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社会主義経済学論争小史(二)

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〈資 料〉

社会主義経済学論争小史(二)

中 村 平 八

[解題]

本 稿 は,神 奈 川大 学 『商経 論叢 』第27巻 第3号(1992年2月)に 掲 載 した 「社 会 主 義 経 済学 論 争 小 史(一一)」 の続 きで あ り,本 稿 を もって 「論 争小 史 」 は完 結 す る。(一)に は 「経 済 学 の対 象 」,「経 済 法 則」,「社 会 主義 の基本 的経 済 法 則」

の三 篇 が収 め られ て い るが,(二)に は 「商 品 生産 と価 値法 則 」,「価格 形 成 」,

「生産 手 段 生 産 の優 先成 長 の法 則」,「経 済学 の体 系」 の四 篇 が収 め られ て い る。

(0)(二)と も章 良猷 の労 作 で あ り,も との論 文 名 は 「蘇 聯 六十 年 来社 会 主 義政 治 経 済 学 若干 問 題争 論 」 とい い,中 国社 会 科学 院 経 済研 究 所 「経 済研 究 』 編 集 部編 の二 冊 本 『建 国以 来社 会主 義経 済理 論 問題 争 鳴1949‑1984』(中 国財 政経済出版社,1985年)の 「下 」 に付 録 と して収 め られ て い る。

1989‑91年 に東 欧 ・ソ連 で社 会主 義体 制 が崩 壊 した こ とは記 憶 に新 しい。中 国 の社 会 科 学 者 は,85年 に始 ま る ソ連 ・東 欧 の体 制 崩 壊 過 程 をつ ぶ さ に観 察 し,こ れ を反 面教 師 と して,中 国 の経 済 体制 改 革 を推 し進 めて きた。 その理 論 的到 達 点 が 「社 会 主義 市 場経 済 論 」 で あ る。30年 にお よぶ 巾 ソ対 立(1959‑89) に 目を奪 わ れ て,建 国以 来 中 国 は,ソ 連 と異 な った社会 主 義 建設 の道 を歩 ん で

きた,と 理解 して はな らな い。1978年 まで の中 国経 済 は,ソ 連 経 済 の模 倣 版 で あ り,生 産 手 段 の 公 有 制 の も と,国 家 指 令 方 式 の経 済 運 営 が 行 わ れ て きた。

1979年 以 後,中 国 は改革 ・開放 体 制 へ の移 行 に踏 み切 り,ソ 連 型 の社 会主 義 建 設 路 線 に決 別 したの で あ る。

そ れ以 後,紆 余 曲折 はあ った が 中国 は,世 界 で最 も高 い部 類 に入 る年 平 均実 質8%の 経済 成 長 を実現 して きた。 国 際 的側 面 で は,ソ 連 との関 係 を 改善 し, 韓 国 と も国 交 を樹 立,ア ジアNIES,ASEAN,日 本,ア メIJカ との経済 交 流 を

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50商 経 論 叢 第29巻 第1号 0167)

強 め て い る。 国 内経 済 面 で は,農 業 にお け る人民 公 社制 が廃 止 され,ま た各 種 の私 的 経済 活 動 を認 め,工 業 ・サ ー ビス業 にお け る国 有 国 営制 の改 革,す な わ ち民 営 化 ・市場 経済 化 が進 ん で い る。

こ こに新 しい理 論 的 挑 戦分 野 が生 まれ た。中国 の理 論 家 は,20世 紀 の新 生 事 物 と して の 「社 会主 義 的 市場 経 済 」 につ い て,探 究 しな けれ ば な らな い。 先人 の業 績 は皆無 で あ る。 新 しい理 論 は どの よ うに して構 築 され るのか。 王道 はな く,過 去 の研 究 営為 を正 しく総 括 す る ことか ら出発 す る以 外 に道 は な い。 章 良 猷 が 寄稿 した 『建国 以 来社 会 主義 経 済 理論 問 題 争鳴』 もそ の よ うな性 格 の最 初 の本格 的共 同労 作 で あ った。 現 在 わた しの机 上 に は,王 珪 主編 『中国 社 会主 義 政 治 経 済 学 四{一年 』全4巻,(中 国経済出版社}1991年)が あ る。 同 書 は,時 期 的

に は1949年 か ら1989年 ま で の中国 に お け る研 究 を対 象 と し,時 系列 的 に,ま た理 論 分野 別 に編 まれ てお り,改 革 ・開放 体 制 下の現 代 を扱 って い る第4巻 は 格 別 に注 目 され る。

参 考 に供 す るた め,第4巻 の 内容 を示 そ う。「第 一 章 経 済 理 論 研 究 の根 本 的 転 換 の開 始,第 二章 社 会 主義 の 計 画的 商 品経 済 理 論 の討 論 第 三章 社 会 主 義 制 度 の下 で の価値 法 則 と価 値 法 則 の作 用 の再 探 求,第 四章 社 会主 義 経 済 の 基 本 的特 徴 の問 題 の研 究,第 五章 社会 主 義 の基 本 的経 済 法 則 の再 検 討 ,第 六 章 生 産 的労働 と不 生産 的労 働 の討 論 第 七 章 わ が国 社 会 主義 初 級段 階 理論 と経 済 体 制 改革 理 論 の探 求 第八 章 所 有 制構 造 と社 会 主義 的公 有 制 の実 現 形 態 の研 究 第 九 章 社 会 主 義 的市 場 理 論 の研 究,第 十 章 社 会 主 義 の マ ク ロ経 済 調 節 理 論,第 十一 章 わ が 国 の 都 市 ・農 村 経 済 関 係 の 理 論 研 究 第 十二 章 経 済 発展 モ デ ル とそ の転 換 理 論,第 十三 章 社 会 主義 の分 配 理論 の再 研 究,第

1'四章 社 会 主義 の消費 経 済 理 論 の研 究,第{一 五 章 人 口 ・国土 ・生 態環 境 の 経 済 理 論 の研 究,第 十・六 章 対 外 経 済 関 係 の理 論 研 究,第 十七 章 経 済学 の社 会 主義 部分 の対 象 と体 系 の新探 求,本 巻 の参 考 論 著 」。機 会 を得 て上 記論 稿 にっ い て検討 し,わ れ わ れ の考 え を対 置 した い もの で あ る。

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0166) 社会主義経済学論争小史口51

ソ連 に お け る社 会 主 義 経 済 学 の若 干 の 問題 に関 す る この60年 の論 争

経 済学 の対象 経済法 則

社 会 主義 の基本 的経済 法則(以 上,第27巻 第3号) 四 商品生産 と価値 法則

五 価 格形成

六 生産 手段生産 の優 先成長 の法則 七 経済学 の体 系(以 上,本 号)

四 商 品生産 と価値 法則

10月 革 命 以 後,社 会 主義 と商品 ・貨 幣,価 値 法 則 と は相 入 れ な い とす る観 点 が}ソ 連 で支 配 的地 位 を 占 めた。 戦 時共 産 主 義期 の ソ連 が貨 幣 の廃止 措 置 を採 る こ とに着手 した こと は,そ の観 点 と関係 が あ る。 経 済学 者 た ちは,貨 幣廃 止 後 の労 働 計 算 の問題 す ら も研 究 した。 新経 済 政 策[ネ ップ]期 に入 る とrソ 連 の経 済学 者 は,こ の観 点 を変 えて,過 渡 期 にお け る商 品 ・貨 幣関 係 の必 要 性 を 承 認 した。 しか し,社 会 主義社 会 にな れ ば商 品 ・貨 幣 関係 は消滅 す るはず だ と す る見解 は変 え て いな い。1934年 以 後,伝 統 的観 点 が よ うや く突破 され,社 会 主義 段 階 に お け る商品 ・貨 幣 関 係 の存 在 が承 認 され た。 しか しこの時期,依 然 と して,社 会 主 義 制度 の下 で の価値 法 則 の作 用 は否 定 され,価 値 は否定 され, 形 式 を承 認 し,内 容 を否認 す る とい う矛 盾 した現象 が現 れ た。40年 代 の初 め, ス ター リンは,ソ 連 経済 の実 情 か ら出発 して,社 会 主 義 制度 のFで の価値 法 則 の変 容 され た形 態 で の作 用 とい う論 点 を提 出 し,は じめ て社 会 主義 制 度 の下 で の価 値 法 則 の作 用 を承 認 した。 これ は,社 会 主義 の商 品 ・価 値理 論 の研 究 に大 きな影 響 を与 え た。 しか し,そ の後 ス ター リ ンが 『ソ連 邦 に お け る社会 主義 の 経 済 的諸 問 題 』 で提 起 した と ころの,生 産手 段 は商 品 で な く,価 値 法 則 は流 通 分 野 にお いて の み作 用 す る等 々 の論 点 は,商 品 ・価 値理 論 の発 展 に不利 な影響

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52商 経 論 叢 第29巻 第1号

0165) を もた ら した。1956年[の ス ター リン批 判]以 後 ,ソ 連 の経 済 学 者 は,社 会 主 義 制 度 の下 で の商 品生 産 と価値 法 則 の問題 につ いて討 論 を展 開 し,ス タ ー一リン

の誤 った観 点 を批 判 して,新 しい結 論 を提 出 した。1965年 以 後 の経 済 改 革 の実 行 とと もにT商 品生 産 と価 値 法則 の 問題 に関 す る討 論 がふ た た び引 き起 こされ

た。 この討論 は,社 会主 義経 済 が商 品経 済 か ど うか,価 値 法則 が 調節[規 制]

作用 をす るか ど うか な どの問題 に波及 した。討 論 か らは,ソ 連 に まだ少 なか ら な い理論 的禁域 が存 在 す る こ とを,見 て とる こ とが で きた。

