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相談支援における ケアマネジメントの手法とプロセス

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Academic year: 2022

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(1)

相談支援における

ケアマネジメントの手法とプロセス

社会福祉法人 共友会 やたの生活支援センター ソーシャルワーカー

吉岡 夏紀

(2)

「援助」「支援」について考える

あなたの「援助」「支援」

一方的になっていませんか?

対人「援助」職である私

「支援」者である私

誰かを支える、助けるってどういうこと?

私の仕事って誰かの支えになっているのかな?

(3)

たとえば・・・

これまで自宅で生活してきたAさん。家族も精一杯介護してきたがこれ以上

A

さんを自宅で支えていくのは限界。施設入所が検討されているが・・・

障がいのある子ども を育て、母親の介護 をしながら、本人の ケアをするのは、も う限界です

施設に入所するのは 絶対にいやです!

どのように支援 するのが、本人 を支えることに なるんだろう?

あー パパだっ!

支援者 Aさん

(4)

対人援助に不可欠なポイント①

☆当事者の「主体性」を尊重できていますか?

→主体性がない=支援者が当事者の主体性が見えていない

☆当事者を「生活者」としてとらえられていますか?

→「障がいのある人」である以前に、当事者はそれぞれ「既に地域で生活している人」です

当事者は「主体者」であり「生活者」です!

「人間の平等と尊厳」

人は一人ひとりかけがえのない貴重な命を持った存在であり、障がいの有無や年齢、性別、

国籍、出身等にかかわらず尊重されなければならない。 すべての人が「生活の主体者」

として生きる権利を持つ

(5)

対人援助に不可欠なポイント②

「人間に対する肯定的理解」

さまざまな課題を抱える当事者は、現状が困難な状況にあるために、自分自身の本来持っ ている力を出し切れていない状況にあるだけで、すべての人が生活を獲得する力を持って いるという強い信念

当事者には「生きる力」や「強さ」があります!

☆当事者を自分が守ってあげなければと思っていませんか?

→当事者を「できない人」にしているのは支援者自身かも・・・

☆当事者の「生きる力」「強さ」を信じられていますか?

→支援者自身が「当事者を信じられるかどうか」がとても重要

(6)

支援者として必要な視点①

「人と状況の全体性の視点」

人と環境の全体状況をとらえる視点のこと。当事者自身の障がいや属性のみで当事 者をアセスメントするのではなく、常に社会との関係の中で見ていくことが重要

人には誰でも事情があります!

☆例えば「○○障害だから…」「以前は△△だから…」

→情報だけで当事者のことを決めつけていませんか?

→支援者の価値観を当事者にあてはめていませんか?

(7)

支援者として必要な視点②

援助・支援とは、当事者と支援者が互いに、「主体と主 体」として相互に話し合ってすすめていくものであり、

当事者は援助や支援を一方的に受ける「受け手ではな い」ということ

重要なのは・・・

当事者と支援者の「かかわり」と「信頼関係構築」

当事者

主体者です

生活者です 生きる力と権利があります

色んな事情や都合があります

(8)

「ケアマネジメント」とは何か

「ケアマネジメント」

健康な社会生活の回復・継続・向上を目的として、その人のニーズを明確にし、

そのニーズを満たす多様なフォーマル・インフォーマルサービスおよび複数 の社会資源を結びつけ、継続的に調整を行い、資源提供がニーズを満たすた めによりよくなるようにモニタリングを続け、より有効なサービス提供に努 力し続けるソーシャルサポートネットワークにおける包括的サービス提供の 一方法である。

(門屋 充郎)

福祉サービスの利用調整だけを行うのではない 相談支援従事者が身につける技法の一部にすぎない

ケアマネジメントとは・・・・・

(9)

