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表1.尿 ホ ル ス:ホ ル ス タイ ン種 石 短 角:日 本短 角種 症 和 種:黒 罹 患 牛 毛 和種 腸 用 プ ロー ブ)を 用 い 前 者 は 右 腎臓 の観 察 に 後 者 は 左 腎臓 の観 察 に供 した 腎臓 の 観 察 時 に は 被 検 牛 を枠 場 内 に 保 定 し ホ

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東 北 家 畜 臨 床 研 報No.12,23∼28(1989) 〈原 著 〉

肉用 牛 に お け る腎 臓 結石 の超 音 波 画 像 と

腎臓 結 石 の集 団検 診

小 笠 原 俊 実a)・ 井 上 寛b)・ 西 宮 弘c)・ 河 原 智a)

北里 大学獣 医畜産学部附属 家畜病院a)

東京都開業b)岩

手県江 刺市農業共済組合c)

要 約 健 常 ホ ル ス タイ ン種雌 と肥 育 去 勢 牛 の 正 常 な 腎臓 と尿 結 石 症 に罹 患 した肥 育 去 勢牛 の 腎臓 の 超 音 波断 層 画 像 を、それ ぞ れ 左 賢 臓 は直 腸 か ら、右 腎臓 を体 表 か ら観 察 した。次 い で、集 団 肥 育 され て い る 肥 育 後 期 の去 勢 牛 に お け る 腎臓 結 石 の 有 無 につ い て 、主 に経 直 腸 的 に検 診 し、以 下 の成 績 を得 た 。1)健 常牛 に お け る左 腎臓 の 画像 は 皮 質 部 の低 レベ ル エ コー 像 、髄 質 部 の エ コ ー フ リー像 、腎洞 部 の高 レベ ル エ コー像 が観 察 され た 。右 腎 臓 の 画 像 は 左 腎 臓 に 比 べ や や 不鮮 明 で あ り、 さ らに肥 育 去勢 牛 の画 像 は ホ ル ス タイ ン種 に お け る よ り も皮 質 部 と腎 洞 部 のエ コー レベ ルの 低 下 がみ られ 、髄 質 部 との 境 界 は 不 明 瞭 で あ っ た 。尿 結 石 症 罹 患 牛 で は強 い 反 射 を示 す 結 石 エ コー とそ の 背 後 に音 響 陰 影 が観 察 され た 。2)肥 育 去 勢牛 の検 診 で は,110頭 の う ち9頭 は 腎臓 内 に結 石 が あ る と判 定 され た 。腎 臓 結 石 を保 有 す る5頭 を含 む 34頭 に つ い て屠 場 で 腎臓 を切 開 した 結果 、31頭は超 音 波画 像 診 断 と一 致 し、そ の的 中率 は91.2%で あ っ た 。 近 年 、 獣 医 学 臨床 の領 域 に お け る画 像 診 断 の進 歩 発 展 は 目覚 ま し く、 特 に超 音 波 診 断 装 置 は 走 査 の簡 便 性 、 機 動 性 、 無 侵襲 性 、即 時 性 、 断層 像 な ど従 来 に な い 画 像 が 得 られ る こ とか ら急 速 に普 及 して きた14)。 一 方 、牛 における尿結石症 は、発症初期 には陰毛の先 端 に 灰 白色 の顆 粒 状 結 石 の 付着 、 尿 の 白濁 な らび に頻 尿 が み られ る程 度 で あ るが 、 こ の状 態 が長 期 に わ た る と病 状 が進 行 し、 や がて 結 石 が尿 管 や 尿 道 を閉 塞 す る こ とに よ る 腎後 性 の尿 毒 症 に陥 っ て3)、 結 果 的 に 肉用 に供 す る こ とが で き な くな る。 しか し、 飼 い主 は初 期 症 状 か ら尿 結 石 症 を発 見 す る こ とは 少 な く、 重 篤 な症 状 を呈 して か らよ うや く牛 の異 常 に気 付 く こ とが 多 い 。 今 回 、尿 結 石症 の発 症 予 防 と早 期 診 断 の 一 助 に供 す る た め、 腎臓 結 石 の超 音 波 画 像診 断 を試 み 、 加 え て多 頭 飼 育 され て い る肥 育後 期 去 勢 牛 に お け る 腎臓 結 石 の集 団 検 診 を実 施 し、 そ の 有用 性 に つ い て検 討 した の で報 告 す る。

Ogasawara,

T. * , Inoue,

H., Nisinomiya, H. and

Kawara, S.( * Veterinary

Teaching

Hospital, School

of Veterinary

Medicine

and

Animal

Sciences,

Kitasato University)

Ultrasonotomgram

and

mass

examination

of

renal calculus in beef cattle.

