Kyushu University Institutional Repository
The High Temperature Deformation Mechanism in Solution Hardened Alloys
中島, 英治
九州大学大学院総合理工学研究科材料開発工学専攻
吉永, 日出男
九州大学大学院総合理工学研究科材料開発工学専攻
https://doi.org/10.15017/17208
出版情報:九州大学大学院総合理工学報告. 12 (4), pp.355-366, 1991-03-01. Interdisciplinary Graduate School of Engineering Sciences, Kyushu University
バージョン:
権利関係:
九州大学大学院総合理工学研究科報告 第12巻第4号355−366頁平成3年3月
Engineering Sciences Reports, Kyushu University
(KYUSHU DAIGAKU SOGORIKOGAKU KENKYUKA HOKOKU)
Vol,!2, No,4pp.355−366 March 1991
固溶硬化合金の高温変形機構
中島英治*・吉永日出男*
(平成2年11,月30日 受理)
The High Temperature Deformation Mechanism in Solution Hardened Alloys
Hideharu NAKASHIMA*and Hideo Yoshinaga*
In general, the flow stress of metals and alloys is expressed as the sum of an internal stress and an effective stress. Here,亡he internal stress is athermal stress, which is based on long range interaction between disloca−
tions or dislocations and dispersed particles, and does not depend on temperature and strain rate. On the other hand, the effective stress is thermal stress, which is based on short range interaction between dislocations or dislocation and solute atoms, and strongly depends on temperature and strain rate.
In this paper, it is reviewed that the high temperature deformation of solution hardened alloy is controlled by the solute atエnosphere dragging mechanism of dislocations, and that the effective and internal stresses respec.
tively equal to the solute atomsphere dragging stress for dislocation motion and the athermal stress derived from the attractive junctions formed by dislocation interaction.
1.はじめに
今日,高温構造材料としてセラミックスが注目され ているが,一般にセラミックスは靭性に乏しく破壊し やすいという致命的な欠陥が未だに克服されておらず,
その用途は極めて限られているのが現状である,した がって,安全性の面から高温構造材料としては今なお 主に金属材料が用いられている.
一言で金属材料と言っても,純金属や固溶硬化合金 のような単相の材料から多元系の実用材料まで多種多 様である.これらの材料の高温変形を首尾一貫して理 解するためには,変形機構に関する基礎的知見とその 知見に基づいた変形記述法を見いだす必要がある.
筆者らは変形応力を次のような方法で記述する.す なわち,転位が熱活性化過程で越えられないような障 害物による抵抗,内部応力と熱活性化過程で越えられ るような障害物による抵抗,有効応力に分け,変形応 力を両者の和で表わす。内部応力は温度やひずみ速度 に依存しない応力であり,例えば転位の分布の仕方や 転位の間隔によって一義的に決まる転位問長距離相互 作用に基づく抵抗や分散粒子による抵抗がこの種の応 力を与える.一方,有効応力は温度やひずみ速度に強
く依存する応力であり,例えば転位の短距離相互作用 や溶質原子による抵抗がこの種の応力を与える。この ように変形応力を2つの性質の異なる成分に分けて考 く
え,それぞれの応力の発生機構を知ることができれば 各種金属材料の高舜変形挙動を予測できるばかりでな く,各種の強化機構が複合した材料にも応用すること ができるであろう.
本論文ではこの手法を用いて固溶硬化合金の高温変 形機構について述べるとともに,両応力成分の分離測 定法とそれぞれの応力の発現機構について著者らの研 究成果を中心に述べる.
2. 固溶硬化合金の高温変形機構
*材料開発工学専攻
負荷応力を一定にしたクリープ変形では,ひずみ速 度が一定となる定常変形状態が存在する.この定常状 態でクリープ応力をσからσ+△σに急変すると△σ
に対応する瞬間ひずみ△ε、が生ずる.Fig.1は固溶 硬化したFe−3.5at%Mo合金について温度1103K,応 力9.2MPaでクリープ試験し,△σと△ε。の関係を 示したものである1).図より△σと△ε、の測定点の問 には直線関係があることがわかる.また,この直線の 勾配は試験片を含む試験機系の弾性変形の勾配に一致 する1).すなわち,この合金の瞬間ひずみは弾性ひず
Fe−3.5αt。1。 Mo
1103K
寸 2「o
σ=92MPo
ミωo ⑪
ぐ
1
/
⑪
一4 一3 −2 一1 o 1 2 3 4
△σ1MP(ユ
/
一1一2
/8
Fig. l An example of linear relation between the stress change △σ and the instantaneous strain△εβin an Fe−3.5at%Mo alloy.
る.