1.戦 時共 産 主義 期 の無 貨 幣計算 に関 す る討 論

マル クス とエ ンゲ ル スはか つ て,社 会 主 義 の勝 利 に よ って,商 品 ・貨 幣 関係 は消 滅 す る,と 考 え た。 この観 点 は,十 月革 命 後 の ソ連 で 支配 的 地位 を 占め た。

ソ連 の経 済 学者 は,社 会 主 義 を現 物 経 済 とみ な し,社 会主 義 と商 品 ・貨 幣関 係 とは相 入 れ な い と考 え た。た とえば ボ グ ダー ノ ブは次 の よ うに述 べ た

。「新 しい 社 会 の基礎 は,交 換 経 済 で な く,自 給 自足 経済 で あ る。 生 産 と消費 との あ いだ の売 買市 場 は な くな り,意 識 的,系 統 的,組 織 的 な分配 のみ が存 在 す(1)」。オ リ

ミンスキ ー は こ う述 べ た。 「社 会主 義 社 会 で は,貨 幣 は全 面 的 に な くな るだ ろ う。 ひ と び と は貨 幣 を 必 要 と しな燃 」。

戦 時 共産 主 義 期 に は,一 部 に は客観 的 な実 際 の必 要 に よ り,一 部 に は上 述 し た観 点 の影 響 によ り,経 済 実 物化 の さま ざ まな施 策 が実 行 され,国 の経 済 生 活 か ら商 品 ・貨 幣 関 係 を完 全 に排 除 す る方 針 が 採 用 され た。 当 時 の 考 え に よ れ ば,「 ソ ヴ ェ ト権 力 の 当面 の任 務 は,計 画的 な,全 国 的範 囲 で組 織 され た生 産 物 の分配 を用 いて・ 商 業 の代 わ り とす る こ とを断 固継 続 す る ことで あ り」

,ま た

「資 本 主 義 か ら共 産 主 義 へ の移 行 の 初 期 に は… …全 力 を あ げ て,非 現 金 決 済 の 範 囲 を拡 大 し,貨 幣 を消 滅 させ る漣 の措 置 を実 行 す る ことで あ聡 」.ま さ に レー ニ ンが 後 に 指 摘 した よ う に ,戦 時 共 産 主 義 期 に は,「 共 産 主 義 的 生 産 と分 配 へ の 直 接 的 移 行 」 が 企 て られ た の で あ る(rレ ーニ ン全集』 第33巻

,中 文,43ペ ー ジ)。

貨 幣 は も は や 最 後 の 日 を迎 え た が,だ が生 産 物 の 評 価 を 行 わ な け れ ば な らな い,と 考 え た た め,そ こで,価 値 指 標 を 用 い な い 新 た な 経 済 計 算 方 式 を 探 す と

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社会主義経済学論争小史口53(164)

い う問 題,す な わ ち,い わゆ る無 貨 幣計 算 の 問題 が 日程 に のぼ った。実 務 の部 門 は,各 種 の計 算 案 を作 る こ とに簾 的 に従 箏 し・ 経 済学 都 ま謝 論 を展 開

した0

多 くの経 済学 者 は,労 働 時 間 を単 位 と し直 接 に労 働 消費[労 働 支 出]を 計 算 す る ことを主 張 した。 た とえ ば ケ ル ヴ ェイ は こ う述 べ て い る。 この計 算 をす る場 合,「生 産 物 の労 働 計算 が ただ一 つ 可倉旨とな るの は注 産 物 に消費 され た単 純 な社 会 的必 要 労働 量 一一労 働 時 間数一 一を 用 い てy生 産 物 の評 価 を行 う場 合 で あ(露」。最 も広 範 な 支 持 を 得 た の は,ス トル ー ミ リ ンが 提 起 した労 働 単 位 で あ る。彼 は こ う提 案 した。 「一 人 の 一 級 労 働 者 が 労 働 定 額 を100%遂 行 す る一 標 準 日 を,単 純 労 働 の 単 位 と し,こ の 一 標 準 日 内 に 生 産 した 労 働 生 産 物 の 価 値 を 労 働 価 値 戦 とす(5)」.ス トル ー ミ リン は こ う述 べ た ・ 「消 え た もの は・ た ん1こ価 値 を 表 現 す る歴 史 的 形 態 の 一 つ(貨 幣形 態)で あ るが,価 値 を形 成 す る要 素 一 一 労 働 消 費 は,そ の意 義 を保 つ だ け で な く,労 働 社 会 に お い て,そ の意 義 は比 類

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な い ほ ど増 大 す る」。

討 論 に お い て,あ る者 は別 の 案 を 提 出 した 。た とえ ば コ レ ピ コ フ は,「 エ ネ ル ギ ー消 費 の 概 念 」 を 提 起 した 。 「そ れ は,人 間 の労 働 消 費,機 械 の 運 動 エ ネ ル ギ ー,熱 エ ネ ル ギ ー の総 和 で あ る」。 彼 は,「 人 間 と機 械 に 共 通 の エ ネ ル ギ ー単 位 を 探 す 」 た め に,人 間 の エ ネ ル ギ ー 消 費 と,機 械 の運 動 エ ネ ル ギ ー,熱 エ ネ

ル ギ ー 消 費 との 比 に よ って 構 成 さ れ る 「生 産 機 械 化 係 数 」 を 設 け た 。 彼 の 考 え に よ れ ば,こ の よ う な 「統 一 的 エ ネ ル ギ ー単 位 に お い て 表 現 さ れ る人 間 一機 械 工

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ネル ギ ー単位 は,生 産 物 の価 値 を計 算 す る基 礎 にす る こ とがで きる」。

1921年 に レー ニ ンは,戦 時 共 産主 義 期 に採 用 した共産 主 義 へ の移行 の方 法 が 誤 りを お か した こ とに気 づ き,た だ ち に施 策 を と り,新 経 済 政策[ネ ップ]を 実 行 した。 新 経済 政 策 の重 要 な内容 は,商 品 ・貨 幣 関係 を十分 に利 用す るこ と

で あ る。 この よ うな状 況 の下 で,各 種 の無 貨 幣計 算 の観 点 が実行 で きるか否 か とい うこ とは,し ば ら く問題 に な らずt新 経 済 政策 の実 行 に よ って,無 貨 幣計 算 そ の もの が,も はや不 必要 にな った の で あ る。

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54商 経 論 叢 第29巻 第1号

(163) 2.過 渡 経 済 に お け る 価 値 法 則 の 作 用 に 関 す る討 論

新 経 済 政 策 の実 行 以 後,ソ 連 の 経 済 学 者 は,過 渡 期 に 商 品 ・貨 幣 関 係 が存 在 す る必 要 性 を 認 め ・ 価 値 法 則 が ソ ヴ ェ ト経 済 の な か で 作 用 して い る こ と を承 認 した 。 そ れ は・ な に よ り もま ず ,多 くの ウ ク ラ ー ドが 客 観 的 に存 在 して い る か らで あ る・ ソ ヴ ェ ト経 済 に は・資 本 議 ウ ク ラー ドと小 商 品 ウ ク ラ ー ドが あ り

, こ れ らの ウ ク ラ ー一 ドの な か に 商 品 ・貨 幣 関 係 と価 値 法 則 が 存 在 して い る こ と は,疑 問 の 余 地 が な い。 しか し過 渡 期 経 済 の 社 会 ↑義 ウ ク ラ ー ドの な か に 商 品 ・貨 幣 関 係 が 存 在 す る か ど うか,価 値 法 則 が 作 用 す る か ど うか は

,一 っ の 論 争 問 題 で あ った 。1926年 ・ 共 産 主 義 科 学 ア カ デ ミー が 行 っ た

,ソ ヴ ェ ト経 済 に お け る価 値 法 則 の 作 用 の 問 題 に 関 す る 討 論 会 に は

,二 つ の 異 な る 見 解 が 集 中 的 に 反 映 して い る。

プ レオ ブ ラ ジ ェ ンス キ ー は,「 二 つ の 調 節 者[規 制 者]」 と い う理 論 を 提 出 し た 。 す な わ ち ソ ヴ ェ ト経 済 に は経 済 を 調 節 す る 二 っ の経 済 法 則 が あ る

。 一 つ は 価 値 法 則 で あ り,そ れ は私 有 経 済 の な か で 作 用 す る。 も う… つ は い わ ゆ る社 会 礒 の原始 的蓄積 法則 で あ り,国 営経 済 の なか で作用 す(磐.討 謙 で はs国 営 経 済 に お け る価 値 法 則 の 作 用 を 否 定 す る プ レオ ブ ラ ジ ェ ン ス キ ー の 観 点 が

,若 干 の 人 々 の 賛 成 を 得 た。 た とえ ば,ロ ー ゼ ンベ ル ク は次 の よ うに 考 え た

。「国 営 工 業 の 内 部 に 価 値 法 則 の 地 位 は な い と い う論 点 に

,絶 対 的 に 反 対 す べ き い か な る理 由 もな い 」。 彼 は こ う述 べ た 。 「わ が 工業 全 体 は

,た だ 一 人 のk人,す な わ ち プ ロ レ タ リア ー ト独 裁 の 国 家 だ け を もっ。 そ れ ゆ え,ド ネ ツ石 炭 コ ン ビナ ー トは,石 炭 を 他 の トラ ス トに売 るが ,そ こ に は も ち ろん,い か な る 商 品 の運 動 も な い。 … … した が って 私 の 考 え で は,こ の ウ ク ラ ー ドの 内 部 に価 値 の地 位 は な い」。 しか し彼 は,国 営 工 業 と他 の ウ ク ラ ー ドと の 関 係 の な か に は 「価 値 法 則 が 存 在 す る」,と 考 え た 。(s)

しか し,少 な か ら ざ る経 済 学 者 は,次 の よ う に考 え た。 ソ ヴ ェ ト経 済 全 体 は 一 つ の シ ス テ ム で あ り

・ 各 ウ ク ラ ー ドは す べ て,相 互 に 関 連 して お り,そ れ ら を 切 り離 して 価 値 法 則 の 作 用 を 論 ず る こ と は で きな い,と 。 た とえ ば,mニ