Tohoku J. Vet. Clin., No.12, 23-28

(1989)

a)〒034十 和 田 市 三 本 木 字 前 谷 地149-2

材料 と方 法

1.供 試 動 物 1)健 常 牛 乾乳 期 の ホ ル ス タイ ン種 雌 牛(ホ ル ス雌)2頭 と、 肥 育後 期 の ホ ル ス タイ ン種 去 勢 牛(ホ ル ス去 勢)15頭 な ら び に肥 育後 期 の 日本 短 角 種 去 勢 牛(短 角 去 勢)12頭 を健 常 例 と した 。 これ らの牛 は超 音 波 診 断 と解 剖 な ら び に屠 場 での 解 体 時 に も腎 臓 内 に結 石 が 認 め られ な か っ た。 2)尿 結 石 症 罹 患 牛 尿 結 石 症 を発 症 し、北 里 大 学 附 属 家 畜 病 院 へ 搬 入 され た3頭(表1)に つ い て超 音 波 画 像 診断 を試 み た 。 3)肥 育 後 期 去 勢 牛 十 和 田 市近 郊 のS農 場 で肥 育 用 と して飼 育 され て い る 18∼20ヵ 月 齢 、 体 重 が680∼720kgの ホ ル ス去 勢83頭 と17 ∼19ヵ 月齢 、体 重 が600∼640kgの 短 角去 勢27頭 の 計110頭 を無 作 為 に抽 出 した 。 2.超 音 波 検 査 法 日立 メデ ィコ社 製 リニ ア電 子 走 査 型超 音 波 断 層 装 置E UB-2OOと 、3・5MHzリ ニ ア形 プ ロー ブ(体 表 用プ ロ ー ブ)な らび に術 中用5 ・OMHzリ ニ ア 形 プ ロ ー ブ(直 23

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表1.尿

※ ホ ル ス:ホ ル ス タイ ン種 短 角:日 本短 角種 和 種:黒 毛 和種 腸 用 プ ロー ブ)を 用 い 、 前 者 は 右 腎臓 の観 察 に 、 後 者 は 左 腎臓 の観 察 に供 した 。 腎臓 の 観 察 時 に は 、 被 検 牛 を枠 場 内 に 保 定 し、 ホ ル ス 雌 とホ ル ス去 勢 の 両 側 腎 臓 と短 角 去 勢 の 右 腎臓 の 超 音波 画 像 の 取 得 を試 み た 。 左 腎 臓 では 直 腸 用 プ ロー ブが 体 軸 と直 角 に な る よ うに 経 直 腸 的 に 走 査 し、 右 腎臓 で は右 第 12・13肋 骨 問 、 右〓 部 と右 腰 椎 横 突 起 間 上 部 で 体 軸 に 直 角 に 体 表 用 プ ロー ブ を経 皮 的 に走 査 し、 両 側 腎 臓 の横 断 像 を観 察 した 。 右〓 部 では 、 体 表 用 プ ロー ブ を腰 椎 横 突 起 直 下 で体 軸 に 平 行 に走 査 し、 縦 断 像 も観 察 した。 尿 結 石 症 に 罹 患 した ホ ル ス去 勢 の 検 査 に は、 右〓 部 か らの 開 腹 手術 時 に 直腸 用 プ ロー ブ を腹 腔 内 に挿 入 し、 直 接 両 側 腎 臓 を観 察 した 。 集 団検 診 に は 、初 め に左 側 腎臓 の検 査 を行 い 、結 石 を 保 有 して い る と判定 され た牛 の うち4頭 に つ い て 右腎 臓 も検 査 した。検 診 で 実施 した110頭 中34頭 に つ い て屠 場 で の解 体 時 に、 腎 臓 を切 開 し結 石 の有 無 を確 認 した 。