転位の運動が粘性的であれば,変形は転位のすべり 運動によって律速されることになる*.また,最近,
金属材料の高温変形機構が回復律速であるかすべり律 速であるかを判別する方法16}が提案され,この方法で 固溶硬化の大きいAl−Mg合金の変形機構を判別した
ところ,変形はすべり律速であるとの結論が得られて いる17[.問題は固溶硬化合金の変形がどのような機構 に基づくすべり律速であるかということである.
すべり律速の変形ではせん断ひずみ速度アは,
夕一州+外目卿1+鴛)
(1)で与えられる.ここで,添字の6と5はそれぞれ刃状 転位とらせん転位を表し,5,と5。はそれぞれの転位
の平均速度である.
今,近似的に刃状転位とらせん転位の部分のみで形 成された長方形状の転位ループを考えると,刃状成分 の転位密度ρ,はらせん転位の速度渉、に比例し,また ρ、は渉,に比例するので,転位密度の比は
ρ, 渉∫
ρ5 5,
(2)
みであることがわかる.このような△σと△ε.の弾性 比例関係は固溶硬化の大きいA1−Mg合金やA1−Cu合 金においても確認された猫.
一方,純金属を用いた応力急変試験の結果によると,
測定された瞬間ひずみには弾性ひずみ以外に塑性ひず みが含まれていることが示されている41噸.純金属の 高温変形では変形応力は内部応力に等しく415[9卜14},
検知できるほどの有効応力は存在していない.この場 合には応力を急に増加すると,この応力増加分の加工 硬化が起こるまで転位は自由飛行的にすべり運動し,
増殖する.このすべり運動が瞬間塑性ひずみの原因で ある.これに対して,前述のように,固溶硬化合金で は瞬間塑性ひずみは観察されない.このことは固溶硬 化合金中の転位のすべり運動が溶質原子によって拘束・
され,その運動が粘性的となることを意味してい
となる.らせん転位は静水応力場をほとんどもたない ので溶媒原子と大きさの異なる溶質原子とほとんど相 互作用せず,刃状転位のみが溶質原子と強く相互作用 する**.すなわち,同じせん断応力のもとでは,ら せん転位は刃状転位よりもずっと高速で動くので,変 形中に存在する転位は主に刃状転位となる.実際,固 溶硬化の大きい合金では刃状転位が支配的に多いこと が観察されており1距20),上述のらせん転位が刃状転 位よりも高速で運動するという考えが妥当であること を示している.したがって,せん断ひずみ速度は式(1)
と(2)より,全転位密度ρ(=ρ,+ρ、)を用いて
γ=2ρδ,6
のように簡単に表わすことができる.
(3)
*前述の純金属のように,転位運動が自由飛行的である場合のクリープ変形は もっぱら回復(転位の再配列や対消滅による内部応力の減少)が起こることによ って進行するので,回復律速となるユ5).
**固溶硬化の大きい合金の大部分はこの種の溶媒原子と溶質原子の大きさが 異なる効果によるものであることが知られている.この効果を寸法効果と言う.
平成3年 九州大学大学院総合理工学研究科報告 第12巻町4号 一357一 転位速度は有効応力の関数であり,変形を律速する
刃状転位の速度をびとし,有効分解せん断応力をτ,
とすると,」は近似的に
」詔・!=8(τ一・、)〃z (4)
と表すことができる.ここで,βは転位の易動度,規 は転位速度の有効応力(τ弄τ一τ〜)指数である.
固溶硬化合金のすべり律:速変形に関する
Cottrell−Jaswon21♪22)機構iによると,高温では転位の回 りに溶質原子の濃度の高い雰囲気が形成され,転位は この溶質原子を引きずりながら運動する.このときの 転位の運動は粘性抵抗と呼ぶべきものであるが,この 粘性抵抗は高温ほど低下し,転位速度が大きいほど大 きくなる.この温度と速度依存性は熱活性化過程で越 えられる静止障害物による抵抗の場合と同じなので,
有効応力に分類される.また,彼らによって十分高い 温度では規が1になることが示されている.この理 論が正しければ,せん断ひずみ速度は式(3)と式(4)より
γ=2ρ∂、8(τ一τ,) (5)
となる.また,テーラー因子1研3)を用いて,σ=
Fb−3.5αt。Z。 Mo Q
1103K
3σ=9.2MPG
診
092.萄ぐ
/
1
一4 一3 −2 一1 o 1 2 3 4
△σノMPα
ノノ
一1│2
も 一3
Mτとε=γ/Mの関係により,せん断応力τとせん 断ひずみγを引張応力σと引張ひずみεに変換すれば
. 2 一
ε=Vρ6β(σ一σ・) (6)
と書き換えることができる.これが固溶硬化合金にお ける変形の基本式である.ただし,式(4)の観が1で あるかどうかを実証する必要がある.
