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2 実 験 ンが交編されている 各サンプルの作製に用いた混紡 糸の様子を図 1 と図 2 に示し糸直径を併記する 各サ 2.1 サンプル ンプルの作製に用いた編布の様子を図 3 と図 4 に示し 我々は PP とポリエステル コットン ウールなど 含気率 図 3 と重さを厚さで除した密度 図 4 を

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(1)

Symbol Material & Mixing Rate Note PP/MCPET/Pu Polypropylene46% / Polyester45% /

Polyurethane9%

Structure:Flat kinitting Diameter of kinitting PP/C/Pu Polypropylene46% / Cotton45% /

Polyurethane9%

Diameter of kinitting machine: Number of needle:2640 PP/W/Pu Polypropylene46% / Wool45% /

Polyurethane9% Number of needle:2640 Gauge:28 1.緒 言 近年保温性の良い高機能肌着への関心が高まってい る.ポリプロピレン繊維(PP)は実用繊維の中で最も 軽く熱伝導率も低いことから,暖かい高機能肌着用素 材となる可能性がある.我々は先行研究において PP と各種繊維素材の混紡糸による編布の特性を物理的な 側面から調査し,PP に対して各種繊維素材を混紡す る効果を検討した結果,比重の差に起因し糸直径や繊 維本数が減少することにより糸間の空隙が増加し力学 的な変形に対する回復性が増す効果と,PP が疎水性 かつ熱伝導性が低いことに起因して熱・水分移動特性 が変化する効果を確認した[1].人間は 1 日あたり約 630 g の水分を不感蒸散として肌から放出しているた め熱・水分移動特性は肌着の快適性を確保する上で重 要な因子といえる[2].従来はコットンのような親水 性素材が肌着に適していると考えられてきたが,水は 空気の約 25 倍の熱伝導率[3]であることから,発汗時 に衣服素材が水分を吸着し残留させると汗冷えにつな がる可能性がある.PP は疎水性であるからほとんど 水分を吸着せず熱伝導性も低いため,PP と親水性繊 維や吸水速乾性繊維を組み合わせて水分の移動性能を 補うことで,発汗時に布内に水分を残留させにくく汗 冷えしにくい肌着を設計できる可能性がある[4].本 研究では,PP に対して各種親水性繊維や吸水速乾性 繊維を混紡する効果を着用実験により心理的・生理的 な観点の両面から検証した. 肌着の着衣快適感の評価に関する多数の研究が報告 されている[5-8].主な手法として衣服材料の物理的 なパラメーターと人間の主観量の対応関係を調べる方 法が用いられてきた.本研究では主観評価に加えて生 理計測を用いて,人間の自律神経活動を計測すること で,生理学的な観点から着衣快適性を評価することを 試みた.本研究は信州大学ヒトを対象とした研究に関 する倫理委員会の承認を得て実施された.事前に実験 被験者に対し,研究内容・研究中断の権利があること・ 対象者の個人情報を明らかにしないことを書面で説明 し同意を得た上で実験した.

【一般論文╱Transaction】

Abstract:The purpose of this study is to evaluate thermal wearing comfort of underwear made by blended yarn with polypropylene(PP). As a result of a wearing experiment, comfort factors of PP underwear were extracted as thermal and water transport property and skin contact feeling. By combining PP with modified cross-section polyester, sweat could be transferred to outside of clothing and its thermal insulation property prevented cooling body. The useful underwear materials could be made by adding the water transport property with the structural approach to PP.

