九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
ホブ切り性能向上に関する基礎的研究
松岡, 寛憲
https://doi.org/10.11501/3132441
出版情報:Kyushu University, 1997, 博士(工学), 論文博士 バージョン:
権利関係:
第5章 ホプ摩耗および仕上げ面組さに及ぼす不水溶性切削油の効果
ホブ切り用切削油として, 工具寿命と仕上げ面粗さの点から不水溶性切削油が
多く用いられている. 最近では歯車の生産能率を上げるために, 高速, 重切削が 行われ, 過酷な切削条件でホブ切りされる. ホブは精度を求められる高価なもの であり, できるだけその摩耗を少なくすることが必要である. ホブ切りは断続切 削を行うフライス削りの一種であることから, 切削油による冷却は比較的有効に 行われ, 主として潤滑性能によるホブ摩耗の減少と仕上げ面粗さの向上が問題と なる.
また近年, 環境汚染の問題などから, 切削油の塩素系添加剤の使用を減らす傾 向にあり, 欧米では既に塩素化合物の使用規制が始まっている( 4 ) このため塩 素化合物に代わる添加剤の開発に対する要求が強くなってきている.
本章では, 切削油の潤滑性能の向上を目的に, 舞いツールによりまず基本的な ものとして, ホブ摩耗および仕上げ面粗さに及ぼす切削油基油の粘度の影響を調 べた. 次に基油の粘度を変えた場合の, 極圧添加剤と油性剤の種類と量の効果を 調べた. またホブ摩耗を減少し, 仕上げ面粗さを向上する一次性能と極圧添加剤 の環境汚染の問題(4 )や作業者への安全衛生問題( 4 6 )を改善する二次性能の両観 点から, 添加剤の併用効果および塩素系添加剤に代わる添加斉IJとして過塩基性ス ルホネートの効果について調べた.
5. 1 実験条件
実験は表2 . 1に示す歯車とホブの諸元で, フライス盤での舞いツール切削に置 き換えて行った. その実験条件は表3.1に示すホブ送り3.0mm/revの場合である.
フライス盤で溝2mを切削したが, これは実験の対象とした歯車 6.5個分に相当す る. ホプ材質はSKH55相当で, 被削材はSCM415(Hß143)(表3.2参照)である. 実験 に用いた基油は, 実際に多く使用されている粘度範囲のマシン油ISO VG 7, 32お よび68である. それらの性状を表5 . 1に示す. 切削油の温度は約300Cに保持し3 すくい面側より2.4Q/minの割合で3 十分に注いだ.
5.2切削油基油単体の粘 表5. 1 基油の性状 度の影響
切削油基油は優れた潤滑 性能によって, 工具一切り
くず, 工具-仕上げ面聞の 摩擦抵抗を減少させて発熱
量を低く抑えるとともに,
その発生した熱を高い冷却 性能によって奪い去り, 刃 先の硬さ低下に伴う耐摩耗
�三三
Appearance Color (Union) Specific gravity 15/40C
Kinematic viscosity
400C mm2js
Flash point (OC, COC) Copper plate corrosion
(1000C !h) Total acid number
mgKOH/g . Sulfur content wt%
Mean molecular weight
Ring CA
analysis CN
% Cp
Machine oil Machine oil 加1achine oiI
7 32 68
Light yellow Light yellow Yellowish brown transparency transparency む加sparency
Under 1 3
0.859 0.870 0.904
6.9 29.0 65.5
156 208 234
Inactivity(1) Inactivity(1 ) Inactivìty(1)
0.03 0.01 0.01
0.36 0.43 1.2
256 397 440
12.8 8.1 15.4
27.7 26.2 21.7
59.5 65.7 62.9
性の低下を防ぐことが要求される. したがって, 切削油基油としては3 この二つ の要求を同時に満たすような粘度をもっ油が最も望ましいことになる.
機械要素におけるトライボロジーでは3 現実には油の潤滑性能と冷却性能との 聞には必ずしも相関は認められないが, 粘度の高い油は潤滑効果に は優れてい
る(4 7) (4 8 )反面, 冷却効果の点では劣る(4 9) (5 0 )傾向にある. そのため, 切削に
おいて工具摩耗と粘度との関係は必ずしも単純ではなく, 切削条件によっては最 小摩耗を示す最適粘度が現れることが十分予想される. ホブ切り用切削油の基油 自体の性質, 特に粘度の影響についての報告(5 1) (5 2 )は少ない. したがって, ホ
ブ切り用切削油の基油に対する最適粘度条件を調べておくことは, 実際の切削条 件に適した基油粘度の選択基準を与えるための
基礎的研究として必要である.