式(6)においてρやらが変化し得ないほど迅速に応 力を急変することができれば,応力急変直前と直後の 塑1生ひずみ速度の差△とは式(6)より
. 2
△ε=一ρ6」8△σ 解
(7)
Fig.2 An example of linear relation between the stress change △σ and the accompanying change in strain rate △ε in an Fe−3.5at%
Mo alloy.
となる.
Fig.2は応答速度の速い電気油圧式試験機24)を用い て,Fe−3.5at%Mo合金を温度1003K,応力9.2MPa でクリープ試験し,その定常状態で約30msの短時間 で応力急変を行い,△εと△σの関係を調べた結果で ある1).得られた△εは確かに△σに比例している。
この△εと△σの比例関係はA1−Mg合金やAl−Cu合 金でも成り立つことが確認された213,.したがって,
Fe−Mo合金, Al−Mg合金およびAl−Cu合金のような 固溶硬化の大きな合金の高温変形での魏はCottre11 の理論からの予測通り1であり,30msでの応力急変
1x1σ4
廼5、1σ・
・ω
0
Al−3atO1。Mg
673K
ε♂1.02・1σ4♂10 , , 11 ! , , , ,
ノ
q趨ρbB
9 8
76 43 5
10 2
4567891011
σ1MPa
Fig.3 An example of the relation between the stress and plastic strain rate during stress relaxa・
t三〇nin an Al−3.Oat%Mg alloy.
試験では応力急変の直前と直後でρとσ,に変化がな かったことがわかる.したがって,内部応力は式(5)と
(6)より,
δ_。_と△三 △ε
(8)
により,実測することができる.
また,Fig.3は固溶硬化の大きいA1−3.Oat%Mg合 金を用いて等速引張試験を行い,その定常変形状態
(変形応力がひずみによらず一定となる状態)で応力 緩和試験したときの結果である.試験片を含めた試験 機系の弾性定数K25〕を用いると応力緩和中の塑性ひ ずみ速度εは応力緩和速度σより,ε=一σ/Kによ って求められるが,図はこのようにして求めたεと応 力緩和中の応力σとの関係を示したものである.図か ら応力緩和直後から数秒間(Fig.3の中に。,1,…,8の 測定点)はεとσの間に比例関係がある.これは式(6)
からわかるように,応力緩和中にσ,とρが変化しな ければ,εがσに比例することに対応するものである.
したがって,内部応力は図の比例関係をε→0に外挿 して実測することができる.一方,応力緩和後期では σ,もρも変化するために,εとσの問にもはや比例関 係は成立しなくなる,
このように,固溶硬化合金の応力急変試験と応力緩 和試験の結果は転位の溶質雰囲気引きずり機構に関す るCottrellの理論的予測と完全に一致する.
式(6>より変形応力は,
一 ルf2
σ=σ + Qρ86ξ
3. 固溶硬化合金における転位密度
転位密度は透過電子顕微鏡を用いて直接測定できる。
しかし,この方法では観察用薄膜試料の作製を常温以 下で行うため高温変形中のバルク材料内の転位組織を 凍結しなければならない.これに対して,クリープ試 験中や引張試験中の動的状態でも応力急変法2)や応力 緩和法26}によって転位密度を推定することができる.
応力急変法においては,式(7)に示したように,△ξ は△σに比例する.したがって,転位密度は式(7)より
ルノ2 △6 ρ= 28ウ ムσ
(IO)
(9)
で与えられる.式(9)の右辺第2項は有効応力に対応す るものであり,転位の易動度8の温度依存性を通し て温度に依存するとともにひずみ速度にも依存するこ とがわかる.式(9)でMと∂は既知の定数であり,ま た8はCottrellの理論値を用いれば知ることができ る.また,本来,内部応力は転位問の長距離相互作用 によって生ずるので,転位密度とその配列のみに依存 する.第5節に述べるように,固溶硬化の大きい合金 では転位分布はほぼ一様であるので,内部応力は転位 密度のみに依存する.したがって,固溶硬化合金にお ける変形応力は,変形中の転位密度さえ知ることがで きればそれぞれのひずみ速度に対して予測できること
になる.
によって評価することができる2[.また,応力緩和法 ではεとσの比例関係にある部分の勾配(;2陥 β/ルのから転位密度を評価することができる26).た
だし,いずれの方法でも転位の易動度βには理論値 1d5
1014
禦
章1013 Q.
1d2
1♂
streSS 蛍reSS chGr脚 re㎞tion ● 573K ▲ △623K ■ ロ673K
▽723K
Ybshinaga et al.ロ
Al−5.7at。ノ。1)1g
/
梶
評
づ煮
/矛 /〆
、グ\Oik翻adaし 墨おK
Kikuchi et al,
Al−55a燃Mg Orlova &Cadek
● Al−5.5at。ノ。Mg
573K
/
!!
oriuchi&
Otsuka
Al−3.Oat。 掬 Aξ一6。9at。ノoM9
632K
Al−5.5at。ノoMg
573−673K Hayakawa et al.
