第2報)
著者 綿引 伴子, 杉村 桃子, 河本 那未
雑誌名 金沢大学教育学部紀要.教育科学編
巻 55
ページ 93‑104
発行年 2007‑02‑28
URL http://hdl.handle.net/2297/6276
「 食の安全 」 に焦点をあてた消費者学習の授業開発( 第 2 報)
‑授業案の構造 ‑
綿引伴子 ・杉村桃子*・河本那未**
De v e l o pme nto fCons ume rS t udyFo c us i ngon' ' Sa f e t yo fFoo d' '( 2 ) . 'S t r uc t ur eo fPl a nne dLe s s onsa tEl e me nt a r ySc hool , Juni orHi ghSc ho o land
Se ni o rHi ghSc ho o l
To mo k oWATAHI KI , Mo mo k oS UGI MURAa n dNa mi KAWAMOTO
1
.日的及び方法
本研究の 目的は、第
1報
l)と同 じである。消 費者や食生活をめぐる今 日の状況や、これまで の家庭科の反省などから、 自分の生命 を安全に かつ健康に維持するためには、一人ひ とりが食
‑の関心を高め、情報や背後にある問題 を批判 的に分析 し、共同 して企業や行政にはた らきか け、自分たちの生活環境を醸成 していく意識 と 行動力が必要であると述べた。
第
1報においては、小学校、中学校、高等学 校家庭科の学習指導要領や教科書の記述内容、
授業実践内容を 「 食の安全
」と 「 社会的意思決 定能力
」の視点か ら分析 し、家庭科の消費者学 習分野 と食生活分野における課題を明 らかに し た。社会的意思決定能力 とは、社会に参加 し他
と共同 ・連帯 して社会に働 きかけ、自分たちの 生活環境 を醸成 していく意識 と行動 とした。
前学習指導要領及び教科書 と現行学習指導 要領及び教科書における記述を比較 した結果、
小学校ではほとん ど変化がな く、中学校では消 費者の権利や消費者相談機関についての記述が 増加 し、高校では食の安全や社会的意思決定に 関する記述が増加 していた。
授業実践では、食品添加物を題材 としている ものが多かったが、近年では遺伝子組換え食品 や有機農産物、ポス ト‑‑ベス ト農薬などを取 り上げた実践がみ られるようになった。しか し、
社会的意思決定能力に関連のある内容を含む実 践はわずかであった。
これまでの教科書や授業実践においては、食 の安全 を社会的意思決定能力の育成 と関連づけ て取 り上げた内容は少なく、今後教材化 と実践 の蓄積 ・検討が必要 とされ る分野であることが わかった。
学習指導要領では、社会的意思決定能力の育 成を高校においてのみ位置付けているが、社会 的意思決定能力は、発達段階に応 じて学習 し積 み上げてい くことによって育成 され る。民主的 な社会を形成す る市民に必要な資質であ り、社 会的意思決定能力の育成はシティズン ・シップ 教育の一環である。
本報では、上述 した考え方に基づき、「 食の安 全
」を題材に して 「 社会的意思決定能力
」を育 むことをめざした小学校、中学校、高等学校の 授業案 を作成す る。作成上の視点、授業全体の 目標( 上位 目標) 、各学校別の題材 と中位 目標、
授業の展開 ( 小題材、下位 目標、授業の流れ)、
教材 ・教具を提案する。また、作成 した案につ いて、小 ・中 ・高校教員による評価をもらう。
2.結果及び考察 2.1
作成上の視点
科学技術の進展によ り、私たちの生活は、生 産 と消費が切 り離 され 、商品化 され た ものや 平成
17年
9月
30日受理
* 愛媛大学教育学部 **石川県内灘町立鶴 ヶ丘小学校
サー ビスを購入する生活‑ と大きく変化 した。
食物を購入せずには生きられない消費者にとっ て、「 安全で安定 した食料が提供 されること
」は 必須であ り、そのことに関する学習は欠かせな い
2)。消費者の基本的要求は、生命を「 健康」に
「 安全
」に「 安定」して維持できることであ り、そ の基本は「 食
」である
3)0
商品化 されたものやサー ビスの多 くは、生産 者や企業によって経済性を原則 として提供 され るが、消費者の基本的欲求 との間に矛盾が生 じ る場合 もある。生活者の視点に立った選択や購 入、判断が必要 となる。「 生活者」とは、経済効 率や利便性を優先 とした視点で生活するのでな く、自分やまわ りの人の生命を、安全に健康に 営むことを優先的に考慮 し生活す る市民 ととら える
4)0
日本は、戦後、経済最優先、効率重視の生活 を追及 してきた。他の工業製品と同様に多 くの 食品も、安全性 よりもこれ らを優先 し生産 され てきた。その責任は、企業 ・政府はもとより経 済的投票権
5)を有する消費者にもある。モノや サー ビスを選択 ・購入するとい う行為には、そ れ らを提供する生産者や販売者を支持する意味 が含まれるからである。
近年、安全を重視 し農薬や食品添加物などを 控える傾向が出てきたが、一方では、外国産野 菜からの高度な残留農薬の検出、未許可添加物 や農薬の使用、偽装表示、 BSE 問題、遺伝子 組換え作物の混入など、食や企業のグローバル 化 ・規制緩和を背景にした新たな問題が生 じて きた。生命の健康 ・安全 ・安定を維持するため に、 消費者が個人でできることには限界がある。
たとえば、
1996年から輸入が認可された遺伝子 組換え食品については賛否両論あるが、当初表 示義務が設けられなかった。 しか し、消費者団 体の運動により農水省は
2001年
4月より一部の 食品ではあるが表示することに した。他国でも 同様の動きがあ り、消費者の連帯が政府や企業 を動かすまでに至った。価値の高い生活環境を 醸成 していくためには、企業の倫理や、貿易 ・
流通の しくみや制度などを批判的に問い、課題 の解決に向けて共同 して取 り組み発信すること、
すなわち、上述 した社会的意思決定能力を有す る市民であることがこれまで以上に求められる。
