特集にあたって
2008年夏,4年に一度の全地球的なスポーツの祭典である「オリンピック」
「パラリンピック」が,中国北京において開催された。日本代表の活躍に一喜 一憂し,世界中から集まったトップアスリートの競技する姿に感動を覚えたこ とは記憶に新しい。しかしながら,一方ではこのような華やかな一面とは裏腹 に,近年の「オリンピック」「パラリンピック」には常に多くの問題が影を落 としていることも事実である。今回の「北京オリンピック・パラリンピック」
も例外ではなく,「民族紛争」「環境問題」など国際社会の厳しい批判を浴び,
開催すら危ぶまれるという脆弱な一面をも露呈した。果たして,「オリンピッ ク」「パラリンピック」はどこへ向かおうとしているのか。
これまで,我々は「スポーツ」について,競技スポーツに関わるさまざまな 視点からアプローチしてきた。今回はオリンピック開催年というスポーツ界の 節目の年にあたり,的地がスポーツメディアの視点から「オリンピックと政治」
について,小笠原が女性スポーツの視点から「パラリンピック・ムーブメント」
について論じた。加えて,「なでしこジャパン」コーチである望月と,競泳パ ーソナルコーチである白木が,北京オリンピックの現場に直接関わった者でし か得ることのできない貴重な知見の報告を寄せた。
競技スポーツの現場では,2012年ロンドンオリンピックヘ向けたさまざまな プロジェクトがすでに進行している。さらには,2016年オリンピック開催地に 東京が立候補しているなど,これらスポーツ界の現状および近未来の情勢をふ まえたうえで,「スポーツ学」の先駆者である我々が今後も教育研究活動に邁 進し続けることが,スポーツ界のさらなる発展に貢献できることを祈念するも のである。
渋 谷 俊 浩
課 題 研 究 論 文
「オリンピック・パラリンピック」