図5 . 1にホブ摩耗に及ぼす基油粘度の影響を 例示する. 切削速度は86m/minである. 基油の 粘度が高くなるにつれて, ホブの摩耗は減少す る. 86m/minの場合, ホブの寿命を決定するの は角摩耗である. 図5. 2に117m/minの場合を示 す. 高速においても基油の粘度が高いほうが摩 耗は少ない傾向がある. 117m/minになると溝
47
0.5 E 60.4
5 丞0.3
言ロ0.2
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図5.1 ホプ摩耗に及ぼす基油粘度 の影響(切削速度86m/min,
切削溝2m)
削材との接触面聞に, より破断しにくい油膜を 形成しやすいので, 金属間接触を防ぐことによ り, ホブ摩耗を減少させるものと考えられる.
仕上げ面粗さについては, 切削速度を変えて も, 実験に用いた3種の基 油とも粗さは悪く ( Ry=30μm程度) , 粘度による粗さの差はあま り見られなかった. 基油だけの場合, 添加剤を 含む油剤と比べて, 仕上げ面組さが悪くなるの
は構成刃先の付着量が関係しているものと考えられる. このことは3 工具すくい 1.5m切削で, 1mm以上の大きな摩耗を示した.
大きな摩耗が発生した位置は, 外周切れ刃の中 央部付近であり, 中央あるいは外周角部摩耗が
ホブの寿命を決定する.
切削速度86m/minで同じ溝1. 5 m 切削後の摩耗 を図5.3に示す. 117m/minの摩耗(図5.2)と比べ て, 角摩耗幅はほぼ同じであるが, 中央部での 摩耗にかなり差が出ており, 117m/minの場合の 中央部での摩耗がかなり大きい. これは, 角摩 耗が発生する位置での切りくずは薄いが, 中央 部付近では切りくずが厚く, 切れ刃への負担が 大きいため, 高速の117m/minにおいて, 中央部 での摩耗が大きく現れたものと思われる.
高粘度基油のほうが摩耗が少ない理由は3 粘 度が高い油ほど荷重支持能力が高く3 ホブと被
1.3
1.1 1.0
0.9
00 ハU ロロロ
守I Ku qJ Aサ ハU ハU nu nu
』S3puAEU』0£君、P
0.3 0.2 0.1
図5.2 ホブ摩耗に及ぼす基油粘度 の影響(切削速度117皿/皿ln 切削潜1.5m)
e{).4 5 話0.3
0 主
言0.2
巴
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注 UI
M叫すC
oil6.9 mm2js
図5.3 ホフ'摩耗に及ぼす基泊粘度 の影響(切削速度86m/皿in,
切削溝1.5皿)
面と逃げ面への構成刃先の付着状態の観察や切りくずの排出状態から推定され,
反溶着性を有する添加剤が含まれていない場合3 構成刃先の量が多く3 溶着力が 強いために, 切りくずが4---5個連なって出てくる.
本実験では添加剤の常用添加濃度を研究対象にしているが3 基油自身に含まれ
る天然硫黄の存在の影響が問題になる. 表5 . 1 に示す ようにマシン油6 8の天然硫黄の量は, マシン油7や32
のそれと比べて約3倍多し\ 1 . 2児が含まれている.よっ て基油の天然硫黄のホプ摩耗に及ぼす影響を調べるた めに, マシン油6 8と同程度の粘度を もち, マシン油7 や32とほぼ同じ天然硫黄を 含む混合油(無添加鉱油 SAE-5 0とダイアナオイルMC-S32
ロロロ ハU A斗
を混合) を作製し, 実験を行っ た.その混合油の動粘度は66.4
mm2 /s(400C)で, 硫黄分は 0.34%
である.
図5 . 4にホブ摩耗に及ぼす天 然硫黄の影響を示す.切削速度
足0.3<1)
注 言0.2
ロ
(a)切削速度86m/min
1.1 Groove leng出 of 1.5 m
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0.8
司/
〆O ZJ バ斗 nu nu nu nU
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hgzs当局巴MO若君詳
0.3 0.2 0.1
。
(b)切削速度117m/min
図5.4 ホブ摩耗に及ぼす基油の天然硫黄の影響 86および117m/minの場合を例示
する.86m/minまでは , 両油はほぼ同じ摩耗幅を示した.高速の117m/minの場合 には, 混合油のほうがわずかに摩耗は小さいものの, 各切削速度を通じて, マシ ン油68と混合油ともほぼ同程度の摩耗幅であった.また仕上げ面粗さも同程度で あった.よって天然硫黄の摩耗および粗さに及ぼす影響は少ないと考えられるの で, マシン油68を高粘度基油として使用した.