ンは次 の よ うに 批 判 した 。 プ レ オ ブ ラ ジ ェ ン ス キ ー が 国 営 ウ ク ラー ドに お け る

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社会主義経済学論争小史(⇒55(lfi2)

価 値 法 則 の 作 用 を 否 定 し た こ と は,「 孤 立 的 に各 部 門 を考 察 し,連 鎖 的 関 連 を 忘 れ,す べ て の 部 門,と くに 工 業 と農 業 が 一 つ の統 一 した 全 体 に 結 合 して い る こ

と を忘 れ た か らで あ る」。 彼 は こ う指 摘 した 。 「重 工 業 の 範 囲 に お い て,わ れ わ れ の 計 画 ・提 案 は っ ね に,こ の 消 滅 した と考 え られ る 価 値 法 則 が もた らす 実 際 の修 正 的影響 に よ って制 約 されて ㌔胤 モ トィ レフ は次 の よ うに考 え た・プ レ オ ブ ラ ジ ェ ンスキ ー は,「 経 済 全 体 が一 っ の シ ス テ ムで あ る とい う問 題 を提 出

しない。 も し価 値 法 則 が工 業 にお い て作 用 せず,農 業 に お いて作 用 す る とす れ ば,わ が国 の工業 は農 業 か ら遊 離 し,経 済 の各 構 成部 分 間 の関連 が切 り離 され て しま習」。 カ ー ッ は こ う考 え た。 国営 経 済 の範 囲 内 で社 会 主義 的 蓄積 が進 む が,こ れ と私 的 蓄 積 は 同 じで あ り,「 す べ て 価 値 法 則 を 規 準 に して い る」。 そ れ ゆ え,「 価 値 法 則 の 変 容 と は 言 え る が,わ が 国 の経 済 条 件 の下 で,国 家 の 蓄 積 に

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関 して価値 法則 が作 用 しな い とは言 え ない」。

当時 ソ連 の経 済学 者 は,次 の点 を認 め た。 社 会 主義 ウ クラー ドにお け る価 値 法 則 の作 用 は,主 と して,国 営 企 業 と私 的経済 との相 互 関 連 に よ る もので あ る が,結 局 の と ころ,過 渡 期 に多 ウク ラー ド経 済 が存 在 す る とい う原 因 に よ る も の で あ る。 この点 に関 して,ブ タエ フ はSあ る論 文 で次 の よ うに述 べ た。「なん

らか の歴 史的必 然 性 に よ って,社 会 主義 ウ ク ラー ドの な か に価値 を保 存 す る こ とが で きるだ ろ うか。 周 知 の よ うに,科 学 的 共産 主 義 の創 始者 は,社 会 主 義経 済 にお い て価 値 は消滅 す る,社 会主 義 制度 の下 で は,商 品 ・市場 関係 の形 態 も な くな る,と 考 え た」.し か し過 渡期 経 済 の社 会 主 義 ウ ク ラー ドと完 全 な社会 主義 とは同 じ もので はな い。 それ は 「独 立自在 の経 済 シ ステ ムで な く,工 業 生 産 が 主 で あ り,農 業 の補 充 が な けれ ば な らな い が,農 業 は主 と して小 商 品 農民 経 済 で あ る」。 「それ ゆ え,こ の場 合,労 働 の計 算 お よ び表現 の形態 は,小 商 品 経済 と資 本 主義 経 済 にお いて労働 を計 算 し表 現 す る形 式 と同 じで な けれ ば な ら な い。 そ れ ゆ え,社 会 主 義 ウ ク ラー ドに お いて は価 値形 態 で も って労 働 を計 算

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し表 現 す る必 要 が あ る」。

ブ タ エ フ の この 説 に よ れ ば,商 品 ・価 値 範 疇 は 社 会 主 義 ウ ク ラ ー ドに対 して 外 在 的 で あ り,内 在 的 に 固 有 な もの で は な い・ ひ と た び 過 渡 期 が 終 了 す る な ら

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56商 経 論 叢 第29巻 第1号

0161) ば,私 有 経 済 は消 滅 し,こ れ らの範 疇 も存 在 しな くな る

。 この観点 は,当 時 の 一 般 的 見解 を代 表 した

。 した が って,社 会主 義社 会 に関 す る認 識 は,こ の時 期 と戦 時 共 産主 義 期 とで同 じで あ り,依 然 と して社 会 主 義社 会 を商 品 の存 在 しな い,貨 幣 の存 在 しな い現 物経 済 と見 な した。 異 な る と こ ろは,過 渡 期経 済 に お け る商 品 ・貨 幣 関係 お よ び価値 法則 の存 在 の必 要 性 を認 めた こ とで あ る

。 た だ し,社 会 主義 と商品 ・貨 幣 関係 とは相入 れ な い とい う観 点 は変 わ らなか った。

そ れ ゆえ 当 時r「 価値 法 則 消 滅論 」が非 常 に流行 した。 この観点 によ れ ば,社 会

(14)への移 行過 程 で は・「社 会蟻 の要素 が増 大 す るにつ れ て,価 値 法 則 は{肖 滅 す

る」。 商 品 ・貨 幣 の運 命 も次 の よ うにな る。 「ソヴ ェ ト経 済 が最 終 的 に社 会 主 義 に到 達 す る と,… …貨 幣 お よ び信 用 は完全 に消 滅 しa商 業 は社 会主 義 的 分 配 の技術 的機構 に転化摺 」。

3.社 会 主 義制 度 の下 で商 品 ・貨 幣 関係 が 存 在 す る とい う観 点 の確 立

20年 代 末 か ら30年 代初 め に,ソ 連 は,社 会主 義 期 にす で に進 入 し,過 渡期 の 終 了 に向 か って い る と宣言 した。「消滅 論 」に よれ ば,こ の時 期,商 品 ・貨 幣 範 躊 はす で に消 滅 の段 階 に達 したの で あ る。 そ こで ソ連 の経 済 学 者 は

,商 業 を廃 止 し,貨 幣 を廃 止 す る とい う意 見 を続 々 と提 出 した。 た とえ ば ロ ーゼ ン タ リは こう述 べ た。「1929年 の夏f新 しい段 階 が開 始 したの で,商 業 は社 会 主義 的生 産 物 交換 に触 した・ … われ わ れ1ます で に・ 仲 介 環 節 が余 分 に な り1まじあ た時 期 に進 入 した」。 あ る者 は,「 貨 幣 形 態 は市 場 関 係 と と もに,ど の よ う に して 消 滅 す るか」 とい う問題 の研 究 を 要求 濃 。

この 観 点 は,理 論 的 に誤 りで あ るだ け で な く

,実 践 的 に も害 毒 を 生 み だ した。

1934年,ス タ ー リ ンは,ソ 連 共 産 党(ボ)第1?回 大 会 で こ の 観 点 を 鋭 く批 判 し , そ れ は 「左 翼 」 の 単 純 な つ く り話 だ と した。 彼 は,明 確 に こ う指 摘 した。 「貨 幣 は,わ れ わ れ の と こ ろ で,ま だ 長 期 に 存 在 す る で あ ろ う

。共 産 主 義 の第 一 段 階, す な わ ち 社 会 主 義 の 発 展 段 階 の 完 成 す る 時 期 ま で ず っ と 存 在 す る で あ ろ う」

(『ス ター リン全集 』第13巻,中 文,303‑304ペ ー ジ)。 ス タ ー リ ン は,社 会 主 義 建 設 の 実 践 か ら出 発 して,社 会 主 義 段 階 全 体 に 商 品 ・貨 幣 関 係 が 必 然 的 に存 在 す る と い う こ と を 肯 定 した 。 そ れ は,社 会 主 義 と 商 品 ・貨 幣 関 係 と は相 入 れ な い と

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(160) 社会主義経済学論争小史口57

す る伝 統 的観 点 の否定 で あ り,理 論 上 の重 要 な突 破 で あ った。

しか し,そ の後 ソ連 の経 済 学者 は,社 会 主義 の 条件 の ドで の商 品 ・貨 幣 関係 の存在 を承 認 した に もか か わ らず,依 然 と して価 値 を否 定 し,価 値 法 則 を否 定 した。た とえ ば,オ ス トロヴ ィチ ャノ ブは こ う述 べ て い る。「労 働者 階 級 の独 裁 は,商 品 ・資本 主 義経 済 の運 動 の 自然 発 生的 法則 価値 法則 を廃止 し,… …

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そ れを 社会 主義 的 国民 経 済 の 意 識 的計 画 的指 導 に代 え る」。 コズ ロ フ もまた次 の よ うに考 え た。 社 会 主義経 済 に お いて は、労 働 は直接 に社 会 的労 働 で あ るの で,「 生 産 物 の生産 に お いて 消 費 され る労 働 は,こ の生 産物 の価値 を表 現 しな い」。彼 は こ う述 べ た。 しか し 「価 値 法 則 が存 在 しな い ことか ら,商 品 も存 在 し な い と い う結論 を下 して はな ら讃1」.rソ ヴ ェ ト繍 の発 展』 の著 都,次 の よ う に述 べ た 。「商CIC]C,・資 本 主 義 経 済 の 商 品 の貨 幣 形 態 は,価 値 を 表 示 す る価 格

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で あ るが,ソ ヴ ェ ト商品 の貨 幣形 態 は,価 値 を表 示 しない」。 ソ連 の経 済 学者 の 胸 中 で は,価 値 は私 的商 品 生 産者 の生 産 関係 を示 す範 疇 にす ぎず,価 値 法 則 も ま た商 品 ・資本 主 義 の 自然 発 生 的 法則 にす ぎな か った。 当時 の広 義 の経 済 学 の 教 科 書 に は,「 社 会 主義 制 度 の下 で の価 値 法 則 を否 定 す る一 筋 の赤 い糸 が 貫 い て お り,物 質 的 内容 の な い外部 形 式 だ けで も って,簡 単 な労 働 計算 の用 具 だ け