重 Al−30at Oノ。 Mg 573K 尊 Al−3.Oat。 。 Mg 723K くlAl−40at。ノ。Mg 723K 番 A卜5.Oat。 。 Mg 573K
10 100 σノMPa
Fig.4 Relation between the stress and dislocation density for steady−state creep. Dislocation densities, which are shown by datum points,
are evaluated by theoretical B2D value.
Lines, which are shown by・一・181,一・一19}and 一・・一20),are results of TEM observation.
平成3年 九州大偉大学院総合理工学研究科報告 第12巻 第4号 一359一 を用いる必要があり,この理論値の精度がこの方法の
問題となる.
Cottrellの理論によれば, Bは
1)んτ
β= 68Co八「oθ2ε彦1〜8め (11)
で与えられる.ここで,Dは溶質原子の拡散係数,
んτは通常の意味,q,は溶質原子濃度,凡は単位体 積当りの全原子数,Gは剛性率,ε〜,は寸法不適合因 子271,R、,は溶媒原子半径である*.いろいろの濃度の Al−Mg合金について応力急変試験2}と応力緩和試験26}
を行い,式(ll)で与えられるBを用いて評価した転 位密度をFig.4に示す.図には比較のためにこれま でに菊池ら26〕が応力緩和法で求めた値と他の研究者 ら1距201が透過電子顕微鏡観察で求めた値も示した.
図より明らかなように,応力急変法や応力緩和法に よって間接的に求めた転位密度は,透過電子顕微鏡法 で直接測定した転位密度(破線18;,一点鎖線19吸び2 点鎖線2( )よりも約10倍も大きい.このような相違が 生じた原因として次のような要因が考えられる.
その一つは薄膜効果である.一般に,透過電子顕微 鏡用試料は薄い結晶であるために,転位は薄膜効果に よって表面に抜け出し,転位密度が減少することが知 られている.この薄膜効果は純アルミニウムでは10 μm程度の薄い膜厚まで及ぶことが報告されている:軌 第2はオフコントラスト効果である.これまでの透過 電子顕微鏡観察は2波励起状態で行われており,この 回折条件ではコントラストがつかずに見えなくなる転 位が存在する可能性がある.これらの効果はいずれも 転位密度を過小評価させる原因となる.したがって,
当初これまでの透過電子顕微鏡で測定された転位密度 は過小評価されていた可能性が高いと考えられてき た21.しかし,最近,著者ら3Pは固溶硬化合金では転 位が溶質雰囲気に固着されるため,薄膜効果は非常に 小さく,0.2μm以上の膜厚では問題とならないこと を実験的に明らかにした.通常,転位密度の測定は同 一視野内に多くの転位を観察する必要から,比較的厚 い領域で行うのが一般である.なお,加速電圧が
1μm
−
Fig.5 Dislocation structure in Al−5at%Mg crept at 573K under 50MPa (a)002 reflection,(b)
020reflection,
200kVの電子顕微鏡では,電子線の透過能の限界が アルミニウムでは1μm程度である.したがって,こ れまでの転位密度の測定に薄膜効果による転位密度の 過小評価が重大な誤差を与えているとは考えにくい.
さらに,早川ら3Dはオフコントラストの効果を除くた めに,次のような方法で転位密度を測定している.
Fig.5(a)と(b)は200kV電子顕微鏡の透過能の 限界に近い1μm程度の薄膜で,同一視野をそれぞれ *既報の論文2L26}ではBの計算に用いたD, Gおよび%などのパラメータの値
に僅かながら不統一があるので,本論文ではこれらを統一して,DにはD=
D〔〕exp(一Q/RT)(1)。=0・34×10−4m2/s, Q=126kJ/mo1)19[の値を用い・Gには Sutton281が求めたC44と(C12−C22)/2の幾何平均値を用いた.また, AIMg合 金の%にはX線による格子定数の濃度変化により得られた値0.1291を用いた.
反射ベクトル了が002と020の条件で観察したもので ある.試料はAl−5.Oat%Mg合金を温度573K,応力 50MPaでクリープ変形し,その定常状態からクリー プ応力を負荷したまま送風冷却して得た試料を薄膜化 して得られたものである.この合金の転位のバーガー ベクトルはa/2〈110>であるので,Fig.5(a)と(b)
の写真を重ねると全て:の転位が見える筈である.この ようにしてオフコントラストの効果を除き,Hamの 方法32)で転位密度ρを測定した結果もFig.4に示し た.図のエラーバーは一つの条件で8回程度行った測 定値の範囲を示し,測定点はその平均値である.図よ り,このようにして得られた結果はOrlovaとCadek の結果とは異なるが,. Iフコントラスト効果を考慮せ ずに求めた堀内と大塚および及川らの結果とほぼ一致
していることがわかる. 』 アれより,オフコントラスト
効果も測定値のばらつきの範囲内の誤差しか与えない ことが知られる.OrlovaとCadekの結果のみが異な る原因は明かではないが,他の3研究グループの結果 がほぼ一致していることから,透過電子顕微鏡野によ る測定値は信頼性が高いものと思われる.したがって,
応力急変法や応力緩和法によって求めた転位密度は約 10倍も過大評価されていることになる.