5.3切削油の添加剤の効果 に及ぼす基油の粘度の影響
一般に添加剤とその基油との聞には相互作用が存在する. 益子ら(5 3 )は, あら かじめ分子中の硫黄元素を放射化しておいた二硫化ジべンジルを, 粘度の異なる 基油に一定濃度添加した試油を用いてピンーディスク摩擦試験を行い3 摩擦面に おける放射能の変化を測定した結果, 基油の粘度が異なれば摩擦面上での硫化鉄 の反応量が異なることを明らかにした.また基油粘度が異なれば二硫化ジべンジ ル分子の吸着挙動にも相違が生じることを指摘している. したがってホブ切りに おいても基油の粘度の相違は添加剤の効き方に当然影響を与えると思われる. そ
- 49 -
れ故, 切削油の添加剤の存在下における最適粘度条件を調べておくことは, 実際 の切削条件に適した添加剤の選択基準を与えるための基礎的研究として必要であ る.
また, 一般に添加剤は単独で使用されるよりも, 数種の添加剤を組み合わせて,
その併用効果を期待する場合が多い. 切削油基油の粘度が異なる場合の添加剤の 併用効果についての系統的な研究報告はほとんどなく, 切削油基油の粘度の相違
によって, 添加剤の併用効果は異なってくることが十分予想される.
硫黄系, 塩素系の極圧添加剤と油性剤の菜種油の併用, あるいは数種の添加剤 を併用することにより, 塩素などの極圧添加剤の量を減らすと同時に3 併用する ことで工具摩耗減少効果や仕上げ面粗さの向上が得られれば, 公害問題や安全性 を大幅に改善することができると考えられる.
以上の観点から, 本節では, 切削油基油の粘度を変えた場合の, 極圧添加剤単 独の効果, 極圧添加剤と菜種油との併用効果, および数種の極圧添加剤の併用効 果をホプ摩耗および仕上げ面組さより検討を行った.
実験に用いた基油は, 表5. 1のマシン油ISO VG 7, 32および68である. 極圧添 加剤としては, 硫黄系のポリサルファイド(硫黄分32見)と硫化脂肪油(硫黄分10見),
塩素系の塩素化脂肪酸エステル(塩素分32児) , りん系のトリクレジルフォスフエ ート(T C P, りん分8.4見), および油性剤としては菜種油(油脂分100見)を選んだ.
切削速度は34, 47, 63, 86, および117m/minである.
5.3. 1 硫黄系極圧添加剤の効果
図5. 5に基油の粘度が異なる場合のポリサルファイドのホブ摩耗に及ぼす影響 を示す. 硫黄分として常用濃度範囲の0.5, 1.0および1.5重量見をそれぞれ添加し た場合について実験を行った. 摩耗幅は中央摩耗3 外周角部摩耗および角摩耗の うちの最大をとった最大摩耗幅で示す. 低速の34および4 7m/ m i nでは, 基油粘度 の違いによるポリサルファイドの効果はあまり変わらない. また34 m/皿lnではポ
リサルファイドを添加したほうが, 基油よりもかえって摩耗は増加した. また添 加量を増すにつれて, 摩耗は増加する傾向がある. これは硫黄による腐食摩耗で
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0.3 502
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一 一-
V30 40 50 60 70 80 90 100 110 120
Cutting speed m/min0.6
Machine oil7 1.27 mm (Gr∞ve length
_Machin巴oil 7 of 1.5m)
+ (Sulfur : 0.5%) l.
+ (Sulfur : 1.0%) 】
+ (Sulfur : 1.5%)
戸、J . ハU 戸口戸口
(a)マシン油7
fo qJ ハU 戸口Hロ nU
Machine oil 32 1.03 mm (Gr∞ve length
f1.5m)
ーーー-
Machine oil 32VA
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+ (Sulfur : 0.5%)占
+ (Sulfur : 1.0%)
+ (Sulfur : 1.5%)
あると思われる. 硫黄系極圧添加剤が有効 に働く場合も, 摩耗を増やす場合も摩擦面 上には硫化被膜が形成されるため, 腐食摩 耗であることを表面分析等で確認すること は困難であるが, 一般には摩耗が増大する 現象を腐食摩耗(化学摩耗)と呼ぶことが多 く3 これは硫黄系極圧斉IJが摩擦面と過剰に 化学反応することによって起こると考えら れる.
一般に, 極圧添加剤の添加濃度や温度な ど, 反応性に関係する因子と摩耗率(単位 摩擦距離当たりの摩耗)の関係は, 図5.6の ように表される(5 4 ) この図のB領域では
極圧剤による腐食摩耗が支配的な摩耗機構 となり, 潤滑に必要な量以上の過剰な反応 膜が工具摩擦面上に形成され, その過剰分 はアプレージョンを受けて, 切りくずある
いは摩耗粉として排出される状態にあるも のと見なされる.
