熊本大学学術リポジトリ
グループワークを用いた教育実習事後指導プログラ ムの開発
著者 吉田 道雄, 吉山 尚裕
雑誌名 熊本大学教育実践研究
巻 18
ページ 7‑14
発行年 2001‑02‑10
その他の言語のタイ トル
Development of Group Experiential Program for Student Teachers after Practical Training at School
URL http://hdl.handle.net/2298/9091
熊大教育実践研究第18号.7-14,2001
グループワークを用いた教育実習事後指導 プログラムの開発*
吉田道雄神。吉山尚裕…
DevelopmentofaroupExperiexltialProgramfCrStudentTeachers afterPracticalTrainingatSchool
MichioYo息FJTT〕AandNaohiroYosHIYAnKA
WedevelopedagroupexperisntiEL1prcgramfcrstudentteELcherstolookbackon theirpracticaltrainingatschooLThisprogramw臼sccmpcBedoft諏omajor sBssionsaday・InthefirstgessiDn,studentteaGhGrs,dividedintcsmallgroups,
discussed軒hattheyhaddoneduringpracticaltrainingandsharedtheirthcughts andfbBlings、InthesBcondsession,thByreflectedcntheirlBadershipbehavior basedonthefeedbackdata,i、e、,pcEiitivBonnegativers白ponsBsofsChcolchildrsn orstudentstheyhadtaught・Twchundredandseventy-t再oBtudentteacherspartici‐
pELtedinthisprograminl999and2000.AndtheyBvalua粕dthisprcgrampositively tcreflecbontheirexperiencesduringpracticaltrainin賃atschooL
KByVV⑪rdfi:experientialgrcup,studentteaching,relationBhipwithBchoolchildren crstudents瓢leadership.
ある.それは,教員謹成系の学部にとってきわめて 重要な課題である。
われわれは,1989~1998年の10年間にわたって,
熊本大学教育学部2年生を対象に1日コースの事前 指導を実施してきた.このコースでは,講義ではな く,グループワークを用いた体験方式を採用した.
ここでは,集団力学における廃体験集団,(exPen‐
sntialgroup)の理論と方法を重視している。午前 中は,「リーダーシップを考える」をテーマにいく つか録グループ課題を実施する.これによって,参 加学生に,自分鰯人間関係の持ち方や影響力につい て考えさせる.午後は,「教育実習生に期待きれて いること」を“子ども”の立場から討論する.そし て,最後に実習に臨む上での行動目標を設定する。
終了時の調査では$プログラムは学生たちから高い 評価を得ていた.また、実習への動機づけを高める 上でも効果的であったことが明らかに苔れてい患 (吉田,1992;吉田・吉山,1997)。
こうして,2年生を対象にグループワークによる
「事前指導」を行ってきた。その後.新免許法に対 応す湯ため,教育実習についても根本的な改訂が行 われた.その結果,平成11年度(1999)から,グルー ヨ的
本研究では,グループワークを用いた「教育実習 事後指導プログラム」が,教育実習生たちに与える 効果を検討する.
「教育実習」は,教員養成に欠かせないカリキュ ラムであみ教師としての指導力,子どもとの人間 関係の持ち方,教育の意義に対する自覚と情熱など は,大学の講義・演習だけでは得られない。これら については,教育実習に期待ざれ愚ところが大きい.
