ドイツ産業連関分析論
著者 良永 康平
発行年 2001‑03‑31
URL http://hdl.handle.net/10112/00020468
第5編:地域と環境の産業連関表
第9章:日独地域経済の産業連関比較
一バーデン・ヴュルテンベルク州と中部地方一
1.はじめに
ドイツにおいても地域産業連関表の作成や、それに基づく地域分析はしばしば行われている。
ただ、日本のような産業連関大国と比べるならば、地域産業連関表が定期的に作成されている のは、第1章の付録でもみたようにバーデン・ヴュルテンベルク州のみであり、地域プロジェ クトの波及効果等の産業連関分析もさほど行われてはいない。本章では、連邦統計局の全国表 に沿ってほぼ2年おきに作成されているバーデン・ヴュルテンベルク州(以下バーデン州と略 す)の産業連関表を用いて、ほとんど行われたことのなかった日独地域産業連関比較を試み る! ) 。日本側として取り上げるのは、中部地方の産業連関表である。それは、この両地域はと もに自動車を主要産業とする地域だからである。同じ自動車産業を中核とする日独の両地域経 済が、どのような点で類似し、あるいは異なっているかを比較するのは興味深いし、また有意 義でもある。
産業連関分析の前にまず主要統計を比較してみよう。ただしここで中部地方という場合は、
中部通商産業局が作成している中部地方の産業連関表に含まれる5県(愛知、岐阜、三重、富 山、石川)を対象とし、人口や面積は都道府県単位の統計を集計することによって計算したも のである2) o
まず参考までに、両地域の面積と人口が国全体に占める割合を比較したものが表9− 及び 表9−2である3)。バーデン州はドイツの面積の約10%を占め、そこにドイツ人全体の12.6%
が住んでいるドイツ第3番目の規模の州である。一方、地域産業連関表でいう中部地方は、面 積にして日本の7.9%を占め、そこに日本人全体の10.4%が住んでいる地方で、面積からは近 畿地方よりも小さな地域である。
1)StatistischesLandesamtBaden‑WUrttemberg(1995)に、かつて公表された産業連関表がすべ て掲載されている。いずれもMiinzenmaier博士が中心になって作成されたものである。
2) 日本の地域産業連関表は、地域通産局のカバーしている範囲によって決まっており、必ずしも地域 に関する通念とは合致しない。たとえば、長野県は地域産業連関表では関東に属し、中部地方には 入っていない。
3) ドイツ側のデータはStatistischesBundesamt:StatistischesJahrbuch(各年版)、日本側データ は平成7年国勢調査結果、地域経済計算年報等による。
表9−1 : ドイツと日本の地域面積比較
−1995年現在一
表9−1や表9−2をみる限りでは、さ ほど類似性がみられるわけではない。とこ ろが次に、表9−3から地域生産額が国全 体に占める割合をみると、バーデン州も中 部地方も10%を超え、それぞれの国で第3 番目に大きな地域となっていることがわかる。
さらに、表9−4から地域生産額の構成 比を検討すると、両地域とも、しかもそれ ぞれの国でこの両地域のみ、製造業が40%
を超える割合を占め、商業・運輸や政府・
非営利サービスの割合が低くなっている。
表9−5の就業構造からみても同様であ る。このように、両地域ともに製造業を中 心とした地域であり、なかでも自動車等の 機械産業が主軸となっている。バーデン州 には、ダイムラー・ベンツ、ポルシェ、ボッ シュといった自動車産業の中枢があり、ま た中部地方でもトヨタ、ホンダ、スズキと いったメーカーが自動車生産をしている点 でも共通している。そこで日独のこの2地 域の産業連関構造はどのようになっている か、どのような類似性があり、どのような 点で異なっているのかを比較してみよう。
以下、次のような順に考察してゆく。ま ず第2、3節では、それぞれの地域の80年 代の発展を産業連関表から簡単に調べてみ る。この段階では、日独で比較可能なよう に産業連関表の調整はしていない。した がって部門の定義も日独で同一ではない
総務庁統計局『社会・人口統計体系一都道府県別基礎データ』
(CD‑R版)より。
表9−2 : ドイツと日本の地域人口比較
−1995年一 ドイツの地域人口
Nordrhein‑West伯len Bayem
Baden‑WUrnemberg Niedersachsen Hessen Sachsen RheinIand‑P砲Iz BerIin Sachsen‑Anha牝 Schieswig‑HoIstein Brandenburg ThOringen
Meckienburg‑Vorpommern Hamburg
SaarIand Bremen
屍而5砺而筌葎一
表9−3 : ドイツと日本の地域生産額比較
︾
季︒991
−
UU.U涌 引②員詞mf(19F
庁経済研究所(1999)より計算。
−278−
表9−4 : ドイツと日本の地域生産構造
‑1995年一
表9−5 : ドイツと日本の地域就業構造
−1995年一
簔産茎製造蕊薑義サービス鰯 檗産茎製造薬墓毒その他
Baden‑WUrttembe噸 Bayem
Berlin Brandenburg Bremen Hamburg Hessen