なお、本論では 『消費者』を上述 した生活者 の視点に立ち消費行動する者 とし、一般的に使 われる消費者 と区別 して用いる。
2.2
授業の 目標
2.2.1
学校別の上位 目標
授業全体の 目標( 上位 目標) を、「 生活者の視点 で食生活の背後にある問題を探 り、安全な食生 活のために何をするべきかを個人 レベル と社会 レベルの視点から考えていく力を養 う
。」 「 『消費 者』 として積極的に食品を扱 う企業や行政にか かわっていく姿勢を養 う
。」とし、各学校段階に 応 じた上位 目標 を以下のように設定 した。
(I)
「 生活者の視点で食生活の背後にある問題を 探 り、安全な食生活のために何をするべきかを 個人 レベル と社会 レベルの視点か ら考えていく 力を養 う
。」小学校 :生活者 として自分の食生活の背後にあ る問題を探る。安全な食生活のための課題を個 人 レベル、社会 レベルの2 つの視点で考えてい く力を養 う。
中学校 :消費者、生産者 ・販売者、行政の
3つ の立場か ら自分の食生活の問題を探 り、安全な 食生活のための課題 を個人 レベル、生産者や販 売者 レベル、国 レベルで考えていく力を養 う。
高等学校 :日本の食生活 ・食文化 と最近の 日本 の食卓事情などから問題を探 り、安全な食生活 のための課題を個人 レベル、企業 ・由 レベル、
世界 レベルで考えていく力を養 う。
いずれの学校段階 も、生活者の視点で食生活 の背後にある問題 を探ることは共通である。小 学校では個人 レベル と社会 レベルの
2つの面か ら課題 をとらえ、中学校では社会 レベルを生産 者 ・販売者 レベル、国 レベルに分けて考え、高 校ではさらに広げて世界の視点を加 えた。
(2)
「 『消費者』 として積極的に食品を扱 う企業
や行政にかかわっていく姿勢を養 う
。」小学校 :生産者や企業が食の安全に対 しどのよ うに考えているのか、疑問や 自分の意見を伝え る姿勢を養 う。
中学校 :生産者や企業、国が どのように食の安 全を考えているのか、その動向を調べた り、ま た、それ らに対 し疑問や 自分の考えを伝 える姿 勢を養 う。
高等学校 :生産者や企業、国、他国の食の安全
‑の考え方や動向を調べ批判的に分析 し、経済 的投票権を有する社会に働 きかける消費者の責 任 ・役割を理解 した上で、それを行使 ・行動で きる 『消費者』 としての資質を養 う。
小学校では生産者や企業に疑問や 自分の意見 を伝える姿勢を養 うこととし、中学校では生産 者や企業、. 国に対 し、調べた り疑問や 自分の考 えなどを伝える姿勢を養 うこととし、高等学校 では、 さらに他国の動向も調べ分析 し、経済的 投票権の行使や市民運動な ど社会に働 きかける
ことができる 『消費者』をめざす。
2.2.2
学校別の題材 と中位 目標
(I)小学校
題材は 「 食品添加物
」とし、中位 目標は以下 の通 りである。
・食の安全性にかかわる自分たちの食生活の特 徴 と問題点を理解す る。
・食品添加物について理解 し、問題点を考える
。・健康で安全な食生活を営むための課題 と対策 を個人 レベル ・社会 レベルか ら考える。
・ 『消費者』として、生産者や企業が食の安全に 対 しどのように考えているのか、積極的に質 問を した り、自分の意見や疑問を伝 える。
・消費者相談な どの機関の存在を知 り活用でき る。
(2)
中学校
題材は 「 食肉 ・狂牛病
」とし、中位 目標は以 下の通 りである。
・狂牛病について情報を収集 し理解す る。
・イギ リス ・フランス ・アメ リカなど他国での 対策 と日本の対策の相違点を理解す る。
・牛肉の 日常化の過程を知 り、その背後にある 問題点を、 自分の食生活の範囲 と生産者 ・販 売者、 行政の
3つの視点から問題をとらえる
。・生産者や企業、国が どのように食の安全を考 えているのか、その動向を調べ課題 を探 る
。・情報を収集 し背後にある状況を含めて分析 ・ 判断 し、社会に対 し積極的に行動できる。
(3)
高等学校
題材は 「 遺伝子組換え食品
」とし、中位 目標 は以下の通 りである。
・近年の 日本の食生活 ・食文化か ら食をめぐる 問題 を認識す る 。
・遺伝子組換え食品の表示 と背景について理解 する 。
・世界の国々と日本での遺伝子組換え食品‑の 対応 について理解す る。
・遺伝子組換 え食品が環境や 日本の市場、消費 者の食生活に及ぼす影響について考える。
・経済的投票権を持つ 自覚的消費者 とはどのよ うなことか考える。
・情報 を収集 し行政や企業の動向や背後の問題 を批判的に分析 し、社会に対 し積極的に行動 できる。
2.3
授業展開
小学校 と中学校、高等学校の授業案を以下の ように考えた。なお、本案は、小学
6年、中学 2 年、高校 2年の家庭科 を想定 して作成 した。
2.3.1
小学校
(1)授業の展開 と解説
食品添加物を題材に して、表
1のように授業 案を作成 した。全体を 「 ( ∋手作 りソーセージ作 り」、「 ② ソーセージの原材料について考察」、「 ③ インタビュー」、「 ④消費者の対策」の
4つの小 題材で構成 した。それぞれの小題材 ごとに授業 の内容を述べ る。
①手作 りソーセージ作 り ( 2 時間)
本題材のね らいは、「 五感 をはた らかせて実習
し、ソーセージを無添加で手作 りできることを
理解す る
」である。
表
1.小学校の授業展開
小題榊 時数) ね らい ( 下位 目標) 学習内容 児童の思考の流れ 教材
①
・五感をはたらかせて実習 し, ・ソーセージを手作 りする. ・自分でもソーセージをつくることがで .教具
き ・手作 りソ 手作 りソーセ ソーセージを無添加で手作 り ・原材料について考える
. るんだ. セ ー ジ の
( ジ作 り 2 ) できることを理解する. ・実習後,感想を書 く. ・楽 しく作ることができた.
シ ピ とそ 材料 ン ト ・感転用プ リ
② ・晶質表示について理解する.