(Received 8 April, 2016; Accepted 21 August, 2016)

# corresponding author: E-mail: kamijo@shinshu-u.ac.jp

ポリプロピレン混紡糸を用いた肌着の着衣温熱快適感評価

Hideaki Mizuhashi

*1

, Masayoshi Kamijo

*1, #

, Hiroaki Yoshida

*1

, and Masahiko Kubo

*2

水橋 秀章

*1

・上條 正義

*1,#

・吉田 宏昭

*1

・久保 昌彦

*2 *1信州大学繊維学部 *2ダイワボウノイ株式会社

*1Faculty of Textile Science and Technology, Shinshu University, 3-15-1 Tokida, Ueda-shi, Nagano 386-0018, Japan

*2Daiwabo Neu Co., Ltd., 3-6-8 Kyutaromachi 3-chome, Chuo-ku, Osaka 541-0056, Japan

Evaluation of Thermal Wearing Comfort of Underwear Made by Blended

Yarn with Polypropylene

J. Fiber Sci. Technol., 72(10), 220-226 (2016) doi 10.2115/fiberst.2016-0032

© 2016 The Society of Fiber Science and Technology, Japan

(2)

Reference Property PP/MCPET/Pu Mean / CV% PP/C/Pu Mean / CV% PP/W/Pu Mean / CV%

KES F7 Insulation rate [%] (Air velocityy : 0.3m/s) 29.3 / 5.4 20.9 / 3.1 27.1 / 5.8 KES-F7

Thermo-lab Thermal conductance [W/(㎡㎡・K)] 60.08 / 0.9 69.76 / 1.7 43.64 / 1.5 Thermo lab

q-max [W/㎠] 0.071 / 2.5 0.079 / 2.1 0.062 / 1.9 KES-F8 Air flow resistance [KPa・s / m] 0.13 / 3.4 0.10 / 8.2 0.09 / 6.4 BOKEN BQE A028 Wicking & Quick drying [%] 20.0 / 10.2 15.4 / 13.7 11.8 / 25.5 JIS L1096 Moisture content [%] 0.6 / 47.0 2.1 / 11.8 4.0 / 5.4 JIS L1099 A-2 Moisture permeability [g / ㎡㎡ h ] 165 / 2.9 157 / 5.2 162 / 6.1

JIS L 1907 Wicking property [cm] wale 10.6 / 1.4 8.3 / 1.4 9.3 / 2.2 JIS L 1907 Wicking property [cm]

course 9.7 / 1.6 8.6 / 1.0 8.3 / 1.6 LC 0.354 / 2.8 0.416 / 3.4 0.394 / 2.5 KES-FB3 WC [gf/cm] 0.414 / 3.9 0.364 / 1.2 0.601 / 6.7 RC [%] 39.57 / 1.8 39.50 / 3.6 40.86 / 0.9 MIU wale 0.343 / 0.8 0.325 / 5.5 0.386 / 5.3 MIU course 0.362 / 3.0 0.292 / 2.8 0.405 / 1.2 KES FB4 MMD wale 0.77 / 5.5 0.87 / 21.4 1.05 / 10.2 KES-FB4 MMD course 0.95 / 9.5 0.99 / 17.2 1.39 / 12.1 SMD [micron] wale 2.64 / 21.8 2.77 / 13.4 2.48 / 10.0 SMD [micron] course 2.48 / 27.9 3.95 / 8.8 3.28 / 8.7 / Thickness with 0.5gf/㎠ [mmm] 1.188 / 2.4 1.122 / 3.5 1.365 / 8.4 / Wight[g/㎡] 150.1 / 0.8 138.0 / 1.2 149.7 / 0.8 2.実 験 2.1 サンプル 我々は PP とポリエステル・コットン・ウールなど 各種素材を混紡した糸で編布を作製し,材料特性に対 しクラスター分析を施すことで作製した編布を分類し た[1].この実験の結果から表 1 に示すように,PP に 対して吸水性や吸湿性を付加しうる各種繊維を組み合 わせた 3 つの編布を代表的なサンプルとして選定し, 着用実験に用いる肌着を作製した.形状は長袖クルー ネック T シャツとした.3 つのサンプルの糸の太さは 恒重式番手法で 50 番手に統一した.編組織は平編と した.全てのサンプルには 9% の混用率でポリウレタ ンが交編されている.各サンプルの作製に用いた混紡 糸の様子を図 1 と図 2 に示し糸直径を併記する.各サ ンプルの作製に用いた編布の様子を図 3 と図 4 に示し, 含気率(図 3)と重さを厚さで除した密度(図 4)を併記 する.PP/MCPET/Pu は PP と異形断面ポリエステ ル(以後 MCPET と称す)を組み合わせたものである. 疎水性繊維を異形断面化し毛細管現象の増長をはかる ことにより,水分を繊維内部へ吸着せずに繊維表面を 移動させる機能を持たせた吸水速乾性繊維である.PP /MCPET/Pu は糸断面において異形断面繊維が凝集 し互いに接しているため吸水性能が高い.PP/C/Pu は PP とコットンの組み合わせたものである.コット ンは親水性により水分を吸着し,内部に有するルーメ

