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河川堤防の揚圧力対策に関する3次元遠心模型実験

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Academic year: 2022

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(1)

a) 正面図 (○:間隙水圧計, □:水位計測用水圧計)(mm) 10

45 25 210 210 50

540 130

65 17.5 3017.5

80 80

堤 体

水平ドレーン

難透水層 透水層

変位計

190

貯水 Pump up

4035H=150 98 (0.65H)

電磁弁

給水タンク

給水

穴明板

10 仕切板

排水槽

a) 正面図 (○:間隙水圧計, □:水位計測用水圧計)(mm) 10

45 25 210 210 50

540 130

65 17.5 3017.5

80 80

堤 体

水平ドレーン

難透水層 透水層

変位計

190

貯水 Pump up

4035H=150 98 (0.65H)

電磁弁

給水タンク

給水

穴明板

10 仕切板

排水槽

10

45 25 210 210 50

540 130

65 17.5 3017.5

80 80

堤 体

水平ドレーン

難透水層 透水層

変位計

190

貯水 Pump up

4035H=150 98 (0.65H)

電磁弁

給水タンク

給水

穴明板

10 仕切板

排水槽

b) 平面図

540

235 80 80 50

45 50

A B C

変位計A

A B C

水平ドレーン

鉛直ドレーン 136.7102.5102.568.3410

【 貯

【 排

ド間隔S S/21/4S

変位計B

S=4 m(実験3)

30

b) 平面図

540

235 80 80 50

45 50

A B C

変位計A

A B C

水平ドレーン

鉛直ドレーン 136.7102.5102.568.3410

【 貯

【 排

ド間隔S S/21/4S

変位計B

S=4 m(実験3)

30

540

235 80 80 50

45 50

A B C

変位計A

A B C

水平ドレーン

鉛直ドレーン 136.7102.5102.568.3410

【 貯

【 排

ド間隔S S/21/4S

変位計B

S=4 m(実験3)

S=4 m(実験3)

30

河川堤防の揚圧力対策に関する3次元遠心模型実験

愛知工業大学工学部 正会員 ○奥村哲夫,木村勝行,成田国朝 (株)アイコ 正会員 中村吉男

1.はじめに

難透水性基礎地盤上の河川堤防では、洪水時の水位上昇によ る揚圧力によって川裏側基礎地盤で盤膨れの発生が懸念される。

基礎地盤の揚圧力対策の一つとして、堤防裏のり尻部近くに堤 軸に沿った鉛直ドレーンの設置が考えられるが、連続してドレ ーンを設置することは経済性に欠ける。

本研究は、揚圧力低減のための鉛直ドレーンの有効な設置間 隔を調べることを目的として、三次元遠心模型実験を行い、そ の結果について検討を加えたものである。

2.実験概要

図―1は、アルミ製土層内に作成した堤防模型(堤高 H 150mm、斜面勾配 1:1.4、奥行 410mm)の概略であり、遠心 力の作用方向が回転軸を中心として半径に沿う形となることか ら、基礎及び堤体底面の形状を遠心半径に等しい円弧とし、斜 面を対数螺旋で近似して重力場と同一勾配となるようにしてい る。基礎地盤は、水締めによって作成した透水層(珪砂 6 号、

ρd=1.27g/cm3、 k=8.97×10-4m/s )上に難透水層 (粘土、

ρd=1.07g/cm3、k=4.00×10-9m/s)を角棒を用いて締固めて作 成した。堤体は、礫質砂(dmax=5.0mm)を5層に分けて締固 めて作成した(締固めD値=91.0%、k=6.50×10-7m/s)。