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で も って,商 品 ・貨 幣 関 係 を 解 釈 して い た 」。1941年tス タ ー リ ン は,こ の 教 科 書 の初 稿 を読 了後,経 済 学 者 と の 会 談 で,教 科 書 の この 観 点 は ソ ヴ ェ ト経 済 の 実 情 と矛 盾 して い る,と 指 摘 した 。「社 会 主 義 段 階 に は 価 値 法 則 が 存 在 し,そ れ

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は変 容 され た形 態 で ソ連 経 済 に お い て作 用 して い る」。 社 会 主義 制 度 の 下で の 価値 法 則 の 作用 が承認 され,理 論 上 ふ たた び重 要 な突 破 が な され た。 ス ター リ

ンの この論 点 は,最 初,1943年 第 ・号 の 『マル ク ス主義 の旗 の下 に』誌 の 編 集 部論 文 「経 済 学 教 育 の 若干 の問題 」 に公 開発 表 され た。 この論 文 は,価 値 法 則 に関 す る新 しい認 識 に もとつ いて,「社 会 主義 社 会 が生 産 す る商 品 は,一 面 にお い て使 用価 値 で あ り,別 の一 面 にお い て価値 で あ る」,ソ 連 の社 会 主 義 経済

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に お い て 「価 値 は,商 品 価 値 の貨 幣 表 現 で あ る」,と い う こ と を 承 認 した 。 こ う して,価 値 お よ び価 値 法 則 は,社 会 主 義 経 済 学 に お い て は じめ て,そ の地 位 を 獲 得 した の で あ る。

(10)

58商 経 論 叢 第29巻 第1号 0159)

1951年 の経 済 学討 論 会 以 後,ス ター リンは 『ソ連 邦 にお け る社会 主義 の経 済 的 諸 問題 』 の なか で,社 会t義 制 度 の下 に お け る商 品生 産 と価値 法 則 の 問題 に っ いて,一 連 の見 解 を提 出 した。彼 の主 な観 点 に よれ ば,生 産手 段 の公 有制[社 会 的所 有 制]の 二つ の形 態 の存在 が社 会 主義 制 度 の下 で 商品 生 産 が存 在 す る唯

一の原 因 で あ り,生 産 手 段 を商 品 か ら除外 し,価 値 法則 は流 通分 野 の み で作 用 しT生 産 分 野 に対 して は間接 的影 響 を与 え るだ けで あ る,と 考 え た。 ス ター リ ンの この観 点 は,50年 代 前 半,支 配 的地 位 を 占め た。

1956年 以 後 ソ連 の経済 学 者 は,ス ター一リンの枠 か ら抜 けだ し,社 会 主 義 制 度 の下 に お け る商 品 ・貨 幣関 係 と価 値 法則 の 問題 につ いて討 論 を 展 開 し,50年 代 後 半 に討論 は頂点 に達 した。 こ こで の討 論 は,一 連 の 問題 で新 しい結 論 を生 み,社 会 主義 の商品 ・価 値理 論 の発 展 に積極 的 作用 を及 ぼ した。

4.社 会主 義 社 会 に商品 生 産 は存 在 す るか

50年 代 の中 期,商 品生 産 の問 題 に関 す る討論 で,少 数 の経 済学 者 は,社 会主 義 制 度 の 下で 商品 生 産 は存 在 しな い,と 考 え た。 た とえ ば,レ ヴ ァシ ェ フは次 の よ うに述 べ た。「分離 した商 品生 産 者 が所 有 す る生 産物 だ けが 商 品 で あ る。社 会 主 義制 度 の下 で,社 会 は,す べ ての生 産 物 の所有 者 で あ るか ら,そ こに は,

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商 品生 産 も商 品交 換 も存 在 しな い」。この観 点 は,討 論参 加 者 の多 数 の反 対 に で あ った。た とえ ば オ ス トロ ヴ ィチ ャノ ブは こ う指 摘 した。「ソ連 に商 品生 産 が 存 在 す る こ との否 定 は,事 実 を少 しも考慮 して い な い」。「商 品生 産 と価 値 法則 は, 資本 主義 社 会 にお け るそ れ に固有 の特徴 を失 うが,そ れ は,商 品生 産 の消滅 を

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完 全 に証 明 す る もの で は な い」。

1960年,マ ル イ シ ェ フ と ソ ボ リの二 人 は ,「研 究 の 出 発 点 は,ソ 連 に 商 品 生 産

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は存 在 しな い」 で あ り,ま た 「社 会 主 義 は商品 経 済 でな く,価 値 とい う挺 子 も

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不 必 要 で あ る」と い う観 点 に も とつ い て,『 社 会 主 義 の 下 で の 労 働 の 社 会 的 計 算 と 価 格 』 『国 民 経 済 の バ ラ ン ス 問 題 の 研 究 」 と い う2冊 の 本 を 書 い た 。 二 人 の 観 点 は,た だ ち に ガ トフ ス キ ー,サ コ フな ど の 批 判 を 受 け た 。 っ つ い て 『コ ム ニ

ス ト』誌 は,マ ル イ シ ェ フ,ソ ボ リの 反 批 判 論 文 と雑 誌 編 集 部 の マ ル イ シ ェ フ, ソ ボ リに対 す る論 評 を 同 時 発 表 した。 こ う して こ の 論 争 は 頂 点 に 達 した。

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(158) 社会主義経済学論争小史⇔59

マ ル イシ ェ フ と ソボ リの基 本 的論 点 は,「 社 会 主義 経 済 と商 品生 産 と は相 入 れ な い」で あ った。彼 らは こ う考 えた。「商 品生 産 は,初 めか ら終 わ りまで生 産 手段 の私 有制 を基 礎 に して い る」。人 々 が共 同 で労 働 し,共 同 で生 産 し,総 生産 物 を分 配 す る とき,労 働 は直 接 に社会 的 労働 で あ る。「この条 件 の下 で,商 品 お

よ び,市 場 を 通 過 す る生 産 連 関 は不 必 要 で あ るば か りか,実 際 に もあ り得 な い」。 それ ゆ え,「 生産 手 段 の私有 制 が 公 有制 に交替 して以後,商 品生 産 は消滅 し,社 会 主 義 的計 画経 済 に と って替 わ られ る」。彼 らの考 え に よれ ば,「 商 品 の 売 買 は独 立の生 産者 間 で発 生 す る」。 それ ゆ え,「 国 営 商業 お よ び協 同組 合 商 業

は,商 品 関係 を基礎 とす る売 買 で は な い。 それ は,労 働 の 量 と質 に応 じて,生

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産 物 を 社 会 主 義 的 に 分 配 す る組 織 形 態 で あ る」。

マ ル イシ ェ フ と ソ ボ リの 観 点 は,鋭 い 批 判 を 受 け た。 ガ トフ ス キ ー と サ コ フ は 次 の よ う に 述 べ た。 社 会 主 義 と商 品 ・貨 幣 関 係 と が 相 入 れ な い と い う結 論 は,「30年 代 初 め に 克 服 さ れ な け れ ば な らな か った"左 翼 的"観 点 で あ る」。 そ れ は,「 商 品 生 産 と 資 本 主 義 的 生 産 と を 混 同 して い っ し ょ く た に抽 象 的 に論 ず る論 理 の 結 果 に す ぎ 講1」.rコ ム ニ ス ト』誌 の編 鄭 論 文 は,こ う述 べ て い る.

商 品 は 「資 本 主 義 お よ び 私 有 制 の範 囲 を は る か に 超 え て い る」。 「価 値 の 等 価 交 換 は,商 品 ・貨 幣 関 係 の 基 本 的 特 徴 の一 つ で あ る 」。 「歴 史 的 経 験 が 証 明 して い る よ うに,こ の 交 換 は,必 ず し も終 始 私 有 制 と相 互 に 関 連 して い るわ けで は な い 」。 こ の論 文 に よ れ ば,マ ル イ シ ェ フ と ソボ リは,「 商 品 ・貨 幣 関 係 と私 有 制 関 係 と を混 同 して い っ し ょ くた に論 じて お り,社 会 主 義 制 度 の下 で の 商 品 関 係 の す で に 変 容 さ れ た性 格 を 正 し く理 解 す るす べ を ま っ た く持 た ず 」,「商 品 ・貨 幣 関 係 を 凝 固 した もの,永 遠 に凝 固 した もの と見 な し,そ れ と,生 産 様 式 の 変

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化 に つ な が る歴 史 の 発 展 と に 目 を 向 け て い な い 」。

こ の よ うな 批 判 が な され た後,社 会 主義 制 度 の 下 で の 商 品 生 産 の 存 在 を 否 定 す る 観 点 は 弱 ま っ た が,こ の 思 想 が そ の ま ま 途 絶 え た の で は な い 。60年 代 末,

ソ連 の 経 済 改 革 に 困 難 が 発 生 した と き,"非 商 品 派"の 代 表 ヘ ッ シ ン は,再 度 マ ル イ シ ェ フ ら の観 点 を繰 り返 し,社 会 主 義 は直 接 に社 会 的 な 生 産 で あ り,「 そ れ は実 質 上,商 品 生 産 の対 立 物 で あ る」。 そ れ ゆ え,「 社 会 主義 の勝 利 は ま た,商

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60商 経 論 叢 第29巻 第1号

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品 生産 の 消滅 を意 味 し」,「価 値 法 則 は舞 台か ら退 き,計 画 的発 展 法則 に席 を譲

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る 」・ と 考 え た 。 正 に オ ス ト ロ ヴ ィ チ ャ ノ ブ が 述 べ た よ う に,こ の 観 点 は 「目 下