障害者ケアマネジメントとは

① 障害者の地域生活を支援する

② ケアマネジメントを希望する者の意向を尊重する

③ 利用者の幅広いニーズを把握する

④ 様々な地域の社会資源をニーズに適切に結びつける

⑤ 総合的かつ継続的なサービスの供給を確保する

⑥ 社会資源の改善及び開発を推進する

厚生労働省 障害者ケアガイドライン2002年より

(10)

厚生労働省 障害者ケアガイドライン2002年より

障害者ケアマネジメントの基本理念

① ノーマライゼーションの実現に向けた支援

② 自立と社会参加の支援

③ 主体性、自己決定の尊重・支援

④ 地域における生活の個別支援

⑤ エンパワメントの視点による支援

(11)

① 信頼関係を形成する力

② 専門的面接技術

③ ニーズを探し出すアセスメント力

④ サービスの知識や体験的理解力

⑤ 社会資源の改善及び開発に取り組む姿勢

⑥ 支援ネットワークの形成力

⑦ チームアプローチを展開する力

ケアマネジメント従事者に求められる資質

厚生労働省 障害者ケアガイドライン2002年より

(12)

利用者の確認 ニーズの把握

サービス計画作成 サービス計画実施

モニタリング 終了・事後評価

再アセスメント

サービス担当者会議 個別支援会議

一般的に言われるケアマネジメントの流れ

(13)

(時間)

本来のケアマネジメントの過程

・ライフスタイルの保持と保障

・役割や生きがい ・地域資源の活用

・本人,チームへの情報提供

・意思 の 確認

・情報共有 ・調整

(家族 , 地域の声)

・「ここで今」の「出会い」から始まるアセス メン ト

・本人との共同作業「看られる対象」から共に「見る 協働者 」

・ 「人 と状況の全体性

・地域資源の種類と量の把握 ・情報収集

・アセスメ ン トはどの過程においても実施される

・最も自己決定 が重視される

・利用者の満足度 (本人の納得)

・ 情報提供は十分であったか

・自己決定は守られているか

・権利擁護

・目標の達成度

・ プロセス には 伸縮がある

岩尾貢氏作成

(14)

事例

B

さん(

30

代 男性)

身体障がい(下肢)、高次脳機能障がい

【相談支援専門員が出会った時の状況】

Z施設の施設入所支援を利用中。

• Bさんは、Z施設内で内職的な軽作業をしながら、自分なりに歩行の

トレーニングをしていた。いつかはZ施設を出て、仕事をしたい、一 人暮らしをしたいと思っていた。

初回面接では、Z施設のサービス管理責任者の方と一緒に本人の思 いを確認。下肢の障がいは10代の頃の事故で負い、入院→リハビリ 後、20代で施設入所。その後、10年来Z施設で過ごしている。

Bです。

車と音楽が好きです。

(15)

アセスメント

「アセスメントは本人と共に。思いを確認しながら繰り返し行われる」

ここで大切な視点は・・・・「人と状況の全体性」の視点

【リハビリについて】

受傷は19歳の頃。リハビリは十数年前にすでに終わっており、主治医や通院 先病院のスタッフは、受傷から長年経っていることからリハビリをしても回 復は見込めないとの見解。

リハビリが終わった後も、自分では少しずつ歩けるように

なってきていると思う。もっと、訓練したりリハビリをし

たら歩けるようになるかもしれないのに・・・

(16)

人と状況の全体性①

人と状況の全体性とは・・・

「個人と全体の状況性を考える視点」

「人と環境の全体状況をとらえる」

当事者自身の障がいや属性のみで当事者をアセスメントするのではなく、常に社会との 関係の中で見ていくことが重要

対人関係やコミュニ ケーションがうまくい かないんだな・・・

支援者の価値観で見ていませんか?人には誰でも事情があります

たとえば・・・

発達障害があって、仕事が

うまくいかないんです・・・

×

(17)

障害とは何か

~ICFの生活機能構造モデルから~

①生活機能

→心身機能・身体構造、活動、参加 を含む全体が生活機能

②相互依存性と相対的独立性

→障害があるからできないではなく、

配慮や支援によってできていること もある

③環境因子や個人因子の影響

→その人自身の性別や年齢等個人的 な要素や、取り巻く環境の影響を受

けている

図1:ICF 国際生活機能分類(2001)の生活機能構造モデル

(18)