応力急変法や応力緩和法では転位密度を式㈹によっ て評価するので,同式の中に転位密度を10倍も過大評 価した要因が入っている筈である.この式の中でテー ラー因子Mとバーガースペクトルの大きさうは高精 度で知られており,それらの誤差は問題にならない.
したがって,転位密度を約10年目高くしている主要因 は易動度βの評価にあるものと思われる,
転位と溶質原子の寸法効果による相互作用エネル ギーは,転位と溶媒原子の回りの応力場の重なりによ
り生ずるが,従来の理論では濃度変化による格子定数 の変化が考慮されていない.したがって,溶質濃度が 十分低い場合には正しいであろうが,濃度が増加する につれて誤差が大きくなるものと考えられる.この格 子定数の変化は溶質原子を導入することによる体積変 化を小さくする方向に作用するので,転位と溶質原子 の相互作用エネルギーは格子定数の変化を無視したと きに比べて減少することになる.この緩和効果を考慮 し,刃状転位の易動度を評価し直す必要がある.
成されると溶質原子と転位との相互作用エネルギーが 緩和されると考えて,次式のような相互作用エネル
ギー7(κ,ッ)を導いている.
晦)十鍔帽1毒・
+6 孟ソ)εウ(o(り ∂)一免)}(1一働))
(12)
ここで,まっすぐな転位線に垂直な断面において転位 の進行方向をκ軸に,すべり面の法線方向をク軸に
取り,(κ,ク)は転位からの座標である.また,C(κ,ノ)
は各格子点における溶質原子濃度で,他のパラメータ はCottrellの式(11)と同様である.式(12)において相 互作用エネルギーの緩和項は, 1}内の第2項と最 後の()内のC(κ,ク)である.
彼らが示した相互作用エネルギーを用い,さらに格 子点間の溶質原子のジャンプをコンピュータによって 追跡する方法33)一36)を用いて,運動転位の回りの溶質 原子の濃度分布を求めた.Fig.6はAl−!0at%Mg合
A1−10at。 。Mg
573K,1x1σ7mご1
慧1 ↓
A
y二b/2 yニーb/2
4、 固溶硬化合金における刃状転位の易動度 吉永と諸住33}は転位の回りに溶質原子の雰囲気が形
Fig.6 The calculated solute atmQsphere around an edge dislocation in Al−10at%Mg at 573K when the dislocation is moving at a velocity 1 ×10−7m/s,
平成3年 九州大学大学院総合理工学研究科報告
第12巻第4号
一361一 金について温度573K,転位速度1×10−7ms−1で計算して得られた転位近傍の各格子点における溶質濃度と 平均溶質濃度。。との差を示したものである.転位直 下ψ=一う/2)ではマグネシウム濃度は高く,直上(ア
=6/2)では低くなっていることがわかる.このよう な溶質原子の雰囲気から転位の運動に対する抵抗が発 生するのは,この雰囲気内の濃度分布が図のノ軸に 対して非対称となるからである.このとき,溶質雰囲 気引きずり抵抗τ4はせん断応力に換算して,
1
τ4u「Σ
o(κ,ク)52 ∂7(κ㌧ア)
Ω ∂κ
(13)
のように与えられる221.ここで,Ωは原子容,5は格 子点間距離であり,5=6とした.
Fig.7はAl−5.7at%Mg合金について計算した各温 度における転位速度びと溶質雰囲気引きずり抵抗τゴ の関係を両対数プロットしたものである.図において 転位速度が小さい領域においては勾配が1で,τイが
・に比例していることがわかる.この低転位速度にお ける比例関係は、Mg濃度0.5〜10at%の範躍で行った 全ての計算結果において成立している.しかし,転位 速度が大きくなると,両者の比例関係はもはや成り立 たなくなり,逆に転位速度の増加とともに溶質雰囲気
引きずり抵抗は減少するようになる.これは溶質雰囲 気の大きさと濃度が減少するためである.これらの結 果はCottrellとJaswonの理論と定性的には一致して おり,十分高い温度では通常のひずみ速度に対して加 が1になることを示している.問題はこの比例定数に 対応する8の大きさにある.
