a) 正面図 (○:間隙水圧計, □:水位計測用水圧計)(mm) 10
45 25 210 210 50
540 130
65 17.5 3017.5
80 80
堤 体
水平ドレーン
難透水層 透水層
変位計
①④⑦ ②⑤⑧ ③⑥⑨ 190
貯水 Pump up
4035H=150 98 (0.65H)
電磁弁
給水タンク
▽
給水
穴明板
10 仕切板
排水槽
a) 正面図 (○:間隙水圧計, □:水位計測用水圧計)(mm) 10
45 25 210 210 50
540 130
65 17.5 3017.5
80 80
堤 体
水平ドレーン
難透水層 透水層
変位計
①④⑦ ②⑤⑧ ③⑥⑨ 190
貯水 Pump up
4035H=150 98 (0.65H)
電磁弁
給水タンク
▽
給水
穴明板
10 仕切板
排水槽
10
45 25 210 210 50
540 130
65 17.5 3017.5
80 80
堤 体
水平ドレーン
難透水層 透水層
変位計
①④⑦ ②⑤⑧ ③⑥⑨ 190
貯水 Pump up
4035H=150 98 (0.65H)
電磁弁
給水タンク
▽
給水
穴明板
10 仕切板
排水槽
b) 平面図
540
235 80 80 50
45 50
A B C
① ② ③
④ ⑤ ⑥
⑦ ⑧ ⑨
変位計A
A B C
水平ドレーン
鉛直ドレーン 136.7102.5102.568.3410
【 貯 水 側
】
【 排 水 側
】 ドレーン間隔S S/21/4・S
変位計B
S=4 m(実験3)
Ⅲ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅰ
30
b) 平面図
540
235 80 80 50
45 50
A B C
① ② ③
④ ⑤ ⑥
⑦ ⑧ ⑨
変位計A
A B C
水平ドレーン
鉛直ドレーン 136.7102.5102.568.3410
【 貯 水 側
】
【 排 水 側
】 ドレーン間隔S S/21/4・S
変位計B
S=4 m(実験3)
Ⅲ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅰ
30
540
235 80 80 50
45 50
A B C
① ② ③
④ ⑤ ⑥
⑦ ⑧ ⑨
変位計A
A B C
水平ドレーン
鉛直ドレーン 136.7102.5102.568.3410
【 貯 水 側
】
【 排 水 側
】 ドレーン間隔S S/21/4・S
変位計B
S=4 m(実験3)
S=4 m(実験3)
Ⅲ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅰ
30
河川堤防の揚圧力対策に関する3次元遠心模型実験
愛知工業大学工学部 正会員 ○奥村哲夫,木村勝行,成田国朝 (株)アイコ 正会員 中村吉男
1.はじめに
難透水性基礎地盤上の河川堤防では、洪水時の水位上昇によ る揚圧力によって川裏側基礎地盤で盤膨れの発生が懸念される。
基礎地盤の揚圧力対策の一つとして、堤防裏のり尻部近くに堤 軸に沿った鉛直ドレーンの設置が考えられるが、連続してドレ ーンを設置することは経済性に欠ける。
本研究は、揚圧力低減のための鉛直ドレーンの有効な設置間 隔を調べることを目的として、三次元遠心模型実験を行い、そ の結果について検討を加えたものである。
2.実験概要
図―1は、アルミ製土層内に作成した堤防模型(堤高 H 150mm、斜面勾配 1:1.4、奥行 410mm)の概略であり、遠心 力の作用方向が回転軸を中心として半径に沿う形となることか ら、基礎及び堤体底面の形状を遠心半径に等しい円弧とし、斜 面を対数螺旋で近似して重力場と同一勾配となるようにしてい る。基礎地盤は、水締めによって作成した透水層(珪砂 6 号、
ρd=1.27g/cm3、 k=8.97×10-4m/s )上に難透水層 (粘土、
ρd=1.07g/cm3、k=4.00×10-9m/s)を角棒を用いて締固めて作 成した。堤体は、礫質砂(dmax=5.0mm)を5層に分けて締固 めて作成した(締固めD値=91.0%、k=6.50×10-7m/s)。
ドレーン(珪砂1号、dmax=5.0mm、ρd=1.51g/cm3、k=2.32 図―1 実験模型の概略
×10-3m/s)は、難透水層を勾配1:0.5で掘削して作成した鉛 直ドレーン及び堤体底面に設置した水平ドレーンとし、突き棒