人と状況の全体性②

統合失調症だから 発達障害だから

以前は○○だったから こういう症状があるから…

アセスメントとは・・・

当事者とともに行う「共同作業」

当事者の自己実現まで延々と続く

アセスメントは「ここで今」の「出会い」から始ま る当事者との共同作業

「看られる対象」ではなく共に「見る協働者」

症状や行動に固執せず当事者の生き方に理解の焦点 を当て、共に探る

生活問題を「人と状況の全体性」の中で見る

アセスメントはどの過程においても実施される(自 己実現まで延々と続く)

地域資源の種類と量(資源の理解は必要条件)

これらはすべて、

支援者の一方的な 見方にすぎません

×

(19)

ニーズの確認と共有

「本人の言葉の奥にある『ニーズ』をとらえ共有する」

【趣味の音楽について】

音楽が好きで、受傷前はよくロックフェスに行っていた。車いす生活になってか らも、ずっとフェスに行きたいと思い続けていたとのこと。相談支援専門員が、

車いすでも歩行器でも行くことはできるのではないかと伝えると・・・

吉岡さん、わかってねーなー。

フェスに行くなら、飛び跳ねられんと

楽しくねーげんぞ!

(20)

自己決定の原則①

自己決定の原則とは・・・

「当事者の『自己決定』を『尊重する』視点」

毎日つらいことしかありません。

死にたいです・・・。

自己決定って どういうことだろ う・・・

①「自己決定」とはどんなことだと思いますか?

②「自己決定」を「尊重する」とはどうすることだと思いますか?

たとえば・・・

(21)

当事者のニーズを大切にしたかかわり

【プロフェッショナルニーズ】

=価値観・職業倫理

【ノーマティブニーズ】

=常識、社会通念、道義

【デマンド】

=顕在する意識

【フェルトニーズ】

=潜在的・無意識のニーズ 当事者の感じているニーズ サイン・シグナル・メッセージ

支援者

ニーズとデマンド

4つの折り合いをつけながらの支援

岩尾貢氏作成(吉岡編)

(22)

自己決定の原則②

「自己決定」を「尊重」するとは・・・

静態的権利論 → 権利として保障する

力動的関係論 → かかわりのなかで自己決定を行使する

自己決定の原則とは・・・

支援者と当事者の関係性を基盤とした

「かかわり」という力動的な過程のなかで深められるもの

相談支援従事者・支援者の「かかわり」の基本原則

(23)

自己決定の原則③

当事者「自己決定」に必要な3つの要素

要素① 「当事者・援助者の能力」

自己決定を保障する上でのコミュニケーション「言語的表現」と「非 言語的表現」の両者に関わる技術を使った、障害者との知、情、意の 3つの面でのコミュニケーション。つまり,本人の能力だけではなく,

支援者がかかわりの中でサインをキャッチできるかということ

要素② 「関係の質」

援助関係を基盤としてかかわり合えているか

要素③「かかわりにかけた時間」

どのくらい良質で有効なかかわりに時間をとっているか

クロノスとカイロス,時熟(時が満ちる)

(24)

自己決定の原則④

困難な状況に陥ったときに援助者自身が、自己決定を保障することが「で きないと諦めてしまう」ことによる困難性が存在する。

こうした困難な状況のときにこそ、課題性を当事者との関係性の中で共有 する「かかわり」が不可欠である。

そこに重要なのは、援助者が問題を解決するのではなく、生活の主体者は 当事者であり、援助者が問題の責任を負ってしまっては、当事者との協働 はあり得ない。

大切なのは当事者と苦難を共にすることで、援助者が背負い込むことでは ない。

支援者が諦めてしまっていませんか?