1.健 常 牛 ホ ル ス雌 の左 腎 臓 の画 像 は 、 エ コー レベ ル の強 い厚 さ 約2mmの 隔 壁 と隣 接 してみ られ た。 そ の形 態 は、 皮 質 部 に 相 当 す る低 レベ ルエ コー 像 と髄 質 部 に相 当す る エ コー フ リー 像 が認 め られ 、腎 錐 体 、腎 乳 頭 を形 成 す る髄 質 内 帯 は くさび 状 に み られ た。 腎 臓 中央 部 を 占 め る腎 洞 では 血 管 、 腎 盂 、腎 杯 、脂 肪 等 が複 合 しcentral echo complex (CEC)と して、高 レベ ル エ コー 像 が観 察 され た(図1)。 右 腎 臓 の 第13肋 骨 と第1腰 椎 横 突 起 間 に お け る画 像 は 、 プ ロー ブ直 下5mmの 高 レベ ル エ コー 像 を示 す 皮 膚 層 と、 そ の 下30mmの 低 レベ ル エ コー 像 を示 す 腰 筋 、 さ ら にそ の 直 下 に腎 臓 の 実 質 エ コ ーが み られ 、 左 腎 臓 とほ ぼ 同 様 で あ った(図2)。 ま た、 右 賺 部 な ら びに 肋 骨 間 の 走 査 で も、 左 腎 臓 と同 様 の 画 像 が 得 られ た 。 ホ ル ス去 勢 と短 角 去 勢 の 左 腎 臓 の 画 像 は 、 直 腸 か らの 図1・ 健 常 例 。 ホ ル ス雌 の 左 腎 臓 中 央 横 断 像 。 皮 質(Cor)は 低 レ ベ ル エ コ ー 像 、 髄 質(Med)は エ コ ー フ リー 像 、 腎 盂 部 はCECと し て 高 レ ベ ル エ コ ー 像 が 観 察 さ れ る 。 図2.健 常 例 。 ホ ル ス雌 の 右 腎臓 中 央 部横 断 像 。 右 第13肋 骨 と第1腰 椎 横 突 起 間 を走 査 した 。腰 筋 直 下 に 左 腎臓 と同様 に観 察 され る。 隔 壁 が 厚 く、 ホ ル ス雌 に 比 べ 、 腎 臓 の 皮 質 と髄 質 の 境 界 が 不 明 瞭 であ った(図3)。 右 腎 臓 は 第13肋 骨 と第1腰 椎 横 突 起 間 の 走 査 に よ って は 画 像 が 得 られ ず 、 右〓 部 と 肋 骨 間 走 査 に よ り、 低 レベ ルエ コー 像 を示 す 筋 肉 層 と体 24

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図3.健 常 例 。 ホ ル ス去 勢 の 左 腎 臓 尾 部 横 断 像 。 皮 質 は 低 レベ ル エ コ ー 像 、 髄 質 は エ コー フ リー 像 、 腎 盂 は 高 レベ ル エ コ ー 像 と し て 観 察 さ れ る 。 図4.健 常 例 。 ホ ル ス去 勢 の 右 腎臓 の横 断 像 。 右 第12・13肋 間 を 走査 した 。画 面上 端 は皮 膚 面 よ り深 さ35 mm の レベ ル で あ る 。皮 質 と髄 質 の境 界 が 不 明瞭 で あ る。 図5.健 常例 。屠 場 に お け るホ ル ス去勢 牛 の躯 幹割 断 面 。 後 腹 膜 腔 の 多 量 の脂 肪 に よ り、 右 腎臓 は腹 腔 に 下垂 して い る。 図6.臨 床 例 。 左 腎臓 の 縦 断 像 。 右〓 部 切 開 後 、 腎 臓 部 をプ ロー ブ で 走 査 した 。 腎 杯 に 長 楕 円 形 の 結 石 エ コ ー 像(Ca)と そ の 背 後 に 音 響 陰 影 (As)が み られ る。 図7.臨 床 例 。 左 腎臓 の横 断 像 。 小 さな2個 の結 石 像 と音響 陰 影 が み られ 、 皮 質 の エ コー レベ ル が低 下 して い る。 図8.臨 床 例 。 左 腎臓 の横 断 像 。 腎 杯 部 に2個 の 不 整形 な結 石 と皮 質 部 の低 レベ ル エ コー像 が観察さ れ る。