斯 されている経徽 革 の原則 と矛盾ぜ碧」ため涯 働 多数 の反対綬1ナ た。 それ以 後,社 会t義 制 度 の ドで の 商品 生産 の存 在 を この よ うに明確 に否定 す る 観 点 を提 出 す る者 は,も はや いな か った。

5.生 産 手段 は商 品 か

ソ連 で は30年 代 に,社 会 主義 制 度 の 一ドに お け る商 占早,・貨 幣 関 係 の存 在 を承

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認 した と き・ 国 営 企 業 お よ び 労 働 力 は商 品 で な い と発 表 した こ と を 除 き,生 産 手段 は 商 品 の 範 囲 に属 す るか 否 か に つ い て,明 確 な 概 念 を持 っ て い な か っ た。 しか し40年 代 に,ソ 連 の 経 済 学 者 は,こ の 問題 に つ い て ,す で に 明 瞭 で あ っ た よ う で あ る。「マ ル ク ス 主 義 の 旗 の 下 に』誌 の編 集 部 論 文 は,明 確 に こ う指 摘 し た.「 社 会 犠 型 蝶 の 全 犠 物 は,徹 頭 徹 尾1酬 で(.34) .オ ス ト。 ヴ ィチ ャ ノ ブ は,こ う述 べ た。「生 産 物 が あ る国 営 企 業 か ら別 の 国 営 企 業 へ 移 転 す る こ と

は商 絞 換の助 けを借 りて商 品 ・貨 鞭 係 を利用 して濃 現 さ調 」.ヴ ォ ズ ネセ ンスキ ー も次 の よ うに述 べ た。「社 会 主義 企業 間 の生産 物 交 換 は,商 品価

ぐヨ ラ

値 の交 換 で あ る」。 上記 の 引 証 は,当 時,ソ 連 の経 済 学 者 が ,国 営 企 業 の生 産 物 は ・ 生 産 手 段 消 費 手段 の 別 な く,す べ て 商 品 で あ る,と 考 え て い た こ と を 説 明 して い る。 しか し,ス タ ー リ ンの 『ソ連 邦 に お け る社 会 主義 の経 済 的 諸 問 題 』

に お け る,「 わ が 国 の 制 度 の 下 で,生 産 手 段 を 商 品 の 範 躊 に入 れ る こ と は,い ず れ に せ よ・ あ り得 な い 」(『ス ター リン選 集』下巻,中 文,578ペ ー ジ)と い う見 解 は,

こ の 問 題 の 認 識 に混 乱 を生 ん だ 。

1956年,『 経 済 学 教 科 書』第2版 の 討 論 会 で ,バ チ ュ ーIJン は,ス タ ー一 リ ンの この 観 点 に 異 議 を 提 出 した 。彼 の 考 え に よ れ ば,「 マ ル ク ス;レ ー ニ ン主 義 理 論 の 立 場 か ら,ど う して 生 産 手 段 は価 値 を持 っ の に,同 時 に 商 品 で な い の か,と

1く

い っ こ と を 理 解 す る の は,非 常 に 困 難 で あ る」。 この 問 題 の 討 論 に お い て

,若 干 の経 済 学 者 は,依 然 と して,全 人 民 的 所 有 制 の 内 部 に は商 品 関 係 は存 在 しな い

, 生 産 手 段 は 商 品 で な い,と 考 え た。 主 な 理 由 は,生 産 手 段 の 移 転 は所 有 者 を 変 化 させ な い,で あ っ た。 た とえ ば,ソ ボ リは次 の よ う に述 べ た。 「異 な る所 有 者

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(156) 社 会 主 義 経 済 学 論 争 小 史に)61

の 間 で交換 が行 われ る場 合 にの み,は じあて商 品関係 が あ る」,「国 営 ウ ク ラー ドの内部 に は商 品関 係 は存 在 しな い」。 彼 は また,「 生 産手 段 の生 産 の動 態 は, 価 格 水準 によ って決 定 され な い」 ことを用 いて,生 産 手 段 の非 商 品 的性 格 を論 証 じ製 。 ク ク シ キ ン は次 の よ う に 述 べ た 。「社 会 主 義 の 条 件 の下 で は,国 内 で 回 転 す る基 本 的生 産 手 段 は,実 質 的 に商 品 で はな い。 それ らはすべ て 同一 の生 産 者 に よ って生 産 され,か つ依 然 と して この生 産者 一 一国家 が所 有 す る」。そ

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れ らは,「 売 買 を通 じてで な く,直 接 に国 家 に よ って分 配 され る」。

大 多数 の人 々 は次 の よ うに考 え た。 全 人民 的 所有 制 内部 に も商 品 関係 が存 在 し,生 産手 段 も商 品 で あ る,と 。 た とえ ば,リ フ シッ は こ う考 え た。 商品 生 産 の決 定 的 標識 は,所 有 権 の移 転 で な く,「生 産 物 が商 品 に変 化 す るの は,売 買 を 通 じて市 場 で交 換 が行 わ れ るか らで あ る」。 しか も 「商 品 と貨 幣 は互 いに分離 し て い な い」。 「社 会 主義 制度 の下 で は,貨 幣 は,同 じよ うに国民 経 済 のすべ ての 部 門 の た あ に役 立 つ が,あ る部 門 で は貨 幣 と して,別 の部 門 で は計 算単 位 と し

て役 立つ ので は課 ミ」.コ ズ ・ フは こ う述 べ た.「 社 会 的生 産 の各 部 門 の間 砿 範 な交 換 が存 在 す る社 会 で,こ の交 換 過程 にお いて,あ る生産 物 は商 品で,そ

れ と交 換 され る別 の生 産 物 は商 品 で な い,と い うよ うな状 況 はあ り得 な い」。彼 は こ う述 べ た。「商 品 の内容 は価値 で あ り,生 産手 段 が価値 を持 っ以 上,そ れ ら

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は形 式 的 に だ け で な く,実 質 的 に も商 品 で あ る」。

1958年,『 経 済 学 教 科 書 』第3版 は,こ れ ま で の 二っ の 版 の 「国 営 企 業 が 生 産

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し,か つ国営 部 門 内部 で 分配 され る生産 手 段 は,実 質 的 に商 品 で な い」 とい う 観 点 を 改 め,「生産 手 段 もまた売買 方 式 を通 じて,あ る国営 企 業 か ら別 の国 営企 業 に移転 す る。 そ れ ら も商 品 であ る。 それ は,国 家 的所 有制 と他 の 所有 制 形式 の相 互 関 係 によ る もの で あ り,ま た 国家 的所 有 制 自身 の特 徴 が形 成 す る もの で あ る」 とい う記 述 に改 め ら濃.お よそ5・ 年 代末 に,漣 の経 済 学 者 は注 産 手 段 の 商品 性 問題 にお い て,基 本 的 に一 致 した見解 に到達 した。

6.社 会 主義 的 商 品 には価値 と使 用価 値 の矛盾 が 存在 す るか

ソ連 で は40年 代 に な って は じめて,社 会 主義 社 会 で生産 され る商 品 は価 値 を有 す る こ とが承 認 され,そ れ は 「一 面 で は価値 で あ り,他 面 で は使 用 価値 で

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62商 経 論 叢 第29巻 第1号

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あ る」 こ とが承 認 された。 しか し,こ の商 品 は 「まだ… …価 値 と使 用 価 値 との 矛盾 を 具体 的 に表 して お らず」,こ の矛 盾 は,私 的労 働 と社 会 的労 働 との矛盾 と 同 じであ る と考え,小 商 品生 産 あ るい は資 本 主義 的生 産 の 商品 に固 有 の矛 盾 に

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す ぎな い とみ な され た。 この観 点 に類 似 した ことを ヴ ォズ ネセ ンス キー は次 の よ うに述 べ て い る。「ソ連 で は,使 用 価 値 を つ くりだす 具体 的労 働 と価 値 を っ く りだす抽 象 的 な社会 的必 要労 働 との間 に矛 盾 は な い。 この矛盾 は,資 本 主義 社 会 で は恐 慌 の芽 と認 」。

しか し,当 時,社 会 主 義 的 商 品 が価 値 と使 用 価 値 との矛 盾 を 有 す る ことを否 定 す る この よ うな観 点 以 外 に,い ま一 つ の観 点 が あ り,た とえ ば オ ス トロ ヴ ィ チ ャノ ブは次 の よ うに述 べ た。「ソ ヴェ ト経 済 に は,使 用価 値 と価値 との非 敵 対 的矛 盾 が あ り得 る」。企 業 の指 導 者 は,比 較 的有 利 な生産 物 を生産 す るが ,品 目 計 画 は完 遂 しな い た め,「 実 践 に お い て つ ね に発 生 す る企 業 の 生産 計 画 と財 務 計 画 との 執 行 上 の 不 一一致 は,こ の 矛 盾 の 表 現 形 式 の 一 つ で あ 響 」。

一 定 の場 合 に(た とえば企業の指導者の意志 によ

って)は じあ て,使 用 価 値 と価 値 との矛 盾 が生 みだ され得 ると考 え る観点 は,50年 代 前 半 にか な り流行 した。

『経 済 学 教 科 書』 は,こ の よ うな観 点 を明 確 に述 べ て い る。 「社 会 主 義建 設 の実 践 にお いてy経 済 法 則,と りわ け国民 経 済 の計 画的 発展 の法 則 の要求 に違反 す ると き,商 品 の使 用価 値 と価 値 の 間 に も,矛 盾 が発生 し得 る。 た とえ ば,個 別 企 業 の指導 者 が,価 値 の点 で 計 画 の完遂 を追 求 す るた め に,企 業 の収入 を よ り 増 加 させ る個 別 生産 物 の生産 に力 を いれ,す べ て の品 目 にっ い て生 産計 画 を完 遂 しな い と き,こ の よ うな 状 況 が 現 潔 」。