・3つの品質表司 手作 り,添加物 の ・同
じソーセージなのに,入っているも ・ 品質表司 ソーセー ジの ・食品添加物に関心をもつ. いもの,少ないもの) を見比べて,
がたくさんあるものと,少ないものがある作 り,原本 '
材料 について ・ 食品添加 物 について多角的にづ
いたことや疑問に思 うこと,それに よ.なぜかな. の多いもの,
( 察 3 ) 考える
. 対す る予想を書 く. ・グノ レ‑プで話 し合い,発表する. ・ ・保存料 とか発色剤つてなんだろ う. 入っているもので味に達し吻ミ あるのかな.の 比 較 プ リ 少 ない もの
・ 疑問に思 うことを教師がいくつかに ・お肉屋 さんやお店の人はど
う思っている ン ト まとめ,グ′ レ‑プで疑問に対す る 一
のだろ う. ・ソーセ‑〜'
をたてる. ・次回,ゲス トティーチヤーを招い ・食品添加物つて必要なのかな.どんなE の袋 質問 した り,
話を聞かせてもらうこと を伝え,質問 したい疑問をグ′ レ‑プこ
とに考え分担する. た らきをす るのかな.
③
・ゲス トティーチヤーに質問 ・ ②での疑問をゲス トティーチヤーに ・食品添加物 は食品が腐 らないよ
うにする ・食品添わ インタビュー
(1)
る項 目を考え,インタビュー 質問する.
働 きがあるんだね. に つ い て る. ・教師がポイン トを整理 し,必要で ・インスタン
トラーメンやハム,ソーセ プ リン ト
・食品添加物につ
いて理解 れぱ補足す る. ジには,たくさんの食品添加物が使われ ・感転用プ リ
S. ・インタビ
ュー してわかったことや いるよ. ン ト
・ 手 1 腰 性をより重晩してきた自予想と比べてみて思ったこと,感 阻 ・晶質表示に使
われている食品添加物が 分たちの食生活の裸題 に気 く. 使わなくてはいけないのかを考える.のもあるよ. 書 く. ・なぜ食品添加物 を使 うのか,本当に ・食品添加物には発が棚 れ かれているんだね. ・晶質表示に一 割吏われた食品添加物 が書カ ; あるも
ているんだね.
・食品添加物 には発がん性の危険性のある ものがあるよ. ・作っている人の考え方がわかったよ. ・
今まで食品添加物の入った加工食品にた よってきたんだなあ.
㊨
・食の安全のために,自分たち ・自分たちのできることを考える.
・食品添 加 物 をなるべ く摂 らないように ・相 消費者の対策
(1)
のできることを個人 レAJ L
, ,辛 ・自己防衛のみでなく,社会参加 るためにはどうした らいいのだろ う. 無 添 加 ソ 会 レベルか ら考える. 点か らも対策を考える. ・晶質表示を見てなるべ く
食品添加物 の少 セ ー ジ をイ
・ 食品表示のマークについて ・ 無添加ソーセージを作る人々の ないものを選ぼ う. ( 個) る人 な ど
解する. を知る. ・食品添 加
物 にたよりすぎないように, 紹 介 プ リ'
・消費者相談機関の存鮭や舌用 作 りできるものは自分で作ろ う. ( 価) ト 法を理解する. を収集す るための方法を考 ー る. ・自分の意見を伝えた り, ( 添加物の多い食品はなかなか減 らない じゃないかな. ・ 価) ・ジャスマークのついている食品を買 う. ・自分で避けていても,ス‑ノもーか ら食品 ・スーパーの意見箱を利用する. 食品の袋の裏にあ
(社) (it)る電話番号に電話 して,
質問 した り自分たちの意見
導入に実習を取 り入れ、 五感で実習を楽 しみ、
実習後の学習に児童が興味 ・関心をもって取 り 組めるようにした。 ソーセージを題材に した理 由は、食品添加物が多く含まれていること、材 料や製造法がわか りにくいこと、子 どもに人気 のある食品であることである。子 どもたちは、
ソーセージは店で買 うものであると認識 してい ると思われるので、この実習を通 して、食品添 加物を使用 しないで ソーセージを手作 りできる
ことに気づかせたい。
授業は、 事前に何を作るかを児童に知 らせず、
材料及び道具を見せ、これか ら何を作るのかを 予想 させ るところか らスター トする。 ソーセー ジ作 りに必要な原材料や道具を知 らない児童が 多いと思われるので、児童に 「どのようにこの 材料が ソーセージになるのだろ う
」と疑問を投 げかけ、興味をひきたい。その後、グループで ソーセー ジ作 りを し、実習 中の感想 と手作 り ソーセージの味についてプ リン トに書 く。次の 時間に市販のソーセージの袋をもって くるよう に伝える。
② ソーセージの原材料について考察(
3時間) 本題材のね らいは、「 品質表示について理解す る
」「 食品添加物に関心をも
つ」「 食品添加物に ついて多角的に考える
」である。
3つの品質表示の比較には、(
丑での実習材料 表 と市販の ソーセー ジの晶質表示( 食品添加物 の多いもの と少ないもの) を使用する。①の材料 表を使 うことで、市販のソーセージには、ソー セージを作るのに必要な食材以外のものが入っ ていること、食品添加物の存在に気づかせ る。
①で児童 にもって くるよ うに言った市販の ソーセージの袋を見て、 晶質表示について知る。
プ リン トを用いなが ら品質表示 とは何かを説明 す る。その後、比較用のプ リン ト( ①での実習材 料表 と市販 ソーセージの品質表示の
2種類) を 配布 し、個人で比較する。気づ くことや疑問に 思 うこと、その予想 をプ リン トに書いたのち、
グループで話 し合いを し、発表する。発表後、
疑問に思 うことを教師がい くつかにグルー ピン
グする。予想 され る疑問を以下に示す。グルー プごとに調べたい疑問( 課題) を決める。
・食品添加物ってなんだろ う
・どんなはた らきをす るのだろ う
・食品添加物を使 うのは どうしてだろ う
・食品添加物 を使 うとどんなよいこと ・よく ないことがあるのだろ う
・ソーセージに食品添加物が使われ るまたは 使われないのはどうしてだろ う
③インタビュー
(1時間)
本題材のね らいは、「 ゲス トティーチヤーに質 問する項 目を考え、インタビューする
」「 食品添 加物について理解する 」 「 利便性 をより重視 して きた自分たちの食生活の問題に気づ く」である。