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表 か ら約50mmの 位 置 に腎 臓 の実 質 が観 察 され た 。実 質 エ コ ー像 は 、 ホ ル ス雌 と比 較 して、 皮 質 部 の エ コ ー レベ ル が弱 く、髄 質 部 との 境 界 は不 明瞭 で あ り、腎 洞 部 に お け る CECも 若 干 の エ コー レベ ル の低 下 がみ られ た(図4) 。 屠 殺 解 体 時 に ホ ル ス去 勢 の右 腎 臓 を観 察 した結 果 、 腎 臓 は後 腹 膜 腔 内 にお け る多 量 の脂 肪 の蓄 積 の た め に、 腰 筋 よ り大 き く離 れ 腹 腔 内 に 下垂 して い た(図5)。 2.尿 石 症 腎 患 牛 3症 例 と も左 腎 臓 の 腎洞 あ るい は 腎杯 部 に強 い エ コ ー を有 す る結 石 エ コー 像 と、 そ の後 方 に音 響 陰 影 が観 察 さ れ た 。結 石 像 の 長 径 は大 き い もの(症 例1、 図6)で は 15mm、 小 さい もの(症 例2、 図7)で2mmで あ っ た。 ま た、 同 じ腎杯 に2個 の結 石 が存 在 し、 皮 質 の低 レベ ルエ コ ー像 も観 察 され た(症 例3、 図8)。 症 例1と 症 例2 の 右 腎 臓 に は 結 石 像 は観 察 され ず 、 症 例3で は 最 大 長 径 10mmの 結 石 像 と と も に多 数 の結 石 が観 察 され た。 結 石 が 存 在 した 腎臓 の 実 質 画 像 は、 健 常 例 でみ られ た皮 質 部 の 低 レベ ル エ コー 像 、 髄 質 部 の エ コー フ リー 像 、 腎 洞 部 の CECの 明 瞭 度 合 が 区 々 で あ っ た。 また 結 石 が 確 認 され な か っ た 腎臓 の 実 質 画 像 は健 常 例 と同様 に境 界 明 瞭 な特 徴 的 エ コー 像 が 観 察 され た 。 3.肥 育 牛 に お け る 腎 臓結 石 の集 団 検診 左 腎 臓 の 検 診 の 結 果 、 ホ ル ス去 勢 で は83頭 中9頭 に結 石 像 所 見 が み られ た が、 そ の うち、4頭 につ い て右 腎 臓 を検 索 した 結 果 、1頭 に結 石 像 所 見 がみ られ た。 一 方 、 短 角去 勢27頭 の 全 頭 か らは 結 石 像 所 見 が 得 られ ず 、 全 体 で は110頭 中9頭(8.2%)に 結 石 像 所 見 が み られ た。 屠 場 で腎 臓 切 開 に よ る結 石 の 有 無 を確 認 で きた 牛 は、 ホ ル ス去 勢 で は検 診 で 結 石 を保 有 して い る と判 定 され た5頭 を含 む21頭 と、 結 石 を保 有 してい ない と判 定 され た短 角 去 勢13頭 で あ った(表2)。 残 りの76頭 は 市 場 あ るい は 遠 方 の 屠 場 に 搬 送 され たた め、 確 認 で き なか っ た。 ホ ル ス去 勢 で は結 石 を保 有 して い る と判 定 され た5頭 の うち 、 腎 臓 切 開 に よ る結 石 が 認 め られ た 牛 は4頭 で あ った 。残 り1頭 に つ い て は結 石 が 認 め られ ず 、 替 わ って 腎 盂 部 に 脂 肪 が硬 結 した 小 粒 子 の存 在 を認 め た。 検 診 で 結 石 像 が 得 られ な か った16頭 の うち、 解 体 後 に、1頭 に 砂 粒状 結 石 が僅 か に認 め られ た。 短 角 去 勢 で は検 診 で い ず れ も結 石 像 が 得 られ なか っ た が、 そ の うち1頭 に砂 粒 状 結石 が 認 め られ た 。 超 音 波 診 断 と腎 臓 切 開 の 結 果 が 一 致 し た もの は 、 ホ ル ス去 勢 で は21頭 中19頭 で的 中 率90.5%、 短 角 去 勢 で は13 頭 中12頭 で的 中 率92.3%を 示 し、 全 体 と して は34頭 中31 頭 が超 音波 診 断 と一 致 し、 そ の 的 中 率 は91.2%で あ っ た。 右 腎 臓 を検 索 した4頭 の う ち2頭 に つ い て 屠場 で確 認 し た が 、 何 れ に も結石 は認 め られ ず 検 診 の結 果 と一 致 した。 腎 臓 切 開 に よ り両 側 腎臓 に結 石 が認 め られ た牛 は4頭 、 左 腎 臓 の み に 結 石 が認 め れ た 牛 は2頭 、 右 腎臓 の み に結 石 が認 め られ た 牛 は1頭 で あ った 。 超 音 波診 断 で 左 腎臓 に結 石 を有 す る と判 断 され た9頭 の画 像 で は 、 腎 杯 部 と腎 洞 部 に 著 明 な結 石 エ コー像 とそ の後 方 の 音響 陰 影 が み られ た 。結 石 像 の 大 き さは最 大8 mm か ら最 小2mmま で で あ った 。検 診 で 得 られ た画 像 所 見 の 中 に は 臨床 例 と同 様 に 皮 質 部 の エ コー レベ ル が低 下 し て い る もの 、 髄 質 の エ コー レベ ル が 増強 し、皮 質 と髄 質 の境 界 が 不 明 瞭 の もの(図9)、 さ らに は 腎洞 のCEC の 明 瞭 な もの(図10)が あ っ た 。