Fig. 1 Side view of yarn with diameter

Fig. 2 Cross-section of yarn Fig. 3 Side view of fabric with porosity

Fig. 4 Cross-section of fabric with apparent density Table 2 Material properties of fabrics

(3)

Comfortable Uncomfortable 快適 不快 Cool Warm Refreshing Hot Dump Dry Well-ventilated Poorly-ventilated 冷たい 温かい 涼しい 暑い べたつき感のある サラッと感のある むれる むれない Good texture Poor texture

Rough Smooth Soft Hard Restrictive Not restrictive

Thin Thick Heavy Light 肌触りの良い 肌触りの悪い ざらざら なめらか やわらかい かたい 拘束感のある ない 重い 軽い 薄い 厚い All days Each day Each evaluation ンへ水分を吸収する.PP/C/Pu は糸の直径が小さい ため布の厚みも小さくなった.PP/W/Pu は PP とウー ルを組み合わせたものである.ウールはスケールの油 分とコルテックスの吸湿性という相反する特性を有す る.糸断面においてウール繊維が PP 繊維に比べ太い ため,繊維間の隙間が大きくなっており,布の厚みが 大きくなり密度は小さくなった. 表 2 に各サンプルの材料特性として熱・水分移動特 性と圧縮特性と表面特性を示す.着心地の 3 要素は衣 服内気候・肌触り・衣服圧とされるが[9],本実験で はサンプルのサイズを統一したため衣服内気候と肌触 りに材料特性の差の影響が現れると仮定した.各サン プルにつき 5 枚の試料を切り出して測定しその平均値 を算出した.着用時に肌に直接触れる側面のデータを 測定した.PP/MCPET/Pu は,保温率・吸水性・吸 水速乾性が高い値で,保温性能が高く水分移動特性が 優れ,LC が小さいため圧縮時に柔らかく,SMD や MMD も小さいため肌触りも良い特性を有する生地で ある.PP/C/Pu は,保温率が低く熱コンダクタンス・ q-max が高いため,比較的に保温性能が低い生地で ある.PP/W/Pu は,保温率が高く熱コンダクタンス・ q-max が低いため保温性能が高いが,吸水速乾性が 低いため水分移動特性がやや劣り,MMD が大きいた め肌触りが悪い特性を有する生地である.保温率は風 速 0.3 m/s 下 で 測 定 し て お り,PP/W/Pu は PP/ MCPET/Pu に比べて通気抵抗が小さく通気性が良い ため,PP/W/Pu と PP/MCPET/Pu の熱コンダクタ ンスと保温率の傾向が一致しないと考えられる. 2.2 実験方法 肌着の着用感と着用時の自律神経活動を調査し,サ ンプル肌着の着衣快適性を評価するために,着衣時の 生理反応と心理反応を計測した.生理反応として,心 電図・呼吸・末梢血流量・平均皮膚温・平均衣服内湿 度を計測した.心理反応を,セマンティック・ディファ レンシャル法(SD 法)と順位法により計測した.発汗 の影響の有無を考慮し,快適な環境から肌寒い環境に 移った後に身体が冷えていく過程と,運動後に身体の 冷えていく過程の 2 つを観察するプロトコルとした (図 5 参照). 被験者は体温を調節するため 24 ̊C の部屋に入室後, 15 分間安静とした.被験者は心電図計測用電極と温 湿度センサを皮膚表面に貼付された後,サンプルを着 用し 20 ̊C,65% RH の人工気象室に入室した.入室 後,心電図電極をリード線でアンプに接続し呼吸セン サと血流センサを装着し実験を開始した.サンプル着 用から実験開始まで 5 分間を要した.被験者は入室直 後から 20 分間は安静とし,入室 20 分後から 30 分後 まで,エルゴメーター(日本光電製 STB-3200)で運動 し,30 分後から 30 分間にわたって再安静とした.運 動の負荷は,心拍数が安静時に比べ 20% から 30% 増 加する範囲とした.心電図・呼吸・末梢血流量のデー タの測定時間は 2 分間とし,実験開始から 8 分後より 8 分おきに 2 回,運動終了から 8 分後より 8 分おきに 3 回の計 5 回測定した.データへのノイズ混入防止の ため,データ測定中に動かないよう被験者へ指示した. 心電図は胸部双極誘導法によって導出し,アンプ (BIOPAC Systems 製 ECG 100 C)により増幅した. 呼吸は鼻下に装着したサーミスタ(BIOPAC Systems 製 TDS 2002 A)からの出力信号を,アンプ(BIOPAC Systems 製 SKT 100 C)により増幅した.末梢血流量 は左手第 2 指尖部においてレーザードップラー血流プ ローブ(BIOPAC Systems 製 TDS 146)からの出力信 号を,アンプ(BIOPAC Systems 製 LDF 100 C)によ り増幅した.心電図・呼吸・末梢血流量のデータは BIOPAC Systems 製 MP 150 を介して同期し,2000 Hz のサンプリング周波数でコンピューターに収録し た.平均皮膚温と平均衣服内湿度の測定には温湿度セ ンサ(KN ラボラトリーズ製ハイグロクロン)を用いた. 平均皮膚温は,RAMANATHAN の 4 点法に従い算 出した.平均衣服内湿度は胸部・腹部・背中上部・背 中下部・上腕部に貼付されたセンサの測定結果の平均 値である.平均皮膚温・平均衣服内湿度ともに実験開 始から実験終了まで 1 分間隔で記録した. 表 3 は SD 法による官能検査に使用した用語対を示