ドレーン(珪砂1号、dmax=5.0mm、ρd=1.51g/cm3、k=2.32 図―1 実験模型の概略

×10-3m/s)は、難透水層を勾配1:0.5で掘削して作成した鉛 直ドレーン及び堤体底面に設置した水平ドレーンとし、突き棒

を用いて締固めた。

実験は、鉛直及び水平ドレーンを1箇所設置した場合(ドレ

ーン間隔 400mm、実物換算ドレーン間隔 S=12m)、2箇所

(200mm、S=6m)、3箇所(133mm、S=4m)の3ケースに ついて行った。貯水は、飽和状態の基礎地盤上の堤体底部に遠 心加速度30Gを与えた後、給水タンクに固定した弁を外部操作 することにより行った。ドレーン及び基礎・堤体からの浸透水 は排水槽を通して給水タンクに送られている。揚圧力測定用の 小型間隙水圧計(φ12×8t、容量 200kPa)は難透水層直下に 埋設し(図―1、①~⑨)、2台の変位計(容量:10mm)を用 いて難透水層表面の変位を計測した。

3.実験結果と考察

図―2は、ドレーン間隔133mm(実物換算S=4m)で行っ た貯水開始から実験終了までの約900秒(実物換算225時間)

における間隙水圧と変位量の経時変化である。目標水位(0.65H) 図―2 間隙水圧、変位の経時変化

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

キーワード:河川堤防、遠心模型実験、揚圧力対策、盤膨れ、ドレーン

連 絡 先:〒470-0392 愛知県豊田市八草町1247 Tel 0565-48-8121 Fax 0565-48-0030

間隙水圧計

⑤ ⑥

⑤ ⑥

実験3, S=133mm(4m) 貯水位:97.5mm(2.93m) 遠心加速度:30G 実験3, S=133mm(4m) , 30G 間隙水圧計

⑤ ⑥

⑤ ⑥

実験3, S=133mm(4m) 貯水位:97.5mm(2.93m) 遠心加速度:30G 実験3, S=133mm(4m) , 30G

土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月)

‑385‑

Ⅲ‑193

(2)

ドレーン間隔 S (m)

ドン間中心線上の圧力水頭hp (m)

1.0 1.2 1.6

1.4 1.8

0.8

5 10 15

0

20 40

0 100

80 60

膨張実物換算L (mm

S~L

S~hpの範囲

圧力水頭hp 膨張量L

○:A-A 断面 ●:変位計A

△:B-B 断面 ■:変位計B

□:C-C 断面

ドレーン間隔 S (m)

ドン間中心線上の圧力水頭hp (m)

1.0 1.2 1.6

1.4 1.8

0.8

5 10 15

0 5 10 15

0

20 40

0 100

80 60

膨張実物換算L (mm

S~L

S~hpの範囲

圧力水頭hp 膨張量L

○:A-A 断面 ●:変位計A

△:B-B 断面 ■:変位計B

□:C-C 断面

圧力水頭hp 膨張量L

○:A-A 断面 ●:変位計A

△:B-B 断面 ■:変位計B

□:C-C 断面

までの到達時間は11.3秒(2.8時間)で、貯水位 は、図に示していないが実験終了まで同一となる ように制御している。図より、間隙水圧は700~

800秒あたりまで徐々に上昇しているが、その後 大きな変化は見られない。また、水圧の上昇に伴 って変位量も増大し、最終的に 0.2~0.3mm(6

~9mm)の膨張が生じていることが分かる。

図―3は、実物換算ドレーン間隔S=4、6及び 12m について、法尻先端部の A-A 断面と法尻か

ら 4.8m 離 れ た C-C 断 面 の 間 隙 水 圧 か ら 求

めた圧力水頭hpの分布である。ドレーン間のhp 図―3 圧力水頭分布(A-A断面、C-C断面)

の分布形状に着目すると、法尻部のA-A断面では、何れの ドレーン間隔においてもドレーン間の中央で高く、ドレー ンに近づくと低くなり、上に凸の形状となっており、ドレ ーンの影響が比較的明瞭に現れている。しかし、この傾向 は法尻から離れた C-C断面では A-A 断面と比較してさほ ど明瞭でなく、ドレーンの影響が薄らいでいる。