獣 医 臨 床 に お け る超 音 波 診 断 装 置 を用 い た 画 像 診 断 の 報 告 は 枚 挙 に い と ま が な く 、 最 近 で は 牛 の 腎 臓 疾 患 、 特 に 腎 臓 結 石 に 関 す る報 告1,2,4-7,9,11-13,15)が 多 く み られ る 。 今 回、 我 々 は最 初 に栄 養 状 態 が 比較 的 劣 るホ ル ス雌 と肉用 牛 と して飼 育 され て い る ホ ル ス去 勢 の 両 側 腎臓 な らび に短 角 去 勢 の 右腎 臓 よ り超 音 波 画 像 を得 た 。 これ らを健 常 例 と して 正常 な腎 実 質 エ コー像 や 走 査 部 位 を修 得 した上 で、 尿 結 石 症 発 症 牛 とS農 場 の集 団 検 診 に お け る腎 臓 の超 音 波 画 像

表2.腎

臓 結石 の超音 波画像診断所 見 とその的中率(頭 数)

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図9.集 団 検 診 例 。 左腎 臓 の横 断 像 。 腎 洞 に結 石 像 が み られ 、髄 質 の エ コー レベ ル が増 強 し、 皮 質 と髄 質 の境 界 が 不 明瞭 で あ る 。 図10.集 団 検 診 例 。 左 腎臓 の横 断 像 。 腎 洞 に結 石 と著 明 なCECが み られ る。 を比較 した 。 ホ ル ス雌 の 両 側 腎臓 で は 皮 質 、 髄 質 、 腎 杯 、 腎 洞 な ど の 特徴 的 な エ コー 像 が み られ 、 従 来 報 告2,5,15)さ れ て い る画 像 と同 様 であ っ た。 ホ ル ス雌 、 ホ ル ス去 勢 な ら び に短 角 去 勢 の 左 腎 臓 の 超 音 波 画 像 を比 較 した場 合 、 ホ ル ス去 勢 と短 角 去 勢 の 画 像 が ホ ル ス雌 に比 べ て腎 臓 の皮 質 と髄 質 の 境 界 が不 鮮 明 で あ っ た。 これ は ホ ル ス去 勢 と短 角去 勢 が 肉用 牛 と して飼 育 され て い る た め 、 ホ ル ス雌 に 比 べ腎 臓 周 囲 の疎 性 結 合織 と脂 肪 組 織 の 著 しい蓄 積 の た め に、 超 音 波 ビー ム が減 衰 され た た め と思 われ る 。 戸 尾15)は 右〓 部 よ り左 腎臓 を検 索 で き る こ と も あ っ た と報 告 して い る が、 こ の 方 法 は体 格 や 栄 養 の 劣 る牛 で は 可能 と考 え られ る が 、今 回 は 、体 格 の 大 きい ホ ル ス雌 と肥 育後 期 の 肉用 牛 の 腎臓 を対象 と した た め 、 右〓 部 か らは左 腎臓 の 画 像 を得 る こ とが で きな か った 。 これ は 体 表 よ り走 査 す る場 合 に 皮膚 、 筋 肉 、 充 満 した 第 一 胃 内 容 、 腎臓 周 囲 の脂 肪 組 織 な どに よ り超 音 波 ビー ム が減 衰 され 、 あ るい は 障 害 を受 け た た め と推 察 される。 右 腎臓 は ホ ル ス雌 で は 左 腎臓 とほ ぼ 同様 の 画 像 が 得 ら れ た 。 阿 部 ら1)も 乳 用雌 牛 の 腎臓 結 石 の 検 査 に 、 経 皮 法 で 実 施 して い る。 しか し、 ホ ル ス去 勢 と短 角 去 勢 では 右 腎臓 の 画 像 を得 る こ とに 困 難 を伴 い 、 得 られ た 像 も腎 臓 実 質 の 画 像 は 不 明 瞭 で あ った 。 