Fig. 5 Protocol of experiments Table 3 Terms used for SD method

(4)

す.着用感に関する感覚を網羅できるよう選択した. 評価尺度は 7 段階(非常に∼とても∼やや∼どちらで もない∼やや∼とても∼非常に)とし,−3∼+3 の評 点を与えて評価を数値化した.SD 法による官能検査 は,実験開始直後,実験開始から 10 分後,運動終了 直後,運動終了から 10 分後,運動終了から 20 分後の 計 5 回実施した.順位法による官能検査は,全サンプ ルについて実験が終了後,被験者が脱衣し着替え終 わった後に実施した.被験者に対し「もし肌着として 着用するならどれが良いですか?着用したい順に順位 をつけてください」と質問し,総合的な着用感を評価 させた.評価の良いサンプルから順に 1∼3 の評点を 与えて数値化した. 被験者は健康な 20 代の男子大学生 5 名であった. 体型の影響を考慮し BMI が 17 から 21 の被験者に限 定した.本実験で用いた被験者の数は統計的な有意差 の議論に十分な数ではないが,本実験で用いた被験者 内における差を考察するために統計的な解析を用いた. よって本実験における統計的な解析は母集団における 差を論じるものではない. 被験者の服装は実験着で統一し,上衣をサンプルの 長袖 T シャツ,下衣を下着・スウェットパンツとし た.サイズは各被験者が普段着用するものと同等にし た.サンプルは実験前に 24 時間以上,実験環境と同 じ 20 ̊C 65% RH で暴露した.サーカディアンリズム を考慮し,各被験者内で実験時間帯を統一した.食後 から実験まで 2 時間以上の間隔をあけた.各被験者は 1 日につき 1 サンプルのペースで実験し,実験終了ま で 3 日を要した. 3.結果と考察 3.1 平均皮膚温と平均衣服内湿度 図 6 に平均皮膚温の計測結果を示す.運動前後で平 均皮膚温が一定であった被験者 1 名を取り除いた被験 者 4 名(以後,有効被験者と称す)の平均値を算出した. 10 分おきの平均値に対してサンプルと時間経過の 2 要因について 2 元配置分散分析した.サンプルの水準 数 は 3(PP/MCPET/Pu,PP/C/Pu,PP/W/Pu)と し, 時間経過の水準数は 6(60 分間を 10 分おきに区切っ た)とした.サンプルの効果は危険率 1% で有意かつ 時間の効果は危険率 5% で有意で交互作用はなかった. Tukey 法により多重比較した結果,サンプル間に有 意差があった.実験開始直後から運動時にかけては PP /W/Pu は PP/C/Pu に比べて平均皮膚温が高かった. 実験開始 10 分後から 20 分後にかけて PP/MCPET/ Pu は PP/C/Pu に比べて平均皮膚温が高かった.運 動後は PP/MCPET/Pu は PP/C/Pu に比べ平均皮膚 温が高かった.運動後は PP/W/Pu と PP/C/Pu の間 に有意差はなく,運動により平均皮膚温の傾向が変 わった.PP/C/Pu は全体実験を通じて平均皮膚温が 低く保温性能が低かった.時刻 0 の温度差は,センサ を装着する間に要した 5 分間でサンプルの温熱特性の 差により生じたと考えられ,カトーテック社製サーモ ラボによる熱コンダクタンス(PP/W/Pu:43.8[W/(m2 K)]<PP/MCPET/Pu:60.1[W/(m2・K)]<PP/C/Pu: 69.8[W/(m2・K)])が小さいほど初期温度が高かった. 初期温度が熱コンダクタンスと対応した要因として気 流のない実験条件であったことがあげられる. 図 7 に衣服内湿度の結果を示す.有効被験者 4 名か らノイズの混入した被験者 1 名を除いた 3 名の平均値 である.