グループ ごとに用意 してきた質問をゲス ト ティーチヤーに質問す る。補足やポイン トの整 理が必要になることが予想 されるので、教師が サポー トできるよ うに してお く。押 さえたい内 容 は以 下 に示 す こ とで あ る。 事 前 にゲス ト ティーチヤーには質問を伝 えておき、それに対 する応答内容 を考え、打ち合わせを してお く
。・食品添加物 とは どんな ものか( 製造過程、加 工 ・保存のために食品に添加 ・混和 ・湿潤そ の他の方法によって使用するもの)
・食品添加物の使用 目的( 加工 ・保存などの食品 衛生の目的/低 コス ト、大量生産、広域流通 な どの企業の 目的/見た 目のよさ、 うま味を 与えるな どの噂好性 目的)
・食品添加物の人体に与える影響( 発がん性、催 奇形性、ア レルギーな ど)
・特に注意 したい食品添加物
・生産者側の考えや思い
ゲス トテ ィーチ ャー‑のインタ どよ一終了 後、話 を聞いた感想や、自分の予想 と比較 して 思った ことな どを書 く。
食品添加物の含まれている食品を多 くとって いることに気づき、今後の自分の食生活で どの
ようなことができるかを考える。
④消費者の対策
(1時間)
本題材のね らいは、「 食の安全のために自分た
ちのできることを個人 レベル 、 社会 レベ ル から
考えることができる」「 食品表示のマーク に つい
て理解する」「 消費者相談機関の存在や活 用 法を
理解する
」「 自分の意 見 を伝えた り、情報 を 収集
するための方法を考えることができる」 で あ る。
③のゲス トティーチヤー‑のインタビ ュ ーか
ら、食品添加物の利用 と背景について理 解 して
いると思われるので、③をふまえた上で 、 これ
からの食生活について考えさせる 。「 安全 性 より
も利便性をとる」とい う意見や、「 もっと 自 分の
身体のことを考えて食べなくてはいけ な い 」 と
い う意見などが考えられる。教師が 「 安 全 なほ
うがよいとい うなら、自分の身体を守る た めに
はどうしたらいいかな
?」と児童に問い か けを
する。 ここでは、一人ひとりで対策を考 え 、発
表する。その際、教師は意図的に児童の意見を
「 個人 レベル」「 社会 レベル」に分けて板書 す る。
意見を整理 してまとめていく時、児童の 意 見を
とり上げながら、用意 してきた資料で対 策 につ
いて詳 しく理解する( 例 :調べ方、企業や 生 産者
‑意見を伝える方法、消費者相談センタ ー など
の機関、無添加で食品を生産 している生 産 者の
存在な ど) 。個人 レベルの対策 しかでなか っ た場
合には、自己防衛の限界に気づかせ、社 会 レベ
ルで対策を考えられるようにはたらきか け る 。
表 2 .中学校の授業展開
それでも児童が思いつかない場合には、教師が 社会 レベルの対策を紹介する
。(2)
教材 ・教具
・増尾清 「 新食品添加物 とつきあ う法 なく す 日までの自己防衛」健康双書
p.43、
47、
55、1
70・西島基弘 「 食品添加物は敵 ?見方
?」丸善p
.103・中嶋正代 「 安全食品の本
」主婦の友社
p.74、
75・「 暮 らしの情報誌」2002 、
9月
9日 コープいしかわ組合員活動部
・「 簡単 レシピ ソーセー ジ」h
ttp:〟www.fureai bokujyo.J'pnlelpn(antan7.htm・ 「消 費 者 の 部 屋
」hq):〝www.maff.go.jp/ soshiki/syokuhin仙ey〟heya.htm12.3.2 中学校 (I)
授業の展開
食肉 ・狂牛病を題材に して、表
2のように授 業案を作成 した。全体を 「 ( D新聞記事か ら考え る」、「 ②新聞作 りとインタビュー調査」、「 ③発 表会」、「 ④消費者の対策
」の
4つの小題材で構 成 した。それぞれの小題材 ごとに授業の内容を 述べる。
小
題榊時数) ねらレ Y 下位目標) 学 習 内 容
生徒の思考
の流れ
教材(D
・ 調べたい課題に興味. 関 一 己 ・ 好きな 食 べ 物や よ く
食べるも
・いつも外出したときはハ
ンバーガ
ーを
よ .教具く
・
自分の食 新聞記事から をもつて取り組 む. など, 自 分 の 食生 活 をふ
りかえり
,ベる
よ . 活
についてえる
( 1 ) その特徴 ・ 狂牛病 に . つ 儒 いて 向 を の つ
新聞記事か
む .か
ら ・狂牛病の牛・魚よ
り肉が好 が
きだな.日 くプ リン ト本で発
見
され た か
らじ
ゃなし
・新聞記事気づ
くこ と , 知 って い
ること,
かな.
プリン ト間に思う こ と発 表 す
る .
・でも
狂牛病つ
てなんだ
ろう.
・疑問に思う
・ 疑問に 思 う こと を 教
師が分
類
し,T狂牛病は人で
もなるの
かな.
ことなどを足りない も の を補 足
する.
それ
に ・狂牛病つて一体どんな
病気
なの
だろう.
くプリン ト対する予 想 を考 え ,
発表 す
る. ・牛肉を食
べ ても大丈夫
なの か な.
・ 生徒に は 弼 べ た し
開を 選
ばせ,・狂牛病はどこ
から発生
した の だ
ろう.
裸 題ごと に グ ′ レ ‑ プ
分け す る.
・他の国ではど
うなって
いる の だ
ろう.
②
・ 新
聞作りの計 画 を立て, ・ 調べた い 研 願に 対
する
・どのように調
査 したら
いい か な.
新聞
作りとイ'
通しをもつ. 料を収集 し , グ′ レ ‑
プご
とにま
と ・インターネ ッ
トや本な
どで 調 べ
てみよ
う.タビ
ュー調査
(3)
題について考 ・ 多角的に狂牛
え病 る の問題 . や琵 め,新聞 ・ 調べて い 作 く り 中で を す 出
るて.き
た疑問
・日本の狂・生産者の牛病
対策は万
全だ っ た
のかな.人
た
ちはどう思って い る
のだろう.確謬した い こ と, 聞
いて
みたい
こ ・肉屋さん
やス
‑/もー, 酪
農家 の 人
々にとなどを , 生産各
企業など商
pF]メール を出し
た り,実
際に 訪 問
してイ ンタ
を提供す る 側に質
問する(電話,
ビュー しよう.
