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﹁現代の会社の会計法祝および実務の多くほ︑その歴史的展  

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(1)

は じ め に  

﹁現代の会社の会計法祝および実務の多くほ︑その歴史的展  

開においで考察したときにのみその意味が判明する︒﹂この言  

葉ほH.C.EdeyおよびPrOtPanitpakdiが自己の論文  

︵︿︿British COmpany AccO巨ti義andthe Law㍍亭ア⊥短日  

in Studies in HistO童Of Acc05ting﹀edited by A●C・  

Litt訂tOn and B.S.Yamey﹀−票の.pp︒U∽の〜UりP︶ の冒頭  

にのべたものである︒太稿ほこの論文の概要の紹介を目的とす  

る︒この論文ほ研究の対象として一八四四年より仙九〇〇年ま  

での英国の会社会計をとりあげている︒即ち二八四四年にほ登  

記による設立が認められ︑その後法律ほ長い間会社会計匹対し  

て不干渉の際則を守っていたが︑劇九〇〇年に会社会計に対し  

て詳細な規制がとられる至った晦までの経緯がのぺられる︒t  

かしこの論文でほ会社財務︑清算の規制︑および会社の目論見  

書等に関する問題ほ除外された︒この時代の英国の会社会計の  

歴史の研究にほ︑Richad BrOWnの誓乳Ory Of AccOunting   資 料  

十九世紀後期の英国会社会計と法律  

森   第三十四巻 第四号   ︵三二〇︶ 五八  

and AccO仁ntantS.︼8∽.A.C.Litt−etOnのAccOunting  

E言FtiOn tO卜8P A.H一StaceyのEngsF AccOuntanCy  

巨008−↑拐企︸−授A.およびその他の文献があるが︑本論文にほ  

それらと異なる見解の箇所もあり︑叉それらにはない資料も提  

出されているので︑こ1に紹介する次第である︒尚この論文自  

体の吟味および他の文献との比較等についてほ別稿で試みる予  

定である︒  

﹂  

一八四四庄の会社法は登記設立をほじめて認めたが︑その会  

計規定で会計帳替の作成︑決算︑﹁完全かつ適正な﹂貸借対照   表の作成︑およぴその株主総会への提出を定めた︒しかし損益   計算書の作成︑および貸借対階表の様式と内容についてほ︑規  

・足していない︒又監査についてほ︑監査役の任命︑帳簿の完全  

な入手︑および従業員と役員からの必輩な援助を受けうること  

等を規定し︑更に監査役ほ貸借対照表について報告書を作成し  

て︑株主総会に提出すべきこと︑およびその監査済貸借対照表   を株式会社登記庁に備えつけることを要求した︒尚この法律ほ  

職業会計士を監査役に予定していなかった︒    この仙八四四年法の直接の先駆者庄一八田仙年から二八四四  

年まで活動した株式会社軋ついての特別委員会の報告書であ  

る︒委員会はそれ以前に多くの会社に関する不正を発生せしめ  

た︑不完全な法律の状態の対麓として︑もし決算書類が誠実に  

作成され︑かつそれが監査され1ほ︑関係者に会社の真実の状   

(2)