こ の 観 点 は,1956年 以 後 の 討 論 で 批 判 さ れ た。 た と え ば,ク ク シ キ ン は次 の よ う に述 べ た 。 この 観 点 は,「 社 会 主 義 制 度 の 下 で の商 品 の 矛 盾 を,指 導 の 質 量 に 依 存 す る個 別 事 象,偶 然 事 象 に変 え る。 指 導 が よ くな け れ ば,商 品 に 矛 盾 が 生 ま れ る。 指 導 が よ け れ ば,商 品 に矛 盾 は な い」。 この 論 点 はa「 問 題 の 主'・

義 的 解 釈 に 直 接 的 根 拠 を 提 供 した 」。 彼 は こ う述 べ た。 「使 用 価 値 と価 値 との 矛 盾 は,商 品 に固 有 の 内 在 的 矛 盾 で あ り,人 間(指 導 者)の 意 志 に よ って 変 わ る こ

と は な い。 そ れ は客 観 的 矛 盾 で あ る」。 「企 業 の指 導 者 が ,価 値 計 画 は熱 心 に 完

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(154) 社会主義経済学論争小史口63

遂 す るの に,品 目計 画 は完 遂 しない と き,矛 盾 は生 まれ な いが,そ れ は表 面化 ぜ 智 」。 マ カ ロ ヴ ァ も ま た こ う述 べ た。 「この 解 釈 に も とつ い て,商 品 の 矛 盾 は, 経 済 学 お よ び経 済 学 の客観 的 法則 の領域 か ら退 き,経 済 政策 の領 域 に入 り,正 確 な計画 に よ って,と くに企 業 の支 配 人 の意識 性 に よ って完 全 に決 め られ る も

の にな る。 … … それ に は,つ ま り商 品 に は,根 本 的 に矛 盾 が な い とい う こ とで あ る」。さ らに彼女 は こ う述 べ て い る。「商品 の矛 盾 は,社 会 主義制 度 の下 で は, 商 品 生 産 が存 在 す るそ の他 の社 会 構成 体 に お いて と同様 に,商 品 に 内在 す る固

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有 の,つ ね に存 在 す る矛 盾 で あ る」。

これ らの 討 論 を 経 て,教 科 書 の 第3版(1958年)か ら観 点 が修 正 さ れ,次 の よ う に 考 え られ る に い た っ た。 「社 会 主 義 制 度 の 下 で は,使 用 価 値 と価 値 の 間 に,

非敵対的矛盾 が存診 翠」。また 「矛盾が発生 し得 る」 とい う記述 が 「矛盾が存 在 す る」 とい う記 述 に改 め られ た。 この時期 か ら,社 会 主 義制 度 の下 で,商 品 に は価 値 と使 用 価値 との矛 盾 が客 観 的 に存 在 す る とい う観 点 が,ソ 連 の経 済 学 者 に広 く受 け入 れ られ るよ うにな った。

7.価 値 法則 は生産 分 野 で作 用す るか

ソ連 で は40年 代 初 め に,社 会 主 義 経 済 にお け る価値 法 則 の存 在 が承 認 され た。 価 値 法 則 の作 用 に関す る問題 は,最 初 『マ ル クス主義 の旗 の下 に』 誌 の編 集 部論 文 で提 出 され た が,価 値 法 則 は生 産調 節 者[生 産 規 制 者]の 作 用 を果 た

さな い ことが強 調 され た。オ ス トロヴ ィチ ャノ ブ は次 の よ うに述 べ た。「価 値 法

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則 は社 会 主義 的生 産 お よ び分 配 の重 要 な挺 子 で あ る」。 ヴ ォズ ネセ ンスキ ー は 自己 の著 書 の なか で,価 値 法 則 の作 用 にっ いて,比 較 的詳 しく論 述 した。 彼 は こ う考 え た。 「社 会 主 義経 済 に お いて,価 値 法 則 は,か な らず貨 幣 計算 を行 い, 生産 費用 を計 画 す る ことを意 味 す る」。 「国家 計 画 は,価 値 法則 を利用 して,社 会 的労 働 と社会 的生 産 物 の生 産 ・分 配 面 で必 要 な比 例 関係 を定 め る」。 「価 値 法 則 を利用 して,国 民 経 済 の 各部 門 間 に社 会 的労 働 を正 し く分配 す る」。 「価 値 法 則 は,生 産 物 の生 産 の部 面 で作 用 す るだ けで な く,生 産物 の交 換 の部 面 で も作 用 す る」。つ ま り 「価 値 法則 は,… …生 産 の費 用 を決 ぬ 生 産物 の分配 お よび生 産 物 の交換 を決 め る最 低 限 の法 則 窃 鷲 」.以 上 か ら分 か る こ とは,4・ 年 代1こ・

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64商 経 論 叢 第29巻 第1号

0153)

価 値 法則 の作 用 を生 産 分 野 の外 に完 全 に排 除 して いな い こ とで あ る。

しか し,ス ター リ ンは 『ソ連 邦 にお け る社 会 主義 の経 済 的諸 問題 』 で,次 の よ うに提 起 した。「価 値 法則 が作 用 す る範 囲 は,第 一 に商 品流 通 を含 み」,「同 時 に生 産面 に も広 が り」,「生 産 に影 響 を与 え る」。 この 「価 値 法 則 の生 産 に対 す る 影 響」 は,「生 産 過程 に お け る労 働 力 の 消費 を償 うの に必 要 な消費 財」を通 じて 実 現 され る(rス ター リン選集』F巻y中 文,552‑‑553ペ ージ)。 この見 解 に よれ ば, 価 値 法 則 は生 産 分野 にお いて,聞 接 的 に影 響 す るだ けで あ り,価 値 法 則 の作 用 範 囲 は縮 小 され て い る。 価値 法 則 の作 用 に対 す る この観 点 は,ス ター リンが生 産 手段 の商 品 性 を否 定 して い る こと に対 応 して い た。

1956年 以後 の討 論 で,社 会 主 義 経 済 にお け る価 値 法 則 の作用 は,ソ 連 の経 済 学 者 が重視 した問題 の一 っ で あ り,上 述 した 「生産 へ の間接 的影響 」の観 点 は

, 多 くの者 に批 判 され た。ヴ ォル コフ は こ う述 べ た。「社 会 主義 的生産 に対 す る価 値 法 則 の影響 とい う公式 か らは,明 確 な結論 は得 られ な い。 価値 法 則 は生産 分 野 で作 用 す るだ ろ うか。 結 果 は こ うで あ る。 価 値 法則 は生 産 か ら離 れ た とこ ろ に あ り・ そ こか ら生産 に 向か って"射 撃 す る"。 したが って価 値 法則 は,生 産 の 法 則 で な いか の よ うで あ る。 明 確 に言 わ な けれ ば な らない こ とは,価 値 法 則 の 生産 に対 す る影 響 で な く,価 値 法則 の生 産分 野 に お け る作 用 でお智 」。 ク ロ ン ロー ドは次 の よ うに考 え た。 価 値 法 則 が社 会 主 義制 度 の 下で生 産 調 節者 の作 用 を しな い こ とを根 拠 に,「社 会 主 義 的 生産 にお いて作 用 しな いか の よ うな 」結 論 をFし て は な らな い。 彼 は こ う述 べ た。 価値 法則 が 社 会 的生 産 の調 節 者 の機 能 を果 す の は,一 定 の歴 史 的 条件 の限 定 が あ るか らで あ るが ,「 価 値 法則 の 内容, す な わ ち労 働 は,か な らず価 値 を通 して,社 会 的 な抽 象 的労 働 と して商 品 の生 産 にお い て消 費 され,交 換 に よ って 償 わ れ,し たが って価 値 をか な らず通 して 計算 され,一 般 的 意義 を持 っ ので あ る。 価 値法 則 の この よ うな客観 的 内容 は, そ れが 作用 す るいか な る生 産 に も蹴 智 」.ガ トフ スキ ー は,「 価 値 法 則 がu外 部 か ら"一 一 たん に賃 金 を通 じて 生 産 手 段 の生産 に影 響 を与 え るか の よ う

に」 い う見 解 を批判 し,次 の よ うに考 え た。「価 値 法 則 は,社 会 主義 経 済 の発 展 過 程 に対 して・ きわ め て大 きな影 響 を持 ち,生 産 お よ び流 通 に お いて,社 会 主

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(152) 社 会 主 義経 済 学 論 争 小 史(=165

義 的再 生 産 のす べ て の分 野 にお い て,国 民 経 済 のす べ て の部 門 に お いて,作 用 鍔 」。

『経 済学 教 科 書 』第3版 は,そ れ まで の二 つ の版 の 「価 値 法 則 は,社 会 主 義 的 生 産 に も影 響 ぜ智 」とい う見解 を,「 価 値法 則 は,生 産 分 野 お よび流 通分 野 のす

(57)

べ て にお いて作 用 す る」 に改 めた。

50年 代 以 後,価 値 法 則 は,流 通 分野 だ けで な く生 産 分野 で も作 用 す る とい う 観 点 が,ソ 連 の経 済 学 者 に普 遍 的 に受 け入 れ られ た。 価 値 法 則 は 「生産 に影 響

す る」 とい う言 い方 は,も はや ソ連 の経済 学 者 の著 作 の なか に見 られ な くな っ た。

8.社 会 主 義制 度 の下 で商 品生 産が 存在 す る原 因

ソ連 で は1943年 か ら,社 会 主 義 制度 の下 で商 品 ・貨 幣 関係 が 存 在 す る必 然 性 が承 認 され,し たが って そ の必 然 性 を生 む原 因 の問 題 が提 起 され た。 原 因 の 問題 に関 して,提 出 され た第 一 の解釈 は,労 働 に応 じた分配 と労 働計 算 の必要 とい ういわ ゆ る分配 計 算 の観 点 か らで あ る。 た とえ ば ア トラス は次 の よ うに述 べ た。「社 会 主 義経 済 にお いて,貨 幣 お よ び価 格 が必 要 なわ け は,労 働 の量 お よ び質 に応 じて支払 うとい う社 会 主義 の原 則 が,統0的 労働 尺度,労 働 計 算 の 一 般 的 単位 を要 求 す るか らで あ る。 肉体 的労 働 と精神 的労働 の差 異,生 産者 の熟 練 度 の差異 は,労 働 お よび社 会 的生 産 物 を,労 働 単位 を用 いて 直接 に計算 す る