新しい教職免許法でも,教育実習の重要性が強調さ れ,その期間も延長きれだ.こうした中で,「教育 実習事前・事後指導(1単位)」も重要な位置づけ を与えられている。事前・事後指導プログラムの開 発は.教育実習の成果をより確かなものにするので
、本研究は,熊本大学教育学部附属小・中学校の協 力を得て行われた。なお,本研究の結果の一部(平 成11年度分)は,日本グループ・ダイナミックス学 会第47回大会(大阪国際女子大学)で報告した。
.*教育実践研究指導センター
…大分県立芸術文化短期大学
-7-
グループワークを用いた教育実習事後指導プログラムの開発
表1参加学生(実習生)の専攻別内訳 課程
小学校教員養成課程 中学校教員義成課程 養護学校教員鵠成課程 看護教員養成課程 義護教諭養成課程
計一一山氾嘘虚蕊
H11 H12
65943731 578326311
プワークば,「事前指導」から「事後指導」へと変 更された。これが,われわれ腱とって新たな教育実 践を展開す患契機となった。事前指導も事後指導も,
その重要性に変わりはない.しかし,その指導目的 には大きな相違がある事前指導では,教育実習に 臨む学生たちの自覚や動機・づけを高めることが求め られる。これに対して事後指導では,つぎのような 目標が考えられる.まず,実習生たちが,実習の成 果を確認することである.また,教師と子どもとの 人間関係の意義を自覚す愚ことも重要になる.苔ら に,教師になるための自分の課題を明確化すること も必要である.そして,教師をめざそうとする動機 づけを高ぬるものでなければならない。
これらの目的を達成するため,われわれは新たに
「事後指導プログラム」を構成した。プログラムは いくつかの特徴を持ってい愚。その第1は,実習生 たちに,実習校(附属小中学校)で担当した子ども たちからの評価をフィードバックすることであみ 教師の指導は,子どもに対す為影響過程であ鳥.し たがって,影響を受ける子どもからの評価は,指導 のあり方をふり返る重要な情報になる。実習生は,
「子どもの評価」によってザ子どもとの人間関係の 持ち方や指導の適切さについて確認することができ る。また,これから改善すべき点に気づくことも可 能になる.それは,実習生が教育実習の成果を“子 どもの眼”を通して確かめていくことである。
第2の特徴は,実習生が,自分たちの体験を報告 したり,話し合うセッションを設けたことである。
実習生は,学校で様々な体験をする.授業。朝夕の 会,掃除や給食,学級会の指導,学校行事への参加 など,どれもが新鮮に感じられたはずである.自分 の体験や,その時の考えや感情をグループで話し合 う.これによって,体験が“概念化(言語化)”さ れる.また,個人的体験がillのメンバーと“共有化”
され患。こうして,グループワークは,実習体験を 整理し、教師になるという動機づけを高めると考え
lうれる。
プログラムは,子どもとの人間関係や指導行動を 検討す為ため,午前と午後のパートに分けられた。
前半では,各自が実習体験を話し合う。後半憾,
「子どもの評価」を分類・整理する活動を中心に構 成した。
方法 参加学生
平成11年度と12年度に実施した「教育実習事後指 導」のうち,「グループワーク」を選択した教育実 習生272名であるいずれも4年次生で,男子117名,
女子155名であった。年度別に見ると,平成11年度 が137名(男子66名,女子71名),12年度が135名 (男子51名,女子84名)である。なお,課程別の内 訳を表1に示す.
「事後指導」は,教育実践研究指導センターが担 当している1日コースの講座である.実際腱は3日 に分けて実施きれる.平成11年度は7月3.4.10 日,12年度は7月1.2.8日に行った。1日あた りの参加学生数は,4u~5Q名である。なお,小。中 学校教員養成課程の実習生たちは,附属小・中学校 で2週間,協力小。中学校で2週間の実習を行って いる.このほか,参加者には,義護教諭養成課程,
看護教員養成課程等,これらとは異なる学校や期間 の実習経験者も含まれる。
ヤブ
「子どもの評イin」データの収集
事後指導の約1カ月前,附属小・中学校に依頼し て,子どもたちからデータを収集した。子ども1人 に2枚のカードを配布し,「実習生の良かったとこ ろ(O)」と「実習生にがんばってほしいとこ患 (△)」を記入きせた.こうして附属小学校6学年×
3クラス分,附属中学校から3学年×4クラス分の データカ剣|叉集きれた。カードはクラスごとに袋詰め にきれた.