図―4は、ドレーン間の中央部Ⅱ-Ⅱ断面の圧力水頭 hp

及び2箇所に設置した変位計A、Bから求めた膨張量Lと ドレーン間隔Sの関係を示している。なお、変位計Bの

S=12mは計器の不具合により計測できていない。図より、

hpの値にバラツキが認められるが、ドレーン間隔が広くな るのに伴ってhp、L共に増大することが分かる。

図―5は、膨張量Lと変位計設置位置近傍の間隙水圧

(水圧計④-⑤、①-②)を平均して求めた平均圧力水頭hp’ 図―4 Ⅱ-Ⅱ断面上のhp、LとSの関係 の関係を示している。難透水層の有効土被り圧σv’と透水力uf

が一致する場合の圧力水頭は概略 1.75 であるが、本結果では hp’ ≒1.3 あたりから比較的急激な膨張が見られ、Lと hp’の間 に何らかの関係が存在するものと推察される。

4.まとめ

河川堤防の揚圧力対策として、川裏側法尻部にドレーンを設 置した場合について遠心模型実験を行った結果、以下のことが 明らかとなった。

・法尻部ではドレーン設置間隔に関わらすドレーンの影響が顕 著に現れる。

・また、ドレーン設置間隔が広くなると、圧力水頭(揚圧力)

の増大とこれに伴う難透水性地盤の膨張(盤膨れ)が発生し易

くなり、膨張量と圧力水頭の両者に何らかの関係が存在する。 図―5 Lとhp’ の関係

この種の実験を遠心模型で再現できることを確認した。今後は精度の向上と同時にドレーン形状や寸法等 を変えた実験及びFEM解析結果との比較・検討を通して実際面への適用を行いたい。

謝辞: 本研究は科研費(23560599)の助成を受けたものである。

<参考文献>

・奥村・木村・成田:河川堤防に作用する揚圧力に関する遠心模型実験,第 47 回地盤工学研究発表会講演概要集(CD-ROM),

pp931-932,2012.

・増山・齋藤・森・佐々木:透水トレンチを用いた河川堤防の揚圧力対策に関する模型実験,土木学会第 66 回年次学術講演 会講演概要集(CD-ROM),pp377-378,2011.

0.5 1.0 1.5 2.0

125

25 50 75 100

0

平均圧力水頭 hp’ (m)

膨張量(実物L(mm)

変位計 平均圧力水頭hp’

●: A ④、⑤の平均値

■: B ①、②の平均値

0.5 1.0 1.5 2.0

125

25 50 75 100

0

平均圧力水頭 hp’ (m)

膨張量(実物L(mm)

変位計 平均圧力水頭hp’

●: A ④、⑤の平均値

■: B ①、②の平均値 変位計 平均圧力水頭hp’

●: A ④、⑤の平均値

■: B ①、②の平均値

0.50 1.0 1.5 2.0

ドレ ドレ

C-C 断面

(法尻4.8m)

ドレーン間隔S

●:S=12 m

▲:S=6 m

■:S=4 m

S/4 S/2

圧力水頭hp (m)

0.50 1.0 1.5 2.0

ドレー ドレ

A-A断面

(法尻先端)

ドレーン間隔S

●:S=12 m

▲:S=6 m

■:S=4 m

S/4 S/2

圧力水頭hp (m)

0.50 1.0 1.5 2.0

ドレ ドレ

C-C 断面

(法尻4.8m)

ドレーン間隔S

●:S=12 m

▲:S=6 m

■:S=4 m

S/4 S/2

圧力水頭hp (m)

0.50 1.0 1.5 2.0

ドレ ドレ

C-C 断面

(法尻4.8m)

ドレーン間隔S

●:S=12 m

▲:S=6 m

■:S=4 m

●:S=12 m

▲:S=6 m

■:S=4 m

S/4 S/2

圧力水頭hp (m)

0.50 1.0 1.5 2.0

ドレー ドレ

A-A断面

(法尻先端)

ドレーン間隔S

●:S=12 m

▲:S=6 m

■:S=4 m

S/4 S/2

圧力水頭hp (m)

0.50 1.0 1.5 2.0

ドレー ドレ

A-A断面

(法尻先端)

ドレーン間隔S

●:S=12 m

▲:S=6 m

■:S=4 m

●:S=12 m

▲:S=6 m

■:S=4 m

S/4 S/2

圧力水頭hp (m)

土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月)

‑386‑

Ⅲ‑193

参照

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