0.22 0 88    19.8   0 69 0.52    51.2    0 51 0,72    28.8    0 64 0.67    35.1    0。62 0.28    66.0    0.29 0.27    67.8    0.34 0。23    70。5    0。23 0.37    61。9    0.42 0.51   51.9   0.65 0.81    33.8    0、71 0。76   21.7   0.50 0.36    48.6    0.29 0.01   60.4   0.Ol O.58    35、3    0.40 0.42    41。5    0,38 0.44    41.5    0 46 0 60    35.1    0.62 0 34    42 0    0.30

   授業 プログ

吸収率   前・後  ラム

FFFFttttfffffssssseeUN 419791822831312413715376371508966986038037065655353345555423232231

K1▲   0。16    52,1    0。14    37 5 K2  −0.04   61.5  −0。04   35.5 K3    0.85     9.1    0.57   −7。2 H且    1,02   −5.5    0.73  −11.2

H4  0.61  25.3  0.55  9.9

53

 〃 〃 〃 〃 〃 〃51〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃〃 〃 〃 〃一52〃 〃 〃 〃

後〃〃前後〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃前〃後〃﹃前〃後〃〃

K1▲   0.28    71,3 K2    0 64    42 3 K3    0.56    41。6

H1  0.48  52.2

H4    0。56    44.4

0,28 0.48 0。57 0。69 0.84

70.9  前   53

45.9     ノノ      〃

36,2 後  〃

53.4     ノノ      〃 44.8    〃     〃

* 3F 3年生対象,I F 1年生対象,他は2年生対象

▲ Kト3,H、,4は能力別学習で,上段は学業成績下位者群,下段は上位者群

*別途作成したプログラム54を加えて,能力別個別学習を実施したクラスもあるが,プログラム54に関 する学習データは不完全であり,使用生徒数も3名のみであった。それ故に,これは割愛した。

(5)

45 回帰直線による授業評価

100

90

 80  70

率60

%150  40

30 20 10

 /︑//軌

膨 /魏●△︒△      /

  

  

△禽︒△        望●△△△    7  ●・♂    珍 △●諺    +9  ・・のん.    わ6   ●● / 

O

    田司  ・掩●    0プ         

     =        ●/      ●/    A         

      ● /

ぎ2030切40津0留708090100

100 90

80

吸70 収60

A50

%)

 40

30 20 10

A=077δ+ 10 プ=094

     ●

    ● ●    ●●

  ●● / ●●

  o  レb●●

   6   /●

  /  /

 ●/ ●  ●! ●  /

O

図2 吸収率Aと切片わとの相関

   (中理,原子と分子,個別学習)

  ●プログラム52,53による個別学習   △  〃  51による個別学習   O能力別個別学習(下位者群,プロ52)

  ⑭ 〃     (上 〃 ,プロ53)

    /    !   !    /  ■   ! !

 !

   /  ●/    ●

  / ろ● /●●

●∠!  ●

10 20  30   40   50  60   70   80   90  100

  切  片  6

図3 吸収率Aと切片δとの相関

   (中理,原子と分子,個別学習)

  プログラム52,53による個別学習群

れ実施した。その結果,個別学習群は合計64 となった。得られた回帰直線(64本)のα,わ の他,相関係数7,吸収率(A%)を表1に示

す。

 5.1.1 6・A間の相関

 わ値としては25〜55が多い(平均値40)。一 方,Aは30〜60%,特に30〜40%が多い(平 均値35.8%)。6・A間の相関図を図2に示 す。かA問には,かなり強い相関が認められ た(7=0.69)。図2においてまず気づくこと

として,●印のみを抽出すれば,これがA=

ゐの直線近傍に集っていることである(図 3)。また⑭印についても同様である(図 4)。他方,△および○印は,A=ゐの直線か ら解離分散する傾向が認められる。△印は,

100

90

 80  70

率60

幽50  40

A= 1.02δ一1.21 7コ0.97

       〃       ⑭〃

      〃       ∠       ⑭      〃      〃     〃     〃     イ        イ  ∠   ∠ 6

 イ ∠

10 30 20

      〃      /      〃      〃     〃     /    〃   〃    〃  〃  〃 〃

 〃

10  20   30  40  50  60  70  80  90  100

    切  片  δ

図4 吸収率Aと切片わとの相関

   (中理,原子と分子,個別学習)