態が分り︑かつ又不正が行なわれ難くなると考えて︑会社会計   の公表を勧告した︒勿論︑事業に無経験の山般人には会計畜類  

は無価値かも知れないことほ承知していたが︑唯経営者が法的  

規制の結果として調査され︑かつ質問を受けるユ基場におかれる  

ことに価値を認めたのである︒偏食本からの配当については何  

も勧告しなかつた︒  

一八田五年の会社法ほ﹁完全かつ袈実の諸勘定﹂の作成︑﹁  

贅東金︑債権︑会社の財産と債務の真実の表示︑および半年間   の利益またほ指失の明確な表示﹂である貸借対照表料作成し︑  

その監査役と株主総会への提出を苛求した他︑利益処分の計算   苔の株主総会への提出を定めた︒監査役ほ諸勘定を確認する  

か︑或はそれについて報告できるだけであった︒尚会社の費用  

で職業会計士を監査役の補助些屈傭できる規定を含んでいた︒   

山八四四年法の規定の主旨蕗二八四四年の銀行法にも見られ  

る︒この会計規定Ⅷ銀行の定款に決罪貸借対照表と損益計罫書   の株主への提出の規定を入れることを要求した︒又毎年の監  

査︑監査役の任命の規定の他に資産と負債の月次引算書の作成  

を要求し︑た︒   

会計規定の制定者の主要目的は︑罪仙に会社の債権者と株主  

に会社の債務弁済能力を表示する資産負債表を提供することで  

あり︑第二は現在と将来の株主或は依願者が資本よりの配当に   ついて誤解することを防ぐにあった︒㌻ハ四四年法の場合に︑  

第劇点にのみ注意が向けられたのいほ︑山八四四年以前の不正  

十九世紀後期の英国会社会計と法律   が長期の債務弁済能力の特に重要である生命保険会社に多く   生じ程という事情に基づく︒株主に利益についての情報を提供   することほ︑株式発行の相当部分を占める鉄道その他の公益事   兼の場合にほ重要かも知れないが︑当時の登記設立の会社でほ   あまり重要でほなかった︒尚立法者ほ評価或ほ利益測定の厳密   な正確性よりも︑むしろ攻少限度の会計の公表を得ようとし   た︒    又財務諸表の様式︑内容および詳細な評価原則等にふれず︑   更に監査役の職務の詳細な規定を省いたのは次の理由による︒   即ち立法者ほ私企業の問題紅あまり厳格なTT渉を行なうことを   好まなかったこと︑情報の表示︑資産と負債の評価︑および利   益測定等の会計技循が未発達であったことと︑監査について原   則が確立されていなかったこと等である︒従ってこれらの法律   の規定は会社会計と監査に形式的効果しか与えなかった︒  

二   

二八四四年法以後の会社会計と監査の規定ほ前進よりもむし   ろ後退の傾向にあった︒即ち一八五五年には有限背任を最初虹   認めた法律が制定されたが︑それほ会社の資本の状態の情報公   表を要求したものの︑副八四四年法の会計と監査の規定は強化   されなかった︒吏紅一八五六年の会社法では登記設立会社の強   制的会計および監査規定が廃止された︒その理由ほ︑会計の問   題は磯主と取締役との間の私的な問題として考えられたこと   と︑ヤ八四四年法の規定の効果がなかったこととである︒尚山  

︵三山 こ 五九   

(3)