当事者の「自己決定」を「尊重」することが難しい・・・

当事者の思いや考えがつかめない

そもそも、当事者が思いを表出できない

(25)

サービス担当者会議

【福祉サービス事業所について】

現在、機能訓練・就労継続支援B型事業所を利用中。自分の足で歩けるようになりたくて機 能訓練を頑張っており、次の会議では、今後の就職を見据えた、自分の身体機能について話 し合いたい。今、B型事業所で作業については「時間潰し」のような感覚がある。相談支援 専門員より、次回の会議には誰に参加してもらおうか?と話を投げかけると・・・

「会議の参加者も、本人と一緒に決める」

本人のための会議であって、支援者が語り合う会ではない

B型事業所の人は、今回はどうかな?身体の話やし。

一応利用はしとるけど、暇な時間を潰すっていうか、

そんな気持ちで利用しとるしなぁ・・・

(申し訳ない気がするなぁ)

(26)

「サービス担当者会議」ポイント

1.希望に沿わないことは断ることができる 2.ケアマネジメントは中断もできる

3.今すぐ対応できないニーズも時間をかけて対応していくこと 4.会議参加者全員が当事者の望む生活の実現に向けて努力すること 5.プライバシーを守ること

準備 家族や地域の関係者、医療・福祉サービスの担当者、行政担当者等に当事者が希望する生活を伝 えられるように本人と方法を検討

目的 周囲が考える問題解決のためではなく、当事者がしたい暮らしの実現を共通課題として支援計画 が立てられるようにする

ポイント1

「当事者主体」

当事者が発言しやすいようにする

会議参加者の意見に対し当事者の意向をたずねる ポイント2

「内容の共有」

当事者が理解できる内容にする。専門用語の使用は極力避ける。内容が複雑で理解が難しければ 要約する

ポイント3

「全員参加」 チーム一丸となって取り組む意識が重要。参加者全員が発言する ポイント4

「進行の仕方」

司会(相談支援専門員)は、必ずまとめと確認をする 時間を厳守する(最大2時間)

「当事者に伝えること」「会議参加者に確認したいこと」

(27)

「かかわり」と関係構築

【現在の生活についての希望】

相談支援専門員より、今の生活についてどう考えているか?生きがいは何か?何をしている 時が楽しいか?将来にどんな希望があるか?等と質問をすると・・・

「関係構築は急がず、本人のペースで深め続けていく」

今まで言わんかったけど・・・俺ずっと、障がい者になった事、

夢やと思っとった。こないだ、じーちゃんが死んで、身体に 触った時すごく冷たくて「あ、これは夢じゃないんや」って 思った。そん時初めて、自分このままじゃダメやと思っけど、

同時に、なんで自分生きとるんやろうと思ってん。

だから、俺、今は明るい未来なんて考えとらん。

毎日「死にたい」って思っとるよ(笑)

(28)

生活者支援①

生活者支援とは・・・

「当事者を理解する視点」

たとえば・・・

強迫性障害があって、手洗い がやめられないんですよね。

手洗いをやめられる 方法はないか

な・・・

やめられないと仕事 につけないな・・・

障害があったら仕事や生活はできないんでしょうか?

障害や症状にのみ注目していませんか?

×

(29)

生活者支援②

事例:Cさん

強迫性障害があり、自分が触っ たものや座った椅子が気になり、

なかなかその場から動けない。

そのため日課・作業等のやるべ きことがあっても、次の行動に 移れないことが悩み。

支援者は、どうすれば「確認行 為」をなくすことができるのか 試行錯誤していたが・・・・

つまり・・・

「強迫性障害」のCさんではない

「Cさんという人」が障害を抱えているということ

C

さん本人

病気・疾患・障害がその人の人格す べてを決めるわけではない。

疾患や障害があっても,それはその 人の一部分にすぎない。

疾患や障害だけに注目すると「生活 者としての当事者本人」が見えなく なってしまう。

(30)