Fig.8は転位速度と溶質雰囲気引きずり抵抗が比例 する領域で,1/β=τイんより求めた573Kにおける 転位の易動度の逆数と溶質濃度C。の関係を示したも のである.Cottrellの式(11)では破線で示したように 1/8は(㌔に比例することになるが,雰囲気形成に緩 和効果を考慮して求めた1/8は濃度が増加するにつ れて飽和する傾向を示している.すなわち,高濃度に なるにつれてCottrellの理論値とのずれが大きくなる.
また,得られたβの大きさはCottreUの理論値より も大きく,例えば5at%MgではCottrellの理論値の 約9倍となる.この差はFig.4に示した透過電子顕 微鏡法による転位密度と応力急変法や応力緩和法によ る転位密度の差に近い.
,Fig.8に示したように1/Bは濃度が増加すると飽 和する傾向があるので,その濃度依存性を1/β(刈一 exp(一βq,)で近似し,またその温度依存性をCot−
tre11の理論と同様(βは拡散係数Dに比例する)と すると,.易動度βは
102
101
£
≧10・
1σ1
1σ2
/
/
/ /
573K623K673K
\へ
A[一5フQt。1。 M9
1)ん7「
8= o.59/voo2ε彰1〜8ゐ 11−exp(βco)}
(14)
1♂01σ91σ81♂1σ61♂1δ4163 vlm♂
Relation between dislocation velocity, v, and solute atmosphere dragging stress,τ4, in an Al−5.7at%Mg alloy.
と書き表すことができる.ここで,βを35.4として式
(14)を用いて求めたのがFig.8の実線で,各濃度に
4D も
∫3。
鴇 左 苗
>20
10
Fig・7
i l CQttreU
/
1
573K
o
Fig・8 C。1Gt。1。 Mg
12345678910
Relation between inverse of the mobility,1/B and solute concentration, Co, at 573K.
1d5
1d4
㍗
三1013 し
1d2
1d1
stress streSS change relaxation ● 573K ▲ △ 623K ■ ロ 673K ▽ 723K
Orlova &Cadek
A1−5.5at。んMg
/3K
/
/ Horiuchi&
←一 〇tsuka
/芝〃 響囎
/潮影
..
Aト3噌5atO1。Mg
口 573−723K ▽
10 100 σノMPa
Fig。9 Relation between the stress and dislocation density for steady−state creep. Dislocation densities, which are shown by datum points,
are evaluated by re−estimated B values.
Lines, which are shown by一,…18),一・一19)
and一・・一2ω, are results of TEM observation.
おける値を良く再現している.
このように,Al−Mg合金中の刃状転位の易動度は 溶質原子と転位の相互作用エネルギーが緩和される効 果を考慮するとCottrellの理論とはかなり異なること が知られた.そこで,Fig.4に示した応力急変法と応 力緩和法の結果に式(14)の易動度を用いることによっ て転位密度を再評価し,透過電子顕微鏡によって直接 求めた転位密度と比較すると,Fig.9のようになる.
式(14)を用いて再評価した転位密度と透過電子顕微鏡 観察法で求めた転位密度の問にはなお不一致が存在す るが,Fig.4に示したような大きな差はなく,両者は かなり近い値になっている.このように固溶硬化合金 の溶質原子と転位の相互作用エネルギーが溶質濃度の 増加とともに緩和されると考えると測定誤差を考慮す れば実験結果を矛盾なく理解するζとができると言え
よう.
ところで,固耳硬化合金の変形応力には有効応力,
すなわち,溶質雰囲気引きずり抵抗の他に内部応力が 存在する3η.一般に,固溶硬化合金では溶質雰囲気引 きずり抵抗に注目しがちであるが,変形応力に占める 内部応力の割合は有効応力よりもむしろ大きい2)・3η.
そこで,次節においては内部応力の発現機構について 述べる.
5. 固溶硬化合金における内部応力の発現機構 Fig.5に示した転位組織を注意深く見ると,図中に 矢印で示したように転位線が屈曲しているところが多 数認められる.このような屈曲した転位は堀内と大 塚 8),Millsら38)および及川ら19)の写真中にも多数見
られる.
Fig.10(a)と(b)はFig.5よりもより高倍率で観 察した写真で,(a)は020,(b)は200反射を用いた ものである.Fig.10(c)はFig.10(a)と(b)を重ね 焼きした写真で,全てのα/2〈110>転位が見えるよ うにしたものである.図中に示した各転位のバーガー スペクトルはFig.10(a)と(b)にτ・丁』0の消滅則 を適用して決定したものである.Fig.10(c)の中にA とBで記した部分は転位反応で形成されたジャンクシ ョンで,Aのジャンクションはα/2[101]十α/2[01工]
=α/2[110],Bのジャンクションはα/2[101]十α/2
[110]=α/2[011]の反応によるものと考えられる.こ のようなジャンクションは,Fig. lo(d)に示したよ うに,異なるすべり面上の転位同士が反応することに よって形成されたもので,Fig.10(c)の中のAとBは これを投影して見たものと考えられる.したがって,
Fig.5の転位組織の中に数多くの観察された屈曲した 転位は全てこのようなジャンクションの一部であると 考えて差支えないであろう.