賢二十四番 解四号  

八六二年に保険金祉︑銀行および共済組合等紅対して︑贋本の  

状態について定期的に報告書を公表すべきことが要求された  

が︑当時それらの菜種以外の登記会社は小部分にすぎないの  

で︑投資家の保護の必要はなく︑債権者も多くの場合事業家で  

ありその保護の必要はなかった︒  

一八五六年法ほ強制的会計および監査規定をもたないが︑特  

別の定款を作成しない全会杜に適用される模範定款として︑付  

則B未を含んでいた︒この模範定款の会計および監査条項ほ非  

常に近代的なものであったので次にその一部を掲げる︒  

﹁配 当  

64 配当ほ会社の営巣によって得られた利益以外より支払う  

ことはできない︒   

65 取締役ほ配当を提案する前に︑偶発的事件に対する準備  

金︑配当平均準備金︑および会社の営業用の磯城の修繕と維持  

のための準備金に必要な金額を会社の利益より積立てることが  

できる︒そして取締役ほ会社の承認を得て︑彼等が選択した有  

価証券に整備金として積立てた金額を投資することができる︒  

諸 勘 定   

69 取締役ほ会社の営業上の棚卸資産︑会社の収入および支  

出金額︑およぴその原因となった事項︑および会社の債権およ  

び債務等について輿実の諸勘定を作成しなければならない︒こ  

れらの諸勘定ほ複式碍記の原則に基づいて︑現金出納帳︑仕訳  

\  

︵三二エ︶.六〇  

帳︑および元帳等において記録されねばならない︒諸帳簿は会  

社の本店に保管し︑かつ又株主総会によって課せられた時間お  

よび方法紅ついての合理的な制限に基づいて︑営業時間中に株  

主の閲覧を許さねばならない︒   

和 歌締役は毎年少くとも小変は︑総会の少くとも三ケ月以  

内の日付までの過去の年度の収益および費用の討辞書を株主総  

会把捉出しなければならない︒   

n 上記の計算書ほ最も倣利な標題の下に配列され︑総収益  

の金額をその収益が得られた源泉毎に区別し︑かつ総費用の金  

額を設立資用︑給料およぴその他の事項に区別して表示しなけ  

ればならない︒当該年度の収益に適正に課しうる全ての項目が  

勘定に記入されて︑正しい損益の残高が株主総会に提出される  

ようにしなければならない︒又数年問に適正に配分される費用  

項自が或る年度に生じた場合には︑その金額の全額を表示し︑  

この費用の山部分のみがその年度の収益に課せられる理由を付  

け加えねばならない︒   

72 毎年貸借対蝿表が作成され︑かつ株主総会に提出されね  

ほならない︒そしてこの付則に附威した様式に掲げられた標  

題︑或ほ事情の許すかぎりそれに近い標題で︑会社の財産面よ  

び負債を要約しなければならない︒   

73 このような貸借対照表の印刷された写しほ︑総会の週  

間前までに郵送紅よって各株主の登録された住所に送付されね  

はならない︒   

(4)

監 査  

拍 株主総会により選ばれた〟人もしくほそれ以上の監査役  

によって︑会社の諸勘定が検査され︑貸借対照表の正確性が確  

かめられねばならない︒   

花 山人以上の監査役が任命されるときにほ︑監査役に関す  

る全ての規定がその者に対しても適用される︒   

乃 監査役ほ会社の株主である必要ほない︒何人といえども  

株主として以外会社の如何なる寂引紅でも利害関係を看する者  

は︑監査役となることほできない︒会社の取締役或ほその他の  

役員はその地位にある限りほ監脊役としてほ不適格である︒   

刀 監査役の選出ほ株主総会で行なわれねばならない︒もし  

も一回以上あるときには︑毎年の最初の総会で行なわねばなら  

ない︒   

79 監査役がやめるとき軋も適格者でなけれぼならない︒   

∞ 監査役の地位に臨時に欠員が生じたときには︑取締役は  

それを補充するために臨時の総会を開かねばならない︒   

81 前紅定めた方法で監査役が選出されなかったとき紅ほ︑  

商務省ほ会社の株主の三分の山の申し出に基づき当該年度の監  

査人を任命し︑︑かつ監査役の仕事に対して会社が支払う報酬を  

決定する︒   

82 各監査役ほ貸借対照表の写しを提供されねばならず︑そ  

れを関係する諸勘定および諸証憑によって検査するのが監査役  

の職務である︒  

十九世紀後期の英国会社会計と法律    83 全ての監査役ほ会社が作成する全ての帳簿のリストを提   供されるべきである︒合理的な時には何時でも︑会社の帳簿お   よび諸勘定を見ることができ局︒監査役ほ会社の費用でこのよ   うな諸勘定の監査の補助を行なう会計士︑或ほその他の人々を   雇臆することができる︒そして監査役は諸勘定に関連して会社   の取締役︑或ほその他の役員を検査することができる︒   