する) ・調査の結果をまとめ,新聞の . か. ・狂牛病騒動で意抑 ・対策を考えているのだろか. 封 ヒなどはあるのだろう 後に感
想を書く.
③ ・狂牛病について理解 し,P p ・調査結果をグノ レ‑プごとに ・狂牛病が どんなものかわか
った. ・各 グルー 発表会
(2)
題点を整理する. す る. ・生産者やそれを売る販
売者,買 う消費者の眉 の新聞
・教師がグ′ レ‑プの発表を関連
いや希望がわかった. ・狂牛病に
け補足する. ・自分の食生活に
牛肉が根付いているか ら, ∩いてのプ リ、
・最初のプ リン トを振 り返 り,自 分たちの食生活の安全を確保する ために課瞳があることに
気づく. か対策を考えない といけないな. ト
㊨
・ 阿肖費者』として,どのよう ・消費者の課題
を個人 レベル,辛 ・牛肉を避ける.( 個) ・裸題や感想 消費者の対策
(1)
な姿勢が必要かを個人 レ 、 会 レベル
の
2つの視点から考 、 ・消費の仕方を見直す.( 価) を書 くプ リ' ノ
t,,社会 レべノ 雌 鳥か ら る. ・トレーサ ビリティシステムを活用す
る.( 個 ト
える. ・システムを整備するようにスー
パや ・トレーサ ピ
・学習 したことを今後の食 に要請する.( 社) リティに関
活の中で実践 していこうと る. ・情報を集める方法を考える.
・情報を本やインターネ ッ ト,テ レビなどで るプ リン ト 集する.( ・行政の狂牛病に対する動きを調べる.( 社) 軸 ・生協の取 り
組みに関す る
・トレーサ ビリティーにつし
て理解する. ・企業や行政に発
言 してい く.
(社)新聞記事 ( 個) ‑個 人の活動 ( 社) ‑社会 にかかわ る活
①新聞記事から考える 本題材
(1時間) 動
のね らいは、「 調べたい課題に興味 ・関 心を
もって取 り組む
」である。
導入 では、 「 み
んなの好 きな食 べ物 は何 か な
?」と発間 し、生
徒に好きな食べ物や よく食 べるものなどから食
生活をふ りかえらせ、プ リ ン トに書かせて発表
させる。生徒にとって食は 身近なことであ り考えやす
い。ハンバーガーや ステーキなど牛肉食を好む
傾向が推測 されるの で、次の狂牛病についての
新聞記事‑ とつなげ る。 狂牛病についての
新聞記事か らわかることを 発表する。狂牛病に
ついて知っていること、疑 問に思 うこと、わか
らないことなどを個人で考 えさせ、プ リン トに書かせた後発表 さ
せ る。疑 問に思 うことを教師がいくつかにグループ分け
し、足 りないものを補足す る。予想 さ
れ る疑問 を以下に示す。 ・狂牛病ってなんだろう。人にも感染するの
・
か。牛肉を食べてはいけないのか
。・日本の牛肉は安全なのか
。
・日本ではどのような対策が とられている の か。
・他の国ではどのように対策がとられている 生徒には調べたい のか。
課題 を選ばせ、課題 ごとに グループに分
ける。 グループごとに調べた課題 について
新聞作 りをす ることを伝 え、次に新聞 作 りを計画 ・
実行することを予告す る。
②新聞作 りとイ ンタビュ
ー調査
(3時間) 本題
材のね らいは、「 新聞作 りの計画を立て、
見通 しをも
つ」 「 多角的に狂牛病の問題や課題に ついて考える ここから課題 ごと
」である。
に分かれたグループで作業 をす る。調べたい課題
に対 し、情報や資料を各 グループで収集 しま
とめ、新聞作 りをする。新 聞作 りの. 段階で出
た疑問やわか らないことを、
生産者や企業な
ど商品を提供す る側 にイ ンタ ビュー調査 をする
ことを課す。インタビュー調 査でいろいろな
立場 の人 の意見 を聞 くことに よって、生徒が多
角的に狂牛病問題を考えられ るよ うになること
を期待す る。 また、イ ンタ ビュー調査を通 して
、課題が自分たちと生産者 や企業など
商品を提供する側の双方にあること に気づ くよ
うにす る。調査結果をグループごと
に新聞にま とめ、発表の準備をす る
③発表会(2時間)
本題材のね らいは、「狂牛病 について理解 し問 題 点 を整理す る
」
である。各 グループの発表か ら、狂牛病 についての知 識 を得 、狂牛病の背景 を理解 できるよ う、教師 が各 グループの発表 を関連 させ補足 をす る。 グ ループで調べ ることは狂牛病 についての一部で あるが、全 グループの発表 によ り狂牛病の全体 像 に迫 るよ うにす る。押 さえたい主な内容 を以 下に示す。
・狂牛病 とは どの よ うな病気か
・牛で安全 な部位 と危険 な部位
・狂牛病 が 日本 に入 って きた経緯
・狂牛病の牛が 日本で発見 され る以前 と以後 の 日本政府 の対策
・EUが発表 した 「狂牛病発生危険性 リス ト
」
・今、 日本で行 われてい る対策
・イギ リス ・フランス ・アメ リカな どの国で 行 われ ている対策
各 グループで作成 した新聞は印刷 し、全員 に 配布す る。各 グループの新 聞の印刷 プ リン トは、
④で消費者対策 を考 える際の ヒン トになると思 われ るので、④ までに読んでお くよ う促す。
その後、①で書いた最初のプ リン トをふ りか え り、 自分たちの食生活が もはや安全 とは言 え ないことに気づかせ 、 自分たちの食生活の安全 を確保す るために課題があることを理解 させ④ につなげる。
④消費者 の対策(1時間)
本題材 のね らいは、
「
『消費者』 として、 どの よ うな姿勢が必要かを個人 レベル 、社会 レベル の視点か ら考える」
「学習 した ことを今後の食生 活の中で実践 してい こ うとす る」
「情報 を集 める 方法を考 える」
「トレーサ ビリテ ィーについて理 解す る」である。ここでは、安全 な食生活のための課題 を個人 レベル 、生産者 ・企業 レベルで考 えてい く。 ま た、情報 を集 める方法 を考 える。② で生産者や 企業な ど商品を提供す る側 にイ ンタ ビュー調査 した新 聞を見なが ら、一人ひ とりで課題 を考 え
た後発表す る。 でて きた意見(課題)を教師 がま とめる。生徒 の意見 を とり上げなが ら、個人 レ ベル、生産者 ・企業 レベルの2つの課題 に分 け る。牛 肉の 日常化の背景 をお さえる。用意 して きた資料で対策や 内容 について理解 で きるよ う にす る(例 :トレーサ ビリテ ィー システムを活用 す る。 システムを整備す るよ うにスーパーに要 請す る。情報 を本やイ ンターネ ッ ト、テ レビな どで収集す る。行故の狂牛病 に対す る動 きを調 べ る)。トレーサ ビリテ ィー システムについては、
導入 した販売店 についての新聞記事のプ リン ト を配布 し、販売者側 も動 き出 していることを理 解す る。
(2)教材 ・教具
・松井宏夫 『狂牛病 100間 100答 食べて いい ものいけない もの』 主婦 と生活者 p.