この こ とは 、 肉 用 牛 では 皮 膚 か ら腎 臓 まで の 間 に は厚 い 筋 肉 と脂 肪 の 蓄 積 が あ る こ と と、 これ に 加 え て 、 栄 養状 態 が 比 較 的 劣 る牛 の右 腎 臓 は 腰 椎 横 突 起 下 に 存 在 して い るが 、 肉 用 牛 の 右 腎 臓 は 後 腹 膜 腔 内 の 多 量 の 脂 肪 の 蓄 積 に よ り腹腔 内 に 下 垂 して い るた め画 像 の 取 得 は 困 難 で あ った もの と思 わ れ る。 尿 結 石 症 発 症 牛 で は 、 全 て の 症 例 にお い て 左 腎 臓 に、 結 石 に 起 因 した強 い エ コー 像 とエ コ ーの 後 方 に 明 瞭 な 音 響 陰 影 がみ られ 、 小 山 ら41の 報 告 と同 様 の 画 像 所 見 が観 察 され た 。一 方 、 右 腎 臓 の1例 で は 結 石 像 が不 明 瞭 で あ っ たが 、 これ は先 述 した理 由に 加 え、 第12、13肋 間 で 走 査 した た め、 プ ロー ブ の僅 か な角 度 のず れ が画 像 に変 化 を もた ら した た め と思 われ る。 腎 臓 結 石 の集 団検 診 を受 け た110頭 の うち8頭(8.2%) に腎 臓 結 石 像 がみ られ た。 宮 原 ら8)は 病 畜 と して 放 血殺 され た乳 用 経 産 牛83例 中80例(96.4%)に 腎 臓 結 石 が み られ 、 これ らの結 石 を分析 した結 果 、92.0%が 硅 酸結 石 で あ っ た と報 告 して い る。阿 部 ら1)は 乳 甫 雌 牛 を病 畜 牛 、 通 年 舎 飼 牛 、 フ リー ス トー ル飼 養牛 の3群 に分 け超 音 波 検 査 した 結果 、 各群 の86.8∼93.0%に 腎 臓 結 石 が 存 在 し た とい う。 この よ うに 我 々 が 実施 した 肉用 去勢 牛 に お け る集 団 検 診 の 結 果 と阿 部 ら1)、 宮 原 ら81が 報 告 した 乳 用 雌 牛 に お け る腎臓 結 石 保 有 率 の 大 きな 差 異 に つ い て は 、 今 後 詳 細 に 検 討 を重 ね る必 要 が あ る が、 超 音 波 検 査 時 の 各 牛 群 の 月 ・年 齢 の 違 い も一 つ の 要 因 と考 え られ る 。 肉 用 牛 に形 成 され る尿 結 石 の組 成 の多 くは燐 酸 ア ンモ ニ ウ ム マ グ ネ シ ウ ム で あ る といわ れ て い る10)。肉用 牛 と 乳 用 雌 牛 にお け る尿 結 石 組 成 の違 い は、 乳 用 雌 牛 に は イ ネ科 植 物 を主 体 に、 肉用 牛 に は穀 物 飼 料 の 多量 を給 与 し て い る こ と に起 因 して い る と思 われ る 。 集 団 検 診 を受 け た牛 の う ち34頭 の 腎臓 を屠 場 で 切 開 し て確 認 した 。 そ の結 果 、31頭 が診 断 と一致 し、的 中 率 は 91.2%で あ り、高 い値 が 得 られ た 。 検 診時 に は 、 腎 盂 、 腎杯 内 の結 石 像 と脂 肪 の像 が似 て い た こ とか ら超 音 波 画 像 よ りそ の識 別 は 困 難 で あ った が 、 強 い エ コー とそ の 後 方 に 音響 陰 影 が 現 れ た 場 合 を結 石 と判 定 し、 輪 郭 が 不 鮮 明 で 、 音 響 陰 影 も不 明 瞭 で あ った 場 合 を脂 肪 と判 定 した 。 しか し、 結 石 を保 有 す る と判 定 され 、 腎 臓 切 開 に よ る確