Mecklenbur犀Vomommem Niedersachsen NOrd巾ein‑West砲len Rheinland‑P値Iz Saarland Sachsen Sachsen‑Anha比 SchIeswig‑HoIstein
1.0%
1.0%
0.2%
2.3%
0.2%
0.2%
0.5%
3.0%
2.9%
0.7%
1.6%
0.3%
1.2%
2.0%
1.9%
40.8%
34.7%
32.4%
39.4%
30.8%
20.6%
26.7%
29.0%
33.9%
36.6%
38.2%
34.9%
37.4%
36.8%
30.0%
11.5%
12.5%
11.3%
10.8%
27.0%
21.8%
14.5%
13.2%
13.3%
15.1%
13.8%
14.7%
11.8%
12.3%
16.3%
34.6%
39.4%
36.7%
24.9%
29.3%
47.2%
47.9%
27.3%
33.8%
33.7%
30.3%
35.4%
29.2%
26.8%
34.4%
12.1%
12.4%
19.4%
22.6%
12.7%
10.2%
10.4%
27.6%
16.0%
13.9%
16.0%
14.8%
20.4%
22.1%
17.4%
Baden‑Wqrttemberg Bayem
Berlin Brandenburg Bremen Hambu屯 Hessen
Mecklenburg‑Vomommem Niedersachsen Nordrhein‑West値len Rheinland‑P砲lz SaarIand Sachsen Sachsen‑Anhalt SchIeswig‑Holstein
42.8%
37.3%
25.2%
35.7%
28.2%
24.5%
33.6%
29.5%
33.6%
36.2%
37.5%
35.1%
39.5%
38.0%
28.2%
20.2%
22.5%
22.4%
22.1%
28.9%
28.9%
23.8%
24.0%
22.9%
23.9%
21.7%
23.6%
21.7%
21.7%
25.9%
34.2%
35.1%
51.7%
37.2%
42.1%
45.8%
40.4%
40.0%
39.0%
37.9%
37.6%
40.2%
36.0%
35.7%
42.1%
2.8%
5.1%
0.7%
5.0%
0.8%
0.8%
2.2%
6.6%
4.5%
2.0%
3.2%
1.1%
2.8%
4.6%
3.8%
1R,』f自Ehl員、。
北 3.9% 27.4% 22.6% 31.6% 14.4% 9.0% 24.2% 30.3% 36.5%
東北 関東 中部 近畿 中国 四国 九州
東北 関東 中部 近畿 中国 四国 九州
26.2%
29.3%
28.4%
30.7%
27.8%
27.1%
29.2%
29.7%
34.0%
27.9%
32.3%
31.0%
31.4%
33.9%
3.9%
0.9%
1.3%
0.7%
1.7%
3.6%
3.3%
35.9%
35.2%
43.5%
35.8%
39.4%
35.4%
30.3%
19.7%
20.4%
19.8%
20.4%
21.4%
20.2%
23.0%
28.0%
35.1%
26.8%
33.7%
26.6%
28.4%
30.9%
12.6%
8.4%
8.5%
9.4%
10.8%
12.4%
12.4%
12.6%
4.2%
4.3%
2.9%
8.4%
11.8%
10.1%
31.6%
32.5%
39.4%
34.2%
32.9%
29.8%
26.8%
注)製造業には、鉱業、建設業、電気・ガス・水道が含まれる。またサー には、金融・保険・不動産業、サービス業、公務等が含まれる。
出所)ドイツはStatistischesBundesamt(1998b)、日本は経済 企画庁経済研究所(1999)より計算。
注)製造業には、鉱業、建設業、電気・ガス・水道が含まれる。またサービス業には、
金融・保険・不動産業が含まれる。
出所)ドイツはStatistischesBundesamt(1998b)、日本は経済企画庁経済 研究所(1999)より計算。
し、帰属利子や副産物の処理も異なったままである4) 。次に第4節では、両地域を比較可能な ように組み換えた1990年表を用いて、いくつかの比較を試みる。最後に第5節では、バーデン
州と中部地方のそれぞれの地域経済における日独貿易を簡単に考察する。2.バーデン州の80年代
まず表9−6は、80年代のバーデン州における生産額や付加価値の構成比の変化と、その成 長(指数)を表にしたものである。 1982年当初、構成比が最も高かった公務は1990年には構成 比が下がって2番目になり、それに代わってその他のサービスが最も高い成長を遂げ、構成比 も3%近く上昇して最も高くなっている。付加価値でみるとさらに顕著で、その他のサービス
は2倍近く伸びたために、構成比は3%上昇して16.8%にも達している。この他にサービスで は、不動産や研究・文化・娯楽が高い成長を遂げたが、構成比はさほど大きく変化してはいな い。それに対して製造業では、当初より一般機械や輸送機械の域内生産額に占める割合が高く、それが80年代を通して全体としての成長を上回るテンポで増大したために、 1990年にはそれ 4)地域産業連関表間の相違は、ちょうど国レベルの産業連関表の相違と同じである。