-8-
吉田道雄。吉山尚格
時間 H11年度 H12年度
9:0,
・グループ編成◇実習調査 グループ編成◇実習調査
●ウォーミングアップ ●ウォーミングアップ
「自己紹介」 I自己紹介一
名前は。実習先・実習を 名前は。実習先・実習を
終えた今… 終えた今…
「あなたの印象」 Iあ戦たの印象I
10:。、
☆休憩 ☆休浦
●「自由討論」 ●「思い出を語る」
,子供観と教職観の変化 “やった-”と思ったこと
・附属枝と協力校の比較 “困ったな”と思ったこと
1]:00
⑤「子どもは.私たちをどう ●「子どもは私たちをどう 見ていたのか?」
見ていたのか?」
・予想を個人でカード記入 ,予想をグループ決定
(○と△の予想を一人6枚 (Cと△の予想上位3つと 睡穴馬”を集団として淡定)
カードに記入ずる)
]2:。[II
食 食
縁 昼
13:。、
●「子どもの見た実習生I
●「子どもの見た実習生」
データの提鱗と読み上げ データの提供と読み上げ
○と△をKJ法で分類整理
,Cと△をKJ法で分類整理
して模造紙に貼る して模造紙に貼る
14:00
☆休憩
☆休憩
●グループ発表
●グループ発表
「子どもはこう見ていた」 「子どもはこう見ていた」
15:0,
い
‘‘ズレは。=だ1画
“ズレは=コだ【輔
0
?
‘`眺めて思うこと,!
“眺めて思うこと"
●自己決定(質問作り)と表明
●自己決定(質問作り)と表明
◇レポート。プログラム評価
◇レポート。プログラム評価 18:OU
図1グループワークによる実習事後指導プログラム
たちの評価データを見るためであみその調整がで きない場合は,配当学年に近いグループに入るよう にした.
ついで,「自己紹介」や「あなたの印象」と呼ぱ 事後指導プログラム
図1は,平成11年度と12年度のプログラムである。
附属小。中学校の配当学年が同じ者5~6人で1グ ループを構成した.これは.担当した学年の子ども
-9-
時間 H11年度
一一
0909000000。。0000
90123456
・グループ編成◇実習調査
●ウオーミングアップ
「自己紹介」
名前は。実習先。実習を 終えた今…
「あ・なたの印象」
☆休憩
●「自由討論」
,子供観と教職観の変化
・附属枝と協力校の比較
⑤「子どもは、私たちをどう 見ていたのか?」
・予想を個人でカード記入
(Oと△の予想を一人6枚 カードに記入する)
昼食
●「子どもの見た実習生」
・データの提供と読み上Iツ
,Oと△をKJ法で分類塑理 して模造紙に貼る
☆休憩
●グループ発表
~子どもはこう見ていた」
。“ズレは=コだ!”
。“眺めて思うこと”
●自己決定(質問作り)と表明
◇レポート・プログラム評価
H]2年度
グループ編成◇実習調査
●ウォーミングアップ
「自己紹介一
名前は、実習先・実習を 終えた今
「あ戦たの印象」
☆休憩
●「思い出を語る」
。“やった-”と思ったこと
.“困ったな”と思ったこと
●「子どもは私たちをどう 見ていたのか?」
・予想をグループ決定
(Cと△の予想上位3つと 睡穴馬”を集団として淡定)
昼食
●「子どもの見た実習生」
・データの提鱗と読み上げ
。○と△をKJ法で分類整理 して模造紙に貼る
☆休憩
●グループ発表
「子どもはこう見ていた」
“ズレは。=だ1画
い
‘`眺めて思うこと,,
?
●自己決定(質問作り)と表明
◇レポート゜プログラム評価
グループワータを用いた教育実習事後指導プログラムの開発
れるウオーミングアップを行う.その後,「自由討 論」「思い出を語劉というタイトルで,実習中の 体験を話し合った.ここでの内容は,平成11年度か ら12年度にかけて変更を加えた。11年度のテーマは
“附属枝と協力校での実習瓢,“子ども観や教職観の 変化”であった.これIこ対して12年度は,“やった-
と思ったこと",“困ったなと思ったこと”に変更し た。前年度のやや堅いタイトルから,より体験に即
した話題にした。
この話につづいて,午後に,「子どもの評価」を フィードバックすることを伝えた。参加者たちに:
「良かったところ(C)」「がんばってほしいところ (△)」として多いと思われるものを,それぞれ3つ 予想するよう求めた。ここでも平成12年度に変更を 加えた。前年度は.個人で予想を立てたが,・12年度 は,グループで話し合いをした。さらに,“穴馬,,
と称して,“少ないかもしれないが,あったら面白 い評価”もC,△1つずつ挙げるようにした。
午後のスタートに,「子どもの評価」をフィード バックする目的を説明した.その後,グループに附 属枝の配当学年1クラス分の評価データを配布した。
はじめに,参加者たちは交替でカードを読みあげた。