ω】MW-HH吋ω旨JF
50 60 70 80 90 100 110 120
Cutting speed m/min(b)マシン油32
0.6
Machine oil 68 1.04 mm (Gr∞ve length
of1.5m)
1
Insufficient EP-fi1m
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ー一ーーMachine oil 68
+ (Sulfur : 0.5%)
+ (Sulfur : 1.0%)
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Cutting speed m/minZ、d nU EE
(c)マシン油68
図5.5 ホプ摩耗に及ぼすポリサル ファイドの影響
Concentration
一一+
Temperature -ー+
図5.6 反応性に関係する因子と 摩耗率の関係
4EE- にd
しかし腐食摩耗は高温条件下で促進されるので3 本実験の低速切削で現れる点 について考察する. 低速では油の荷重支持効果が現れにくくなり3 金属間接触は 増大するために, 摩擦面全体の平均温度は低いにもかかわらず, 局部的には塑性 変形熱によりかなりの発熱が起こる. このような場所に反応性添加剤が作用する と, 前述のような過剰反応が生じやすくなると考えられる. また, 硫黄系極圧斉Ij による腐食は化学反応によるものと同時に, 泊中の水分と反応し3 酸性物質を形 成することによって, 金属表面を電気化学的に溶解することがある. このため硫 酸などの酸性物質の形成が促進されたものと思われる.
一方63m/min以上で3 高速においてはポリサルファイドの効果に差がでており,
特に高速の117m/minにおいては, 各基油の場合に溝1. 5皿切削で摩耗は1mm以上で あったが, ポリサルファイドの硫黄分0.5%の添加で, 摩耗幅は0.3"-'0.4mmに減少 した. この理由として硫黄は, 通常鉄と反応し, 鉄よりもせん断強さの低い硫化 鉄(FeS, Fe2S)被膜を形成し, FeSのせん断強さは鉄の約1/2といわれており(55)3
潤滑上効果的に作用するからである. また基油粘度が高くなるにつれて摩耗は減 少する. 添加量を増すにつれて摩耗は減少する傾向にあり, 特に低粘度基油のマ シン油7の場合に添加量による影響が大きい. 基油を用いて得られた摩耗量から ポリサルフアイド添加油の摩耗量の差, すなわちその添加剤による摩耗減少量は 低, 中粘度基油のほうが大きい. しかし切削油の実用的見地からは3 添加剤を添 加したときの摩耗の絶対量が当然問題となる. ポリサルファイドの場合は高粘度 基油に添加して用いたほうが摩耗は小さくなった. 硫黄分1.0% 以上の添加では摩 耗減少の効果があまり見られないので, 硫黄分としては1.0%の添加でよい.
図5 . 7に硫化脂肪油の場合を示す. ポリサルフアイドの場合と同様な傾向を示 し, 低速の34および47m/minでは基油の粘度の違いによって, 添加剤の効果の差 はあまりなく, 34m/minで基油よりも摩耗が大きくなる傾向も同じである. 中3 高速では基油の粘度が高くなるにつれて, 摩耗は減少するが3 ポリサルフアイド の場合と比べて全体的に摩耗は少ない. これは硫黄の働きに加えて, 脂肪油分の 働きによるものと思われ, これに加えて, 油中の微量な水分によって, 脂肪油が 加水分解されて脂肪酸の形になれば, 吸着性はさらに向上するためと思われる.
また, 硫化脂肪油にはエステル基という極 性基があり, これがポリサルファイドより も摩擦面に対して吸着しやすく, 分子中に 含まれる硫黄が鉄と反応する確率が大きく なると考えられる. 切削における摩擦領域 は境界から極圧へと広範であるため, 各領 域ごとに性能を発揮しやすい形の添加剤が 有効に働く. またポリサルファイドと比較 して, 硫化脂肪油のほうが添加量による影 響が大きく, 低粘度基油のマシン油7の場 合に, 添加量による摩耗減少効果は顕著で ある. 基油の粘度が高くなるにつれて, そ の差が少なくなる. 硫化脂肪油の場合も高 粘度基油に添加したほうがよく, 硫黄分と して1 . 0見でよい.
5.3.2塩素系極圧添加剤の効果
基油の粘度の違いによる塩素化脂肪酸エ ステルのホブ摩耗への影響を図5.8に示す.
