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スクールカウンセリング活動の展開に関する研究ースクールカウンセラーと教員の関わりを中心にー [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)スクールカウンセリング活動展開のプロセス −スクールカウンセラーと教員の関わりを中心に− キーワード: スクールカウンセリング活動,スクールカウンセラー,教員,プロセス 人間共生システム専攻 吉村. Ⅰ.問題と目的 スクールカウンセラー(以下,SC)が 1995 年に導入さ れて今日まで,その活動は次第に直接的援助から,間接的. 隆之. 見ていく必要があるだろう。よって本研究では,これまで の研究の問題点を鑑み,教員側の視点から SC 活動の展開 していくプロセスについて質的に把握することとする。. 援助へと中心が移ってきている(文部科学省,2005) 。その. 質的研究にはいくつかの方法論があるが,それぞれ研究. ような状況の中で SC と教員の関わりは,SC 活用調査委託. によって明らかにしようとする現象や,材料となるデータ. 研究事業開始当初から課題とされてきた。. の種類によってどの方法が適切かは異なる。本研究では教. これまで SC と教員の関わりをめぐっては,SC の勤務時. 員の視点から,SC 活動のプロセスを明らかにしていくため. 間や日数が限られているということ,SC の学校組織に関す. に教員へのインタビューを行い,そこで得られた語りをデ. る理解不足,教員の SC に対する理解や配慮の不足など(伊. ータとして用いる。また,教員の語りのデータを最大限生. 藤・生島,2003;宮前・竹内,2004) ,様々な指摘がなさ. かすために,グラウンデッド・セオリー・アプローチ(以. れてきた。これらの指摘は, SC の要因,学校の要因,制. 下,GTA)を本研究では用いることとする。. 度的な要因などいくつかに分けて考えることができるが,. SC 活動は学校においてどのように展開されていくのか,. これまで SC 活動はどのような視点から検討がなされてき. そのプロセスに関する仮説を教員の視点から生成すること. ているのだろうか。. を本研究では目的とし,これに従って仮説を生成していく. SC 側の視点としては,伊藤(1999)の SC を対象とした 調査研究があげられる。この研究では,SC の教員との連携. ために,以下2つのリサーチクエスチョンを設定した。 A). 教員は SC へどのようにして相談にいたるのだろ. に関する自己評価は肯定的であること,また SC 活動に対. か。また相談にいたらない場合は,どのような場合. する学校要因の影響が考察されている。しかしここには,. か。⇒第1研究. 学校要因だけではなく,意欲の高い教員を見つけてコンタ. B). SC による相談活動はどのように展開されるのだ. クトを取ることができるかどうかという SC 側の要因も影 響を及ぼしている可能性も考えられる。 教員側の視点としては,まず原田(2004) ,伊藤(2000b). ろうか。⇒第2研究. Ⅱ.第1研究 目的:リサーチクエスチョン A『教員は SC へどのように. の教員を対象とした調査があげられ,こられの研究で SC. して相談にいたるのだろうか。また相談にいたらない場合. 活動は概ね肯定的に評価されている。しかし,河村(2005). は,どのような場合か。 』に対する仮説を生成する。. による調査では,教員の SC への期待感,満足感は低く評. 方法:. 価されており,特に担任教諭の評価が一番低くなっていた。. (1) データ収集. ここでは SC との接触頻度,SC 活動へのレディネスが関係. ・対象:対象者は,X 県内の公立中学校 8 校 12 名の教員。. しているのではないかとの考察がなされている。しかし,. 