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認 で は結 石 が認 め られ な か った もの と、 反 対 に結 石 を保 有 して い な い と判 定 され 、 実 際 に は砂 粒 状 の結 石 が 見 ら れ た も の が あ っ た 。前 者 は結 石 に替 わ っ て硬 結 した脂 肪 が 小 さ い粒 子 の形 状 で 腎洞 に認 め られ た もの で あ っ た 。 全 般 的 に 肉用 牛 は脂 肪 の蓄 積 が多 く、 腎 洞 内 で は硬 質 で 粒 状 の 形 態 を してい る 。 これ らの脂 肪 組 織 の エ コー像 が 結 石 と同 様 に描 写 され た もの と思 わ れ る。 ま た、 結 石 の 確 認 可 能 な最 小 長 径 は2mm程 度 ま で で あ り、 そ れ 以 下 の 小 さな結 石 で は 困 難 と思 わ れ た。 これ らの こ とか ら、 結 石 か脂 肪 か紛 らわ しい エ コー 像 が観 察 され た 場 合 に、 畜 主 に対 して は 、超 音 波 検 査 以 降 に 当該 牛 を充 分 観 察 す る こ と と可能 な らば再 検 査 の 実 施 の指 示 が必 要 と思 わ れ た 。 従 来 、尿 石 症 の早 期 診 断 法 と して宗 方 川 の尿 を用 い た 簡 易 診 断 法 が報 告 され て い るが 、今 回行 っ た超 音 波画 像 診 断 法 で は腎 臓 の断 面 を画 像 化 す る こ とに よ り、 即時 的 に 腎 臓 の 内部 状 態 が観 察 で き、 さ らに腎 臓 内 の結 石 の 有 無 と形 状 ・大 き さを知 る こ とが で き る こ とか ら、 尿結 石 症 の 予 防 な らび に早 期 診 断 に超 音 波 画 像 診 断 が極 め て有 用 で あ る と考 え られ た 。