  能力別個別学習の成績上位者群(プロ53)

最初に作成されたプログラム51の使用例で,プログラムに問題のあることも考えられる。

○印は,能力別の個別学習における学業成績下位者群による学習例で,学習意欲に問題を 生起せしめたことが考えられる(現場教師の報告によれば,プログラムの与え方が大切で,

能力別の個別学習に対し,成績下位者のなかに,何故?という不信の念を抱いた者もいる ようである。表1の上段K3およびH1の回帰直線および吸収率を参照)。

 今回の個別学習群64例については,6・A間に図2でみられるように,A=0.58わ+12.7 の式が得られたが,上記の如く考察すれば,この式は,学習が好ましい状態で行なわれた 場合,本質的には,A=わであるものと推定される。

(6)

 5.1.2 α・A間の相関

 o値としては,0.5〜0.8が多い(平均値 0.57)。4・A間の相関図を図5に示す。負の 相関である。

 学習が,より好ましい状態で行なわれたと 推定される●印や⑭印では,それらが,直線 A二一100α+100の近傍に集る傾向がやや 認められる。これに対し,多少とも問題のあっ たことが想定される△印や○印では,それら が,直線A=一100α+100から,やや解離分 散する傾向が強くなっている。

 5.1.3 α・6間の相関

 回帰直線の型において理想型と考えられる

(i)型では,αと6との間に,

     1

  α=一一6+1 ………(2)

    100

の関係があることを,2で述べたが,今回試 みた個別学習群64例(表1)について,召・6 問の相関を求めてみると,

    1.02

  α=一一6+0.978 ………(5)

    100

の式が得られた。ただし,7=一〇.86であ

る。

 この(5)式は近似的に(2)式と見倣してよいも のと考えられる。これは,今回の個別学習が 全体的には,その回帰直線が理想的な(i)型の 回帰直線になっていることを意味するもので あろう。

 5.1.4 相関係数7

 表1にみられるように,7としては0.25〜0.75 が多い(平均値0.49)。一斉授業の前に個別学習 が実施された場合には,7の値は小さくなる 傾向が強く(12例,平均値0.30),一斉授業の 後に実施された場合には大きくなる傾向が認

められた(39例,平均値0.75)。

 5.2 一斉授業例1)

       ●       ●       ¥      ・\      ●  ●●\      ●     

      △・・ \●     5    ●●●\△●      ¥     59     ︑¥●     僻59 軌・マ・.㎜勤玄蟄︒甑トプい髄.△△◇斎︑㌧︑

 \ \      ●     △卜0 ∩U  O O O  O O O  O 

O

O9876540321

     吸収率A囲

 01  02  03  0、4  05  06  07  08  0。9   10

     勾  配  召   o

      o 図5 吸収率Aと勾配αとの相関

   (中理,原子と分子,個別学習)

  ●プログラム52,53による個別学習   △  〃  51による個別学習   O能力別個別学習(下位者群,プロ52)

  ⑭ 〃     (上 〃 ,プロ53)

表2 中理1,学習プログラム「力のはたらき」

  による一斉授業の回帰直線および吸収率 学校   回帰直線

学級  4   わ   7 吸収率 地域別*

ABCDDGGGGGJJLLL 310832779006G63 684688754677629000000000000000 902073187971873477273782305735434323345432362 929778091395037743677554677536 000000000000000 695957315998174135107944776537553344455432354

離〃〃〃〃〃〃〃〃〃都〃〃〃〃

*離=離島部校,都:都市部校

 中学校1年生を対象に,学習プログラム「力のはたらき」(16時間分)を用いた一斉授業 を6校(離島,都市),15学級で実施した。プリテストとポストテストは同一問題である。

得られた回帰直線の4およびわ,また相関係数7および吸収率Aの値を表2に示す。

 αの平均値は0.66,δの平均値は39.2,Aの平均値は44.5であった。したがって,この一

(7)

47 回帰直線による授業評価

100

 90  80

収70

A60

 50  40  30  20  10

       /    100

      /       /

       /       90        /      吸       /        80

A=0.43δ+27.7 /収

 7一。55    /    率7。

        /       A         /

       /       幽60     ・.・2/△

      50

  △ ●●

     ア

   ム//       40

   /△●      3。

  /今

       の

  ろ//\A=δ     1・

       \

 10   20   30   40   50   60   70   80  90   100

     切  片  6

図6 吸収率Aと切片わとの相関

   (中理1,力のはたらき,一斉授業)

