GAIDAI BIBLIOTHECA
No.208●表紙で紹介する貴重書
今年はフランスの重農主義経済学者ヴィクトー ル・ミラボー(1715−1789)の 生 誕 300 年 に あ たります。彼はプロヴァンス州に生まれ、青年期 にはポーランド継承戦争に参加したと言われてい ます。その後は農業理論を執筆し小農法の有利性 にこだわっていました。
彼の 代 表 作と見 なされる本 書『人 間の友』は 1756 年から1760 年の間に出版されました。この 3 巻本は新版で全 6 部で成っています。1部から 3 部までには「人口論」の副題が付いており、彼は この 3 部で、「富は人口から派生する」とする考え を基盤にしていました。しかし、途中で重農主義 経済学者のフランソワ・ケネーから批判を受け、 それ以降は、「重視すべきは人口よりも富であり資 本である」とするケネーの考えに移っていきます。 このため、本書はミラボーが小農法から大農法へ 変化した背景が窺えるものとされています。こう した本書は人 気をよび、ミラボーを「人間の友」 と呼ぶ風潮が生まれたそうです。
ミラボーはその後、ケネーの門下で師匠の『経 済表』の解説に力を注ぐと共に、特に『租税論』 では統制経済体制を厳しく批判しています。また、 穀物流通の円滑化のため独占体制の撤廃を説くな ど、現在の農業政策にも通ずるほどの理論を展開 しました。 (椿)
原寸 26.1×21.2cm(3 巻共)
MIRABEAU, Victor R.
L’ami des hommes, ou traité de la population.
[S.l.], [s.n.]. 1758-1760. 3 vols. ミラボー
『人間の友』 ミラボー生誕300年を記念して
表紙で紹介する貴重書
3
最新 Up-to-date な本
4
新入生の皆さんへ
あなたの「世界」を広げませんか――
本学図書館の特徴ある図書館活動で
5
新入生のための図書館利用案内
6・7ご存じですか?本学図書館が作成した
主題別書誌データベース
8・9研究者と図書館
佛蘭西書巡覧33
平山弓月10
Extensive Reading in a Foreign Language(1)
「外国語で多読をするということ」
吉田真美
11
中国のほんの話(68)
揖斐高『遊人の抒情 柏木如亭』
〜江戸時代の漢詩ブーム〜
蔭山達弥
12
キリシタン時代 驚きの国ニッポン
東光博英
13
図書館運営委員からの寄稿
スペイン語圏を知る本(その74)
『スペイン 世界遺産と歴史の旅』
坂東省次
14
OFFICE NEWS
平成27年度図書館ガイダンス
15オフィス・インフォメーション
16〜18図書館の利用状況
19社会に貢献している本学図書館の貴重書
20・21寄贈図書案内
22皆様のご協力で
春の図書館を詠む
23学生と図書館(Good memories of your school days)
案内絵ハガキから見た貴重書展示会のイメージ(22)
書物で見る日本と西洋 ―多面的にみることによる面白さ―
諸角由利佳
24
わたしの好きな昔話(24)
『猿蟹合戦』(ちりめん本)
岩本千鶴
25
図書館のアルバイトを通して(4)
〜人と本との出会い〜
工藤真央
26
ライブラリー・スケッチ
「ワンポイント展示」
小川遥香
27
図書館員の文献紹介と資料の活用
4月のピックアップコーナー
「児童文学」
小澤文彦
27
本学図書館のスペシャル・コレクションより(41)
シーボルトの長男アレクサンダーが 玉井喜作に出会った話
奥 正敬
28・29
マガジンラック(49)
「知っていますか?図書館の雑誌」
栄 咲子
30
名作再読、拾い読み(31)
『悲しき酒場の唄』(1)
(
“The ballad of the sad cafe”)
小澤文彦
31
おこしやす、図書館へ
「言語学、はじめの一歩(23)」
入学直哉、藤井達也
32
日本の歴史42
『江戸の食文化 : 和食の発展とその背景』
稲垣宏行
33
Book Review Corner
34・35図書館利用案内