を用いて締固めた。
実験は、鉛直及び水平ドレーンを1箇所設置した場合(ドレ
ーン間隔 400mm、実物換算ドレーン間隔 S=12m)、2箇所
(200mm、S=6m)、3箇所(133mm、S=4m)の3ケースに ついて行った。貯水は、飽和状態の基礎地盤上の堤体底部に遠 心加速度30Gを与えた後、給水タンクに固定した弁を外部操作 することにより行った。ドレーン及び基礎・堤体からの浸透水 は排水槽を通して給水タンクに送られている。揚圧力測定用の 小型間隙水圧計(φ12×8t、容量 200kPa)は難透水層直下に 埋設し(図―1、①~⑨)、2台の変位計(容量:10mm)を用 いて難透水層表面の変位を計測した。
3.実験結果と考察
図―2は、ドレーン間隔133mm(実物換算S=4m)で行っ た貯水開始から実験終了までの約900秒(実物換算225時間)
における間隙水圧と変位量の経時変化である。目標水位(0.65H) 図―2 間隙水圧、変位の経時変化
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
キーワード:河川堤防、遠心模型実験、揚圧力対策、盤膨れ、ドレーン
連 絡 先:〒470-0392 愛知県豊田市八草町1247 Tel 0565-48-8121 Fax 0565-48-0030
間隙水圧計
①
⑧
④
⑨
⑤ ⑥
⑦
③
② 貯
水
A
B
①
⑧
④
⑨
⑤ ⑥
⑦
③
② 貯
水
A
B
実験3, S=133mm(4m) 貯水位:97.5mm(2.93m) 遠心加速度:30G 実験3, S=133mm(4m) , 30G 間隙水圧計
①
⑧
④
⑨
⑤ ⑥
⑦
③
② 貯
水
A
B
①
⑧
④
⑨
⑤ ⑥
⑦
③
② 貯
水
A
B
実験3, S=133mm(4m) 貯水位:97.5mm(2.93m) 遠心加速度:30G 実験3, S=133mm(4m) , 30G
土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月)
‑385‑
Ⅲ‑193
ドレーン間隔 S (m)
ドレーン間中心線上の圧力水頭hp (m)
1.0 1.2 1.6
1.4 1.8
○
○
○
△
△
△
□
□
□
0.8
5 10 15
0
20 40
0 100
80 60
膨張量(実物換算)L (mm)
●
● ● S~L
S~hpの範囲
■
■ 圧力水頭hp 膨張量L
○:A-A 断面 ●:変位計A
△:B-B 断面 ■:変位計B
□:C-C 断面
ドレーン間隔 S (m)
ドレーン間中心線上の圧力水頭hp (m)
1.0 1.2 1.6
1.4 1.8
○
○
○
△
△
△
□
□
□
0.8
5 10 15
0 5 10 15
0
20 40
0 100
80 60
膨張量(実物換算)L (mm)
●
● ● S~L
S~hpの範囲
■
■ 圧力水頭hp 膨張量L
○:A-A 断面 ●:変位計A
△:B-B 断面 ■:変位計B
□:C-C 断面
圧力水頭hp 膨張量L
○:A-A 断面 ●:変位計A
△:B-B 断面 ■:変位計B
□:C-C 断面
までの到達時間は11.3秒(2.8時間)で、貯水位 は、図に示していないが実験終了まで同一となる ように制御している。図より、間隙水圧は700~
800秒あたりまで徐々に上昇しているが、その後 大きな変化は見られない。また、水圧の上昇に伴 って変位量も増大し、最終的に 0.2~0.3mm(6
~9mm)の膨張が生じていることが分かる。
図―3は、実物換算ドレーン間隔S=4、6及び 12m について、法尻先端部の A-A 断面と法尻か
ら 4.8m 離 れ た C-C 断 面 の 間 隙 水 圧 か ら 求
めた圧力水頭hpの分布である。ドレーン間のhp 図―3 圧力水頭分布(A-A断面、C-C断面)
の分布形状に着目すると、法尻部のA-A断面では、何れの ドレーン間隔においてもドレーン間の中央で高く、ドレー ンに近づくと低くなり、上に凸の形状となっており、ドレ ーンの影響が比較的明瞭に現れている。しかし、この傾向 は法尻から離れた C-C断面では A-A 断面と比較してさほ ど明瞭でなく、ドレーンの影響が薄らいでいる。
図―4は、ドレーン間の中央部Ⅱ-Ⅱ断面の圧力水頭 hp
