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ティオフィラス アサモア先生を偲んで

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Academic year: 2021

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十二  国際経営論集 No.58 2019

ティオフィラス アサモア先生を偲んで

経営学研究科委員長  真 鍋 明 裕

 「あ、先生、今帰り?忙しそうだねぇ。頭が下がるよ~」

 アサモア先生のことを思い出すと、こんな感じで声を掛けていただいたことがなつかしく頭 に浮かんできます。アサモア先生とは10年余りの間、同じ経営学部および経営学研究科の一 員としてご一緒させていただきました。専門分野の違いなどもあり、同じ授業やプロジェクト 等で密接に関わったわけではありませんが、研究室が近いこともあって、学内ではよくお会い しました。そのたびに先生は笑顔で、やさしく声をかけてくださいました。そうした何気ない 1つ1つの瞬間が、先生の思い出としてよみがえってきます。

 さて、アサモア先生はマーケティングおよび国際マーケティングをご専門とされており、研 究や学部・大学院教育等、多方面でご活躍されました。アサモア先生の足跡を振り返るにあた り、アサモア先生のご研究内容について、簡単ではありますが、ご紹介させていただきたいと 思います。

 アサモア先生は経営学部および国際経営研究所発行の『国際経営論集』や『国際経営フォー ラム』に数々の論文を発表されました。その論文を概観すると、アサモア先生のご研究は、あ る特定の企業のマーケティングをケース・スタディ的に取り上げて考察するというよりは、マー ケティングの基礎をなす抽象的概念に関して、その精緻化をはかる、あるいは、現代的な経営 課題をふまえて基礎概念を拡張し、グローバル化や技術革新といった環境変化に対して基礎概 念の応用可能性を考えるという点に特徴があるように思われます。

 たとえば、アサモア先生は、グローバル・マーケティングという概念にたびたび考察を加え られています。「国際マーケティング研究における企業論的なアプローチに関する考察」(1997 年)および「国際ビジネス環境変革期における国際マーケティング研究の課題」(2003年)では、

グローバル・マーケティングの概念に取引費用の観点を取り入れ、それが分析の枠組みとして 有効であること、マーケティング戦略に関して重要な示唆をもたらすものであることを明らか にされています。また、「グローバル・マーケティングにおける国際規格のインパクト」(1999 年)では、グローバル・マーケティング戦略の中心的概念である標準化について、ISOに代表 される国際規格がどのような影響を与えるかについて考察されています。

 このようにご自身の研究において多くの業績を残されただけでなく、大学院においては修士 論文指導等、学生への教育にご尽力されました。そのご指導により、アサモア先生のもとから、

10名の修士が誕生しました。

 以上はアサモア先生の活動のほんの一部に過ぎませんが、先生が経営学部および経営学研究 科に対して多大なご貢献をされたことがわかります。今も先生の研究室の前を通ると寂しい気 持ちになりますが、これからの学部・大学院の発展を、先生には見守っていただけたらと思い ます。

参照

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