• 検索結果がありません。

研究分担者

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "研究分担者"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

62

McCune-Albright症候群(MAS)の診療 ガイドラインの作成に関する研究

研究分担者

石井智弘 慶應義塾大学医学部小児科学教室准教授

研究要旨 McCune-Albright 症候群(以下 MAS)は皮膚カフェオレ斑、線維性骨異 形成症、ゴナドトロピン非依存性思春期早発症の三徴で定義される。三徴以外に も他の内分泌器官の機能亢進徴候、非アルコール性肝炎や不整脈などの非内分泌 徴候を合併しうる。希少疾患のため未だ整備されていないMASの診療ガイドライ ン作成を目指し、クリニカルクエスチョン(以下 CQ)を設定した。

A.研究目的

McCune-Albright 症候群(以下 MAS)は皮膚カフェオレ斑、線維性骨異形成症、ゴナドトロピン非依 存性思春期早発症の三徴で規定される症候群で、Gs 蛋白質をコードする

GNAS

遺伝子に体細胞モザイク 性機能亢進変異に起因する。三徴以外にも成長ホルモン分泌過剰、Cushing 症候群、甲状腺機能亢進症 などの他の内分泌器官の機能亢進徴候、さらには非アルコール性肝炎、消化管ポリープ、頻脈性不整 脈、血小板機能低下などの非内分泌徴候を合併しうる。希少疾患のため、国内外でも信頼性の高い診 療ガイドラインは作成されていない。このため、各施設で各主治医が個々に診療方針を決定して診療 の均霑化が実現されていない。

B.研究方法

MAS の診療ガイドライン作成を目指し、クリニカルクエスチョン(以下 CQ)を設定した。

C.研究結果

CQ は以下の9項目別に設定した。

1. 診断について

 各臨床徴候の性別年齢別の有病率は?

 末梢血検体で変異アレル特異的増幅法を用いた

GNAS

解析の感度と特異度は?

 皮膚、骨、性腺、ホルモン過剰産生を認める内分泌組織を用いた

GNAS

解析の感度と特異度 は?

GNAS

遺伝子型と表現型との関連は?

GNAS

変異モザイク率と表現型との関連は?

2.皮膚カフェオレ斑

 多発性の皮膚カフェオレ斑のみの症例における

GNAS

変異陽性の割合は?

 罹患頻度の高い部位は?

 罹患面積と他の臨床徴候の重症度とは相関するか?

 レーザー治療の有効性と安全性は?

(2)

63 3.線維性骨異形成症

 単骨性線維性骨異形成症のみの症例における

GNAS

変異陽性の割合は?

 罹患頻度の高い部位ないし骨は?

 罹患骨数と他の臨床徴候の重症度とは相関するか?

 骨折の頻度と年齢との関連は?

 骨吸収抑制薬の有効性と安全性は?

 尿中へのリン喪失による低リン血症を合併する割合と治療法は?

4.ゴナドトロピン非依存性思春期早発症

 自律性卵巣嚢腫のみの症例における

GNAS

変異陽性の割合は?

 初発の思春期徴候とその割合は?

 ゴナドトロピン依存性思春期早発症へ移行する割合は?

 成人身長はどの程度低くなるか?

 生殖能力は?

 閉経年齢は?

 女児へのアロマターゼ阻害薬ないし女性ホルモン受容体拮抗薬の有効性と安全性は?

 男児への男性ホルモン受容体拮抗薬とアロマターゼ阻害薬の有効性と安全性は?

5.成長ホルモン分泌過剰

 先端巨大症のみの症例における

GNAS

変異陽性の割合は?

 視神経症状を合併する割合は?

 下垂体腺腫へ移行する割合は?

 ソマトスタチン受容体作動薬の有効性と安全性は?

6.Cushing 症候群

 Cushing 症候群のみの症例における

GNAS

変異陽性の割合は?

 自然軽快する症例の特徴は?

 メチラポンやケトコナゾールの有効性と安全性は?

 副腎摘出術の適応は?

7.甲状腺機能亢進症

 TSH 受容体抗体陰性の甲状腺機能亢進症のみの症例における

GNAS

変異陽性の割合は?

 甲状腺がんへ移行する割合は?

 甲状腺ホルモン合成阻害薬の有効性と安全性は?

 甲状腺摘出術の適応、術式、有効性、安全性は?

 放射性ヨウ素治療の適応、投与量、有効性、安全性は?

8.その他の臨床徴候

 非アルコール性肝炎の重症度、予後、治療法は?

 消化管ポリープの重症度、予後、治療法は?

 胃食道逆流の重症度、予後、治療法は?s

(3)

64

 胆石の重症度、予後、治療法は?

 膵炎の重症度、予後、治療法は?

 心不全の重症度、予後、治療法は?

 頻脈性不整脈の重症度、予後、治療法は?

 高血圧の重症度、予後、治療法は?

 血小板機能低下の重症度、予後、治療法は?

 知能発達の遅れは

GNAS

機能変異による臨床徴候の 1 つか?

 副甲状腺機能亢進症は

GNAS

機能変異による臨床徴候の 1 つか?

9.移行期医療

 成人診療科のどの分野にいつ頃移行すべきか?

 移行前に必要な準備は?

D.考察

今回MASの診療に重要と思われる49のCQを抽出した。今後は関連する論文を収集し、システマティッ クレビューを行い、推奨レベルを決定していく。CQによってはエビデンスレベルの高い論文が必ずしも 多くないと推測される。このようなCQに対しては、エキスパートオピニオンの形で対応する予定である。

E.結論

MASの診療ガイドライン作成を目指し、クリニカルクエスチョン(以下 CQ)を設定した。

F.研究発表 1.論文発表 なし

2.学会発表 なし

G.知的財産権の出願・登録状況 1. 特許取得

なし

2. 実用新案登録 なし

3. その他 なし

(4)

65

参照

関連したドキュメント

詳細情報: 発がん物質, 「第 1 群」はヒトに対して発がん性があ ると判断できる物質である.この群に分類される物質は,疫学研 究からの十分な証拠がある.. TWA

 12.自覚症状は受診者の訴えとして非常に大切であ

目的 今日,青年期における疲労の訴えが問題視されている。特に慢性疲労は,慢性疲労症候群

 高齢者の性腺機能低下は,その症状が特異的で

[Publications] Taniguchi, K., Yonemura, Y., Nojima, N., Hirono, Y., Fushida, S., Fujimura, T., Miwa, K., Endo, Y., Yamamoto, H., Watanabe, H.: "The relation between the

「橋中心髄鞘崩壊症」は、学術的に汎用されている用語である「浸透圧性脱髄症候群」に変更し、11.1.4 を参照先 に追記しました。また、 8.22 及び 9.1.3 も同様に変更しました。その他、

向老期に分けられる。成人看護学では第二次性徴の出現がみられる思春期を含めず 18 歳前後から

⑫ 亜急性硬化性全脳炎、⑬ ライソゾーム病、⑭ 副腎白質ジストロフィー、⑮ 脊髄 性筋萎縮症、⑯ 球脊髄性筋萎縮症、⑰