ぞれ10%近い構成比となっている。しかしやはり付加価値でみるならば、輸送機械の構成比は むしろ低下しており、製造業では一般機械や電気機械の方が高く、さらにそれよりも商業や不 動産といったサービスの方が高い点で、生産額でみる場合とは異なる。多くの部門で特に86年 以降、付加価値総額に占める構成比が低下するなかで、一般機械や不動産、その他のサービス の構成比が上昇している。
表9‑6 :80年代のバーデン州生産構成の推移と成長
2.5% 1.7% 1.5%
2.5% 2.6% 2.2%
4.7% 4.3% 4.0%
1.4% 1.6% 1.6%
1.4% 1.3% 1.3%
4.5% 4.9% 4.7%
8.4% 8.9% 9.6%
8.6% 9.3% 9.6%
6.0% 6.8% 7.0%
2.0% 1.4% 1.4%
2.6% 2.6% 2.7%
3.0% 2.8% 2.2%
4.4% 3.9% 3.5%
6.8% 6.0% 5.9%
6.9% 6.7% 6.7%
2.2% 2.2% 2.2%
1.2% 1.2% 1.2%
3.4% 3.4% 3.2%
5.3% 5.4% 5.8%
1.2% 1.3% 1.4%
10.9% 10.5% 9.5%
10. 1% 11. 1% 12.9%
5639040186028893144184821313333821001222231311111111111111111111 94
136 137 182 138 168 183 177 186 113 163 116 126 138 155 162 159 150 175 179 139 203
2.4% 1.6% 1.7%
2.5% 2.7% 2.2%
2.7% 3.5% 3. 1%
1.3% 1.5% 1.4%
1.3% 1.2% 1. 1%
3.5% 4.2% 4.0%
7.5% 7.6% 8.6%
6.8% 6.6% 6.6%
7.5% 7.8% 7.4%
1.5% 1.2% 1.2%
2.3% 2.2% 2. 1%
2.5% 2.2% 1.6%
2.9% 2.3% 1.9%
7.5% 6.3% 6. 1%
10.0% 9.4% 9.2%
2.5% 2.5% 2.4%
2.3% 2.2% 2. 1%
‑0. 1% 0.0% 0.0%
8.8% 8.8% 9.7%
1. 1% 1.2% 1.2%
11.8% 10.5% 9.5%
13.8% 14.7% 16.8%
次に表9−7の移輸出率・構成の推移をみてみよう。なおここで輸出はドイツ国外への販売 であるのに対して、移出はバーデン州以外のドイツ国内諸州への販売を意味する。また移出率 や輸出率は、移出あるいは輸出の地域生産額に対する割合である。一般に地域経済は、一国の
経済と比べてアウタルキー度が低く、生産は他地域の原材料に依存する割合が高く、また生産 したものも、域内市場が小さいために販路を他地域に求めるので、移出入あるいは輸出入の割 合は、一国全体としてみる場合よりも高くなる傾向がある。実際、表9−7をみても移出率、輸出率ともにきわめて高く、皮革・繊維製品では両者合わせて地域生産の8割以上が他地域・
他国へ販売された。まず1982年の段階では、移出率は皮革・繊維、鉄鋼・非鉄金属、ゴム・プ ラスティックの順に高く、輸出率はそれとは異なり機械類が中心であり、輸送機械、一般機械、
電気機械という順であった。しかし90年にかけて、一般機械や輸送機械の移出率が伸び、移出
−280−
表9−7 :バーデン州80年代の移輸出率と移輸出構成
16.9%
21.4%
29.4%
42.8%
28. 1%
49.2%
37.6%
30.0%
35.9%
36.9%
40.3%
61.1%
21.6%
4.3%
6.4%
12.6%
0.0%
5.0%
0.4%
1.3%
0.0%
1.6%
17.9%
23.1%
31.8%
46.4%
28.7%
42.4%
36,2%
28.6%
31.7%
38.0%
38.6%
56.9%
21.4%
4.4%
5.6%
13.8%
0.0%
5.3%
0.3%
0.8%
0.0%
2.0%
18.5%
23.5%
32.6%
46.9%
30.4%
42.9%
38.4%
33.7%
31.8%
41.0%
37.5%
59. 1%
25.2%
4.4%
4.4%
15.3%
1.9%
5.9%
0.2%
4.5%
0.4%
2.6%
2.2% 1.7% 1.4%
2.8% 3.2% 2.6%
7. 1% 7.3% 6.7%
3. 1% 4.0% 3.8%
2. 1% 2.0% 1.9%
11.3% 11.0% 10.2%
16.2% 17. 1% 18.8%
13.4% 14. 1% 16.4%
11. 1% 11.4% 11.3%
3.8% 2.9% 2.9%
5.4% 5.3% 5. 1%
9.5% 8.3% 6.5%
4.9% 4.5% 4.5%
1.5% 1.4% 1.3%
2.3% 2.0% 1.5%
1.4% 1.6% 1 0:0% dO% diM7%
00% 00% o1%
0.9% 1.0% 0.9%
0. 1% 0. 1% 0. 1%
0. 1% 0. 1% 0.3%
0.0% O.0% O.2%
Om l:2% i7%
2.6%
2. 1%
23.5%
22. 1%
9.5%
21.7%
42.2%
42.7%
36.9%
8.9%
12.9%
23.7%