26、27、170、171
・朝 日新聞 2005年3月11日
・読売新 聞 2005年3月11日
・中 日新聞 2002年7月30日
・北国新 聞 2001
年
10月
7日・
「暮 らしの情報誌」
2002年9月9日 コー プい しかわ組合員活動部・
「暮 らしの情報誌」 2002年12月23日 コー プい しかわ組合員活動部・ホームペー ジ 「狂牛病 リンク集」仙p://w 1.odn.ne.jp
n
(oyama
n)se.htm、 「狂牛病 関連情報・リン ク集」仙p:〟www.geocities.co.jp爪ature Land‑Sky/2572
n( l i n
k.html、「厚生労働省BSE
関 係 ホ ー ム ペ ー ジ」hq):〟W .mhlw.go.jp/ kinky
u
化se.htmlな ど多数2.3.3
高等学校
(1)授業の展 開遺伝子組換 え食品 を題材 に して、表3の よ う に授業案 を作成 した。全体 を「① 日本の食文化」、
「②遺伝子組換 え食 品の調べ学習」、 「③各国の 対策 ・消費者 の態度 についての調べ学習 と発表 会」、 「④ 『消費者』の対策
」
の4つの小題材で 構成 した。 それぞれの小題材 ごとに授業の内容 を述べ る。① 日本の食文化
(1時間) 導入では、 日本の食文化を思い出す ところか 本題材のねらいは、「 遺伝子組換え食品につい ら始める。生徒には考えやす く、学習に入って て興味 ・関心をもち、調査課題 を設定す る」で いきやすい と思われる。「日本の食文化」と言わ
ある。 れれば、生徒か らは しょうゆや味噌、豆腐、納
表
3.高等学校の授業展開
小題枇 時数) ねらLY下位目標) 学習内容 生徒の思考の流れ 教材
.教具
① ・適伝碓 換え食品につし ・日本の食文化について思い出す」 ・日本の食文化 といえば,味噌や しょうゆ, ・
日本の大豆自糸口 日本の食文化
( I
) 殊題を設定する.て興味 .関心をもち, の輸入の現状を理解する.・日本の食文化の項状を認敬する.豆腐などがある.・日本の大豆自給率とアメリカから ・それ らはみんな大豆からできている.・大豆 率 と輸入先の料・遺伝子組換え が日本の食文化を作 りあげてきたのに,・遺伝子組換え食品について知って
自給率はかなり低い. 品に賛成か反 、 いることや疑問に思 うことをまと
める.・適伝子組換え食品に賛成か反、・アメリカ
からの輸入に頼っているけど,Iか等を書 くプ リ 伝子組換え大豆が入っているかもしれない. ン
ト ..適伝子細換え食品つてなんだろう.身体
に
か,その理由をプ リン トに書く. 害があるのかな.のだろう.・過伝子組換え食品つて何のために作られた・どのように作られるのかな.
・どこで作っているのだろう.
② ・遺伝子組換え食品につし
・f l、 収集をし,遺伝 ・日本には
7
種類の適伝子組換え作物の 遺伝子組換え て理解する. 換え食品について調べたいこと, が認可されている.大豆もその内に入ってレる.・食栂危機を防げる.
品の調べ学習 (2) ・遺
伝子組換え食品のR,,
点を考える. 間に思 うことを調査し,レポー ト
作成する.・各国ではどのような対応がなさ
・
技術革新の結果であり 歓迎する.ているか なされてきたか 調べた ・遺伝子組換え作物を
食べた虫が死ぬように
い国を決め,グ′レ‑プを組む.(国書遺伝子が細
換 えられている.
都 市が設定する.日本,アメリ丸 ・農薬でも死なないように
組み換えられてし イギリス,フランス,カナダ,アノ るけど,農薬が過剰
にかけられたりしている.
ゼンチン,イン ド,オース
トラリア ・組み換えの花粉が普通の植物にも影響を なifl ぽす.・生態系を狂わせるかもしれない.
③ ・表示義務制度について ・⑳乃レポー トをグループで‑一つに ・イギリスでさ新 潮換え食品
は売れない.・各グ′レ‑プの 各国の対策.潤 解する. まとめる. ・カナダやアメリカ,オース トラリアは遺伝
ジユメ 者の態度 につし ・日本の消費者にとってての調べ学習 と発表会(4) 裸題を考える. の態度を調べる・調べたい国の状況や対応,潤 . 子組換えを国家の政策として強力に推進し ・参考資料
.
・調査 したことをグノレ‑71(国)ごと
に発表する. いる. しか し,消費者は紐換えに反対 してしる.・日本は表示を義務化 し ているが,不完全≠
・必要であれば教師がポイン トをま ものである.
とめる. ・日本の消費者は 聾択する権
利をどのように 主張できるだろうか.
④ ・日本の消費者の課題を ・日本の 田肖矧 の裸頓を個人 ・これからは買い物の際に表示を見てみよう
.・消費者主宰助なと 田肖幹剤 の 、
( 1 )
人,日本の国 .行政 .企業,国.世界の3つのレぺ/レで考える.