生活者支援③

生活者支援とは・・・

当事者の「生活者」としての暮らしや生き方を尊重し、独自のライフスタイルの 獲得を目指すことを支援すること

病気や障害を持ちながらでもどのように生きていくかを当事者と共に考え、課題 を抱えながらでも生活する方法を模索することが相談支援従事者の重要な役割 医学モデル

個人のなかに起こっている病状・問題 行動などに焦点を当てて,その現象を 解明し,原因を除去し解決を図ってい く諸過程が中心的課題

→対象者の欠けている部分に焦点を当 てていくことが中心となる

生活者支援の視点

当事者の「いま」「ここ」が認識の基点。

援助関係は,共に生を支え合い成長し合 うことを目的とした概念に規定されてお り,当事者を主体的な生活者としてみる 視点が必要

→当事者の独自のライフスタイルの獲得 の保障を実現していくことが大切

(31)

【計画書を確認しながらの面接時】

就労継続支援B型事業所を「とりあえず」利用していること、この先も機能訓練を本気で頑 張りたいこと、それは自分の足で一歩でも歩けるようになり就職したいという思いに近づく ためであること、同時に、毎日「死にたい」と思ったりすること等も含めできあがった計画 書を見て・・・

「これが、自分の計画書だ!と思える計画書を」

この中に、俺の気持ちが全部入っとるね。

俺、大丈夫やね。これからも、大丈夫やね。

・・・死なんよね。

サービス等利用計画

(32)

「サービス等利用計画」ポイント

目的 援助の目標を明確にして、共通の目標に向かえるようにし、援 助の方向性を定め、計画的に援助を行えるようにすること ポイント1

「ライフスタイルの保障」

アセスメントをもとに、当事者と話し合い、課題解決や希望す る暮らしの実現のための目標と援助計画を立てる

ポイント2

「当事者主体・自己決定」

支援計画の立案においては、当事者の主体的参加と自己決定を 重視する

ポイント3

「チームでの検討」

またサービス担当者会議などで、チームで計画を検討すること が大切。

ポイント4

「地域資源の活用」

福祉サービスの利用にとらわれず、地域にある社会資源も活用 していく

ポイント5

「情報提供」

当事者に、制度・機関・事業所・インフォーマルな資源も含め た社会資源について十分情報提供を行う

ポイント6

「計画の優先順位」

当事者は、同時に複数の困難な問題を抱えていることが多い。

ニーズを把握し、当事者と検討し、目標達成のための小目標と 優先順位を考えることが必要

(33)

実施

【機能訓練を利用してみて・・・】

機能訓練をしていて特に不満はないが、利用には期限がある。他にリハビリをする方法はないか 話し合った結果、より多くの種類のトレーニング器具がある地域のスポーツクラブを利用してみ たいという思いがあることがわかった。そこで、相談支援専門員と一緒に体験利用をしてみたが、

トレーニングルームの近くにあるトイレは和式しかなく、ジム内には階段や段差が多く、今のB さんには利用しづらいことがわかった。

いやぁ~、バリアフリーじゃねぇな。バリアアリーやったわ~(笑) トレーニングの器具はたくさんあっていいんやけどなぁ。まずは、

もう少しええがに利用できるようになることが目標やぞいね。

重要なのは、当事者の「~したい!」の実現

サービスを利用することより「望む暮らし」を獲得することが重要 そのために当事者と支援者が「かかわり」続けること

福祉サービスの利用に繋がったら終了ではありません!

(34)

Bさんの支援の場合・・・

スポーツジムの「バリア」がなんとかならないかな・・・

自立支援協議会の「バリアフリーマップ制作」グルー プの協力が得られないかな・・・

環境面だけじゃなくて

人的配慮があれば利用できるかも ボランティアの協力は?