7.5%
1.3%
5.6%
20.6%
0.8%
0.3%
0.7%
7.8%
0. 1%
2.3%
3.8%
1. 1%
25.9%
22.2%
11.4%
20.6%
42.3%
41.9%
38.6%
13.9%
14.4%
26.5%
7.3%
1.0%
8.6%
21.0%
4.3%
0.2%
0.8%
7.0%
0. 1%
2.0%
4. 1%
2. 1%
26.4%
24.3%
11.2%
21.5%
38.5%
34.6%
37.5%
15.5%
15.9%
27.3%
8.7%
0.9%
7.5%
20.5%
4. 1%
0.2%
0.7%
8.7%
0.2%
1.6%
に占める構成比も上昇している。一方、皮革・繊維、鉄鋼・非鉄金属等は移出率は引き続き高 かったが、移出全体に占める割合は低下している。輸出に関しては、 1960年当時は最も高かっ た輸送機械や一般機械の輸出率が、移出に代替される形で低下し、特に輸送機械は輸出に占め る構成比も低下させている。一方、輸出率ではさほど変化のなかった電気機械の輸出に占める 割合が上昇している。
表9−8は、移輸入に関する同様の比率である。移(輸)入率は、移(輸)入額/総供給額
表9−8 :バーデン州80年代の移輸入率と移輸入構成
1.3% 1.2% 1.0%
6.2% 6.3% 4.8%
12.0% 10.2% 8.8%
4. 1% 4.4% 4.8%
2.6% 2.3% 2.1%
14.4% 14. 1% 13. 1%
10.2% 11.2% 11.2%
6. 1% 7.5% 7.5%
5.8% 5.9% 7.2%
3.0% 2.9% 2.9%
2.8% 3.0% 2.9%
6.4% 6.0% 4.6%
9.5% 8.5% 7.5%
0.8% 1.0% 0.9%
2.8% 2.9% 3.1%
3.8% 3.9% 3.8%
0.5% 0.5% 0.7%
2.7% 2.6% 2.6%
0.5% 0.5% 0.8%
0.4% 0.5% 0.6%
0.0% 0.0% 4.6%
4.2% 4.5% 4.5%
25.3%
31.4%
21.2%
11.6%
10.9%
15.6%
9. 1%
8.4%
14.4%
8.8%
11.2%
23.2%
10.6%
0.4%
1.4%
6.7%
3. 1%
0.6%
0.3%
5.3%
0.5%
4. 1%
32.8%
18.0%
20.0%
13.0%
11.9%
16.2%
10.4%
9.4%
16.0%
11.5%
11.9%
25.2%
11.0%
0.4%
1.7%
6.5%
5.0%
0.4%
0.3%
4.8%
0.2%
3.2%
30.7%
18.4%
20.8%
13.9%
12.2%
16.9%
10.8%
11.2%
17.0%
12.0%
12.7%
29.4%
11.4%
0.3%
1.5%
7.2%
2.8%
0.3%
0.3%
5.7%
0.3%
2.2%
6.9%
21.5%
25.5%
31.0%
22.2%
31.7%
16.8%
10.7%
13.0%
19.8%
14.9%
21.9%
25.6%
2.2%
6.9%
23.3%
6.3%
13. 1%
1.6%
5.2%
0.0%
6.8%
7.7%
25.0%
24.0%
29.0%
21.7%
28.9%
16.7%
11.7%
11.5%
24.0%
15.6%
21.3%
25. 1%
2.9%
7.2%
23.0%
6.9%
12.3%
1.5%
6.4%
0.0%
6.6%
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23.5%
22.7%
30.2%
20.6%
28.1%
15.7%
11.2%
13. 1%
23.8%
14.5%
19.6%
25.0%
2.8%
7.8%
22.5%
8.8%
12.9%
2.4%
7.3%
8.2%
5.8%
で定義している。全体としては移入率も輸入率も大きな変化はないが、部門ごとにみてゆくと、
製造業は輸入率の上昇が目立つ。基礎資材や軽工業品、機械製品などである。その上昇率は皮
革・繊維製品が最も高く、輸送機械や電気機械も顕著である。そのために輸入総額に占める構 成比も、一般機械、輸送機械、電気機械の3部門で大きく上昇している。しかし一方、輸入率
は上昇していても移入率は低下している部門も多く、土石・ガラス製品、鉄鋼・非鉄金属、一 般機械、皮革・繊維、食料品などがそれに該当している。これらの部門では、一般機械を除い て、移入総額に占める割合も低下している。その他の移輸入に共通の動向として、農林水産業 や鉱業・エネルギー産業、化学・石油製品等の構成比が低下し、ゴム・プラスティック製品、運輸や研究・文化・娯楽などでは逆に上昇している点が確認できる。
次に表9−9から、80年代の最終需要による生産誘発動向をみると、まず全体として、民間 最終消費や政府最終消費に依存する割合は終始一貫低下している。それとは異なり、80年代前 半は輸出への依存度が上昇し、80年代後半は固定資本形成や移出への依存度が上昇している。
80年代を通して地域生産の移輸出への依存度が2%高まり、 1990年には50.7%に達している が、これはバーデン州の生産の約半分は、州外の需要によって誘発されていることを意味する。
しかしこれは全体に関してであり、部門によっては、さらに大きな外需への依存が確認される。