(
価)・個人では,情報を収集するなどして,過 の資料 世界の3
つのレベルで ・再鹿 避転子組換え食品に鞄如 ・授業振り返 り える.・自分の健康だけでなく,
反対か,その理由をプ リン トにく.最初のプリン トと比較 して授 子組換え食品の知織を高めていく.(・生産者や企業に問い合わせる.(企)価) プ リン ト世界の視野から経済的 開女郎寺か らの自分の考えの変化を ・信頼できる農家や生産者をさがす.(個x企 粟権を行使する必要性 分析 し,授業の内容を振 り返る. ・適正な表示を求めて活動を続けていく.
理解する. 合によって拙他国と手をつなぐ.((世)・国は表示制度の見直しをする.(個x企x国国)
・自給率を上げる.(国)
・大豆 トラス ト運動をする.(個)(国)
・公正な貿易ルール
豆などの大豆加工食品をは じめ、米や魚など多 種多様な意見がでると推測 されるが、ここでは 大豆を取 り上げることを告げる。大豆の自給率 とアメ リカからの大豆の輸入割合 とアメ リカで の遺伝子組換え大豆の作付け割合表の資料プ リ ン トを配布 し、考えられることや気づいたこと を個人で考え発表 させる。生徒か らは 「日本の 食文化はアメリカに頼っている 」 「 遺伝子組換え 大豆が混ざって輸入 されているかもしれない」
等の意見が出てくると思われる。 ここでは 日本 の食卓はアメリカに任せて しまっている現状を 理解 させ る。
次に、「 遺伝子組換 え食品 と書いてあるが、
遺伝子組換え食品って何かな
?」と発間 し、 知っ ていることやわからないこと、疑問に思 うこと などをプ リン トに書かせる。また、遺伝子組換 え食品に賛成か反対か、現時点での考えとその 理由をプ リン トに書かせる。次の時間に遺伝子 組換え食品について調べ学習することを予告 し、
調べたいことや疑問、調べ方などを考えてお く よう伝える。
②遺伝子組換え食品の調べ学習(
2時間) 本題材のね らいは、「 遺伝子組換え食品につい て理解する 」 「 遺伝子組換え食品の問題点を考え る
」である。
ここでは、生徒が各 自で活動する。各 自調べ たいことや疑問に思 うことなどを調査するため、
情報や資料の収集をレポー トを作成する。 ヒン トにな りそ うな資料が足 りない場合は、教師が 準備 してお く。予想 される生徒か らの疑問を以 下に示す。
・遺伝子組換え食品ってなんだろ う。 どんな 技術なのだろ う。
・どうして開発 されて、作 られるようになっ たのだろ う。
・人体には問題はないのか。
・環境や生態系には問題はないのか。
・表示についてはどのようになっているのだ ろ う。
・日本に輸入 されてきているのか。
・他の国の状況はどうなのだろ う。
③各国の対策 ・消費者の態度についての調べ学 習 と発表会(
4時間)
本題材のね らいは、「 表示義務制度について理 解す る
」「日本の消費者 にとっての課題 を考え
る
」である。
遺伝子組換え食品に対 し各国ではどのような 対応がなされているかを調査するので、生徒に 調べたい国を選ばせ、国ごとにグループに分け る。国は教師が設定する(日本、アメリカ、イギ リス、フランス、カナダ、アルゼンチン、オー ス トラ リア、イン ドなど) 0
グループ内で遺伝子組換え食品について
1つ の レポー トを作成する。②で一人ひ とりが作成 した レポー トをもとに 1つの レポー トにまとめ る。
次に、遺伝子組換え食品に対 して国がとって いる対応 ・国の考えと消費者の態度を調査 し、
発表会の準備をする。各グループで、発表の際 に資料 として配付するレジュメを作成する。
各 グループの発表 を国 ごとにプ リン トの表 にまとめる。発表会では国ごとに発表 した後( イ ギ リス、フランス、アルゼンチン、イン ド、オー ス トラリア、カナダ、アメリカ、日本の順) 、遺 伝子組換え食品推進国と反対国とに分け、推進 国の考えと反対国の考えとを比較する。 自分が 調べるのは一国であるが、この活動を通 して他 国の状況や相違に関心をもち、学習‑の意欲が 高まると考えられ る。
日本では表示制度 にはまだ問題 があること や
7種類の遺伝子組換え作物が輸入認可 されて いることなどを認識 し、 日本の消費者が自分の 食の安全を守る場合には、課題があることに気 づかせ、④につなげる。
㊨ 『消費者』の対策
(1時間)
本題材のね らいは、「日本の消費者の課題を個
人、 日本の国 ・行政 ・企業、世界の
3つの レベ
ルで考える
」「自分の健康だけでなく、世界の視
野から経済的投票権を行使する必要性 を理解す
る
」である。ここでは、③か らの続 きで、食の安全 を考 え る際の課題 を個人、国 ・行政 ・企業、世界の
3つ視点か ら考える。②で作成 した レポー トや③ での各国 ごとの レジュメ、国 ごとにま とめた表 な どをもとに、一人ひ とりで対策 を考 え、プ リ ン トに書 き発表す る。発表後、教師がでてきた 意見や課題 を補足 しなが らま とめる。
次に、学習のプ ロセスや 自分の考 えの変化 を 分析す るため、再度 、遺伝子組換 え食品に対す る賛否 とその理 由をプ リン トに書かせ 、最初の プ リン トと比較 させ る。授業全体に対す る感想 を書かせ、最後に今後の 自分 自身の課題 を考え させ る。
(2)
教材 ・教具
・家庭科教育者連盟 「 家庭科研究
2000年
12月号
」p
.4‑41・安 田節子 「 食べてはいけない遺伝子組み換 え 食品」徳間書店 p
.196‑215・小若順一他 「 遺伝子組み換 え食品の避 け方」
コモ ンズ
p.92‑95、1
13‑116・朝 日新聞
2002年
2月
23日・朝 日新聞
2000年
7月
27日・中 日新聞
2002年
10月
21日
・中 日新 聞
2002年
5月
16日・ホームページ 「 本 当は どうなの? 遺伝子組み 換 え食 品
」http://ww .fTsic.co.jpA)io/、 「 遺伝子 組み換 え食品研究所
」http:〟contest.thin
kquest .