平均皮膚温と同様の手法により 10 分おきの 平均値に対してサンプルと時間経過の 2 要因について 2 元配置分散分析し,時間の効果が危険率 5% で有意 であったことから,運動により平均衣服内湿度が変化 したことが示され,運動前と運動後で平均皮膚温の傾 向が変わった要因として発汗の影響が示唆された. Tukey 法による多重比較ではサンプルごとでの有意 差は認められなかったが,吸水速乾性が高いほど平均 衣服内湿度の減少が早い傾向がみられた.エルゴメー ターによる運動で湿度が上昇し,PP/MCPET/Pu は 上昇が最大であったが,PP/W/Pu に比べ減少が早 かった.PP/MCPET/Pu は水分移動特性が優れ,汗 を素早く処理したため,運動後において PP/MCPET

Fig. 6 Results of skin temperature by Ramanathan method (N=4)

(5)

Terms of sampleEffect of timeEffect Combinedeffect Comfortable Uncomfortable * Cool Warm * Refreshing Hot ** Dry Damp Well-ventilated Poorly-ventilated **

Good texture Poor texture + +

Rough Smooth **

Soft Hard Restrictive Not restrictive

Heavy Light * Thin Thick + /Pu は PP/W/Pu に比べ平均皮膚温が高い傾向であり, 汗冷えを防止したと考えられる.PP/C/Pu は運動に 伴う平均衣服内湿度の上昇が小さい傾向であり,生地 の保温性能が低く平均皮膚温が低いため運動による発 汗も少なかったと考えられる. 3.2 心理反応計測 SD 法の各用語対のデータに対し,サンプルと時間 経過の 2 要因について 2 元配置分散分析した結果を表 4 に示す.有効被験者 4 名のデータを用いた.サンプ ルの水準数は 3(PP/MCPET/Pu,PP/C/Pu,PP/W/Pu) とし,時間経過の水準数は 5(実験開始直後,実験開 始から 10 分後,運動直後,運動終了から 10 分後,運 動終了から 20 分後)とした.全ての用語対で交互作用 はなかった.熱・水分移動に関する用語対「涼しい⇔ 暑い」「冷たい⇔温かい」「むれる⇔むれない」で時間 経過の効果が有意で,肌触りに関する用語対「ざらざ ら⇔なめらか」ではサンプルの効果が有意であった. 本実験では 3 つのサンプルについて,衣服内気候と肌 触りの差を捉えることができた.「肌触りが良い⇔悪 い」では時間経過の効果とサンプルの効果の双方が有 意傾向であり,表面特性に関する用語対「ざらざら↔ なめらか」ではサンプルの効果が有意であり,熱・水 分移動に関する用語対で時間の効果が有意であったこ とをふまえると,肌触りには水分特性と表面特性の双 方が影響したと考えられる.PP 混紡糸を用いた肌着 の快適因子として「衣服内気候」「肌触り」が抽出さ れた.総合的な着用感に関する用語対「不快⇔快適」 において時間の効果が有意であり,熱・水分に関する 用語対で時間経過の効果が有意であったことから,PP 混紡糸を用いた肌着の快適感に対して熱・水分移動特 性の影響が大きかったと考えられる. 図 8 に「冷たい⇔温かい」の運動後の評点の変化の 様子を示す.多重比較(Tukey 法)により有意差を検 討した.PP/MCPET/Pu と PP/W/Pu を着 用 時 に, 運動後に時間経過に伴い評点が減少したが,運動終了 20 分後においての評点の傾向は PP/MCPET/Pu はプ