移輸出への依存度が特に高いのは、順に皮革・繊維・衣料品、ゴム・プラスティック製品、鉄 鋼・非鉄金属、一般機械・情報機器、電気機械、輸送機械、製紙・印刷、化学・石油製品といっ た部門であり、これらの部門ではその生産の7割以上を移輸出が誘発している。このうち一般 機械や輸送機械では、80年代に輸出率の低下を反映して輸出への依存度が低下し、代わって移 入への依存度が上昇している。しかしそれでも、輸出による誘発の方が移出による誘発よりは 多く、依存度も高かった。電気機械も同様に輸出による誘発の方が多く、一般機械や輸送機械 の輸出依存度が80年代に低下したために、 1990年には電気機械の輸出依存度が最も高くなっ ている。いずれにしてもこの3部門は、輸出による誘発が移出による誘発と同等であるか、あ るいはそれ以上に多い、製造業の中でも特別な部門である。その他、化学・石油製品、ゴム・
プラステイック製品、土石・ガラス製品などでは、移輸出への依存度が上昇したために、民間 最終消費や固定資本形成への依存度が低下している。また不動産や研究・文化・娯楽において も同様に、民間最終消費による誘発割合が未だ最も高いものの、80年代には低下傾向を示し、
代わって移輸出への依存度が上昇している。
−282−
表9‑9:バーデン州80年代の最終需要生産誘発依存度の推移
1
2鉱 業 ・ エ ネ ル ギ ー 産 業
3
化 学 ・ 石 油 製 品4ゴ ム ・ ブ ラ ス テ ィ ッ ク 製 品
5土 石 ・ ガ ラ ス 製 品
6鉄 鋼 ・ 非 鉄 金 属
7一 般 機 械 ・ 情 報 機 器
8
輸 送 機 械9電 気 機 械
10木 材 ・ 木 製 品
11 製紙•印刷
12皮 革 ・ 繊 維 ・ 衣 料 品
ば ; 料 §
閲
: :
17通 信
18金 融 ・ 保 険
19不 動 産
20研 究 ・ 文 化 ・ 娯 楽 サ ー ビ ス
21公 務
22そ ム の 他 の サ ー ビ ス
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3
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1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0 1 1 1 2 1 3 1 4 1 5 1 6 1 7 1 8 1 9 2 0 2 1 2 2 2 3
3 .
中部地方の80年代では次に、日本の中部地方の80年代を簡単にみてみよう。まず表9‑10の生産と付加価値の 成長と構成変化からである。生産において最も成長したのが自動車であり、 10年間で実に2.6 倍にも増加している。そのため、 80年代当初はドイツよりも低い8.8%だった生産構成比も
14.2%にも達し、他の製造業よりも圧倒的に高くなっている。付加価値においても、自動車は 製造業の中では終始一貫構成比が最高であったが、 1990年には1.5%ほど低下した。いずれに しても地域生産において、自動車がこれほどの割合を占めている地方は、日本とドイツの中で は見当たらない。生産において自動車の次に大きく成長したのが、電気・精密機械である。そ れによって生産、付加価値ともに構成比を伸ばしているが、 5%足らずである。化学製品も特
に80年代前半の伸びが大きかったが、80年代後半には構成比が低下している。逆に、マイナス 成長によって構成比も低下しているのが鉱業、石油・石炭製品、その他の輸送機械、その他の 製造業などである。農林水産業や鉱業、製造業では、 80年代を通して成長はしたものの、構成 比は低下している部門が目立っている。そのようななかで、自動車に次いで構成比を伸ばして いるのが狭義のサービスである。生産、付加価値ともに3%以上上昇して、最も高い構成比を 維持している。しかし商業〜公務の広義のサービスの構成比は依然30%台であり、40%以上あ るバーデン州と比べても、中部地方の80年代は、製造業を中心に推移してきたといってもよい だろう。ではその移輸出はどう推移してきたか。表9−11をみると、まず全体としては、80年代を通
表9‑10:中部地方の80年代生産構成の推移と成長
1.9% 1.7% 1.3%
0.5% 0.2% 0.2%
4.0% 4.4% 3.4%
4.0% 3.7% 2.9%
1.8% 1.3% 1.4%
1.9% 1.9% 1.8%
3.7% 5. 1% 4.7%
3. 1% 2.4% 1.3%
0.7% 0.6% O.6%
2.3% 2. 1% 1.9%
7.3% 5.2% 4.5%
2.6% 2.3% 2.5%
5.5% 5. 1% 5.3%
3.2% 4.3% 4.8%
8.8% 13.9% 14.2%
1.3% 1.0% 0.7%
1.8% 0.5% O.7%
8.4% 6.5% 7.9%
2.9% 3. 1% 2.4%
8.2% 7.6% 9.0%
6.2% 6.5% 6.2%
3.2% 3.6% 3.2%
13.5% 14.4% 16.8%
1.6% 1.7% 1.5%
1.3% 1. 1% 0.9%
109 56 141 118 125 154 207 67 131 134 101 162 157 242 264 89 61 154 135 180 164 164 205 150 107 108