塩素分としてし3および7見をそれぞれ添加 した. 低速の34m/minでは, 硫黄系のポリ サルファイドや硫化脂肪油の場合と異なり,
基油よりも摩耗は少ない. 塩素化脂肪酸エ ステルの摩耗減少効果が現れた. 塩素系極 圧添加剤でも硫黄系と同様に化学摩耗およ び酸性物質(HC1 )の形成の可能性があるが,
本実験の切削条件ではそれが起こらなかっ たのと思われる. 47�86m/minの切削速度
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Machine oil 7
1.27mm
(Groove length
---Machine oil 7 of 15m)
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0 30 40 50 60 70 80 90 100 ] 10 120 Cutting speed m/min
(a)マシン油7
Machine oil 32 1.03mm (Groove length
of 1.5m)
ーー一-Machine oil 32 ,
0.6r 一一一- 11 + (Sulfur : 0.5%) 白
+ (Su1fur: 1.0%) + (Sulfur
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1.5%)企ーー田町ーー『ー-6
50 60 70 80 90 100 110 120 Cutting speed m/min
(b)マシン油32
Machine oil 68 l.04mm
(Groove length
of l.5m)
:
0.6
一一 Machine oil 68
+ (Su1fur
:
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Cutting speed m/min
(c)マシン油68
図5.7 ホプ摩耗に及ぼす硫化脂肪 油の影響
域では, 硫黄系の場合とほぼ同じ傾向を示した. すなわち, 低粘度基油に添加し た場合ほど濃度効果が大きい. 高速の117m/minでは各基油とも, 塩素分の添加量 がはと少ない場合に摩耗減少効果は少ないが, 塩素分3児の添加で摩耗幅はO.25mm 程度に減少する. 塩素化合物は2000C前後から熱分解し(561塩化鉄(FeC12・
FeC13)の極圧膜を生成する. FeC12のせん断強さは鉄の1/5(55)と小さく, また3 その層状構造(5 5 )により, 反応膜の各層聞の結合エネルギーが低いため, 摩耗係 数が小さくなり, 摩耗を防止すると考えられる. 塩素化脂肪酸エステルの場合も 高粘度基油に添加して用いたほうが摩耗幅
は最小になった. また高粘度基油を用いた
Machin巴oil7 1.27mm (Groove lcngth -- Machin巴oi1 7 of 1.5m)
+ (Chlorine : 1 %) 1
+ (Chlorine : 3%) 】 + (Chlorine : 7%)
場合, 硫黄系の中で成績がよかった硫化脂 肪油と塩素化脂肪酸エステルを比較した場
0.6
5.3.3りん系極圧添加剤の効果
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30 40 50 60 70 80 90 100 110 120
I I I Cutting speεd m/min合, 塩素化脂肪酸エステルのほうが摩耗が 少なく, 添加量として塩素分坊が必要であ
る.
(a)マシン油7 図5.9にトリクレジルフォスフェート( T
2 I 内3 du
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+ (Chlorine : 7%)
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町臥 明U
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Cutting speed m/min
joJ /
;判0ω斗24l / /ム と )
ミ当 企ζ ι a / ノ企〆
/(b)マシン油32 (c)マシン油68
図5.8 ホプ摩耗に及ぼす塩素化脂肪酸エステルの影響
c p )のホブ摩耗への影響を示す. りんの 添加量は0.5, 1.0および3.0%である. 低速 の34m/minでは塩素系の場合と同様に, 摩 耗増加は見られず, すべての切削速度に お いて, 摩耗減少効果は少しあるが3 硫黄系 や塩素系極圧剤と比べると効果は小さい.
りんの効果はりん酸鉄( Fe P04)の生成, あ るいはりん化鉄(Fe2P, FeP2)被膜の生成に よるものとされているが, 摩擦面に生成す る被膜の分析では, りん酸鉄の存在が確認 されており, りんの作用機構としては, り
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Machine oil 321.3ト
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+(Phosphorus:0.5%)+(Phosphorus: 1.5%) +(Phosphorus:3.0%)
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Cutting speed m/min
(b)マシン油32
1.3
2.67mm P:0.5% (Groove
)ength of l.5m)
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1.2 Machine oil 7
(Groove )ength of 1.5m)
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of 1.5m)
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Cutting speed m/min
図5.9 ホプ摩耗に及ぼすトリクレジルフォスフェートの影響 (c)マシン油68
戸hd 戸hυ
高速では基油粘度の違いによる添加剤の効果 ん酸鉄が支配的のようである(5 7 )
各切削 高粘度基油にTCPを添加したほうが摩耗を少なくする.
が顕著に現れ,
りん分として TCPの場合も高粘度基油に添加したほうがよく,
速度を通じて,
前述の硫黄系や塩素系の添加剤に比べて摩 TCPの場合は,
3.0%が必要である.
〆ロ Machine oil 7
(Gr∞ve Icngth of 1.5m)
1.3 1.2
耗防止効果は小さい.
油性剤の効果
1.1
5.3.4
ー園田ー-
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菜種油の添加量は5,
に及ぼす影響を示す.
47m/min'"'-'86m/minま 10および30%である.
この では菜種油も摩耗減少効果があるが,
速度域では中粘度のマシン油32に添加した この切削条件下 菜種油が油性剤としての働きを最も 場合に摩耗は最も少ない.