1) 阿 部 紀 次 ・山 田 明 夫 ・亀 谷 勉 (1989).乳 用 雌 牛 の 尿 石 症 の 診 断 に 関 す る 研 究.III.病 畜 と 健 康 畜(通 年 舎 飼 ・ フ リー ス トー ル 飼 養)に お け る 腎 石 の 超 音 波 映 像 所 見,第108回 日 本 獣 医 学 会 講 演 要 旨 集,246. 2) 萩 尾 光 美.牛 の 超 音 波 ガ イ ドブ ッ ク,25∼26・64∼ 65,日 立 メ デ ィ コ,東 京. 3) 一 条 茂 (1985).尿 石 症:主 要 症 状 を 基 礎 に した 牛 の 臨 床(其 田 三 夫 監 修),335∼338,デ ー リー マ ン 社,札 幌. 4) 小 山 秀 一 ・左 向 敏 紀 ・三 谷 節 生 ・内 野 富 弥 ・本 好茂 一 ・可 世 木 蔵 人 (1984) .家 畜 に お け る超 音 波診 断 法 の 臨 床 応用,I.ウ シの 腎 結石 の診 断,日 獣 畜大 研報,33:87∼91. 5) 小 山秀 一 ・内 野 富 弥 ・本好 茂 一 (1986).牛 に お け る超 音 波 診断.腹 部臓 器,臨 床 獣 医, 4 (4) : 55 ∼ 60. 6) 黒 沢 隆 ・山根 法 明 ・高 橋 清 志 ・其 田三 夫 (1988) 超 音 波 画 像 に よ る牛 の骨 盤 腟 内お よ び そ の周 辺 の観 察,第106回 日本 獣 医学 会 講 演 要 旨集,240. 7) 松 本 浩 毅 ・平 井祥 子 ・三上 俊 樹 ・小 山秀 一 ・左 向敏 紀 ・本 好 茂 一 ・谷 峰 人 ・下 村 嘉 久 ・星 欽 弥 ・花 岡 明 彦 (1988).経 直 腸 的 走 査 に よ る ウ シの 泌 尿 器 の検 討,第3回 獣 医 画 像 診 断 研 究 会 抄 録,7∼8. 8) 宮 原 和 郎 ・山 田明 夫 ・亀 谷 勉 (1987).乳 用雌 牛 の 尿 石 症 の診 断 に関 す る研 究.I・ 腎 石 の 蛍 光X線 お よび 赤 外 線 分 光 分析,第103回 日本獣 医 学 会 講演 要 旨集,200. 9) 宮 原 和 郎 ・山 田明 夫 ・亀 谷 勉 (1987).乳 用雌 牛 の 尿 石 症 の 診 断 に 関 す る研究.II.腎 石 の超 音波 映 像所 見 と剖 検 所 見 との 関 連,第104回 日本獣 医学 会 講 演 要 旨集,244. 10) 宗 方 光 蔵 (1976).牛 の 尿石 症 とそ の対 策,畜 産 の 研究, 30 : 401∼404,522∼526. 11) 佐 々 木一 弥 ・斎藤 修 司 (1987).乳 牛 の雌 に み られ た 腎臓 結 石 を伴 う化膿 性 腎炎 の超 音 波 映 像 診 断 と右 腎摘 出手 術 例,昭 和62年 度 日本 臨床 獣 医学 会(東 北) 講 演 要 旨,34. 12) 芝 野健 一 ・大西 真 美 ・蓼 沼和 靖 ・林 勝 也 (1987) 乳 牛 の 腎疾 患 に対 す る超 音 波 画 像 診 断 法,獣 医画 像 診 断, 1 : 65∼74. 13) 菅 沼 常 徳 ・Rantanen,N.W.・ 信 田卓 男 ・橋 詰 雅 (1983).獣 医学 にお け る超 音 波 映 像 診 断 に 関 す る 研 究.II.大 動 物 の胸 部 ・腹 部 疾患 へ の 応用,第96 回 日本 獣 医学 会 講 演 要 旨,216. 14) 戸 尾 祺 明 彦 (1986).臨 床獣 医 学領 域 に お け る超 音 波 診 断,日 獣 会 誌, 39 : 67∼74. l5) 戸 尾 祺 明 彦 (1984).家 畜 に お け る 各臓 器 の超 音 波 映 像 診 断 とそ の 臨 床 応 用 に関 す る研 究.昭 和58年 度 文 部 省 科 学 研 究 費 補助 金(一 般 研究A)研 究 成 果 報 告 書,3∼102. 28

表 か ら約50mmの 位 置 に腎 臓 の実 質 が観 察 され た 。実 質 エ コ ー像 は 、 ホ ル ス雌 と比 較 して、 皮 質 部 の エ コ ー レベ ル が弱 く、髄 質 部 との 境 界 は不 明瞭 で あ り、腎 洞 部 に お け る CECも 若 干 の エ コー レベ ル の低 下 がみ られ た(図4) 。 屠 殺 解 体 時 に ホ ル ス去 勢 の右 腎 臓 を観 察 した結 果 、 腎 臓 は後 腹 膜 腔 内 にお け る多 量 の脂 肪 の蓄 積 の た め に、

参照

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