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小渋ダム上流河道の土砂動態と排砂バイパストンネル分派堰における土砂管理について Sediment dynamics and management in the upstream and diversion weir of bypass tunnel of Koshibu Dam

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Academic year: 2021

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C14

小渋ダム上流河道の土砂動態と排砂バイパストンネル分派堰における土砂管理について

Sediment dynamics and management in the upstream and diversion weir of sediment bypass tunnel

of the Koshibu Dam

〇三浦爽・小柴孝太・小林草平・角哲也

〇Sawa MIURA, Takahiro KOSHIBA, Sohei KOBAYASHI, Tetsuya SUMI

Countermeasures for reservoir sedimentation are such as dredging, excavation and sluicing. Sediment bypass tunnel (hereafter SBT) is one of those countermeasures which is to bypass inflow sediment to the downstream directly. It is currently operating at the Asahi, Miwa and Matsukawa dams in Japan. It has been also operating at the Koshibu Dam since 2016. Issues for the operation of SBT are how to optimize the operation such as opening and closing of the inlet gate of SBT under considering both the recovery of the reservoir storage and minimizing the sediment inflowing to the dam reservoir. In order that, it is essential to know the timing of sediment transport in the upstream of the dam. This study shows the dynamics of inflow sediment measured by pipe type and plate type hydrophones and turbidity meter at the upstream of the Koshibu Dam.

1.はじめに ダムの堆砂対策には,貯砂ダムと組み合わせた 掘削や浚渫,スルーシングやゲート排砂等がある. その一つである排砂バイパストンネルは,旭ダム, 美和ダムなどで実用化され,流入土砂の迂回によ り堆砂量の抑制に貢献しており,天竜川の小渋ダ ムでも 2016 年から運用が開始されている. 排砂バイパスの運用上の課題は,貯水池側に導 水する洪水調節や貯水池の利水容量の回復操作と, ダムへの土砂流入を防止するバイパス運用操作の 切り替えをいかに効率的に行うかであり,そのた めには上流河道における土砂動態の把握が不可欠 である.これまで,ダムの土砂管理の高度化のた めにダム上流での高度な流砂観測が実施された事 例は,黒部川の連携排砂や美和ダムなどに限られ, 特に掃流砂を観測している事例はほとんど見られ ない.天竜川の支川である小渋川に位置する小渋 ダム上流部では,土砂動態の把握のために,流入 する小渋川(大河原)と支川の鹿塩川にプレート 型とパイプ型のインパクトセンサー(ハイドロフ ォン)や濁度計などが設置され,連続的な流砂観 測が行われている.そこで本研究では,これらの データを分析することで,複数の洪水波形に伴う 流入土砂の動態を明らかにすることを目的として いる. 2.観測地点と観測機器の概要 小渋ダム上流部では,流入する小渋川と支川の 鹿塩川それぞれにおいて,2016 年から 1 分間隔で 流砂観測が行われている(図-1).小渋川(大河原) では左岸・中央・右岸側の 3 か所で観測されてお り,右岸がプレート型で,他はパイプ型である. 鹿塩川はパイプ型を 1 基用いた計測が行われてい る.本報では 2018 年の観測結果を用いた.計測項 目は,掃流砂量,浮遊砂量,水位,流速,濁度, SS である. 分派湖 小渋ダム 排砂バイパストンネル 鹿塩 小渋川 (大河原) 天竜川 小渋川 図-1 小渋ダム付近概略図 3.年間の流入土砂特性 2018 年小渋川(大河原)の掃流砂濃度と流量を 図-2 に示す.融雪期,梅雨期,台風期それぞれに おける出水に伴う流入土砂の時系列データが記録 されている.流入土砂量の比率は,梅雨期や台風

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期の大規模出水時が過半数を占める。また,融雪 期の出水は小さいピークの連続であるものの,総 流入土砂量は年間の約 1/4 を占めており,無視で きない量である. 4.出水ごとの流量と土砂濃度の時系列 図-3,図-4,図-5 にそれぞれ 2018 年 7 月の梅 雨期,9 月前半に発生した台風 21 号,融雪期から, 一イベントを抽出した掃流砂量と流量データを示 す.掃流砂量のピークは,流量ピークよりやや遅 れるとともに,流量低減期も長時間流砂が継続す る傾向がある.融雪期における出水(図-5)では, 流量の低減に伴い掃流砂量も低減することが確認 できる.この原因として,パイプ型のインパクト センサーは掃流砂量が大きくなると計測値が頭打 ちになる傾向が報告されており,それが大規模出 水のピーク時における掃流砂量の過小評価を招い た可能性が考えられる. Q-Qs関係式(ヒステリシスループ)からは,流 量の増加とともに掃流砂量も増加する正の相関が 得られた.しかし,流量上昇時と下降時で示す挙 動は異なっており,反時計回りのループを描くこ とが確認できる. 濁度計から推定される浮遊砂・ウォッシュロー ドも流量も正の相関を示し,履歴性のない比較的 シンプルな Q-Qs関係式を提案することができる. 5.まとめ 今回の研究で,年間の流砂量の比較から,現在 排砂バイパストンネルの運用をしていない融雪期 の出水にも年間流入土砂量の約 1/4 がダムへ流入 していることや,流量が小さくなってからも一定 量の土砂量が流入し続けていることなどが明らか になった.これらの上流の土砂動態を踏まえた排 砂バイパスの効率的な運用の在り方について,バ イパスゲート付近の分派湖の土砂動態と合わせて, 今後整理する必要がある. 図-2 大河原地点における流量と掃流砂量(2018 年) 0 50 100 0 0.1 0.2 2018/7/4 0:00 2018/7/5 0:00 2018/7/6 0:00 2018/7/7 0:00 2018/7/8 0:00 2018/7/9 0:00 2018/7/10 0:00 2018/7/11 0:00 D is c h a rg e [m 3/s ] B e d lo a d [m 3/s ] Bedload Discharge 図-3 大河原地点における流量と掃流砂量(2018 年 7 月:梅雨期) 0 50 100 150 0 0.05 0.1 0.15 2018/9/4 0:00 2018/9/6 0:00 2018/9/8 0:00 2018/9/10 0:00 2018/9/12 0:00 2018/9/14 0:00 D isc h a rg e [m 3/s] B e d lo a d [m 3/s ] 図-4 大河原地点における流量と掃流砂量(2018 年 9 月:台風 21 号) 0 20 40 0 0.05 0.1 2018/3/5 0:00 2018/3/6 0:00 2018/3/7 0:00 2018/3/8 0:00 Di s c ha rge [m 3/s ] Bed load[m3/ s ] 図-5 大河原地点における流量と掃流砂量(2018 年 3 月:融雪期)

参照

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