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(c)マシン油68 (b)マシン油32
ホプ摩耗に及ぼす菜種油の影響 図5.10
減少効果は少なくなるが,
この速度では高粘度基油に 添加したほうがよい. 菜種 油の添加量は10児必要であ
る. 高速になると菜種油の効果が少なくなるのは, 温度が100数十度以上になり3 発揮しやすいものと思われ
る. すなわち菜種油は, 加 水分解して生じた脂肪酸が 金属表面に配向性よく吸着 し, 金属石けんの被膜を作 り, 摩擦係数を減らす. 通 常3 金属石けんは, その融 点である10 0 数十度までの 温度領域で効果がある(5 8 ) ので, 摩耗を減少したもの
と思われる. 高速の1 17m/
mlnになると菜種油の摩耗
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(b)切削速度117m/min
図5.11 マシン油68に各種添加剤の最適量を添加した 場合のホプ摩耗幅
吸着膜の配向が乱れたり, 融解したりして, 膜の脱離が起こるためであると考え られる.
図5.11に高粘度基油のマシン油68に, 実験に使用した各種添加剤の最適量を添 加した場合のホブ摩耗幅を示す. 切削速度86および117m/minの場合である. 86m/
ffilnの場合には硫化脂肪油の硫黄分1 . 0見の添加が一番摩耗を少なくするが, 摩耗 全体について見て, ほかの添加剤も硫化脂肪油とほとんど摩耗幅は変わらない.
117m/minになると添加剤による差が出ており, 実験した添加剤の中では, マシン 油68に塩素化脂肪酸エステルの塩素分3見の添加が一番よい成績を示した.
図5.12に各種添加剤の摩耗が一番少なかった最適添加量をマシン油68に添加し た場合の仕上げ面粗さを示す. 切削始めの粗さと溝2m切削後の粗さを示す. 切削 速度は86および117m/minである. 86m/minの場合3 実験に用いた極圧添加剤はす
門i 「「U
ペて組さが小さくなったが, 菜種油だけは粗さの改善はあまり見られなかった.
117m/minでは硫化脂肪油と塩素化脂肪酸エステルは粗さが小さくなったが3 ポリ サルファイド, T C Pおよび菜種油はかえって組さが大きくなった. 各切削速度 を通じて3 硫化脂肪油(硫黄分1.0%)が一番仕上げ面粗さが小さく3 次いで塩素化
脂肪酸エステル(塩素分3%)である.
本実験での仕上げ面粗さは切削溝の底を切削方向に測定したもので, 組さは舞 いツールの外周切れ刃の中央摩耗と関係があると思われるが, 仕上げ面粗さ(図 5 . 12 )と中央摩耗(図5 . 1 1 ) との聞に相関が見られなかった. これは摩耗よりもむ
しろ構成刃先の付着量のほうが大きく影響するためと考えられる. 極圧添加剤の 種類によって, 構成刃先の抑制作用が異なるため, 構成刃先の量が粗さに影響し ているものと思われる. 構成刃先の付着量については舞いツール刃先や切りくず
に付着した構成刃先の量により確認しており3 硫黄系や塩素系極圧斉IJよりも耐溶 着性が劣るマシン油や菜種油は構成刃先の付着量が多いため3 仕上げ面粗さは大 きい.
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図5.12 マシン油68に各種添加剤の最適量
を添加した場合の仕上げ面粗さ
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図5.13 各種添加剤の添加量と最大摩耗幅の関係 (マシン油68,切削速度117皿/min)
また, 図5.12(a)において, マシン油68とそれに菜種油を10%添加した油剤で,
切削初期の粗さが2皿切削した後の粗さより大きな値になっているのは, 切削初期 では工具摩耗がほとんどないので, 油剤による構成刃先の形成がそのまま現れ3 それが粗さに影響しているものと考えられる. しかし2m切削後では, 摩耗によっ
て切削温度が上昇し, その構成刃先の発生を少なくしたため, 粗さは小さくなっ たものと考えられる. また肉眼的にも2m切削後の仕上げ面の状態は光沢がありよ くなっている.
使用した添加剤中の2, 3種の添加剤の添加量範囲を広げて, ある摩耗幅まで 減少させる各種添加剤の必要添加量について比較を行った. これにより, 各種添 加剤の添加量の目安がわかるものと思われる. 図5.13は各種添加剤の添加量と最 大摩耗幅(中央, 外周角部および角摩耗のうちの最大)との関係を示す. 基油は一 連の実験において成績のよかった高粘度のマシン油68で, 添加剤の影響が大きく 現れた切削速度117m/minの場合である. 寿命判定基準を最大摩耗幅0.3mmとした.
ポリサルファイドは硫黄分1%で摩耗は最少となり, O. 3皿mに近づくが, 1. 5 %で かえって増加する. 硫化脂肪油は硫黄分0.3見から1. 5 %の範囲で0.3mmより小さく なり, 添加量の増加による摩耗減少効果は少ない. 硫黄系添加剤の場合は, 実験 に用いた他の添加剤に比べて低濃度での摩耗量は少ないが, 硫黄の添加量が多い と腐食による摩耗増加をもたらすことがわかる.