84 監査役ほ貸借対照表および諸勘定についての株主への報  

告書を作成しなければならない︒報告書には監査役は彼等の意  

見でほ︑貸借対照表ほこれらの諸規定によって要求された諸事  

項を含み︑完全かつ適正な貸借対照表であり︑そして会社の状  

態の臭突かつ正確な衷売女行なうよう鱒適正紅作成されている  

か否か︑そして取締役に説明戎ほ情報を要求した場合にほ∵そ  

れらの説明或ほ情報が取締役によって与えられたか否かを記載  

しなけれほならない︒そしてこのような報告書ほ取細役の報告  

書と〟緒に株主総会で読み上げられねばならない︒﹂   

付則B衣ほ貸借封照表の標準様式を含むが︑それほ資産およ  

び負倍について詳細な分析を可能にするものであった︒例えば  

資産ほ財産︑債権︑現金および投資に分類され︑債権について  

ほ確実なものと不確実なもの︑および担保付と無抱保のものと  

区別されている︒   

損益計算書の標準儀式についてほ付則B衷は規定していない  

が︑本文の内紅︑総収益を数個の源泉に分割すべきこと︑期間  

利益或ほ損失の金額が正当なものであること︑費用が一年以上  

︵三二三︶ 六山   

(5)

第三十四番 第四号  

の期間に及ぶときほこれを表示すべきであること等を定めるこ  

とによって︑利益の莫突かつ適正な表示の概念を明らかにして  

いる︒叉復式簿記の原則による記帳を定めていることほ重要で  

ある︒   

監査役についてほ職集会計士を会社の費用で補助者として雇  

傭する任意粂項があり︑職業会計士が監査役として任命される  

ことほ未だ当然の事にほなっていない︒   

尚︑一八五六年法ほ小足数の株主の要求に応じて商務省が会  

社の状況を調査する検査人を任命する規定をもつが︑この規定  

ほ強制的な年席監査の規定の代りになると思ゎれる︒その椿利  

の行使が株主の意志疫基づくので︑強制的監査規定の代替的制  

度と考えられるが︑しかし本質的紅ほそのようなことの必要性  

が明確紅なるまで︑その棒利が行使されないので︑常規約な監  

査の十分な代替的制度でほない︒   

山八五六年に ROya−Briti旨Bank が破産した︒それほ取  

締役による貸借対照表の偽造と︑利益がないにも拘わbず配当  

を支払い︑新株式を発行したことに原因があった︒しかしこの  

事件ほ強制的な会計および監査規定の必要性を確信させるに至  

らず︑むしろこれらの規定の存在ほ人々を油断させるし︑恐者  

ほ規定を逃れるようぬくふうするであろうと考えられた︒この  

ように会社法ほ会計公家の原則を掲げたが︑不干渉の原則のた  

め強制的会計および監査規定をもたなかったので︑その実際的  

効果ほ小さかった︒   ン  

︵三二四︶ 六二   

他方において会社の不正に対する処罰が強化された︒山八五  

七年の詐欺法の罰則は︑不正の目的で会社の帳籍および財務諸  

表を何らかの方法で偽造し︑或ほ株主叉ほ債権者を欺く意図  

で︑或ほ他のものに株主叉ほ債権者として会社に投資するよう  

に勧誘する意図で︑重要な事項に虚偽のあることを知りながら   ノ 

︑財務諸表を回覧︑或ほ公表した会社の取締役︑役員或は経営  

者を特別の犯罪とした︒  

三   

山八六二年の会計法の付則A衣の模範定款の会計および監査  

規定ほ脚八五六年法の付則B衷と全体的に大体同一であった  

が︑帳簿の複式薄記による記入の規定を省略した︒山八六二年  

から二九〇〇年までの問︑強制的な会計および監査規定の導入  

のために多くの草案が議会に提出された︒それらほ共通して袋  

槽対照表および損益計算讃を山定の様式で公表すること︑およ  

び監査のための適正な会計帳簿の作成を規定していた︒   

それらの草案の貸借対醸衰の様式ほあまり精功でほなかっ  

た︒例えば一八七七年の草案ほ減価償却にふれておbず︑山八  

七七年と一八八四年の草案はともに︑付則B表のような明確な  

三つの資産分類を採用していない︒叉二つの草案とも損益計算  

書の様式ほ不十分なものであったが︑監査人の証明書ほ貸借対  

照表と損益計罫書の両方に及んでいた︒  

一八七九年頃まで二椴の烹見は会計の規制に反対する傾向に  

あった︒一入六七年にほ貸借対照表の公表を規定する草案ほ否   

(6)