各対象者の,性別,年齢,教職経験年数,職務,語りの対. SC と接触する頻度の少なかった教員は,SC 活動へのニー. 象となった SC は Table1 に示す。. ズが低かったのかどうかはわからない。ニーズはあったが, 何らかの原因から SC への相談にはいたらなかったのかも しれず,そのようなニーズが生じた時に教員は SC に選択 的に相談を行っている可能性が考えられる。どのような場 合に相談をして,どのような場合に相談しないかというこ とに関しては,先行研究ではまだ明らかにされていない。. Table1:調査協力者一覧 A B C D E F. 性別 年齢 女性 42 女性 27 女性 45 男性 34 男性 43 男性 41. 経 職務 対象SC 14 進路・副担任 a1∼2 5 教育相談 b1 22 養護 c1∼2 9 担任 d1∼3 20 担任 e1∼2 18 生徒指導 f1∼4. G H I J K L. 性別 年齢 女性 45 男性 48 女性 44 女性 29 女性 33 男性 52. 経 職務 23 担任 26 教頭 22 指導員 7 担任 11 生徒会 29 研究・副担任. 対象SC g1∼2 h1∼2 i1∼3 j1∼3 k1 l1∼3. ・調査期間:2006 年 7 月∼12 月. 土屋(2003)は,SC 活動を教員が背後でいかに支えて. ・調査面接の手続き:対象者が過去に共に勤務したことの. いるかということを質的に検討したが,SC には見えていな. ある SC の活動過程について,リサーチクエスチョンにも. いニーズも含めて検討していくためには,一人一人の教員. とづいて面接を行った。具体的には,SC についての第一印. が SC 活動をどのように見ていたのかということを詳細に. 象,SC が学校でどのように過ごしていたか,SC にどのよ.

(2) うに相談したか,しなかったかといった質問を行った。 (2) データ分析 GTA の手続きに従い,①逐語記録の作成と読み込み,②. (Figure1) 。 〔状況〕 教員による保護者の見立て. データの切片化とラベル付け,③ラベル,プロパティ,デ. 教員による生徒の見立て 教員の SC への一般的考え. 教員だけで打開できない状況. 教員の SC への一般的期待. ィメンションの見直しとカテゴリーへの統合,④カテゴリ 教員個人の抱える悩み. ーの比較・確認・検証,⑤カテゴリーの関連付け,⑥スト. SC の初期の印象. 相談することへのためらい. ーリーラインの作成と仮説生成を行った。 結果と考察:. 〔行為・相互行為〕 SC による研修会. 教員の SC との同僚としての関わり. (1) 分析過程 透明性に関わる SC 活動. 質的研究では,その分析過程を明らかにしておくことが 求められる。そこで以下,本研究で中核的カテゴリーであ. SC による活動の土台作り. ると考えられた, 【透明性に関わる SC 活動】カテゴリーの. SC の相談前後活動. 生成を分析過程の例として示す。なお,カテゴリーは【 】 ,. 見えにくいSC活動. サブカテゴリーは≪ ≫,ラベルは< >,プロパティ(視 点)は“ ” ,ディメンション(範囲)は‘ ’で示す。. 〔帰結〕. SC への相談. SC へ相談せず. まず, 「この生徒を,こういう良い方向に向けるために, こういうことを,アドバイスをしたいとかって,やっぱカ ウンセラーはカウンセラーなりにね,思うことがあるやな. Figure1:教員が SC へ相談するまでのプロセスについてのカテゴリー関連図. (3) 生成された仮説. い?ところが,それが学校の規則と合致しているか,して. 仮説の生成にあたっては,カテゴリー同士の関連を示す. ないかとかね,そういうところの,根回していうかな,そ. カテゴリー関連図を文章化していく手続きであるストーリ. ういうところをその人はやっぱきちんとやってくれていた. ーラインを用いた。. かな。 