• 検索結果がありません。

氏名 大西オオニシ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "氏名 大西オオニシ"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

氏 名 大西

オ オ ニ シ

由之

ユ キ ノ

ス ケ

所 属 理工学研究科 生命科学専攻 学 位 の 種 類 博士(理学)

学 位 記 番 号 理工博 第 263 号 学位授与の日付 平成 30 年 3 月 25 日 課程・論文の別 学位規則第 4 条第 1 項該当

学 位 論 文 題 名 A Study in Regulation Mechanisms for Karyogamy Using Rice In Vitro Fertilization System

イネ in vitro 受精系を用いた核合一制御機構の研究(英文)

論 文 審 査 委 員 主査 教 授 岡本 龍史 委員 教 授 門田 明雄 委員 准教授 高鳥 直士

【論文の内容の要旨】

有性生物では、雌雄配偶子の融合を介した両親ゲノムの継承によって全能性を有する受 精卵が生じ、その発生が開始される。この受精・発生という現象は生命の根幹を成す機能 であり、古くからその機構の解明に向けた試みが動・植物を通じて盛んに行われてきた。

その理解が深まる中、被子植物の受精は生殖組織の奥深くで起こることから、その詳細な 観察・解析が困難であり、そのため、雌雄配偶子の細胞膜融合直後に起こる雌雄配偶子核 の合一や、それに引き続く初期受精卵発生に懸かる知見の蓄積はごく僅かであった。

私はこの理解を深めるために、イネの花から単離した卵細胞・精細胞を電気的に融合す ることで作出したイネ in vitro 受精卵を研究に用い、まず、その受精卵内における核合一過 程のリアルタイム観察を行った。その結果、細胞膜融合直後の受精卵内では、精核が卵核 へと移動して両核が接した後、卵核クロマチンの精核内への流入が起こり、その後、融合 核内への精核クロマチンの脱凝集が開始され、そして細胞融合から 4 時間後には、その精 核クロマチンが融合核内へと均一に広がることで、核の合一が完了することが示された。

加え、この核合一動態を基準に新規遺伝子発現の開始時期を特定したことで、これまで未 知であった被子植物における詳細な核合一動態と新規遺伝子発現との時間的関連性を明ら かにした。

しかし、この核合一を制御している分子機構の多くは未解明であり、その一つに、精核

の移動機構が挙げられる。多くの動物受精卵内における配偶子核の移動は、精子由来の中

心小体から成る中心体とそれから形成される微小管に依存することが知られているが、中

心小体を遺伝的に持たない被子植物がどのように核の移動を制御するのかは定かでなかっ

た。そこで、 2 種類の細胞骨格系阻害剤を処理した受精卵内における精核移動の可否を確認

(2)

したところ、その核の移動が微小管の存在に非依存的であり、アクチン繊維依存的に制御 される可能性が示された。この示唆された被子植物のアクチン繊維依存的な核輸送機構の 詳細を明らかにするため、卵細胞および受精卵内におけるアクチン繊維の時空間的な動き を取得し、その動態解析を行った。その結果、それら細胞内では、メッシュ状に分布した アクチン繊維、アクチンメッシュが卵核に向かい断続的に移動・集約しており、このアク チン繊維動態が精核の移動に重要な役割を担っていることを見出した。このようなアクチ ン繊維の動態は、植物雌性配偶子に特有の細胞機構であると推定され、受精において雌雄 配偶子が司る役割に動植物間および雌雄間で明確な違いが存在することが示された。

結果として、これら私の in vitro 受精卵の観察は、核合一が細胞外環境に依存しない卵細 胞と精細胞の融合を起因とした自己完結型の反応であり、それぞれの雌雄配偶子が持つ細 胞特性が核合一過程において重要な役割を果たす可能性を示した。そこで次に、この雌雄 配偶子が有する核合一への細胞特性を明らかにするため、 in vitro 受精系の利点である任意 の細胞を選択的に融合可能な点を利用し、メスの要素のみ持つ卵融合卵( 2 つの卵細胞を融 合させた細胞)や、その細胞に精細胞を融合した雌性過多受精卵( 2 つの卵細胞と 1 つの精 細胞) 、卵融合卵にプロトプラストを融合したプロトプラスト卵融合卵( 2 つの卵細胞と 1 つの体細胞)を作出し、雌雄配偶子の存在の有無が核合一の進行に対しどのような影響を 与えるのか調べた。その結果、作出したそれら 3 種類全ての融合細胞において、細胞内に 存在する全ての核が合一することが確認された。精細胞を含まない卵融合卵、プロトプラ スト卵融合卵においても核合一が起きたことは、核合一が精細胞の存在に依存しない卵細 胞の独立した機構であることを示唆する。また同時に、核融合反応が精細胞との融合に起 因する細胞内 Ca

2+

イオンレベルの上昇によって促進されることが、各融合細胞内における 2 つの卵核の融合速度の解析から明らかになった。これら結果は、受精卵内の核合一の進行 に対する細胞特性として、卵細胞が核の輸送と融合、精細胞が核融合の促進に寄与する核 合一制御機構を持つことを示している。

マウス等の哺乳類における、両親由来の受精卵遺伝子の新規発現は、第一分裂後に徐々

に開始されることが知られているが、被子植物のそれは核合一による両親ゲノムの混合に

伴い急速に開始される。見出された被子植物の核合一制御機構は、配偶子膜融合後の円滑

な核合一の進行をもたらし、結果として、その受精卵ゲノム由来の迅速な新規遺伝子発現

を介した、速やかな発生プログラムの開始に寄与するものと考えられる。本研究は、被子

植物受精卵の核合一過程における詳細な核ダイナミクスとその制御機構の一端を明らかに

し、植物生理学および発生生物学に対し新たな知見を提供するものである。

参照

関連したドキュメント

の多くの場合に腺腫を認め組織学的にはエオヂ ン嗜好性細胞よりなることが多い.叉性機能減

存在が軽視されてきたことについては、さまざまな理由が考えられる。何よりも『君主論』に彼の名は全く登場しない。もう一つ

添付)。これらの成果より、ケモカインを介した炎症・免疫細胞の制御は腎線維

 1)血管周囲外套状細胞集籏:類円形核の単球を

第 5

既存の精神障害者通所施設の適応は、摂食障害者の繊細な感受性と病理の複雑さから通 所を継続することが難しくなることが多く、

ダブルディグリー留学とは、関西学院大学国際学部(SIS)に在籍しながら、海外の大学に留学し、それぞれの大学で修得し

環境管理棟の測定結果でも、全ベータとス トロンチウムの結果が大きく逆転している ことを確認。全ベータの数え落としの調査