決され︑一八七七年の草案も同じ結果であったし︑エコノミス  

ト誌も会社の財務諸表に劇定の様式を課するのほ好ましくない  

という意見であった︒    大体一八八〇年頃︑二つの点から企業の会社形態の重要性が  

急速に増大しっつあ?た︒一つには企業組織の点からであり︑  

もう仙つは証券市場の点からである︒証券市場の活動の増大ほ  

会計情報の必要性を大きくしたと思われる︒エコノミスト認ほ  

一八八八年にほ損益計算書の強制的公表に反対していたが︑貸  

借対照表の公表紅ほ支持を与えた︒   

このような考え方の変化に静響を与えた二つ.の事件はCity  

Of G−asgO Ba旨の一八七八年の破滅的な破産であった︒それ  

ほ資産の過大評価および負債の過小評価によって︑債務支払不  

能の状態を隠して︑配当を支払い続けていたのであった︒この  

事件の結果︑有限背任により登記された全銀行に強制監査を讃  

す一八七九年の法律が制定された︒その監査規定ほ大体一八五  

六年法の付則B泰︑および一入六二年法の付則A衷の模範定款  

のそれと同じであるが︑唯会社の費用で職業会計±を監査の補  

助者として雇臆しうるという規定を省いている︒これほ職業的  

監査人がより普通の状態になったことを意味する︒   

山八七九年の法律の原奏でほ︑毎年株主総会への貸借対照表  

の提出の規定︑および簡潔な様式の貸借対照表料含んでいた  

が︑制定の過程で全て省かれた︒エコノ︑︑\スト誌ほ銀行に対す  

る会計および監査規定の導入を支持し︑貸借対照表の標準様式  

†九世紀後期の英国会社会計と法律   を省いたことに遺憾の意を表した︒   

アカウンタント誌ほ﹁会社の帳簿に示された通りに﹂という  

監査条項ほ︑監査役の仕事を︑単なる数字の機械的な照合に限  

定するおそれがあるとしたが︑これは根拠のないことである︒  

何故ならば︑法律転貸鹿対照表が﹁完全かつ適正﹂であるか否  

かの報告を要求しているので︑単に帳蕾に記載されていること  

をこえて︑会社の状態の積極的な検証が必要であり︑このこと  

ほ山八九五年に法的承認をえた︒  

一八七〇年にほ堕命保険会社法が制定され︑毎年収益勘定お  

よび貸借対照表を一定の様式で作成し︑商務省把持出し︑株主  

および契約者に利用できるようにすることが規定されたが︑監  

査規定ほ含まなかった︒   

叉︑公益事菜会社も特別の取扱いを受け︑一八六八年の鉄道  

法でほ︑山定の様式で収益勘定および貸借対照表を含む財務諸  

表を公表し︑かつ商務省に備え付けることが規定された︒同様  

な規定が一八七山年のガス事業法︑および二八八二年の竃気事  

業法軋も見られる︒   

このよう軋一八八〇年頃に︑一定の様式で財務諸表の強制的  

公表︑應よび生命保険会社を除いて︑株主総会紅よって選ばれ  

た監査役による強制監査の原則が特別の種類の会社に適用され  

ることになった︒  

四   

山九〇〇年の会社法ほ数年間の委員会の活動の下に制定され  

︵三一五︶ 六三   

(7)