Fig. 8 Results of SD method of Cool⇔Warm after excircise (N=4)

Fig. 9 Results of SD method of Comfortable⇔Unco mfortable after excircise (N=4)

Fig. 10 Results of SD method of Rough ⇔ Smooth (N=4)

Table 4 Results of varriable analysis for all terms : ** p<0.01, * p<0.05,+ p<0.10

Fig. 11 Results of SD method of Good texture ⇔ Bad texture (N=4)

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ラスで PP/W/Pu はマイナスとなった.PP/MCPET/ Pu は PP/W/Pu に比べ運動後の平均皮膚温が高い傾 向のため,温かく感じられたと考えられる.PP/C/Pu では時間経過に伴う有意差がないが,平均皮膚温が低 く衣服内湿度の変化が小さいため時間経過による差が 感知されにくかったと考えられる.図 9 に「不快⇔快 適」の運動後の評点の変化の様子を示す.多重比較 (Tukey 法)により有意差を検討した.PP/MCPET/Pu と PP/C/Pu を着用時に,運動後に不快感が減少した. 水分移動特性が優れ衣服内湿度の減少が早かったため と考えられる.PP/W/Pu は衣服内湿度の減少が遅く 不快感が減少しなかったと考えられる.発汗を伴う場 合には,肌着の快適性に対し衣服外へ水分を放出する 水分移動特性は重要であり,水分移動特性が優れると, 温かく快適であった. 図 10 に「ざらざら⇔なめらか」の評点を示す.多 重比較(Tukey 法)により有意差を検討した.実験を 通じて PP/MCPET/Pu と PP/C/Pu は評点が 高 く, PP/W/Pu の評点が低かったため,表面特性の差が感 覚的な差をもたらしたと示唆された.図 11 に「肌触 りが良い⇔肌触りが悪い」の評点を示す.実験を通じ て PP/MCPET/Pu と PP/C/Pu の 肌 触 り が 良 く PP/ W/Pu の肌触りが悪いため表面特性の差が肌触りに影 響したと示唆された.運動終了直後に PP/MCPET/Pu と PP/W/Pu は肌触りが悪くなったが,発汗の影響と 考えられる.PP/MCPET/Pu は 10 分後には肌触りが 回復したが,PP/W/Pu は運動終了から 10 分後も肌 触りが悪い傾向が続いたため,水分移動特性の差が肌 触りに影響したと示唆された.PP/MCPET/Pu は水 分移動特性に優れ温かく,肌触りも良いため快適で あったと考えられる. 3.3 生理反応計測 自律神経活動を定量化するために心電図から自律神 経指標 LF/HF を算出した.隣接する R 波間の時間(R-R インターバル)の時系列データを求めスプライン補 間し,得られたスプライン曲線の FFT 解析から得ら れたパワースペクトルの 0.04 Hz から 0.15 Hz を LF 帯域,0.15 Hz から 0.40 Hz を HF 帯域として 積 分 比 を求めた.解析には Mathworks 社製 MATLAB を用 いた.LH/HF は交感神経活動指標とされ,値が大き くなるほど交感神経の亢進を示す.ストレスを感じた 人間はノルアドレナリン・アドレナリンにより交感神 経を賦活させる緊急反応[10]を示し,心臓機能の亢進 などの変化が体内に生じる. 有効被験者 4 名の Z スコアの平均値を図 12 に示す. 分散分析と Tukey 法による多重比較から有意差を検 討した.運動終了から 18 分後にて有意差がみられた. PP/MCPET/Pu 着用時 に 比 べ,PP/W/Pu 着 用 時 の 方が値が大きかった.PP/W/Pu を着用時に交感神経 が亢進しており,着用ストレスが大きかったことが示 唆された.PP/MCPET/Pu は PP/W/Pu に比べ衣服 内湿度の減少が早く,肌触りも良かったことから着用 ストレスが小さかったと考えられる.PP のような疎 水性の素材に MCPET の混紡のような構造的な手法 で水分移動特性を付加することで発汗を伴う着用シー ンにおいても着用ストレスの小さい肌着が設計できる と考えられる. 4.結 言 PP 混紡糸を用いた肌着の快適因子として,熱・水 分移動特性と肌触りが抽出された.本研究で作製した 3 種類の試料において,水分移動特性の最も優れてい る PP/MCPET/Pu は,発汗後の不快感の減少が早く, 交感神経が亢進せず着用ストレスが小さかった.疎水 性の PP に対して異形断面ポリエステルのような保温 性能が高く水分率の低い吸水速乾性繊維を組み合わせ ることで,汗を素早く蒸散させ衣服素材内に残留させ ず保温する肌着を作製できた.疎水性素材である PP と吸水速乾性繊維をバランスよく混紡した糸を用いて 作製した編布で着心地の良い肌着を開発できる可能性 が得られた.PP と吸水速乾性繊維の混紡のバランス の特定が今後の課題としてあげられる.本実験の結果 は用いた 4 名の被験者内における差から導かれたもの である.今後は被験者の属性に伴う多様性についても 検討していく必要がある.この研究の一部は科学研究 費補助金(基盤研究(B),課題番号:25280099)の支援を 受けた. 文 献