塩素化脂肪酸エステルは塩素添加量3児で摩耗を急激に減少しO.3mmよりかなり 少なくすることがわかる. 添加量を増しでも摩耗減少効果はあまりない. T C P はりんの添加量の増加につれて摩耗を減少する効果は大きいが, りん分を6おにし ても, 0.3mmまで摩耗を減少することができない. 菜種油は10児の添加で0.3mmま で摩耗を減少するが, それ以上の添加では摩耗減少効果は少ない.
図5.14にマシン油68に硫化脂肪油と塩素化脂肪酸エステルをそれぞれ添加量を 変えた場合の, 切削始めの仕上げ面粗さを示す. 切削始めでは工具の摩耗がない 状態なので, 純粋に添加剤の影響を調べることができる. 各切削速度を通じて,
硫化脂肪油のほうが塩素化脂肪酸エステルよりも組さは小さい. 特に低速の34m/
皿lnでは塩素化脂肪酸エステルのほうが粗さは大きい. これは塩素化脂肪酸エス
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テルのほうが構成刃先の形成を防止する働きが小さいからであると考えられる.
工具摩耗のところで低速切削時の硫黄系極圧剤による腐食作用について述べたが3 このような化学反応は同時に構成刃先の形成を妨げる働きもしていると考えられ る. 硫化脂肪油と塩素化脂肪酸エステルとで, 低速域での組さが大きく異なるの は, この腐食作用が関与するものと思われる. また両添加剤とも添加量を増して も, 粗さはあまり変わらない.
図5. 15に溝2m切削後の仕上げ面粗さを示す. この場合には添加剤の影響ととも にホブ摩耗の影響も入ってくるが, 実際の加工において, ある程度ホブが摩耗し た状態の粗さが重要である. 切削始めの場合と同様に各切削速度を通じて硫化脂 肪油のほうが組さが小さい. 特に高速の117m/minで、は両添加剤による粗さの差は
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図5.14 マシン油68に硫化脂肪油, 塩 素化脂肪酸エステルを添加し
た場合の仕上げ面粗さ
(切削始め)
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120図5.15
(b)塩素化脂肪酸エステル マシン油68に硫化脂肪油, 塩 素化脂肪酸エステルを添加し
た場合の仕上げ面粗さ
(溝2皿切削後)
顕著に現れている. これは硫化鉄の融点は塩化鉄の融点に比べてかなり高いので3 高速においても硫化鉄被膜が分解しないで残っていることにより, 金属間接触が 防がれ, 摩擦面温度が上がらず構成刃先が抑制されるためであると考えられる.
硫化脂肪油の場合に, 切削速度117m/皿lnにおいて, 溝2m切削した場合の組さのほ うが切削始めの組さよりも小さくなった. これはホブ刃先が摩耗することにより すべり摩擦が増加し, 切削温度が上昇したため構成刃先の発生が少なくなったも
のと考えられる. 切削始めおよび溝2m切削後の粗さより, 各切削速度を通じて,
硫化脂肪油を添加したほうが仕上げ面粗さはよい.
5.3.5 添加剤の併用効果
環境汚染などの点から切削油の添加剤, 特に塩素化合物を削除する方向にある が, 他の硫黄系などの添加剤の使用も, 徐々に減らす傾向にある. そこで硫黄系,
塩素系, りん系の極圧添加剤と油性斉IJの菜種油を併用して, また数種の添加剤を 併用して, 極圧添加剤の量を減らすと同時に, 併用することで極圧添加剤を単独 に使用した場合と同等に, あるいはそれ以上に工具摩耗減少効果や仕上げ面粗さ の向上が得られれば, 公害問題や安全性を大幅に改善することができる. ここで は極圧添加剤と菜種油の併用効果, あるいは数種の添加剤の併用効果についてホ ブ摩耗および仕上げ面粗さより検討を
行った.
( 1 )極圧添加剤と菜種油の併用効果
図5.16に硫黄化合物の種類が異なっ た場合の菜種油との併用効果を示す.
ポリサルファイドと硫化脂肪油の比較 で, マシン油7に硫黄分が0.5先になる
ようにそれぞれの硫黄系添加剤と菜種 油刊を加えた場合である. 切削速度63 m/minおよび117m/minとも硫化脂肪油
- 61
マシン油7+硫黄0.5見+菜種油5見 図5.16 種類が異なる硫黄化合物と菜種油
との併用効果
と菜種油を併用したほうがホブ摩耗は小さく, 特に63m/minにおいて, その差は 顕著に現れている. 117m/minでは角摩耗幅はあまり変わらないが, 中央摩耗幅や 外周角部摩耗幅は硫化脂肪油と菜種油を併用したほうが小さい. 硫化脂肪油は脂 肪油に研し黄を反応させたもので, この実験では硫黄分0.5%のほかに油脂分として 3.25%が含まれている. しかし5.3.1項の結果によれば3 硫化脂肪油単独の摩耗減 少効果はポリサルファイド単独での効果とほぼ同じであった. このことから, 今 回の摩耗防止効果は硫化脂肪油分子中の脂肪分ではなく, 明らかに菜種油の油脂 分との併用によって現れたものと思われる. したがって3 ここでは硫黄系極圧添 加剤として硫化脂肪油を選定し, 菜種油との併用効果を調べた.