こ とを不 可能 にす る。 そ こで貨 幣 に よ る計算 が必 要 に な る」。 した が って・ 「商 業 を通 じて行 わ れ る社 会 的生 産 物 の分 配 も,労 働 証 書で な く,貨 幣 を通 す べ き

で 躍 智 」。40年 代 に な る と,こ の 観 点 は,『 マ ル ク ス 主 義 の 旗 の 下 に 』 誌 の 編 集 部論 文 で肯定 され,広 め られ たた め,流 行 の観 点 に な った。

しか し40年 代 に,あ る経済 学 者 はす で に,社 会 主義 の生産 手 段 所 有制 か ら社 会 主 義 制度 の下 で の商 品 生産 の存 在 の必 然 性 を解 明 しは じあて い た。 た とえ ば

ア リチ ェルの考 え に よれ ば,社 会 主義 社会 に商 品 生産 が存 在 す るの は,次 の三 っ の原 因一 一二 種 類 の社 会 主 義 的所 有 制形 式,労 働 に応 じた分配,直 接 に労働

らの

時 間 を 用 い て 労 働 消 費 を 計 算 で き な い こ と に よ る も の で あ っ た 。 オ ス トロ ヴ ィチ ャ ノ ブ は三 っ の 異 な る状 況 に 応 じて,別 々 に説 明 した 。 国 営 企 業 と集 団

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66商 経 論 叢 第29巻 第1号

(151) 農 場 の間 で 「商 品 関係 が必 要 とな るの は,社 会 的分 業 と生 産 手 段 の協 同組 合 的 集 団 的 農 場 所 有 制 とが っ くられ て い るか らで あ る」。 国営 の社 会 主義 企 業 間 に

「商 品 関係 が必要 とな るの は,(1)こ れ らの企 業 間 の社 会 的分 業,(2)社 会 主義 段 階 の社 会 的労 働 の性 格 が,国 営 企 業 に財 産上 の 自 立性 を 与 え な けれ ば な らな

 の

い こ とを要 求 す るか らで あ る」。こ こで オ ス トロ ヴ ィチ ャノ ブ は,異 な る場 合 に 応 じて,所 有制 の形 式 だ けで な く,国 営 企 業 の財産 上の 自立性 も,商 品 関係 が 存 在 す る原 因 で あ る と した。

1952年 に ス ター リンが 『ソ連 邦 に お け る社 会 主 義 の経 済 的諸 問題 』で,「社 会 主義 的生 産 の二 っ の基 本 形式 」 の存 在 は社 会 主義制 度 の下 で商 品生 産 が存 在 す る原 因 で あ る,と い う ことを提 出 して以 後 ,生 産 手 段 の二 っ の公 有 制形 式 の存 在 だ けを用 いて商 品生 産 の必然 性 を説 明す る こ とが,ソ 連 の経 済学 の著 作 の な

かで支 配 的地 位 を 占め た。

1956年 の討論 で は,社 会 主義 制 度 の下 で商 品 生産 が存 在 す る原 因 は何 で あ る か につ いて・ 激 しい論 争 が展 開 され た。 あ る者 は,依 然 と して ス ター リンの観 点 を堅持 した。た とえ ば マ カ ロヴ ァは次 の よ うに述 べ て い る。「二っ の所 有 制形 式 の存 在 は,全 体 と して の社 会 主義経 済 に商 品 ・貨 幣関 係 が存 在 す る総 体 的 な 原 因 で あ る」。 それ ゆえ,「 ス ター リンが提 出 した下 記 の原 理一 一二 つ の所 有 制 形 式 は,社 会 主 義 制 度 の下 で 商 品 生 産 が存 在 す る基 本 的 で 唯 一 の原 因 で あ る

を,改 め て考 え て み るいか な る必要 も合 理 的 論拠 もぜ駅 」。

しか し,多 くの経 済学 者 が この論点 に存 在 す る欠 陥 を指 摘 した。 最 も明 らか な欠 陥 は次 の点 で あ る。「そ れ は,社 会 主義 革 命後 の商 品 関 係 の存 在 の必 然 性 の 問 題 に完全 に答 えて いな い」。なぜ な ら,商 品生 産 は国 営企 業 と集 団農 民 の間 の 関係 の必要 な形式 であ るばか りで濃),「 も し社会 蟻 的備 制 の二っ の形式 が,商 品 生産 が存 在 す る唯一 の原 因 で あ る と認 め るな らば,… …国 営経 済 内部 の生 動 は商品 で な くな る」 か らで(63).生 産 鍛 の商 品性 の問 題 が轍 され るに と もな い,二 つ の公 有 制 形式 の存 在 を唯 一 の原 因 とす る観 点 は,ソ 連 の経 済 学 者 に よ って放 棄 され た。

しか し,結 局 の とこ ろ,社 会主 義 制 度 の下 で商 品生 産 が存 在 す る原 因 は何 か。

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(150) 社会主義経済学論争小史(⇒67

この 問題 につ い て ソ連 の経 済学 者 の諸 説 は紛 々 と して お り・ 今 日 に至 るま で討 論 が つ づ い て い る問 題 で あ る。 この問 題 の最 大 の難 点 は,国 営経 済 内部 に商 品 関係 が存在 す る原 因 を い か に説 明す るかで あ る。

あ る者 は,二 つ の公 有制 形 式 の間 に商 品関 係 が存 在 す る こ とか ら出発 して, 国 民 経済 全 体 は統 一 的で あ るので,国 営 ウク ラー ド内部 に も商品 関係 が生 まれ

る,と 考 え た。 これ に反対 の者 の考 え で は,そ の意 味 す る と ころ は,「 商 品生 産 は,国 営 経 済 につ い て言 え ば,集 団的農 民 所 有制 が存 在 す るので,無 理 に外 か ら押 しつ け られ た要 素 で あ り」,国 営経 済 に内在 す る固 有 の もの で は な い,と い

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う ことで あ る。

あ る者 は,社 会 的労働 の性 格 を商品生 産 の存在 理 由 と し,社 会主 義 社 会 にお い て は労 働 の社 会化 過 程 が終 了 して お らず,労 働 に は依 然 と して社 会 的 に差 異 が存 在 す る,と 考 え た。 これ に反 対 の者 は,「 資本 主義社 会 に お け る この点 の差 異 の程度 は,社 会 主義 よ りず っ と激 しいが,そ れ で もや は り,分 業 と私 有制 と

(65)

で 資本 主義 的商 品生 産 の存 在 が決 め られ る」 と考 え た。

あ る者 は,物 質 的 刺激 の必要 性 を商 品生 産 の存 在 原 因 と した。 これ に反 対 の 者 は,「商 品 ・貨 幣関 係 が な くと も}物 質 的刺 激 は あ り得 る。マ ル クス,エ ンゲ ル スは,社 会 主義段 階 に商 品生 産 は存 在 しな い と}想 した が,彼 らの認 識 に よ

(66)

れ ば,労 働 に対 す る物質 的刺 激 は 可能 なだ けで な く,客 観 的 に必 要 で もあ る」。

あ る者 は,商 品生 産 の存在 を経済 計 算 の必 要性 と結 びっ けた が,こ れ に反 対 の者 は,「 社 会 主 義 企 業 が 生 産 物 の販売 に よ って得 る貨 幣 収 入 で 支出 を償 う原 則 は,商 品 ・貨 幣 関 係 の存 在 を前 提 とす る。 それ ゆ え,経 済 計算 が商 品生 産 の

く わ

原 因 に な る こ と は な い 」,と 考 え た 。

あ る者 は,企 業 の 相 対 的 自 立 性 で も って,国 営 企 業 に商 品 生 産 が 存 在 す る こ と を 説 明 した がzこ れ に反 対 の者 は,「 この よ う な 自 立性 は必 ず し も商 品 関 係 と 結 び っ か ず,完 全 な 共 産 主 義 の 条 件 の 下 で,商 品 関 係 が 消 滅 し て も,企 業 の こ

(68)

の 自立 性 は消 滅 す る もの で はな い」,と 考え た。

この他 に,あ る者 は,「社 会 主義 制 度 の下 で の商 品生 産 の必 然性 は,企 業 と社

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会 の 間 の 経 済 関 係 の 等 価 性 に よ って 直 接 に 引 き起 こ さ れ る 」,と 考 え た。あ る者

(20)

68商 経 論 叢 第29巻 第1号

(玉49)

(徳 それ は 「生産 の物 質 的技 術 的 基礎 の水 準 お よび性 格 が決 定 す る」・ と考 え た。 さ らにあ る者 は,分 配 計算 の観 点 等 々 を 引 きっ づ き提 起 した

上 述 した状 況 が 説 明 す るよ うに,社 会 主義 制度 の下 で商 品生 産 が存 在 す る原 因 は,複 雑 な問題 で あ る。 統 一的 認識 に達 す る まで に は長 い距 離 が あ る。 しか し,ソ 連 の20数 年 来 の討論 と研 究 は,現 在 yあ る程 度,一 致 点 に達 して い る。

[商 品生 産 の原 因 は]第 一 に,分 配 分 野 にで はな く,生 産 分 野 に求 め るべ きで あ る。 第二 に,国 営企 業 の外 部 にで はな く,国 営 経 済 内 部 の 関係 に求 め るべ きで あ る。

