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超高層 RC 建築物の 解体に関する基礎的実験

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Academic year: 2021

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109 西松建設技報 VOL.31

1.はじめに

 コンクリートの高強度化にともない,超高層RC建築 物の施工件数が増加している.近い将来,これらの超高 層RC建築物も社会経済情勢の変化にともない,解体さ れる可能性が考えられる.

 そこで本実験では,超高強度コンクリート,高鉄筋比 で建設された実験用建築物を用い,現在使用されている 解体機械で超高層RC建築物の部材解体が可能であるか を確認するとともに,解体時の騒音およびその作業能率 について考察を行ったものである.

2.実験概要

 ⑴ 実験用建築物の概要

 実験用建築物の形状を図―1および写真―1に示す.

本実験用構造物は,超高層RC建築物の下層階を想定し て作られたものである.

 表―1に,柱,梁およびスラブの実験時点でのコンク リートの圧縮強度および主筋配筋を示す.コンクリート の設計基準強度は,54,70,80および100 N/mm2の4 種類を設定していたため,それぞれについてコア抜きを 行い圧縮強度を確認した.

 ⑵ 使用機械

 実験に用いた切断機械および破砕機械を表―2に示す.

実験に用いたいずれの機械も,解体工事に現在使用され ているものであり,ジャイアントブレーカーおよびニブ ラは,主に階上解体に用いられている0.7 m3級の重機を 使用した.

 ⑶ 測定概要  ① 騒音測定

 計測は,音源から水平距離で10 mの位置で行った.

 ② 切断能率測定

 準備および切断時間をストップウォッチで計測して求 めた.

図 ― 1 実験用建築物の形状

写真 ― 1 実験用建築物の全景

超高層 RC 建築物の

解体に関する基礎的実験

原田 耕司 鹿籠 泰幸**

Koji Harada Yasuyuki Shikamori 和田 高清** 湊 康裕**

Takakiyo Wada Yasuhiro Minato

**

企画技術部企画技術課(土木営業本部営業課)

技術研究所技術研究部

表 ― 1 圧縮強度および配筋 項目

部材

解体時の圧縮強度

(N/mm2 主筋配筋 102(70),②115(80),

123(100)

24­D41

32­D41

84(54) 8­D41(上下端)

スラブ 84(54) D13­200ピッチ

*圧縮強度の( )内の数字は設計基準強度を示す.

表 ― 2 使用機械 種類

部材 切断機械 破砕機械

①ウォールソー

②ワイヤーソー ①ジャイアントブレーカー ①ウォールソー

②ワイヤーソー ①ジャイアントブレーカー

②ニブラ スラブ ①ウォールソー

②ワイヤーソー ①ジャイアントブレーカー

②ニブラ

(2)

超高層 RC 建築物の解体に関する基礎的実験 西松建設技報 VOL.31

110

3.実験結果

 ⑴ 部材解体について

 写真―2に示すニブラによる破砕状況のように,現在 使用されている解体機械で,超高強度コンクリート,高 鉄筋比の部材を解体できることを確認できた.

 ⑵ 騒音測定結果

 表―3に騒音の測定結果を示す.梁の結果を見る限り,

解体時に発生する騒音は,ジャイアントブレーカーが最 も大きく,ウォールソーが最も小さいことが分かった.

 ⑶ 切断能率

 図―2にウォールソーの切断能力,図―3にワイヤー ソーの切断能率を示す.

 ウォールソーは,鋼材率および圧縮強度が増加すると 切断能率が低下することが分かった.ただし,鋼材率と 切断能率の相関(r=−0.99)は,圧縮強度と切断能率の 相関(r=−0.54)より大きな相関を示しており,ウォー ルソーの切断能率は圧縮強度よりも鋼材率の影響を大き く受ける傾向を確認できた.なお鋼材率とは,継ぎ手部 の鋼材を考慮した,切断面積に対する鋼材量の割合であ る.

 一方ワイヤーソーはウォールソーと異なり,鋼材率お よび圧縮強度が増加しても切断能率にほとんど影響を与 えないことが分かった.

4.おわりに

 本実験により,超高強度コンクリート,高鉄筋比の部 材でも,現在使用されている解体機械で十分に解体でき,

超高層RC建築物の解体も既存の技術で十分に対応可能 であることが分かった.環境面(騒音)ではウォールソー が最も有利であり,また,ウォールソーの切断能率は,コ ンクリートの圧縮強度よりも鋼材率の影響を大きく受け る傾向を確認できた.

 今後は,超高層RC建築物の解体手順について検討を 進める予定である.

*本実験は,戸田建設㈱との共同で行ったものである.

写真 ― 2 ニブラによる破砕状況

図 ― 3 ワイヤーソーの切断能率 表 ― 3 騒音測定結果

機械

部材 ウォールソー ワイヤーソー ジャイアント ブレーカー

80 dB 100 dB

75 dB 81 dB 102 dB

スラブ 74 dB

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図 ― 2 ウォールソーの切断能率

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(a)圧縮強度と切断能率の関係 (b)鋼材率と切断能率の関係

(a)圧縮強度と切断能率の関係 (b)鋼材率と切断能率の関係

参照

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