gr.jp/tqi1999/20161/、 「 安 田節子の遺伝子組み 換 え 食 品 入 門
」http:〟www.yasudasetsuko.com/gmo/index
. h
tml、「 厚生労働省 遺伝子組み 換 え食 品ホー ムペ ー ジ
」http://ww .mhlw.go.jp加pics/idenshi/
な ど多数
3.小 ・中 ・高校の教員による評価作成 した授業試案 について、金沢大学教育学 部附属小 ・中 ・高校 の家庭科担 当教員 に意見を 記述 して もらった。書かれた内容 を以下に示す。
(1)
附属小学校教員 の意見
・小学生な りに、食の安全 に関す る学習を通 し て、身の回 りに氾濫す る問題 の多い食生活 を
見つめ、安全 と健康 を考 えた食生活 を してい こ うとす る 目、姿勢 を持たせてい くことは と て も大切 であ り、価値 ある学習だ と思 う。
・手作 りソーセー ジ作 りは五感 に うったえる学 習で効果的であると思われ る。子 どもたちは 実習が とて も好 きなので、導入時に実習 を入 れ ると興味 ・関心 も高まるだろ う。 ただ、指 導要領の解説 には、小学校の家庭科では生の 肉 ・魚 を扱 わないよ うに とい う文言がある。
手作 りソーセ ー ジ実習 を親子活動 として も よいのでは。親世代 も学習に参加す ることで、
食 品添加 物 に関心 を持 って下 さる と思 われ る。
・ソーセー ジの原材料 についての比較では、表 示だけでな く、味、見ため、においな ども比 べてみ る とお も しろい。
・ゲス トテ ィーチ ヤーは どんな方 に来ていただ くかが問題。食 品添加物の基礎的な知識 を得 ることはできるが、利便性 をよ り重視 してき た 自分 た ちの食生活 に気付 かせ るにた めに はイ ンタ ビュー以外 に もす る こ とがあ るよ
うに思 う。
・家庭科は 自分の家庭 を見つめ、 自分の家庭 に 戻 って実践す る教科であるので、 自分の家 に あ る食 品添加 物 の使 われ てい る食 品 とその 晶質表示 を調べ る活動、家の人に どうしてそ れ らをよ く使 うのか 聞 き取 る活動 も入 れ た
らどうか。
・③ と④ はも う
1時間かか るよ うに思われ る。
また、 しば らくおいて 自分の家の食生活は ど う変 わ ったか をふ りか えってみ る必要 もあ るだろ う。
・6
年生の家庭科の年間時数 5 5時間の中に入れ てい くには少 々難 しい とは思われ るが、総合 的な学習の時間に してい くといい と思 う。
・中学校の狂牛病や高校の遺伝子組換 え食品に つ いて も食 をテーマ に した総合 的 な学 習 と い うことで中学校、高校 で可能だ と思 う。
(2)
附属 中学校教員 の意見
・課題意識 を持たせ ることがかな り難 しいよ う
な気がする
。・①では具体的( 実習、食品等) に提示できる( 五 感に うったえる) ものがあったほ うがよい。
・新聞作 りに限定するのならば視覚に うったえ る工夫など、あらか じめ提示す る方がよい
。・新聞作 りではなく、インタビューなどの臨場 感 を伝 えられる方法を考えて もよいのでは
。・授業実践 として興味深い。工夫など検討すれ ば ̀ 実'のある学習になると思 う。
(3)
附属高等学校教員の意見
・作成上の視点について、今の時代を洞察する 深い教材理解を感 じる。 「 消費者
」を超 えて
「 生活者
」としての自覚を持ち、行動するこ とはとても重要だと思われる。
・授業 目標について、小一中一高 と段階をふん で うまく考えられている。
・小学校で社会 レベルまでふみこんだ点はとて もよいと思 う。
・高校は、個人、国、世界 レベル とあ りますが、
もう一つ地球 レベルも欲 しい。世界( インター ナシ ョナル)と少 し区別 してグローバル とい うレベル。従って、「 持続可能な
」とい うキー ワー ドも欲 しい。
・調べ学習の具体的なイメージがわかない。
・ 「 国による違いをグループごとに探る
」とい う 方法はとてもいいと思 う。総合的な学習の時 間のおもしろい授業例にな りうる。生徒達は どんどんその国そのものの歴史や地理、それ らによって うまれた国民の価値観 な どをど んどん深めていくだろ う。とすると、例えば、
歴史 と地理の合同で時間をかけてや りた く なってくる。
・私も小学校段階か ら社会 レベルまで 目を向け させる家庭科であ りたい。
教材の取 り上げ方や進め方について何点か異 論や課題が出されたカ\ 授業設定の考え方や授 業の目標、枠組に関 しては、いずれの教諭から も一定の評価が得 られた。内容や時間などから
総合的な学習の時間で行 うことの提案があった。
4.まとめ
本論では、第
1報で述べた目的 と視点に基づ いて、各学校段階に応 じた 目標を設定 し、「 食の 安全
」を題材に し、「 社会的意思決定
」を育むこ とをめざして、小学校、中学校、高等学校の授 業案を作成 した。また、金沢大学教育学部附属 小 ・中 ・高校の家庭科担当教員により作成 した 授業案の授業設定の考え方や 目標、全体構成に ついて概ね評価が得 られた。
今後は、得 られた意見を参考に授業案をさら に検討 し、授業を実践 し授業の有効性 と課題を 検証 していく。 これについては第
3報で報告す る。
注及び参考文献
1)
杉村桃子 ・綿 引伴子 ・河本那未 、「 食の安全」に 焦点 をあてた消費者学習の授業開発( 第 1報)‑
これ までの学習の検討 ‑、愛媛大学教育実践総 合セ ンター紀要 、第
23号、2005 、1
11‑124 2)鶴 田敦子 、米 <食 と農 >か らは じめる総合的学
習、か もがわ出版 、2000 、2
3)前掲書
2)、34)
生活者 の定義 にあた っては、お もに次の文献 を 参考 に した。 鶴 田敦子 「 家庭科 がね らわれ てい る」朝 日新聞社
(2004)p.173‑177、桑畑美沙子 r 食 べ物 を教 える一歴 史 と地域 の再発 見
‑」人 間選 書 (
1987)p.15、荒井紀子 「 市民性 のエ ンパ ワー メン トと家庭科 にお け る生活主体 の形成 」大学 家庭科教育研 究会編 『子 どもが変わ る/地域 が 変 わ る/ 学 校 が 変 わ る 市 民 が 育 つ 家 庭 科 』
(2004)p.62‑74
5)