  ●離島部校   △都市部校

       \      △  \       \     ●・  \      .△込\        \

oo

   ● \1     ●\△+      ●σ       \ oo

   ●\−       \一     \=    ¥   ●    \     

O

A  \   51

\    ︵A\       =7  \       一   \    9↓  \ △ 欝    ¥      +

 01020304050,607080910

     勾  配  σ

図7 吸収率Aと勾配αとの相関

   (中理1,力のはたらき,一斉授業)

  ●離島部校   △都市部校

斉授業の全体像としての回帰直線は,y=0.6敬+39.2であり,筆者の提案している無理の ない(望ましい)教授学習の回帰直線,y=0.63x+37に比較的類似している。なお,7の 平均値は0.60で,個別学習例(平均値0.49)より大きくなる傾向があった。

 6・A間およびα・A間の相関図を示せば,図6および図7のようであった。6・A間およ びα・A間には,いずれも個別学習例のような強い相関は認められなかった。

 なお,α・δ間には,

    1.33

  α=一 δ+1.18 ………(6)

    100

の相関(7=一〇.84)があった。個別学習例と比較して,(2)式からのやや僅かな「ずれ」があ るようであった。

6.理想的回帰直線とδ・A問およびα・A問の相関

 (i)型の回帰直線においては,αとわとの関係は

    1

  α=一一6+1 ………(2)

    100

で示され,かつ,わとAとの関係は,

A二δ 一(7)

となる。(7)式を(2)式に代入すれば,

A=一100α十100 ・・

8︶

が得られる。(7)式は図2,図3,図4および図6の点線で示される・4切に他ならない。

また,(8)式は,図5および図7の点線で示されるA=一100α+100に他ならない。

 これからして,完全無欠の教授学習が展開され,全く理想的な回帰直線が得られた場合

(8)

には,6・A間の相関は,A=わ,α・A間の相関は,A=一100α+100,α・6問の相関は,

   1z=一一δ十1 となる。

  100

 個別学習例におけるかA間の相関において,プログラムその他がより好ましいものであ ると,A二δの直線近傍に,それぞれの個別学習例が接近する傾向のあることを述べた が,これは理論的にも肯定されるところであろう。同様の考察をα・A間の相関に適用すれ

ば,それぞれの個別学習例(あるいは授業例)が,A二一100α+100の直線近傍に接近す るほど,好ましい個別学習(あるいは授業)であると言い得るのではなかろうか。

7.要

 プリ・ポストテスト得点回帰直線による授業評価が可能であることを,理論的に,かつ 多数の実験個別学習例および実験授業例から述べた。

本稿の要旨は,日本科学教育学会第8回年会(1984)および第3回年会(1979)において発表した。

1)竹友一成,長崎大学教育学部教育科学研究報告,第24号,p.251(1977)

2)竹友一成,長崎大学教育学部教科教育学研究報告,第3号,p。55(1980)

3)竹友一成,日本科学教育学会第2回年会論文集,p.57(1978)

4)山田憲一郎,野中朋子,桝本高直,日本化学会九州地区化学教育研究協議会講演要旨集,p.5(1979)

5)竹友一成,日本科学教育学会第6回年会論文集,p.289(1982)

6)山田憲一郎,竹友一成,長崎大学教育学部教育科学研究報告,第26号,p.215(1979)

7)山田憲一郎,竹友一成,長崎大学教育学部教科教育学研究報告,第3号,p.231(1980)

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一方,Rapoport6)6!α1.は,生物学的研究のためにコデインのグリコシドを合成する過程

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 こうした悪質な傾向には「正確な世界知識 と自己批判の習慣」に拠って立ち向かうのが 至当であるが、しかし、そうした理知の働き

であるということになる。 従来、 「習得型」 の学習成果を見るために言語活

 教室活動は表1に示した通りで、第3週より院生が実習としてシラバス及び教案を作成して授業

の2点を直接育てることにより、「生きる力」を育て ようとしている。

鳴門教育大学学校教育研究紀要 40 が求められる。例えば,Kha r n Ac a de my