」 (f1)という語りを切片化した。. ストーリーライン. このデータには, “SC の方針のズレの予測”というプロ. SC がどのような人物であるかということに関係ない【教. パティから, ‘低くない’というディメンションを設定し,. 員の SC への一般的考え】として,≪相談することへのた. SC による<教員の意見と対応の確認>というラベルを吟. めらい≫よりも,<SC も同僚という期待>があり, “SC へ. 味して付した。また他の SC の<相談概要の報告・相談>,. 求めるコミュニケーション量”が‘高’い教員は,自らの. <日常的活動の報告・相談>というラベルとともに,≪SC. “SC への声かけ頻度”も‘高’く,≪教員の SC との同僚. による相談前後活動≫というサブカテゴリーにまとめた。. としての関わり≫を行っていた。SC の“笑顔の多さ”が‘多. その後 SC 活動が教員からどれくらい見えるような活動で. く’ ,教員や生徒ととの“SC の関わりの目撃頻度”が‘多’. あったのかという観点から,≪SC 活動の見えにくさ≫,≪. かった場合には,≪教員の SC との同僚としての関わり≫. SC による活動の土台作り≫というサブカテゴリーととも. として互いの“プライベートな話題”も‘多’くうまれて. に, 【透明性に関わる SC 活動】 というカテゴリーへと確認,. いた。また<SC の研修会後活動>として, “研修会をもと. 比較,修正を繰り返しながら統合した。. にした関わり”が ‘有’る場合や,<SC の人柄把握>が. カテゴリー同士の関連付けは,例えば<SC と教員の日常 的関わり>ラベルにおける, “SC から職員への声かけ頻度”. 行われた場合なども,≪教員の SC との同僚としての関わ り≫がうまれていた。. というプロパティから見た,ディメンションが‘多’い場. また<SC と教員の日常的関わり>があり,SC が受けた. 合に,<SC と教員の個人的な話題>ラベルの, “プライベ. 相談について<教員の意見とのすり合わせ>を行い, “教員. ートな話題”が‘多’くなるという,カテゴリー同士のデ. から見た方針のズレ”も‘小’さくなるようにするなど【透. ィメンションの動きが確認できれば,≪透明性に関わる SC. 明性に関わる SC 活動】が行われている場合は,そこから. 活動≫カテゴリーから,≪教員の SC との同僚としての関. SC への相談が行われていた。. わり≫カテゴリーへ,矢印をもちいて関連を示した。 (2) 生成されたカテゴリー. SC が【透明性に関わる SC 活動】を行っていないが,SC への相談が行われるのは, 〔状況〕として<関係作りの難し. 分析の結果, 教員が SC へ相談するまでのプロセスには,. い保護者>であるといった≪教員による保護者の見立て≫. 2 つのカテゴリーと 12 のサブカテゴリーが見出された. や,<問題行動を繰り返す生徒>といった≪教員による生.

(3) 徒の見立て≫があり,教員が対応を行っているが, “対応の. 相談して良かったと思うことは何であったかといったこと. 手ごたえ”が‘少’なく, “肯定的見通し”も‘少’ないた. を中心に質問を行った。. めに,<対応の手詰まり感>から≪教員だけで打開できな. 結果と考察:. い状況≫となっているような場合には,そのような状況か. (1) 生成されたカテゴリー. ら SC への相談につながっていた。 また,≪教員個人の抱える悩み≫は, “他に相談できる人” が‘少’なく, “周囲に相談した場合の想定リスク”が‘高’ い場合で,なおかつ SC 活動の透明性が高い場合に,≪教 員の SC との同僚としての関わり≫がうまれており,そこ から SC への相談につながっていた。. 分析の結果,SC の相談活動展開のプロセスには,7 つの カテゴリーが見出された(Figure2) 。 〔状況〕 保護者の抱える悩み. 生徒の抱える悩み. 