46 136 113 91 119 169 95 104 109 89 108 114 163 194 98 36 95 132 115 128 140 133 126 107
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112
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111
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111
−284−
して移出率は上昇したが、輸出率は上昇から低下に転じ、伸び悩みがみられた。バーデン州と は異なり、全般的に輸出率よりは移出率の方が圧倒的に高いが、80年代当初は、自動車や運輸 サービスに限っては輸出率の方が高く、その他の輸送機械も高い輸出率であった。しかし1990 年にかけて結局は低下し、移出率の方が上回っている5)。中部地方における移出と輸出の大き な相違は、構成比を比較すると一目瞭然である。1985年にかけて輸出に占める自動車の割合が 大きく伸び、50%という驚異的な数値となっている。1990年にかけて若干低下してはいるが、
輸出額の約半分は自動車というのがこの地方の大きな特徴である。一方移出の方は、輸出と違っ て自動車が半分も占めることはないが、移出率が上昇して、自動車の移出構成比が最高である ことには変わりはない。商業も移出率、構成比ともに大きな伸びであった。1980年には構成比 が最も高かった鉄鋼・非鉄金属は半分以下に低下し、繊維製品や石油・石炭製品の割合も低下
している。
表9−11 :中部地方の80年代移輸出率と移輸出構成
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1.6% 1.5% 1.7%
0.7% 0. 1% 0. 1%
5. 1% 6.4% 4.9%
9.3% 7.5% 5.6%
3. 1% 2.5% 2.6%
2.6% 2.4% 2.3%
7.2% 10.0% 8.4%
14i:5% 6:0W 5:0% 棚棚捌I 5% 3.4%
11.3% 6.0% 5.0%
6.5% 4.7% 4.7%
9.4% 7.8% 8.3%
7.4% 8.2% 7.3%
11.0% 14.3% 16.0%
2.0% 2.0% 1.4%
3.9% 1. 1% 1.4%
O.0% 0.0% 0.0%
2.2% 1.8% 1.0%
4.7% 8.2% 15.5%
0.0% 0.0% 0. 1%
0.6% 2.9% 3.1%
1.7% 2.0% 4.9%
0.0% 0.0% 0.0%
0.0% 2.6% 0.0%
0.4% 0.5% 0.3%
0.9% 1.6% 1.2%
0.7% 0.4% 0.4%
11.7% 8.8% 6.3%
0.5% 0.5% 0.6%
1.9% 1.0% 1.4%
7.4% 6.4% 6.9%
1.6% 1. 1% 1.7%
12.8% 11.3% 14.9%
10.9% 11.8% 7.9%
8.0% 7.9% 6.7%
7.2% 4.9% 3.2%
17.2% 14.9% 22.5%
15.6% 16.6% 16.5%
31.6% 34.8% 27.6%
30.5% 24.6% 14.6%
4.5% 8.8% 6.4%
0.0% 0.0% O.0%
0.0% 0.0% 0.0%
4.7% 7.2% 3.0%
0.5% 0. 1% 0.2%
25.9% 20.5% 12.2%
O.1% 0.3% 0.2%
0.0% 0.0% 0.0%
5.2% 10.5% 19.5%
21.0% 26.1% 41.4%
32.3% 19.3% 12.5%
31.7% 42.7% 44.7%
56.7% 58.4% 58.9%
41.7% 53.4% 57.9%
33.2% 37.2% 38.7%
47.7% 56.8% 55.4%
34. 1% 41.6% 36.2%
47.3% 52.6% 55.2%
44.6% 49.5% 54.7%
38.6% 33.1% 34.7%
62.6% 60.7% 56.6%
42. 1% 44.4% 48.7%
56.3% 55.0% 47.2%
30.7% 29.9% 34.9%
38. 1% 54.3% 59.7%
52.8% 63.7% 63.8%
0.0% 0.0% 0.0%
18.6% 16.4% 12.2%
14.2% 31.4% 53.4%
0. 1% 0.2% 0.4%
4.6% 22.8% 29.8%
3.2% 3.9% 8.9%
0.0% 0.0% 0.0%
0.0% 66.0% 0.0%
30.9% 100.0% 100.0% 100.0 24.7% 28.9
移輸入はどうであるか、表9−12は中部地方の移輸入の展開をまとめたものである。まず最 下段の全体の移輸入率動向をみると、80年代を通して移入率が上昇し、それと代替的に輸入率
5)周囲をフランスやスイス、オーストリアに囲まれたバーデン州とは、地理的なロケーションからも 大きく異なっており、 これももちろん影響している。