つづいて,Oと△それぞれ⑳カードを模造紙上に分 類。整理していった。作業終了後に,各グループ代 表者2名が発表した。1人は予想との一致やずれを 含め,子どもたちの評価をまとめた。もう1人の発 表者は,整理した結果を見て,思ったり感じたこと
を発表した。
最後は,自己決定でまとめる。ここではまず,自 分が教師になったつもりになる。そして,子どもの 指導にあたって,目標や留意したい事項を5つまで リストアップする.苔らに,そのリストを子どもに たずね鳥形に修正する.“あなたの先生は…”といっ た表現になおすのであるそれから,作成した項目 をグループで発表し,プログラムが終了する。その 後に,レポートの作成と本プログラムに対する評価 項目に回答を求めた。
結果
1.教育実習後の実習生の意識(予備的検討)
まず,プログラム開始直後の調査結果を検討しよ う(表2),この調査から、教育実習を終えた参加 者たちの意識が分か鶏.実習満足度(Q1)につい ては,7割が'`非常に満足",”かなり満足”と回答 して1,,る。教職志望度(Q2)では,教師に“ぜひ なりたい,,と回答した者が4割である,これに,
“できたらなりたい”まで含めると7割に燕急.ま た,8割が「実習前よりも教師になりたい気持ちが 強まった(Q3)」と回答している.教職適性感で は,「自分力識師に向いている」と回答した者は3 割程度である(Q4).しかし,「実習前よりも適性 感が強まった」とする者は5~6割にのぼっている (Q5)。これらの結果は,多くの実習生力識育実習 体験を肯定的に捉えていることを示している.また,
実習前よりも教職志望度や適性感を強めてい患こと も明らかである.
子どもとの人間関係に関しては,実習生の7割がh
「クラスの子どもたちと良い関係を築くことができ た(Q6)」と回答している。しかし,「クラスの子 どもたちをまとめることができたか(Q7)」では,
$!非常によくできた,,“かなりできた”の回答者は 3割にとどまってい患。「クラスの子どもたちにリー ダーシップを発揮できたか(Q8)」でも,“非常に 発揮できた”“かなり発揮できた”が3割である。
否定的な回答をした者も2割近くいる.多くの実習 生が,子どもと良い人間関係を築けたと考えながら,
指導面では十分な自信が持てていないのであ愚.な お,各項目の平均値について’2つの年度の比較を 行ったが,統計的に有意な差は認められなかった。
2.本プログラムに対する実習生の評価
プログラムに対す息評価結果を年度別に示したの が表3である5と4を肯定的評価,3を中間的評 価,2と1を否定的評価として捉え鳥ことができる.
蔓1~5およびQ12は,事後指導に対する一般的 な評価項目である.この6項目に対する肯定的評価 は、平成11年度で7~9割,12年度では8~9割に 達している.平均値の最低は$「今日の講座を通し て自分の課題が明確になったか(Q5)」の3.79 (平成11年),4.G4(平成12年)である.これを見て も.本プログラムが実習生から高い評価を得ている ことが分かる.とくに,「今日の講座は,実習体験 を整理するのに役立ったか(Q2)」では,肯定的 調査の実施
グループ編成後,「教育実習に関す愚調査」を実 施した.この調査には,教職志望度や子どもとの人 間関係などの質問項目が含まれている.また,最後 に行った評価は12の項目から構成されている.回答 は,すべて5段階尺度である.いずれも,肯定的評 価が5で。最も否定的な回答が1である。
-1。-
吉田道雄・吉山尚裕
表2教育実習を終えた実習生の意識〔グループワーク前)
人数分布(飴)
項目の主旨 年度 平睡 均j r値
54321 H11 35
(26)
38 (28)
63
(46)
57 (43】
(24)(3)(2) 3342
3531 (26)(2)(1)
⑩、86) 3.91
3.96
,.84)
1
「“』
1.全体的に教育実習にどの くらい満足しているか
円12
Hll 60
(44)
56 (42〕
39 (29)
43 (32)
2846
(20)(3)(4)
2834 (21)(2)(3)
(1.08) 4.04
(0.99) 4.07
4
「唖1
2.将来、教師になりたいと 思うか
Hl2
(42) 58
53 (40〕
Hll 49
(36)
55 (41)
1983
(14)(6)(2)
2141 (16)(3)(1)
(1.0m 4.10
4.16 (0.85)
9
「“Ⅲ
3.実習前と比べて「教師に なりたいと思う気持ち」
はどう変わったか 百I腸
35 (26)
34 (25)
66 (48)
80 (60)
(10)(7) 139