図5.17に基油の粘度が異なる場合の硫化脂肪油と菜種油の併用によるホプ摩耗 に及ぼす影響を示す. 菜種油の添加量を5見および30 児 として, それぞれに硫化脂 肪油を硫黄分として0.5, 1.0および1.5%;f目当添加した. 摩耗幅は角摩耗幅および 中央摩耗幅を示す. 切削速度は63m/minの場合である. 低粘度基油のマシン油7の 場合, 硫化脂肪油だけの添加では, 角摩耗は硫黄分1 . 0児までは急激に減少し3 あ と漸減する. また菜種油だけの添加の場合も5見から30見ヘ量を増すと角摩耗は減 少する. これらに対して硫化脂肪油と菜種油との併用によりさらに角摩耗の減少 に効果があり, 硫化脂肪油および菜種油とも添加量を増すにつれて角摩耗は減少
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(a)マシン油7 (b)マシン油32 (c)マシン油68
図5.17 硫化脂肪油と菜種油の併用効果に及ぼす基油の粘度の影響 (切削速度63皿/皿in}
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(c)マシン油68
硫化脂肪油と菜種油の併用効果に及ぼす基油の粘度の影響 (切削速度1l7m/min)
(b)マシン油32 (a)マシン油7
図5.18
その減少量は少ないが,
中央摩耗は摩耗幅が小さいこともあり3 する傾向がある.
総合的に見て最適添加量は硫黄分1 . 0おと 硫化脂肪油と菜種油の併用効果はある.
硫化脂肪油単独の添加では 中粘度基油のマシン油32の場合,
菜種油30%である.
菜種油は量 あと添加量の増加とともに漸減する.
硫黄分0.5%で角摩耗は激減し,
これらに対して硫化脂肪油と菜種油との を増しでも角摩耗の減少は見られない.
硫化脂肪油および菜種油とも添加量を 併用により角摩耗の減少に効果があるが3
中央摩耗も硫化脂肪油と菜種油の 増しでもあまり角摩耗の減少には効果がない.
同1t::ョ 硫黄分0. 5%と菜種油30 おの併用が最も摩耗を減少する.
併用により減少する.
基油自体での角摩耗が マシン油7や32と比べて,
粘度基油のマシン油68の場合3
あと角摩耗は 硫化脂肪油単体の添加では硫黄分0.5%で角摩耗は減少し3
小さい.
これらに対 また菜種油は量を増しでも角摩耗の減少は見られない.
変わらない.
硫黄分の増加 硫黄分0.5%で角摩耗が激 菜種油5見の添加の場合に3
菜種油30見の場合には,
して硫化脂肪油と菜種油との併用では3 につれて角摩耗は減少するが,
63
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減し, あと摩耗の減少は見られない. 中央摩耗も硫化脂肪油と菜種油の併用によ り減少する. 硫黄分0.5%と菜種油30見の併用が最も摩耗を減少する.
図5.18に切削速度117皿/minの場合を示す. 角摩耗は各基油とも硫化脂肪油を単 独に添加するよりも, 菜種油を併用したほうが減少する傾向にあるが, その減少 量は少ない. また, 硫化脂肪油と菜種油の添加量を増しでも, あまり角摩耗の減 少は認められない. しかしながら, 中央摩耗の場合に各基油だけでは溝1.5m切削 で摩耗幅は1 m m以上となり大きな値を示したが, 硫黄分0.5見の添加で3 切削溝2皿 切削しでも中央摩耗幅は0.1'"'-'0.2mmに激減した. さらに硫化脂肪油と菜種油の併 用により中央摩耗は減少した. 各切削速度において, 硫化脂肪油と菜種油の併用 による摩耗減少効果は低中粘度の基油のほうが大きいが, 切削油の実用的見地か らは, 添加剤を添加したときの摩耗の絶対量が当然問題となる. したがって硫化 脂肪油と菜種油の併用の場合は高粘度基油のマシン油68に添加して用いたほうが 摩耗は小さく, 硫化脂肪油の硫黄分0.5%と菜種油30見の併用がよい.
図5.19に基油の粘度が異なる場合の塩素化脂肪酸エステルと菜種油の併用効果 を示す. 硫化脂肪油と菜種油の併用において, 菜種油の添加量が多いほうが摩耗 は少なかったので, 菜種油の添加量を3 0児一定として, 塩素化脂肪酸エステルを
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図5.19 塩素化脂肪酸エステルと菜種油の併用効果に及ぼす基油の粘度の影響
(切削速度63m/皿in)