は低下している。 1990年の輸入率はわずか3.6%であり、 きわめて低い地域といわざるを得な い。石油・石炭製品や鉄鋼・非鉄金属、その他の輸送機械、その他の製造業などのように輸入 率が上昇している部門もあるカヌ、輸入構成比をみてもわかるように、それらの割合は10%未満 であり、むしろ比重の大きい鉱業や農林水産業の輸入率の低下が大きく影響している。その鉱 業の輸入構成比の低下は、主に原油価格の下落によるものである。また農林水産業では、輸入 率も構成比も約半分に低下しており、移入率とは好対照をなしている。移入に関しては他にも、
食料品、木製品、窯業・土石、一般機械、自動車等で移入率が上昇している。80年当初は鉄鋼・
非鉄金属の移入力§最も高い構成比を示していたが、その後低下し、製造業に特化したこの地域 の移入は、商業やサービスの割合が高くなったことも特徴的である。
表9−12:中部地方の80年代移輸入率と移輸入構成
17.7%
1.5%
21.6%
21. 1%
14.9%
30.7%
33.3%
21.0%
32.7%
14.1%
31.6%
24.6%
24.9%
38.4%
8.3%
18.2%
24.4%
0.0%
3.6%
16.2%
2.0%
10.8%
5.8%
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22.7%
2.8%
28.9%
19.4%
18.4%
30.8%
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23.6%
37. 1%
15.5%
25.9%
24.5%
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39.5%
14.4%
19.9%
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33. 1%
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17.4%
28.9%
23.3%
29.6%
36.2%
14.6%
19.2%
27.2%
0.0%
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33. 1%
7.2%
26.6%
13. 1%
0.0%
0.0%
3.0% 2.7% 2.5%
0.2% 0.3% 0.2%
5.6% 7.2% 5.9%
5.4% 3.6% 2.7%
1.6% 1.2% 1.4%
4.2% 3.3% 3.0%
9.5% 10.4% 8.8%
4.4% 3.2% 1.3%
1.8% 1.4% 1.3%
1.8% 1.5% 1.5%
16.5% 7.5% 7. 1%
4.0% 2.8% 2.8%
8.9% 6.6% 8.2%
10. 1% 11. 1% 10.3%
3.8% 8.9% 8.8%
1.5% 1. 1% 0.7%
2.9% 1.2% 1. 1%
0.0% 0.0% 0.0%
0.5% O.7% O.8%
7.5% 11.2% 15.9%
06% 1 5% 7%
2. 1% 3.8% 4.5%
4.0% 5.9% 9.3%
0.0% 0.0% 0.0%
O. 1% 2.9% 0.0%
28.5% 22.8% 15.3%
83.7% 88.9% 81.5%
5.9% 4. 1% 6.9%
3.8% 4. 1% 6.3%
4.7% 3.7% 6.2%
2.8% 1.9% 2. 1%
4.7% 3.6% 3.9%
9.4% 10.0% 10.4%
2.8% 1.9% 7.3%
1.2% 1.3% 2.0%
2.8% 5.4% 5.9%
0.7% O.4% 0.9%
1.9% 1.4% 2.3%
3.2% 2.2% 3.7%
0.4% 0.3% 0.9%
5. 1% 8. 1% 8.7%
3.2% 7.3% 13.7%
0.0% 0.0% 0.0%
0.0% 0.0% 0.0%
0.7% 0.7% 0.0%
0.9% 0.3% 0.3%
9.3% 7. 1% 5.3%
0.7% 1.0% 1.4%
0.0% 0.0% 0.0%
9.5% 4.8% 20.7%
次に表9−13の生産の最終需要誘発依存度をみると、全体としてはやはりバーデン州と同様 に、民間や政府の最終消費による誘発割合が一貫して低下している。そしてやはりバーデン州 と同様に、移出による誘発割合が上昇している。固定資本形成と輸出は代替的であり、1985年 にかけて輸出による誘発割合が上昇した分、固定資本形成による誘発割合は低下し、それ以降 1990年にかけては全く逆になっている。つまり全体の傾向としては、移出による誘発割合が増 えた分だけ、民間や政府の最終消費による誘発割合が低下した。今や47%、つまり全体の半分
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表9−13:中部地方80年代の最終需要生産誘発依存度の推移
41.3% 34.3% 28. 1%
13.6% 14 4% 15.7%
57.8% 45.1% 43.3%
13.0% 13.3% 16.2%
9.8% 7.6% 5.0%
26.1% 20. 1% 17.6%
10.7% 7.0% 7.2%
23.0% 17.5% 19.3%
8.8% 10.2% 9.5%
3.8% 3.7% 2.9%
2.2% 2. 1% 1.9%
4.0% 3.3% 3。 1%
1.6% 0.9% 0.9%
5. 1% 4.2% 6.3%
7.7% 4. 1% 4.0%