66
(5)(5)
3.23
(0.99)
3.24 (0.82〕
HIl
rk⑤#1 7LTLS 刻染ヘリ》ロ」RU 、J1j「叩Ⅱ
54.自分が教師に向いている
(適性がある)と思うか
H12
25 (18〕
13 (1m
(37) 50
71 (53)
(3D(9) 4212 (6) 8 (1-07】 3.53 HII
 ̄l q81
」 5.実習前と比べて「教師に
向いていると思う気持ちJ
はどう変わったか Hl2 3712
(28)(9) (1) l (0.81) 3.62 (28〕(2)(O) 3820
3D40 (22)(3)(⑪
(0.80〕 3.99
3.97 (0.78〕
H11 41 (30)
34 (25〕
55 (40)
66 (49)
司 り、23
」 6.クラスの子どもたちと良
い人間関係を築くことが
たか H12
102885
(7)(20)(62] (1m(1) 1s1 m.75〕 3.24
3.20 (0.70〕
Hll
5
「“〕
7.クラスの子どもたちをう まくまとあることができ
たか H1隅 53381
(4)(25)(60)
J11
t』40
11
く
(50) 69
78 (57〕
(17)(0) 230
2。2 (15)(2)
(0.85) 3.26
3.13 (0.76〕
(10〕 13
5
(4)
(23) 32
31 (23)
Hll
I
「“1
8.クラスの子どもたちにリ ーダーシップ(指導力)
を発揮できたか Hl2
注)H11年度の参加者は137名.H12年度の参加者は135名、
評価の割合が,91%(平成11年),96%(平成12年)
に達している.実習体験を整理集約するという事後 指導の目的は十分に達成言れたと考えられる.ほか の結果も,実習生の多くが,プログラムに積極的に 参加し(Q1),他のメンバーから多くを学び(Q 3),高い満足度を得ている(Q12)ことを示して
いる.
Q6-11は,プログラムの目的や内容を評価する
項目である.これら6項目に対する肯定的評価は,
平成11年度で6~9割,12年度では7~9割である。
平均値の最低も,「子どもに対す畠好意的な気持ち 燕強まったか(Q6〕」の3.8ロ(平成11年),4.01 (平成12年)と,いずれも高い。このことは,プロ グラムが実習生にインパクトを与えたことを示して いる.とくに,「子どもとの人間関係は重要だ,と いう気持ちが強まったか(Q7)」では,最も肯定
-11-
グループヮークを用いた教育実習事後指導プログラムの開発
表3本プログラムに対す患実習生の評価
人数分布(船)
平均 (Sm 2値
項目の主旨 年度
5432]
PTII 41 (3。)
47 (35)
(55) 75
78 (58〕
(14】 19
1,
(7)
(1)(1) 11
(O)(、) 00 (0.72) 4.12
4.27 (0.59】
 ̄1 1.87+
」 1.今日の雛座に、あなたは
積極的に参加したか
R12
急111 84 (61)
(54〕 73
93、
(7)(2)(0)
(4)(1)(O) 510 4.[9 (0.65)
(0.59) 4.36 41
(3m (42) 56
 ̄1 2.30*
」 2.今日の舗座は、実習体験
を壁理するのに役立った
か H1陽
1-111 40 (3D)
71
〔53〕
64 (47)
〔38) 51 32 (23〕
(1m 13
1,
(1)(0)
(⑩(O) 00 4.U4 (○.75】
(0.66】 4.43
**
o
丁嘘j
3.今日の識座で他のメンバ ー(実習生)から学ぶこ
とがあったか H12
(、、72) 3.97
4.27 (0.69〕
H11
0c■②い■
】とMl2 31 (23)
55 (41〕
73 (53)
62 (46)
31 (23)
18 (13〕
!.1
22-00
く一く0⑪』0m
一錫!・く * *刀j「蹄〕
4.今日の綱座で敏師になる 上で参考になることがあ ったか
1-111 16 (12)
P。●埠勾0
(19) 25 82 (日切 (57) 91
34 (25)
19 (14)
3.79 (0.71)
4.04
,.57)
41
(3)(1)
(O)(0〕 CO
叩*
汀f
「狸』
5.今日の議座を通して自分 の課題が明碗になったか
H1腸
FTI[ 20
(15)
(27) 37 (50) 69 (47) 63
(35) 48 (25) 35
(。)(0) 00
(、(0〕 0。
(0.63) 3.8。
,.73) 4.,
*【C
「率〕
6.鵬座を通して「子どもに 対する好意的傘気持ち」
は強まったか H12
7552 (55)(38〕
