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堆砂がダムに作用する地震時荷重に及ぼす影響に関する実験的研究

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Academic year: 2022

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(1)

堆砂がダムに作用する地震時荷重に及ぼす影響に関する実験的研究

電源開発(株) 正会員 ○中山 義紀

(株)開発設計コンサルタント 千葉健太郎

1.はじめに

近年,ダム貯水池に流入する堆砂の増大が深刻化している.ダムの設計では,必要に応じて堆砂による影響 を泥圧として考慮しているが,地震時に堆砂がダムにどのような影響を及ぼすかについてはよく知られていな い.本研究では,堆砂がダムに作用する地震時荷重に及ぼす影響を把握するために水中振動台による振動実験 を行ったことから,その概要及び結果について報告する.

2.水中振動台による振動実験の概要

振動実験は水中振動台を用いて行った.写真-1 に示すよう に振動台テーブル上に土槽を設置し,その中にダム模型と堆砂 模型を作製した.上流側の土槽壁はエキスパンドメタルと不織 布を用いて通水できる構造とし,下流側は水が入り込まない構 造とした.本実験では特に相似則を考慮せず,ダム模型を剛体 と仮定して行っており,ダム模型には普通コンクリート,堆砂 模型には珪砂 5 号を使用した.ダム近傍に堆積する堆砂を考慮 すると珪砂 5 号の粒径は粗いが,これは水圧計付属フィルター の振動数・減衰特性等を考慮したものである.なお,堆砂模型 は気中落下法により十分締固めて作製し,いかなるケースでも 相対密度が 64%程度となるよう管理した.実験ケースを表-1に,

実験断面及び計測計器設置位置図を図-1 に示す.実験は正弦 波加振による上下流方向 1 軸加振とした.入力振動数はダム模 型や実験土槽が共振しない 5Hz 及び 10Hz とし,入力加速度は 貯水面に大きな波が生じない 50gal で行った.また,計測では ダム上流面に加速度計,水圧計及び土圧計を設置し,水圧計で は動水圧を,土圧計では動土圧と動水圧の和が計測できるよう にし,両者の差が動土圧とした.なお,本稿では堆砂率をダム 模型の堤高に対する堆砂模型の層厚の比で示すこととした.

3.水中振動台による振動実験の結果 (1) 動水圧分布及び動土圧分布

実験結果は水圧計及び土圧計で得た最大値を入力加速度で 除して正規化し,動水圧,動土圧及び両者の和の分布を示すこ ととした.水中振動台による振動実験結果のうち,正弦波 5Hz 加振の結果を図-2に,正弦波 10Hz 加振の結果を図-3に示す.

実験ではダム模型を剛体としているため,両者の分布形状に大 きな差は認められない.注目すべきは,堆砂率が増大するにつ れ動水圧が減少し,動土圧が増大している点である.これらは 堆砂上面が見かけ上の貯水池底面になった影響と考えられる.

キーワード ダム、堆砂、地震、水中振動台、振動実験

連絡先 〒253-0041 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎 1-9-88 TEL0467-87-1211

写真-1 実験状況

表-1 実験ケース 正弦波5Hz

50gal

正弦波10Hz

50gal

堆砂率0%

Case-F05-00 CASE-F10-00

堆砂率25%

Case-F05-25 CASE-F10-25

堆砂率50%

Case-F05-50 CASE-F10-50

堆砂率75%

Case-F05-75 CASE-F10-75

図-1 実験断面及び計測計器設置位置 土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

‑555‑

Ⅰ‑278

(2)

(2) ダム底面に作用する曲げモーメント

次に,堆砂の有無が地震時荷重に及ぼす影響をよ り具体的に見るため,ダム上流面下端を基準点とし た単位幅あたりの曲げモーメントを図-4に示す.こ れをみると堆砂率が増えるにつれ,動水圧による曲 げモーメントは減少し,動土圧による曲げモーメン トは増大している.しかし,両者の和で見ると堆砂 率 50%まで大きな変化は生じず,堆砂率 75%になって 急激な曲げモーメントの増大が認められる.

以上の実験結果から,①堆砂により見かけ上の貯

水池水深が浅くなることで動水圧が減少し,新たに動土圧が発生する,②堆砂による動土圧は,貯水の単位体 積重量より大きいため動水圧を上回る大きさで発生するが,ダム底面に近いところから作用するため曲げモー メントとしてはある堆砂率までは動水圧によるそれと相殺される,といった点が明らかとなった.

4.まとめ

本実験で得た知見と今後の課題は以下のとおりである.

(1) 堆砂の影響により地震時動土圧が新たに発生する.一方,見かけ上,湖底面が堆砂上面になることで貯水 池水深が浅くなり,ダムに作用する地震時動水圧は小さくなる.

(2)ダム底面を基点とした堆砂による地震時動土圧及び地震時動水圧による曲げモーメントを考慮すると,あ る一定の堆砂量までは変化が小さく,それを超えると急激に増大する.

(3) 実験に用いる堆砂模型の作製法,ダムの地震動増幅,相似則などの考慮が今後の課題である.

0.0 12.5 25.0 37.5 50.0 62.5 75.0 87.5 100.0

0 0.005 0.01 0.015 0.02

正規化動水圧(kPa/gal)

からの高さ(

Case-F05-00 Case-F05-25 Case-F05-50 Case-F05-75 正規化動水圧分布

0.0 12.5 25.0 37.5 50.0 62.5 75.0 87.5 100.0

0 0.005 0.01 0.015 0.02

正規化動土圧(kPa/gal)

からの高さ(

Case-F05-00 Case-F05-25 Case-F05-50 Case-F05-75 正規化動土圧分布

0.0 12.5 25.0 37.5 50.0 62.5 75.0 87.5 100.0

0 0.005 0.01 0.015 0.02

正規化動水圧+正規化動土圧(kPa/gal)

からの高さ(

Case-F05-00 Case-F05-25 Case-F05-50 Case-F05-75 正規化動水圧分布

正規化動土圧分布

図-2 水中振動台による振動実験結果(正弦波5Hz加振)

0.0 12.5 25.0 37.5 50.0 62.5 75.0 87.5 100.0

0 0.005 0.01 0.015 0.02

正規化動水圧(kPa/gal)

ダム底か

Case-F10-00 Case-F10-25 Case-F10-50 Case-F10-75 正規化動水圧分布

0.0 12.5 25.0 37.5 50.0 62.5 75.0 87.5 100.0

0 0.005 0.01 0.015 0.02

正規化動土圧(kPa/gal)

ダム底か

Case-F10-00 Case-F10-25 Case-F10-50 Case-F10-75 正規化動土圧分布

0.0 12.5 25.0 37.5 50.0 62.5 75.0 87.5 100.0

0 0.005 0.01 0.015 0.02

正規化動水圧+正規化動土圧(kPa/gal)

ダム底か

Case-F10-00 Case-F10-25 Case-F10-50 Case-F10-75 正規化動水圧分布

正規化動土圧分布

図-3 水中振動台による振動実験結果(正弦波10Hz加振)

0 0.001 0.002 0.003 0.004 0.005

0% 25% 50% 75%

堆砂率 (%)

曲げ (kPa・m2/gal) 動水圧(05Hz加振)

動土圧(05Hz加振)

動水圧+動土圧(05Hz加振)

動水圧(10Hz加振)

動土圧(10Hz加振)

動水圧+動土圧(10Hz加振)

図-4 ダム底面に作用する曲げモーメント 土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

‑556‑

Ⅰ‑278

参照

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