Bさんの支援を通して『地域づくり』ができるかも・・・

(35)

モニタリング

【ある日のモニタリング】

時間潰しのB型事業所を辞め、就業・生活支援センターのジョブコーチにもかかわってもらいな がら、()D社の社員として在宅ワークを行うようになった。ジョブコーチの支援についてや仕事 について話し合うなかで、相談支援専門員より「どうや?仕事、楽しい?」とたずねると・・・

吉岡さん・・・仕事やぞ? 楽しいわけねーやろっ!(笑)

だけど、やりがいはあるよ。お金ためて一人暮らしもしたいしね。

ジョブコーチ来てくれると助かるわ。やけど、頻繁に来られても話すこ とねぇし困るなぁ(笑)ジョブコーチさんも忙しいやろうし、都合のいい 時に顔出してくれるくらいでちょうどいいんじゃねぇ?

モニタリングは再アセスメントの機会

当事者に支援について「点検」してもらうという視点

(36)

「モニタリング」ポイント

支援の過程において、支援の経過や援助計画の実行状況等を点検する

支援の内容が当事者のニーズに則して適切に行われているかを当事者や関 係者と話し合い、当事者のニーズに合致しないことや課題の達成が困難な 場合には、援助計画や目標の見直しが必要

特にサービスの利用に際しては、当事者が自らの意思で利用を決定したと

しても、利用後、思い違いはなかったか、施設が自己決定を始めとして本

人本位のサービスを提供しているか、権利侵害がないか、新たな生活獲得

や自己実現へ向けた取り組みが保障されているかなどの状況の点検を当事

者と一緒に行うことが重要

(37)

当事者の地域生活を支援するために

ニーズの的確な把握

協働による支援計画の作成と支援 地域のネットワークづくり 人・サービス・場をつなげる

独自のライフスタイルを確立するためのサービスの開発・改善

当事者との関係性を重視した「かかわり」

1 人ひとりの生活に寄り添う支援

相談支援従事者の役割

(38)

無理ですね。

うちの事業所では他の利用者も ここまでしかしていないので。

チーム支援で大切なこと!

本人 福祉サービス

事業所等

行政 相談支援専門員

忙しいので・・・・

今はとても手が 回りません。

難しいですね。

制度の枠組みが あるのでムリです。

あとは、事業所さ んと相談さんでお 願いします・・・。

では、こんな利用方法はどうで しょうか?私も、事業所の他の 職員にも相談してみますね。

こういう部分を工 夫してみるのは どうでしょうか?

こんなやり方もあ りますよ!

○○機関の方の 協力も得られな いか、私からた ずねてみます!

当事者一人ひとりの「~したい」の実現へ向け

チーム全員が工夫・協力できることを柔軟・積極的に考えること

(39)

Aさん、その後…

本人

相談支援専門員

今の暮らしも、これか らの暮らしも、一緒に 考え続けましょう。

行政 ご本人のお話を聴く

機会、多い方が良い ですよね。

モニタリングの回数 を多くしましょうか!

福祉サービスに繋げれば終わりではない

当事者の「~したい」の実現へ向け、本人とかかわり続けること

施設担当者 ご家族も息子さんも、顔

出してくれてますよ。

モニタリングの時は、一

緒に色々話しましょう! 放課後デイ

サービス

サービス担当者会議、

お父さんの施設でする なら喜んで行きます!

1回は顔見に行きます。

息子も一緒に連れていきます。

時間がある時は、家族で外出も できれば・・・

家族

あー パパだっ!

(40)

生活支援としての生活の質

相談支援従事者・支援者としての質

①障害者を当たり前の人として見ることが基礎

②当たり前の付き合い

→いちにんまえの人・責任能力のある人として付き合えることが重要

③ごく当たり前の生活

→「ごく」とは「その人なりの」「その人らしい」という意味 ここでは“ノーマライゼーション”の考え方

「そのままを認め、そのままを受け入れ、そのままの生活を可能にして いくことに大きな意味がある」(谷中)

当事者と支援者は、ともに「主体」

主体と主体、相互の「かかわり」を通して

共に影響しあいながら共に成長しあう関係を構築すること

参照

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