(73〕124〕 9832 9
(7)
(4) 5
DO D)(O)
OQ D)(O)
4.49 (0.62)
(0.54) 4.69 HII
**
(巴
可醸j
7.「子どもとの人間関係は 重要だ」という気持ちは
強まったか HI2
。、
(、(、
(、(、) 、、
4.m (0.72)
(0.74) 4.25 H1】 35
(26]
58 (43】
57
(49)
53 (33】
34 (25)
24 (18】
 ̄1 2p77**
」 3.「教師はやりがいのある
仕事だ」という気持ちは
強まったか H1脇
UU
(、〕(、
、、
(O)(、
4.16
(0.71)
⑩。66〕 4.29 HII 47
(35】
54 (40】
64 (47)
66
〔49)
25 (18)
15 (11〕
3
「嘘4
9。「散師のリーダーシップ は重要だ』という気持ち
は強まったか 1-112
H1] 18 (13)
(24) 32 (57) 91 (58) 7B
(19) 26
〔19) 25
(⑩(1) 01
(O)(、 00 (。.62) 3。92 (○.65】 4p5
 ̄1 1.72+
」 10.今日の騒座は、教師とし
てのリーダーシップを高
滋愚上で役立つと思うか H12
H1】 72 (53)
77 (57)
(43) 58
48 (36)
5鋤』8国
。!.I0m》0m
■.!』く4.48
(。、61)
4.48 (0.68)
1
(1)
 ̄ ̄■ ̄■
2
(2)
-1 0.05
」 [1.教師になったら“私の実
践行動”の調査を実際に
・やってみようと思うか H1腸
HII 45
(33)
(59) 79 77 (56)
(41] 55 13
,0)
1
(1)
4.20 m、7,)
〔0-5口 4.58 1
(1)
。
(。)
1,-Gm
・露!』Ⅲ * 中4「aj
12.今日の諦座にどのくらい 満足しているか
H12
注)H11年度の参加者は137名.H12年度の参加者は135名.
()声船.**滋.01‘*食<、051+p<・10
-12-
吉田道雄。吉山尚裕
的な回答「5」の選択率が55%(平成11年),73%
(平成12年)と過半数を上回っている。「教師のリー ダーシップは重要だ,という気持ちが強まったか (Q9)」でも,「5」が4割に達している。最後に 作成した自分の指導行動に関する調査を「教師になっ たら,実際に子どもたちにやってみようと思うか (Q11)」については,両年度とも,9割以上が“やっ てみたい”と回答した.
こうした結果は,本プログラムが,実習生たちに 子どもとの人間関係やリーダーシップの重要性につ いて自覚を促したことを示している.それは,教師 としての今後のあり方にも影響を与えたと思われる.
なお,平均値では,平成12年度が11年度を上回って いた.そのうち,12項目中8項目で有意差が認めら れた。
「子どもたちの意見に“もっと注意して轍しかった,,
というのがいくつか見られたことに驚いた。子ども たちに好かれたいとぽかり考えて,叱ることができ ないままだった」
これらが示すように,「子どもの評価」は,実習 生に対して,①自信や効力感を与え,②改善すべき 課題を明確にし,③指導行動について新たな“気づ
き',を与えたのである。
年度別に見患と,プログラムに対する実習生の評 価は,平成12年度の方が11年度よりも高かった。こ の背景には,前年度の結果を踏まえ,プログラムの 内容や進め方を変更したことがある。例えば,午前 中の「思い出を語る」のセッションでは,11年度の テーマは「教職観や子ども観の変化」などであった。
これは,抽象的で実習生が体験を振り返るには,必 ずしも適切ではなかった.そこで12年度は,テーマ を実習生の体験に即した「やった-と思ったこと」
などに変更した。苔らに代表的な事例を全体に発表 する時間も設定した。そのため12年度ば,各グルー プの話し合いに盛り上がりが感じられた。
この点については,終了後のレポートでも.つぎ のような意見が見られた。
「メンバーの実習体験談は共感できることが多く,
同士だなと思い嬉しかった」
「思い出のコーナーで,みんないろんな体験をして きたのだなあと思った.一番印象深かったのは,
○君の掃除の話だった。身をもって示すこと”大切 さを学んだ」
「他の人の意見や体験を聞いて,たくさんのドラマ があったんだなあと,改めて教師という人と人との 関わりがメインの職業腱魅力を感じた」
いずれも実習生として鰯共感を示すものである。
これらの記述は,事後指導において,実習生溌自分 の体験を言語化したり,メンバーと共有化すあ活動 の重要性を示唆している.