9.社 会 主 義経 済 の性格 は何 か

1965年 ソ連 で は,経 済 改 革 の実 施 が決 定 され た。改 革 は,商U[7C,・貨 幣 関係 を で きるだ け利 用 す る ことを要 求 した。 新 しい情 勢 の下 で

i商 品 ・価 値 理論 の研 究 は,ソ 連 の経 済学 者 に広 く重視 され るに至 った。50年 代以 来,商 品生 産 問 題 の討 論 に関 す る第 二 の頂 点 が形 成 され た。 こσ)ときの ソ連 の経 済 学者 の論争 の 中心 問題 の一 つ は,社 会 主義 経 済 の性 格 は何 か で あ った。

この問 題 にっ い て,ソ 連 の経 済 学 者 の観 点 は,お よそ三 っ の グル ー プー 一非 商 品派 の観点,「 社 会 主 義的 商 品生 産 論」の観 点,前 二者 の中間 派 の観 点一一 に 分 け る ことがで き た。 ヘ ッシ ンを代 表 とす る非 商品 派 は,社 会 主義 と過 去 の歴 史的 発展 段 階 との区 別 を一 面 的 に強調 し,社 会r義 制度 の下 で の商 品生 産 お よ び価値 法 則 の存 在 を根 本 か ら否定 した(す でに紹介ずみ)。この観点 は,ソ 連 の経 済 論壇 で ほん の一 時期 現 わ れ た だ けで あ り,な ん の影響 も崖 ま なか った。 そ れ

ゆ え論争 は,実 際 上,後 の二 つ の グル ー プの 間 で行 わ れ た。

「社 会 主義 的 商 品生 産 論」 者 は,次 の よ うに考 え た。 社 会t義 的生 産 の本 質 は,商 品生 産 で あ る。 商 品 関係 は,社 会 主義 に内在 的 な固 有 の もの で あ り,な ん らか の従 属 的 関係 で は ない。 た とえ ば レオ ンチ エ フは,次 の よ うに述 べ た。

「商品 生産 は,社 会 主義経 済 に お け る異 物 で はな く,完 全 に必要 な有 機 的側 面 で あ る。 それ は,こ れ まで存 在 しな か った,新 しい}社 会 主義 的 な,し た が って 計 画的 な商 品 生産 で あ る」。 「社 会 主義 制 度 の下 で の商 品生 産 と価値 法 則 を,旧 事 物 の なん らか の 母斑 と して誤 って解 釈 す る こ とを完 全 に拒 否 し,そ れ らの社

(21)

社会主義経済学論争小史口6901 .48)

会Jp:‑的 性 格 お よ び,そ れ ら と社 会1.経 済 全 体 の..iと の 分 か ち が た い 関 係 を,深 く理 解 す べ きで あ る」.「そ れ らを,社 会 議 の 臓 上 第 二次 的 な も の

と み な す よ う な 見 方 は捨 て 去 るべ き で あ る」.彼 の 考 え1こよ れ ば ・ 「商 品 纏 お よ び 商 品 生 産 に固 有 の 商 品 ・貨 幣 関 係 一一 価 格,貨 幣,利 潤 な ど一 一 は,社 会

アの

t義 の経済 構 造 の本 質 的 側 面 とみな す」 べ きで あ った。

コ ンニ クは次 の よ うに述 べ た。「社 会主義 的 生 産 は,商 品生 産 で な け れば な ら な い」。「社 会}義 社 会 にお け る各環 節 間(国 営企業間,国 営企業 と集団農場間,企 業 と従業員間i住 民間)の 社 会 的 生産 連 関 は,商 品 ・貨 幣関 係 を通 して実 現 され る。

そ れ ゆ え,社 会 主 義 的 生 産 は,計 画 的 で組 織 的 な商 品 生 産 の特 殊 な形 式 で あ

(72)

る」。 「社 会 主義 経 済 は,計 画 的 商 品 経 済 で あ る」。

ブ ズ ダ ロ フ は次 の よ う に 考 え た。「商 品 ・貨 幣 関 係 は,社 会t義 の性 格 お よ び 本 質 を 決 め る関 係 で あ る」。 「社 会 セ義 の条 件 の 下 で,商 品 ・貨 幣 関 係 は,基 本 的 で 支配 的 な 地 位 を 占 め る経 済 連 関 形 式 で あ る」。 しか しそ れ は・ 「ず っ と"従 属 的"作 用 を す る も の と さ れ て き た 」。 い ま や 「実 際 の 任 務 は,こ の 従 属 を 覆 す

こ とで あ る」。 す な わ ち,「 計 画 お よ び 経 済 政 策 全 体 を 商 品 生 産 の 客 観 的 法 則 の

(73}

要 求 に従 属 させ る ことで あ る」。

「社 会1:義 的商 品生 産 論 」の 見方 に よれ ば,社 会 主義 的 商 品生 産 は,商 品生 産 の最 高 の形式 で あ る。た とえ ば グ リゴ リャ ンは次 の よ うに考 え た。「資 本 主義 が 商 品生 産 の最 高 の形 式 で あ る とす る論 点 は,も はや時 代遅 れ で あ る。 商 品生 産 の最 高 の形 式 は,当 然,社 会 主義 制度 の下 で の商 品生 産 で あ る。 なぜ な ら第一・

に,社 会 主 義制 度 の下 で,商 品 の形 式 と内容 の対立 は消 滅 す る。第 二 に,計 画 的 に発 展 す る商 品生 産 は,無 政 府 状 態 で発 展 す る商 品生 産 よ り も高 い段 階 に位 置す る。 第 三 に,社 会主 義 は社会 発 展 の最 高 段 階 で あ るか ら,社 会 主 義 的商 品

{74)

生 産 も当然,商 品生 産 の最 高 段 階 で あ る」。

中 間派 の観 点 は,社 会 主 義 制度 の下 で商 品 生 産 が存 在 す る ことを否定 しな い が,社 会 主義 的 生産 を商 品姥 産 とみ な す ことに反対 し,「 社 会 主義 的 商品 生産 」

とい う言 い方 に反対 す る。 あ る ソ連 の経 済 学者 は,こ の観 点 を 「社 会 主義 制度 の下 で の限 定 的 商品 牲 の観 点 」 と呼 耀.し カ・し,こ の観 点 嘱 す る繍 学

(22)

70商 経 論 叢 第29巻 第1号01

47)

者 は・ 社 会 臓 制度 の下 で の商rp係 の性 格 に関 す る評 鵬 の 問題 で

,見 方 力i 一致 して い な い

ッ ァゴ ロフに代 表 され るモ ス クワ大 学 の漣 の糸蚤済 学 者 は

,社 会 犠 の本 質 的特 徴 は酬1性 で な い こ とを強謝 る。ツ ァゴ ・ フは こ う述 べ た.「社 会 機 的 纏 様 式 を徽 す るす べ て の琳 郎塒 徴 は,綱 性 で あ り商 品・性 で は な い」。

「計 酬 麟 暖 と商 品生 産 制 度 は対 、け る」.だ が この対rは,「 社 会 礒 の生産 制度 にお いて・ 限 定 され た範囲1勾にお いて,従 属 的地 位 に お し・て,商 盟 産 の 関係 が 存 在 す る ことを排 除 し岬 」.彼 は こ う考 え た.「 社 会 犠 制度 の下 で, 一 定範 囲 の商 品 的性 格 の 関 係が 存在 す る ことを沼 め

,そ れ に もとつ い て社 会 主 義 制 度 の 下で の商 品生 産 の 存在 を語 る こと,そ れ と,社 会 一L義的 生産 は一種 の 商 品生 産 で あ る と識 す る ことはは った く別 の こ とで あ る

.前 者 にお いて1ま, 社会 礒 的生 醗 商 品生 産 とみ な さず sそ こに商 謄 産 が存 在 す る とし、う職 を確 認 す るJ」aだが 「社 会 †義 的生 産 が 商品 生産 で あ る と認 め る こ とは

,計 画 的 発 展 法 則 と社 会F.の 基 本 的経 済 法 則 とを,実 質 的 に 否定 す る ことを 意 味 す る」。 「社 会 主義 的生 産 が 計 画 的 で 直接 に社 会 的 な生 産 で あ る とい う特 徴 を

,再 度修正 す る腰 がでて く(親 この派 の観点 によれば 「社会犠 的生醐 係1ま 本質 的 に は商品 関 係 で な いの で」,社 会主 義 的 生産 関 係 の本質 を 明 示 しよ うと す れ ば ・ 「商 品 形 式 を糠 で き る し,揚 棄 しな け れ ば な らぜ181」。

ル ミャ ン ッ ェ フ,パ シ コ フ な ど も 「限 定 的 商 品 生 産 論 」 を 主 張 した

。 彼 らは 次 の よ う に 述 べ た。 「社 会 主 義 の条 件 の 下 で の 公 有 制 の 特 徴 お よ び労 働 の 性 格

は,わ れ わ れ の 社 会 に 商 品 ・貨 幣 関 係 が 存 在 す る こ と を 決 定 づ け る 」

。 しか し,

「社 会 蟻 の条 件 の 下 で の 価{直法則 の儲1お よ 鏑 品 生 産 を認 め る と き

a忘 れ て な らな い こ とは,生 産手 段 の公 有制 の条件 の下 で,そ れ らが 別 の社 会 的本 質 お よび作用 を持 っ だ けで な く,資 本 圭義 の条 件 の下 で と は異 な る作 用範 囲 を持 っ ことで あ る」。彼 らは ツ ァ ゴロ フ と同様 に

,社 会 主義 的生 産 が直接 に社 会 的 な 生産 で あ り,商 品 関 係 は従 属 的 地位 に あ る ことを強 調 した。 ツ ァゴ ロ フ と異 な

る点 は,彼 らが 商 品 ・貨 幣 関 係 の 社 会 主 義 的 性 格 を 肯 定 した こ とで あ る

。 ル ミャ ンツ ェ フ主編 の経 済学 教 科 書 は,次 の よ うに述 べ て い る。「社会 主義 の条件

参照

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