α/2<110>転位同士の }1111面上での反応におい て,形成されるジャンクションの転位のバーガースペ クトルがα/2〈110>の場合には,ジャンクションは 全て転位反応を起こすことによってエネルギーが低下 する,いわゆる吸引型ジャンクションである.したが って,運動転位はこのジャンクションの吸引力に打ち 勝って進まなければならない.この抵抗は強熱活性化 抵抗で,大きな内部応力を生み出す原因となり得る.
一方,内部応力に関してはこれまでにループモデル と呼ばれる機構が提案されている.Millsら38)391は Al−5.5at%Mg合金の応力急減試験において,応力急
平成3年 九州大学大学院総合理工学研究科報告 第12巻第4二 一363一
(d)
1μm
slipplane 1
!一一一一一9麟藺一一一一一嗣 ノ ノ ゆ ゆ
ノ b2 b2
ノ ゆ
! b3
ノ
b1
6
1slip plane 2
Fig.10 Attractive interaction of dislocations on different slip planes(a)020 reflection,
(b) 002reflection, (c) superposed of (a) and (b),and (d) illustration of attrac−
tive jUnCtiOn.
減時の負の瞬間ひずみが応力変化量から予測される弾 性ひずみよりも大きく,塑性ひずみが生じていること を示し,この現象を説明するために提案したのがルー プモデルである.すなわち,変形中に転位ループが存 在すると仮定して,応力急減においてそのらせん転位 部分が急速に後退することによって塑性ひずみが生ず ると考えた.このモデルでは,転位の後退運動に働く 内部応力は転位同士の長距離相互作用によるものでは なく転位の線張力ということになる.彼らは変形後の 透過電子顕微鏡観察で転位ループが観察されたとして このモデルの正当性を主張している。ここで重要なこ とは,彼らのモデルで前提とされる転位ループは単一 のバーガーベクトルより成るものでなければならない ことである。しかし,彼らの行った電子顕微鏡観察は 全てτ=220回折を用いたもので,この回折条件では,
Fig.10(c)にしで示したように,異なるバーガースペ クトルの転位で構成されたジャンクションを含む
転位孤がつながって見かけ上単一のバーガースペクト ルの転位ループのように見えることがあり得る.した がって,彼らの観察したループが本当に単一バーガー スペクトルのループであったかどうか明らかでない。
むしろ,前述のようなジャンクションを含むバーガー ベクトルが異なる転位孤が連結してループ状に見えた ものと考えられる.さらに,ループモデルでは前提と なるループ生成の理由が不明であるばかりでなく,
Fig.2に示した△εと△σの比例関係を説明すること もできない.
前述の転位組織の観察結果から,固溶硬化合金にお ける内部応力の発現機構としては吸引型ジャンクショ ンの破壊応力を考えるのが妥当であろう.このジャン クションモデルが実測される内部応力と転位密度との 関係を定量的に説明し得るか否かが次の問題となる.
本来,内部応力は土熱活性化の抵抗で,単相材料で は転位間の長距離相互作用によって生ずると考えられ
る.このとき,内部応力は転位密度と転位配列は Fig.5に例示したように均一性が高いので,内部応力 は転位密度のみによって決まるものと考えられる.
そこで,まず転位密度として早川ら31)がAl−3〜
5at%Mg合金について透過電子顕微鏡法で得た測定値 を用い,内部応力として応力急変法によって求めた値 を用い,両者の関係を示したのがFig.11である.た だし,0の温度依存性を除くために,図では内部応 力を0で規格化した値,σノ0を用いている.両者 の関係には明瞭な温度依存性も濃度依存性も疎い出せ ず,内部応力が転位密度の平方根に比例すると近似す ると
含一・.48幽7
(15)となる.問題はこの関係がジャンクションモデルと一 致するか否かである.
吸引型ジャンクションの破壊応力に関するこれまで
の理論値によれば,内部応力と転位密度の間に
÷一・認÷鰐
α=0.33 Carringtonら40)
α=0.26 BairdとGale41)
五=1/(1一り) 刃状転位
五=1 ,らせん転位
(16)
の関係が成り立つ.ここで,Carringtonら40)とBaird とGale41)の論文では用いた転位の線張力が異なるの で,線張力を(五〇の♂η(R/70)に統一して,式(16)の 係数αを導いた.ただし,Rとγoはそれぞれ転位の 応力場のouter−cut off半径とinner−cut off半径であ る.CarringtonらとBairdとGaleの理論の主要な相 違は,BairdとGaleの理論では転位の運動は{111}
すべり面内に制限されており,Carringtonらの理論で はこの制限が考慮されていない点にある。
O こ
Ib
163
1♂
TEM
−A〔一3〜5dt。1。Mg HαyQkαwαetα1.