1. H. Mizuhashi, M. Kamijo, H. Yoshida, M. Kubo, J. Fiber Sci.Technol., 72(5), 104 ‒ 111 (2016).

2. M. Iriki, Taion Seirigaku Text (Title in Japanese) , BUNKODO Co., Ltd. (2003).

3. N.Otsuka, Soko Ga Shiritai Buturi Gaku (Title in Japanese), Kyoritsu Shuppan Co., Ltd. (1999).

(7)

4. H. Mizuhashi, M. Kamijo, H. Yoshida, M. Kubo, International Conference on Biometrics And Kansei Engineering, Proceedings of ICBAKE 2013, 35 ‒ 40 (2013).

5. H. Morooka, M. Niwa, Sen’i Seihin Shohi Kagaku,29 (10) (1988).

6. H. Sakaguchi, M. Niwa, S. Kawabata, J. Text. Mech. Soc. Japan,39(3), T 33 ‒T 42 (1986).

7. H. Sakaguchi, M. Niwa, S. Kawabata, J. Text. Mech. Soc. Japan,39(3), T 45 ‒T 50 (1986).

8. M. Inoue, Y. Sano, M. Uyama, M. Niwa, Sen’i Gakkaishi,53(6) (1997).

9. T. Harada, J. Text. Mech. Soc. Japan,36(4), T59‒T67 (1983).

10. T. Kawano, M. Tanaka Sutoresu No Kagaku to Kenko(Title in Japanese), Asakura Publishing Co., Ltd. (1986).

Table 1 Fabrics prepared for wearing experiments
Fig. 2 Cross-section of yarn Fig. 3 Side view of fabric with porosity
Fig. 5 Protocol of experiments Table 3 Terms used for SD method
Fig. 7 Results of humidity inside the cloth (N=3)
+3

参照

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