第三十四巻 第四号  

た︒この法禅ほ一八五六年以来ほじめて登記された全会社に年  

度監査を強制し︑明確な会計規定をもたないが︑決算貸借対照  

表の作成義務が推定される︒その監査規定ほ一八七九年の銀行  

に対する規定︑および一八六二年法の付則A表の頒定と大体同  

じである︒監査報告書の文言に相違点があるが︑重要ではな  

い︒   

この法律は設立総会への設立報告書の挽出を規定する︒設立  

報告書紅ほ設立日より設立総会までの資本勘定についての受取  

および支払についての要約した勘定を含まねばならず︑それほ  

会社の監査役により正確性が証明されねばならない︒   

この法律の制度は与論が取締役に決欝財務諸表の作成の特別  

責任を課すことを支持しっつあることを示すが︑他方において  

貸借対照表の公的な登記についてほ与論ほ分れていた︒この原  

因ほプライベートカンパニーの存在であった︒即ち︑同族的事  

業であるが便宜のために会社形態をとっているものに対して︑  

財務諸表の登記庁への備え付けほあまり多くの情報の公表の要  

求となる︒︑そこで一九〇七年に決算貸借対照表の強制的な登記  

が規定されたときには︑この種の会社ほ法的定義を与えて︑適  

用を除外した︒   

委員会ほ取締役に噸簿作成の式任を課し︑換算貸借対照黍の  

株主への提出を勧告したが︑.財務諸表の公的登記に反対した︒  

しかし劇八八六年の草案は決算貸借対照表の株主への提出およ  

び公的登記の規定を含んでいた︒草案ほ株主および債桁者の利   \  

︵三二ハ︶ 六四  

益のための公表の原則に基ずいている︒これほ愚かな行為を保  

護するのほ不可能であるが︑慎重な人々に投資が安全か否かを  

判定する立場におくことほ可能であるという考え方である︒   

又草案ほ決算貸借対照表の内容について︑次のような最低限  

魔の要件を考えていた︒  

㈲ 発行資本金︑払込金恕︑未払込金額等を現金払込と他の払  

込とを区別して示すこと︒潮 会社の債務を担保付と無担保の  

ものとを区別して示し︑かつ発行費用を表示すること︒両 不  

良俵腱を控除した債権の額を表示すること︒㈱ 庶価による  

か︑他の評価によ渇か︑資産の評価基準を表示し︑かつ償却さ  

れた減価償却費の比率戎ほ金額を表示すること︒   

しかし草案は貸借対照表の標準様式を定める代りに︑様式を  

定款に記載するか︑或は会社の決議によって決めるべきことを  

規定した︒実際にほ標準様式にほ多くの反対があり︑委員会も  

会社事業の多様性の故に様式の統一に確信がもてなかったので  

ある︒   

委員会でほ草案にほ現われなかったような諸提案がなされ  

た︒例えば︑資産の原価および減価償却費の落倍額の表示と  

か︑のれんの別個の評価とか︑資産および負債の分顆表示と  

か︑取締役および役員に対する貸付金の表示とか︑資産の売却  

基準での貸借対照表評価等の諸提案があり︑アカウンタント誌  

も資産の詳細な分枝が評価基準および減価償却の情報の利用の  

ために必要であ竃とのぺた︒   

(8)

草案に入れられた減価償却の基礎についての規定は︑当時︑  

利益算定の問題が重要になりつつあったことを示す︒それは配  

当しうる利益についての多くの判決により惹起された関心に基  

づくであろう︒又山八八〇年代のランカシャの綿就会社が減価  

償却および磨本的費用の取扱いに関して︑不適正であったこと  

に賓任を問われたことにも関連する︒   

叫八九六年の草案ほ資塵の評価基準の公表紅より利益算定方  

法についての情報を規定したが︑詳細な損益計算書の公表或ほ  

株主への提供を要求しなかったが︑これは一般の与論と小数し  

ている︒   

強制監査の親定ほ草案紅含められ︑一九〇〇年法の規定とな  

った︒監査役のうち少くとも一人は公共会計士を含むぺきこと  

にほ相当強い支持があったが︑草案にはその規定ほ記載されな  

かった︒   

以上で山八四四年より一九〇〇年までの会社会計規定の発展  

を終り︑次紅配当しうる利益の問題をのべる︒  

志   

文払配当の合法性には二つの問題がある︒第一ほ利益測定の  

問題であり︑その形式的解決のために︑利益概念の定義とその  

概念への実際の諸条件への適用のこ段階が必要である︒第二は  

測定された利益と合法的な配当金額との間の法律の認める関係  

の問題である︒二つの問題の区別は全く議論のためである︒   

配当の利益に対する関係の問題は︑法規は配当の利益に対す  

十九世紀後期の英国会社会計と法律   る関係の公表と同じょうに︑会計および監査の実務に関連する   が︑国民経藩政策の問題である︒利益計算方法およぴその原則   ほ会計士の領域である企業の経済問題である︒   