3.5% 1.4% 1.8%
14.0% 13.7% 13.6%
3.2% 3.7% 2.2%
29.9% 31.3% 33.3%
41.8% 32.2% 20.7%
64.6% 62.2% 70.5%
32.6% 21.8% 25.5%
53.5% 53.2% 44.5%
2.5% 2.3% 3.0%
27.0% 4.7% 17.4%
冊船舶冊冊棚別冊船舶冊冊珊珊船舶冊冊冊冊冊冊冊帖冊8333677853242310842623936●○□■巳●●●●■●■■●●●●●■●●●●●●021002010000000210701105219
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-1.0%
0.2%
‑1.3%
0.8%
1. 1%
0.6%
O.1%
‑2.0%
0.5%
1.2%
0.3%
0.8%
1.3%
O.8%
0.5%
3.4%
0.2%
0.0%
0. 1%
0.3%
0. 1%
0.2%
O. 1%
‑0. 1%
−3.2%
0. 1%
0.4%
‑0. 1%
0. 1%
0.8%
‑0.6%
0.1%
0.7%
−2. 1%
1.0%
0.7%
0.8%
0.7%
0. 1%
0.4%
1. 1%
1.7%
0.0%
0.2%
0. 1%
0.1%
0. 1%
0. 1%
0.0%
0.2%
3. 1%
7.2%
1.6%
14.7%
2.7%
6.2%
12.6%
9.2%
24.6%
14.5%
18.9%
9.5%
23.9%
19.2%
41.9%
35.5%
9.7%
0.8%
8.8%
10.1%
6.9%
33.9%
5.6%
0.5%
18.2%
2.4%
8.7%
1.2%
11.4%
2.5%
5.9%
11.5%
7.7%
21.3%
15.9%
20.6%
8. 1%
18.6%
20.8%
48.9%
28.4%
9.9%
1.1%
9. 1%
11.7%
6.9%
27.3%
6.4%
0.4%
13.8%
1.5%
8.0%
1.2%
8.4%
2. 1%
6.5%
11.8%
7. 1%
21.9%
11.2%
17.8%
6.7%
24.9%
21.2%
40.2%
16.3%
7.6%
0.6%
7.9%
5.9%
3.9%
16.9%
5.9%
0.6%
26.9%
1.6%
0,7%
0.3%
0.4%
0.0%
0. 1%
0.0%
0.2%
0.2%
0.7%
0.4%
0.5%
1.0%
0.4%
0.2%
−0.9%
0. 1%
0.0%
0.2%
0.3%
0. 1%
0.3%
0. 1%
0.0%
0. 1%
弱は国内他地域への移出が生産を誘発しており、輸出と合わせれば6割強に達している。 5割
強を移輸出に依存していたバーデン州よりもさらに高い割合である。部門別にみても、農林水産業や食料品、木製品、パルプ・紙、自動車、その他の輸送機械、
及び商業、運輸、サービス等で、移出への依存度が10年間で10%以上の高い上昇を示した。こ のうち自動車は、輸出と合わせ実に90%以上が外需依存となった。また商業では、財貨の移出 が増えるにつれて域外への提供割合も増え、移出依存度も30.4%から倍以上の62.9%に急上昇 している。このように移出への依存度が多くの部門で上昇した一方で、民間消費や輸出への依 存度は低下している部門も多い。たとえば農林水産業は、中部地方における民間最終消費への 依存度を、41.3%から28.1%に低下させている。食料品やパルプ・紙なども同様である。また 木製品や窯業・土石は固定資本形成への依存度を、繊維製品やその他の輸送機械は輸出への依 存度を、それぞれ低下させている。
4.バーデン州と中部地方の1990年比較
以上、バーデン州と中部地方のそれぞれの80年代の展開を簡単にみてきた。自動車の生産構 成比が最も高く、それは移輸出によってかなりの割合が誘発されていること、全体としては輸 出率が上昇から低下に転じる一方で、移出率は上昇していること、それに伴って生産も移出に よる誘発割合が上昇し、逆に民間や政府の最終消費への依存度は低下していること、等が共通 の傾向として確認された。しかし、中部地方では輸入が移入に代替される形で輸入率が低下し ているのに対して、バーデン州にはそのような傾向はなく、多くの製造業でむしろ輸入率の方 が上昇していること、等の相違もみられた。
この節では、部門定義等を調整することによって、より比較可能性の高い1990年表を用いて、
いくつかの比較を行う。まず、基本的投入産出構造を比較するために、表9−14の中間投入・
需要率と表9−15の影響力・感応度係数を計算して、両地域で比較してみよう6)。
まず表9−14をみると、中間投入・需要率によって各部門を配置した位相図の所属象限は、
両地域でかなり似通っていることがわかる7)。たとえば農林水産業は両地域ともに第1I象限に 属し、中間財基礎部門としての性格力§強い。また両地域の特徴でもある輸送機械は第Ⅳ象限に 属し、最終財製造部門的な財貨であることもわかる。しかし一般機械〜電気機械の各部門では、
6) ともに本書第3章や、宮沢(1995)等を参照されたい。
7)第3章の中間投入・需要率の説明を参照されたい。
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