〔行為・相互行為〕 SC の相談前後活動. しかし一方で,教員の“職務上の SC との接触”が‘少’ なく,SC による“守秘義務の範囲”が‘SC 個人’に限ら れ, “SC からの説明や報告”が‘少’ない場合には≪SC 活 動の見えにくさ≫から,≪教員だけで打開できない状況≫ でない限りは SC への相談にはつながらなかった。. SC による保護者との相談. 教員の SC への相談. SC による生徒との関わり. 〔帰結〕 SC へのポジティブな印. SC へのネガティブな印象. 〔行為・相互行為〕. 以上のカテゴリー関連図,ストーリーラインをもとにし. 教員によるネガティブな印象解消の試み. て,本研究では2つの仮説を生成した。 仮説1:教員は SC がその活動の透明性を高めるような活動を行 っている場合には,同僚としての関わりがうまれて相談へとつな がりやすい。. 仮説2:SC 活動が教員から見えにくい場合は,教員だけでは打 開できない状況や教員個人としての悩みを抱えてしまう状況に ならない限り,SC への相談にはつながらない。. 仮説1における透明性を高めるような活動とは SC の教. Figure2:SC による相談活動展開のプロセスについてのカテゴリー関連図. (2) 仮説の生成 カテゴリー関連図を文章化していく手続きであるストー リーラインを用いた。 ストーリーライン ≪教員の SC への相談≫は,SC の“相談対応の早さ”が ‘早’く, “勤務時間の基準”も事例に応じた‘事例基準’ であるなど<SC の相談への真摯な姿勢>が見られた場合, SC から教員への“アドバイスの仕方”が‘双方向的’で,. 員,生徒との日常的関わりである。日常的な関わりを通し. アドバイスの“実行後の肯定的変化の可能性”が‘大’き. て,SC の専門性や専門性以外の所も,教員に見えてくるた. いなど<教員の相談への手ごたえ>がある場合に,教員は. めに自然と相談へとつながりやすいものと考えられ,この. SC へのポジティブな印象を抱いていた。. 点については,SC である中島(1999)も, 「フォーマルな. ≪SC による保護者の相談≫は,教員から見て“保護者の. 対話とインフォーマルな対話との双方を用いた」という表. 相談リピート率”が‘高’く, “相談後の保護者の安心感”. 現で指摘している。この仮説1は,それを教員側の視点か. が‘高’いと感じられた場合に,教員は SC へのポジティ. らあらためて支持した仮説ということができるだろう。. ブな印象を抱いていた。≪SC による生徒との関わり≫は,. 仮説2は,仮説1にあるような透明性を高める活動を行. 教員から見て, “相談室に通う生徒数”が‘多’く, “教員. っていない場合に,SC 活動が教員から見えにくくなるとい. から見る笑顔の頻度”が‘増加’するなどすれば,教員は. うことを示しており,その場合は教員だけでは打開できな. SC へのポジティブな印象を抱いていた。SC へのポジティ. い状況や教員個人としての悩みという,教員・学校側のニ. ブな印象を抱いた場合には,その後も≪教員の SC への相談. ーズが生じない限り SC への相談にはつながらないという. ≫を行っていた。. ことを示しているものと思われた。. 教員が SC へ相談した場合に, “教員から見た SC 活動の. Ⅲ.第2研究. 透明性”が‘低’い場合や, “相談対応の早さ”が‘遅’い. 目的:リサーチクエスチョンB『SC による相談活動はどの. 場合などに,教員からは SC の努力が見えず SC へのネガテ. ように展開されるのだろうか。 』に対する仮説を生成する。. ィブな印象を抱いていた。 《SC による保護者との相談》で. 方法:第1研究と同様であるが,面接においては,SC へ相. は,1回で相談が終わるなど “保護者の相談リピート率”. 談してどうであったか,相談して困ったことはなかったか,. が‘低’く,相談を行った後の“報告・相談の対象”が誰も.