利益ほ事業家の考えにょれぼ︑価格水準の変化の問題を除外  

すれぼ︑企其の貨幣佃値を維持した後の剰余額である︒贋産の  

売却価値の想定が困難な場合ほ︑企業の価値の維持ほ配当支払  

能力の維持として考えられ︑配当支払能力の維持ほ企業資産を  

大体同じ物理的状態に維持するものと考えられる︒この考え方  

ほ企業の損益計算意の作成の実際的原則と一致する︒   

この利益測定についての一般的考え方ほ山八四〇年代より見  

られることほ︑一入四九年四月十六日の二鉄道会社の会計調査  

委邑会への会計士の報告書中の︑次の言葉によっても明らかで  

ある︒﹁鉄道の資産および軌道の減価ほ︑運送についての必然  

現象であるので︑それらの使用価値を保つための修繕︑或ほ資  

産および資材の購入軋よる支出ほ︑首英資用の性質のものであ  

り︑それ故紅減価の原閑である収益紅課せられるのが適当であ  

る︒﹂   

多くの判例から原則として配当が資本より支払われることほ  

非合法である結論が導かれた︒これほ株主が払込んだ資本金の  

貨幣価値︑即ち名目的払込資本金以上の余剰がない場合ほ︑配  

当ほ支払われないという意味に解釈されるかも知れない︒この  

解釈の故に山八六七年および一八七七年の会社法によって︑正  

式の法的手続紅よる減資が謎められることが必要になったので  

︵三山七︶ 六五   

(9)

第三十四巻 第四骨   

ある︒   

しかしこの解釈ほ一八八九年の判決によ√一て否定された︒こ  

の判決でほ︑資本の維持ほ少なくとも減耗資産︑或ほ配当の関  

係する会計年度以前の資本の喪失を除外するものと解釈され  

た︒この判決は経済政策的な立法と考えられる︒   

利益概念についてほ裁判所は会計実務を受け入れる傾向にあ  

ったが︑彼等の態度は又会計理論に影響を与えた︒これほ一部  

紅ほ裁判所の見解が︑会計士に固定資産から区別された流動資  

窟の評価紅重点を置かせたことによる︒又判例では公表の重要  

性および誠実かつ合理的態度を重視したが︑これほ監査実務紅  

影響し︑かつ間接的に会計実務に影響を与えた︒更に︑判例で  

ほ資本維持が重視されたために︑扱益計算および貸借対照表価  

値の過大表示の回避に重点が置かれた︒この保守主義ほ会社会  

計実務の内に持続され︑今日でさえ法律転︑それ自身非常に保  

守的である会計原則において計算された利益の︑故意的過小表  

示を抑制するに留っている︒   

ここにおいで︑配当についての判例の影響を︑会計原則が発  

展した十九世紀の環境の影響と 仙緒に考えねぼならない︒′即  

ち︑職業的投資分析家のための正確な利益報砦の規定のための  

圧力ほ未だ大きくなく︑叉当時ほ不正な賃借対照表価値の過大  

表示︑或は負債の過小表示が多く行なわれたのである︒   

実際において判例ほ利益計算の仙般原則の樹立にあまり寄与  

しなかった︒判例の彩管ほ現在ある保守主義紅基づく経験的評   ︵三一八︶ 六六  

価方法の明確化︑および固定資産と流動資産との明確な区別の  

確立の方向にあった︒この区別ほ不幸にも会計∴﹂をして︑固定  

資産価値の企業に対する重要性を過小評価せしめ︑会社の所萌  

する経済資源の利用が合理的か否かの重要な問題を問う態度を  

おろそか忙し寵ように思われる︒   

尚︑一八九五年に配当の諸条件の研究のための小専門団体の  

任命が勧告されたことほ興味があるが︑未だ具体的な活動ほ行  

なわれていない︒   

参照

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