そのほか,午前中の最後に,「子どもの評価」艇 関して,実習生にOや△にどのような内容が多いか 予想した。その際,12年度はグループ霧話し合って 結論を出すことにした.この方法によって,メンバー の意見交換を促し,「子どもの評価」トニついて様々 な予想が出された。また,活動への自我関与を高め る効果もあったと思われる.このよう腱,「子ども の評価」は実習生に大きなインパクトを与えた.し かし,それが十分に活用されるには,フィードバッ ダ前のプロセスが重要な意味を持っていると考えら
れる.
考察
本研究では,2年間にわたるグループワークを用 いた「教育実習事後指導」に対する参加者の反応を 検討した.その結果,プログラムに対する実習生の 評価や満足度は高く,望ましい効果をもたらしたこ とが明らかになった(表3参照)。
こうした結果の原因として,実習生たちの要求と プログラムの内容が一致していたことが挙げられる。
多くの実習生が,“子どもと良い人間関係を築獄た',
と回答しながら,“クラスの子どもをまとめたり,
指導力を発揮する,,点では,必ずしも自信を持って いなかったからである。本プログラムでは,子ども との人間関係やリーダーシップのふり返りを行った。
こうした内容は,実習生たち鰯ニーズに応えるもの だったと思われる.とくに,「子どもの評価」(Oと
△)のフィードバックは,子どもとの関わり方や指 導行動を見直す上で,きわめて有効な情報を提供し
た.
実際,終了後のレポートでも,印象的な活動とし て,「子どもの評価」を分類。整理したことを取り 上げた記述力殿も多かった、そのいくつかを挙げて みよう。
「子どもと遊んだことや授業の資料について.良かっ たことにコメントしてあり,嬉しかった」
「カードを見ていると,もっとこうしておげぱよかっ たなあと思うことが多く,教師になってからの課題 みたいなものオ視えてきた」
「子ども⑳正直な思いを知ることができ,嬉しくも あり,くやしくもあり,とても充実したものになっ た」
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グループワークを用いた教育実習事後指導プログラムの開発
・0β■じい0町ユー●
本稿では,2年間にわたる「実習事後指導」の概 要と結果を報告した.プログラムには構成や指導方 法の点で工夫。改善の余地が残きれている〃しかし,
受講者”反応は良好であり,教育実習事後指導プロ グラムとしては,一定の評価ができるだろう.
最近の大学教育電は,教育や福祉,看護系鎌学科 を中心に魔グループ体験”を用いた授業実践が行わ れるようになってきた(ago,伊藤ら,1994;山本,
1992;吉山,1995)。本報告は,そうした体験的方式 が。「教育実習」の事後指導にも十分に適用できる
引用文献
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南山鍾劉大学人間関係研究センター紀要'12137国158.
山本銀次1992エクササイズ開発と人間関係⑪教育國分康 拳(編)撫成的グループ●エンカウンター誠信書房Pp、
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吉田道雄1992教育実習におけ患グループ,ワーク導入の試 み熊本大学教育実践研究9,127~136.
吉田道雄.吉山尚裕1997グループ゛ワークを用いた教育実 習事前指導の効果熊本大学教育学部紀要(人文科学)46,
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吉山尚袷1995グループ体験学習によ患授業実践一学習活動 の興味。関心度について一大分県立芸術文化短期大学研究 ことを示してい息
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