(4) ‘無’しとなっている場合などに,教員は SC へのネガテ. Ⅳ.総合考察. ィブな印象を抱いていた。また生徒や保護者との相談にお. 本研究では,SC 活動が学校においてどのように展開され. いて, “事前事後の教員への報告・相談”が‘無’い場合な. ていくのかについて,教員の語りをもとに GTA をもちいて. どに,SC と<教員・学校との摩擦>が生じ,教員は SC へ. 5つの仮説的知見をえた。. のネガティブな印象を抱いていた。. まず本研究では, 「教員との雑談の中からコンサルテーシ. 教員は,SC と生徒との関係における SC へのネガティブ. ョンの機会をつかむこと」 (伊藤,2000b;村山ら,1997). な印象であれば, “教員から生徒への声かけ”などを行い,. など先行研究に見られた提言は,教員から見た透明性とい. SC と保護者との関係におけるSC へのネガティブな印象で. う観点から捉えなおしている。それによって,教員は SC. あれば,<教員による保護者への事後対応>を行っていた。. 活動の透明性が高い場合に SC への相談を行いやすく,透. 教員が自身との関わりにおいて SC へのネガティブな印象. 明性の低い場合には,教員だけで打開できないか,教員個. を抱いた場合には, ‘知性化’や, “SC との距離の取り方”. 人が悩みを抱えるなどの事態にならない限り,SC へ相談を. を工夫するなどして,SC へのネガティブな印象の解消を試. 行わないというプロセスを導き出すことができた。. みていた。 以上のカテゴリー関連図,ストーリーラインをもとにし て,本研究では3つの仮説を生成した。 仮説3:教員は SC へ相談して,直接手ごたえをえた場合,もし くは SC の相談への真摯な姿勢や,SC が関わった生徒や保護者 の肯定的な変化を見た場合には,SC へのポジティブな印象を抱 き,そのポジティブな印象は次の SC への相談へ影響する。 仮説4:SC が教員との相談前後の活動を行わず,教員から SC の努力が見えない場合,教員は SC へネガティブな印象を受ける が,教員はそのネガティブな印象は解消することを試みる。. 仮説5:SC が教員との相談前後の活動を行わず,SC との間に摩 擦が生じた場合,教員は SC へネガティブな印象を受けるが,教 員はそのネガティブな印象を解消することを試みる。. 仮説3における教員の感じる手ごたえを得た場合とは,. また教員に SC 活動が見えず,SC と教員の考えや方針, 対応に齟齬が生じる場合,教員は SC へネガティブな印象 を抱いていた。ネガティブな印象はその後,教員による保 護者,生徒へのフォローや,SC への知性化,距離の調節な どによって解消へ向けた試みがなされていたが,このよう なプロセスが導き出されたことも本研究による成果の一つ と考えて良いだろう。 これらのことから SC による相談活動は,一般的には「ほ う・れん・そう(報告・連絡・相談) 」と呼ばれるような相 談前後の活動を行うことによって,SC による援助と教員に よる援助の齟齬を避けることができていた。これまでの SC の事例研究にあるような SC の援助と,土屋(2003)にお いて描かれた教員の援助の齟齬を最小限にし,効果を最大 限に高めあっていくために,今後 SC は単独の援助を考え るのではなく,教員の行っている援助と自らの行おうとす る援助を組み合わせていくという視点がより重要になって くるものと思われる。. SC の専門性が効果的な援助に結びつき,かつそのような肯. また教員は SC へネガティブな印象を抱いてもその解消. 定的変化が教員に見える場合である。SC から見て改善が見. を試みていくため,実は援助に齟齬が生じていても,それ. られるだけではなく,関わった事例の肯定的変化が周囲に. が SC の目に見えなくなる事態が考えられる。教員による. 見えることで,さらに次の相談へつながっていく構造がこ. SC のフォローをチーム援助の一環として信頼することも. の仮説にはある。SC の専門性に対する肯定的評価は,伊藤. 一つだろうが,SC としても自身の関わった事例のその後が. (2000b)などの調査研究でも報告されているが,一般的に. どのような経過をたどっているのか,注意深く見守ってお. 言えば「評判が評判を呼ぶ」というような,良い循環が生. くということも必要だろう。そうすることによって,SC も. じている状態とも言えるだろう。. 生徒や保護者,教員のフォローができる可能性があるわけ. 仮説4の教員にとって SC の活動が見えないということ は,ネガティブな印象を教員が抱くということだけではな. である。. Ⅴ.今後の課題と展望. く,教員や学校の方針と SC の方針との間に齟齬を生じる. 今回の研究結果は,限られたデータにおける仮説的なも. 場合がある。河村ら(2005)は,教員の中でも特に担任は. のである。今後より多くの実践に適応できるようなプロセ. 学級運営の忙しさなどから SC と接する機会が少なく,連. スモデルとしていくためには,さらなる SC 活動の実践の. 携がうまくできていないのではないかと考察を行っている. 収集,事例研究との照合を通して,仮説を精緻化していく. が,背景にはこの仮説4,5のような事態も想定できる。. ことが課題となるだろう。.

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