園Cαrri・gt・n et d.
翅 BGird CLnd Gde
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錫
トー一〇一→ ▼
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▼▼
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/
■
■
MechGniCGl
● Cu−15QtO/oAt
▲
Test
Kikuchi et Q1.
■ Al−57αt。1。Mg YoshinGgαetd.
▲ A【一55αt。!。Mg kikuchi et Ql.
▼ Al−2Dot%Mg kikuchi et QL.
1dl ld2 1d3 ρ1n〒2
Fig.11 Reiation between internal stress, σ,/G, and dislocation density, ρ.
Dislocation densities shown by open and closed marrks are respectively obtained by TEM observation and stress change test or stress relaxation test.
平成3年 九州大学大学院総合理工学研究科報告 第12巻 第4号 一365一 これらの理論ζ実験結果とを比較するために,式
(16)においてR=1/V7,7=6また3みおよびレ=
O
o,3442)を用いて得た結果をFig.11に斜線領域で示す.
それぞれの斜線領域の上限の値は㌔=6,下限の値は 7。=36に対応する値である.図より実験結果は理論と 一か日ておらず,同一転位密度における内部応力は測 定値の方が理論値よりも大きい.上述の理論では,内 部応力は吸引型ジャンクションの破壊応力の最大値で あるので,実測された平均内部応力の方が理論値より も小さくなる筈であるが,図の結果はそうなっていな い.しかし,透過電子顕微鏡法で得られた転位密度は 誤差が大きく,測定点も少ないので,実験結果を補う ために応力急変法2ノと応力緩和法26>調で得られた結果 に式(14)の易動度を用いて評価した転位密度と内部応 力との関係を図中に黒く塗りつぶした測定点として示 した.これらの測定点を総合して理論と実験結果を比 較すると,実験結果はCarringtonらの理論と一致し ていると見ることができる.2つの理論の中でBaird とGaleの理論の方がより精密であると考えられがち であるが,高温では転位の上昇運動が容易に起こるば かりでなく,転位は高指数面でもすべり運動すること ができ,彼らが前提としたすべり面の制限が破られた ものと思われる.このために,すべり面の制限を無視 したCarringtonらの理論がより実験結果に近くなっ たものと考えられる.
さらに,菊池ら44)はCu一ユ5at%Al単結晶について 応力急減法に外挿法1ωを適用して内部応力を測定し,
転位密度をエッチピット法で測定している.彼らの結 果もFig. l lに●印で示した. Cu−15at%Al合金の
δ,/0とρの関係はA1−Mg合金の結果とほぼ一致し ていると見ることができる.したがって,この関係は 固溶硬化合金で一般に成り立つものと考えて差し支え ないであろう.
このように固溶硬化合金における内部応力の主因は 転位反応から推論された結果と合致し,吸引型ジャン
クションの破壊応力であると考えられる.
6.おわりに
これまでに述べたように,固溶硬化合金の有効応力 と内部応力の発現機構は上述の研究でほぼ解明できた と言っても良いであろう.したがって,この種の合金 では転位密度さえわかれば変形応力を予測することが できることになる.また,実用合金は多元系であるの
で,実用合金の高温変形応力を理解するためには異種 溶質原子による複合固溶硬化および固溶硬化と分散強 化の複合効果に関する知見が必要であるが,これまで にこれらの強化機構の複合効果に対して本論文で述べ た固溶硬化に関する基礎的知見が広く応用できること
が示されている3)・45)46}.
ところが,これまでに得られた知見はすべて定常変 形状態で得られたものである.定常変形状態での転位 密度は転位の増殖と回復が釣合って一定値となってい るが,定常状態に至るまでの遷移段階では急速に変化 しているものと考えられる.一般に,金属材料の熱問 加工はひずみ速度や温度が変化する遷移段階で行われ るので,遷移段階における変形応力を予測することは 工学的にも重要である.したがって,今後の固溶硬化 合金の高温変形に関する研究は遷移段階におけるもの が重要となるであろう.
謝 辞
本研究は多くの方々の御協力によって成し得たもの である.特に,中垣博司氏(現,住友電工),岩崎浩 二氏および早川弘之氏(現,藤倉電線)には研究を支
えて頂き,九州大学超高圧電子顕微鏡室の田中鎮士氏 と真鍋武志氏には電子顕微鏡観察の御指導頂いた.ま た,九州大学工学部材料工学科工作室の西原良一氏
(現,日本機器工業),安川和征氏および西畑義則氏 には実験装置を作製して頂いた.さらに,本研究の一 部は軽金属奨学会の研究補助金によって行われたもの である.これらの関係各位に深く感謝の意を表わす次 第である.
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