及び2箇所に設置した変位計A、Bから求めた膨張量Lと ドレーン間隔Sの関係を示している。なお、変位計Bの
S=12mは計器の不具合により計測できていない。図より、
hpの値にバラツキが認められるが、ドレーン間隔が広くな るのに伴ってhp、L共に増大することが分かる。
図―5は、膨張量Lと変位計設置位置近傍の間隙水圧
(水圧計④-⑤、①-②)を平均して求めた平均圧力水頭hp’ 図―4 Ⅱ-Ⅱ断面上のhp、LとSの関係 の関係を示している。難透水層の有効土被り圧σv’と透水力uf
が一致する場合の圧力水頭は概略 1.75 であるが、本結果では hp’ ≒1.3 あたりから比較的急激な膨張が見られ、Lと hp’の間 に何らかの関係が存在するものと推察される。
4.まとめ
河川堤防の揚圧力対策として、川裏側法尻部にドレーンを設 置した場合について遠心模型実験を行った結果、以下のことが 明らかとなった。
・法尻部ではドレーン設置間隔に関わらすドレーンの影響が顕 著に現れる。
・また、ドレーン設置間隔が広くなると、圧力水頭(揚圧力)
の増大とこれに伴う難透水性地盤の膨張(盤膨れ)が発生し易
くなり、膨張量と圧力水頭の両者に何らかの関係が存在する。 図―5 Lとhp’ の関係
この種の実験を遠心模型で再現できることを確認した。今後は精度の向上と同時にドレーン形状や寸法等 を変えた実験及びFEM解析結果との比較・検討を通して実際面への適用を行いたい。
謝辞: 本研究は科研費(23560599)の助成を受けたものである。
<参考文献>
・奥村・木村・成田:河川堤防に作用する揚圧力に関する遠心模型実験,第 47 回地盤工学研究発表会講演概要集(CD-ROM),
pp931-932,2012.
・増山・齋藤・森・佐々木:透水トレンチを用いた河川堤防の揚圧力対策に関する模型実験,土木学会第 66 回年次学術講演 会講演概要集(CD-ROM),pp377-378,2011.
●
●
●
0.5 1.0 1.5 2.0
125
25 50 75 100
0
平均圧力水頭 hp’ (m)
膨張量(実物換算)L(mm)
変位計 平均圧力水頭hp’
●: A ④、⑤の平均値
■: B ①、②の平均値
■
● ■
●
●
0.5 1.0 1.5 2.0
125
25 50 75 100
0
平均圧力水頭 hp’ (m)
膨張量(実物換算)L(mm)
変位計 平均圧力水頭hp’
●: A ④、⑤の平均値
■: B ①、②の平均値 変位計 平均圧力水頭hp’
●: A ④、⑤の平均値
■: B ①、②の平均値
■
■
0.50 1.0 1.5 2.0
ドレーン ドレーン
C-C 断面
(法尻4.8m)
ドレーン間隔S
●:S=12 m
▲:S=6 m
■:S=4 m
● ● ●
▲ ▲
▲
■ ■ ■
S/4 S/2
圧力水頭hp (m)
0.50 1.0 1.5 2.0
ドレーン ドレーン
A-A断面
(法尻先端)
ドレーン間隔S
●:S=12 m
▲:S=6 m
■:S=4 m
● ●
●
▲ ▲
▲
■ ■
■
S/4 S/2
圧力水頭hp (m)
0.50 1.0 1.5 2.0
ドレーン ドレーン
C-C 断面
(法尻4.8m)
ドレーン間隔S
●:S=12 m
▲:S=6 m
■:S=4 m
● ● ●
▲ ▲
▲
■ ■ ■
S/4 S/2
圧力水頭hp (m)
0.50 1.0 1.5 2.0
ドレーン ドレーン
C-C 断面
(法尻4.8m)
ドレーン間隔S
●:S=12 m
▲:S=6 m
■:S=4 m
●:S=12 m
▲:S=6 m
■:S=4 m
● ● ●
▲ ▲
▲
■ ■ ■
S/4 S/2
圧力水頭hp (m)
0.50 1.0 1.5 2.0
ドレーン ドレーン
A-A断面
(法尻先端)
ドレーン間隔S
●:S=12 m
▲:S=6 m
■:S=4 m
● ●
●
▲ ▲
▲
■ ■
■
S/4 S/2
圧力水頭hp (m)
0.50 1.0 1.5 2.0
ドレーン ドレーン
A-A断面
(法尻先端)
ドレーン間隔S
●:S=12 m
▲:S=6 m
■:S=4 m
●:S=12 m
▲:S=6 m
■:S=4 m
● ●
●
▲ ▲
▲
■ ■
■
S/4 S/2
圧力水頭hp (m)
土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月)
‑386‑
Ⅲ‑193