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九州におけるダム堆砂の実態と流出土砂量の評価について

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Academic year: 2022

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(1)II-053. 九州におけるダム堆砂の実態と流出土砂量の評価について 九州大学工学部. 学生員 永野 博之. 九州大学大学院. 正 員 橋本 晴行. 九州大学大学院. 正 員 パクキィチャン. 九州大学大学院. 正 員 池松 伸也. (有)シェスタクラブ 正 員 中山比佐雄 1. はじ めに 貯水 池計 画にお いて は計画 堆砂 量の評 価が 貯水池 の規 模に大 きな 影響を 及ぼ すため,計画堆 砂量 を適切 に 評価す るこ とが長 年の 重要な 課題 となっ てい る.計画堆 砂量 の評価 法に ついて は( 1)近 傍の 既設ダ ムの 比 堆砂量 を用 いる方 法と (2)水理 学的な 方法 による もの とに大 別さ れる.特に, 比堆 砂量を 用い る方法 は, 堆砂状況をマクロ にと らえる上で有用な 方法 である1 )2 ) . しか しな が ら,貯水池 への 土 砂流 出が 流 域の 地形 ・ 地質や 河道 の水理 条件 に複雑 に依 存して いる ため,一般的 な評 価法は いま だ確立 され ていな い. 本研 究は ,水 理学 的な 手 法に よる 流 出土 砂量 の 評価 法を 確 立す るこ と を目 的と し,その第 一歩 と して ,九 州にあ る築 20年以上 のダム につ いて調 査を 行い,それを 基に 河川流 量が 既 知の 場合 に おけ るダ ム 堆砂 量を 評 価す る方 法 を検 討す る もの であ る. 2 .比 堆砂 量 から 見た ダ ム堆 砂状 況 比堆砂量が安定化 する ためには,経過年 数と して少なくとも 15〜20年を要する.従って,既設ダムの堆砂状 況の 事例として, 築20年以上で九 州に ある総貯水容量約 33万m3 以 上の ダム を 選ん だ.各ダム 地点 で の流 域に お ける 表層 地 質は ,花 崗岩 ・砂 岩 ・ 安 山岩 ・玄 武 岩・ ロー ム 層・ 千枚 岩 ・片 岩・ 片 麻岩 の8 種 類に 大 別さ れる . 図-1は,調査を 行っ たダム につ いて,比堆砂 量を 円の大 きさ で示した図である.図中で 比堆 砂量が500m3 /k m2 /y ear 以上で 示 されて いる ダムの 多く は,その表 層地 質がロ ーム 層・花 崗岩 類 ・砂岩 で構 成され てい る.ローム 層か らなる 鹿児 島県南 東部 の ダ ムに つい て は,桜島降 灰の 影 響が 大き い こと が報 告 され てい る.花崗岩 類は 風化さ れや すく,砂礫状 のま さ土と なり 土砂の. 図-1 九州全域における比堆砂量の実態. 供給源 とな るため,比堆砂 量が 大きく なる ことが 推測 される .. 福岡県 佐賀県 長崎県 大分県 鹿児島県 熊本県 宮崎県. 砂 岩か らな る 宮崎 県中 部 のダ ムで は,比流量 が大 き いこ とが ,. の2. 3では,年総流 量と 年堆砂 量と の関係 につ いて考 察す ること. 2. にする.. 比堆砂量(m /km /year). 多大な 土砂 流出量 の原 因であ ると 推測さ れる .そのた め,後述. 4. 10. 3. ①. 3. 3 .流 域面 積 と比 堆砂 量 との 関係. 10. 図-2(a) ,( b) は,調査し たダ ムにつ いて 流域面 積と 比堆砂 量 との 関係 を 県別 並び に 表層 地質 別 に示 した も ので ある . 図-2(a) で,①の 実線 は日 本 で最 も流 出 土砂 量の 多 い黒 部川・天. ② ③. 10. 2. 竜川・大 井川 のデ ー タの 回帰 直 線で あり 1 ) ,②〜③の 実線 は木 曽 川・1 0 1 吉 野川 など の 構造 線沿 い の河 川で あ る.④〜⑤ の 実線 は最 も 流出 土. 10. ④. ⑤ 0. 1. 10. 10. 2. 10. 3. 4. 10. 2. 流域面積(km ). 砂の少ない中国地 方の 河川のデータの回 帰直 線である.福岡・佐賀・ 図-2 (a) 県別で表した比堆砂量と 流域面積との関係 大分・長 崎の ダム 堆 砂状 況は④〜⑤ の 実線 の近 傍 にプ ロッ ト され て キーワード:ダム 堆砂 ,土砂流出,土砂 生産 ,流砂 〒812-8581. 福 岡市東 区箱 崎6 -10-1. TEL. 092-642-3289. -106-. Fax. 092-642-3322. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) II-053. 一方,熊本・宮崎・鹿 児島 につ い ては ,③と④ の 実線 の中 間. 2. に位置しているこ とが わかる.図-2(b) では,表層地質と. 比堆砂量(m /km /year). おり,中国地方の堆砂状 況に 類似していること がわ かる.. 4. 10. 3. 3. 比堆砂量との間に 明確 な関連性は見られ なか った.. 10. 4 .年 堆砂 量 と年 総流 量 との 関係 河川断 面全 体の流 量を Q, 流 砂量 をQ s と それ ぞれ お くと , 流 砂量 式は Qs = QKIe / s ϕとなる.ここに, ϕ : 流速 係数 , K:定 数, s :粒 子水中 比重 ,. 10. Ie:エ ネル ギー勾 配≒ 河床勾 配.. 1year. 1. Qsdt= 0. 0. Qdt. に関係 する ことが わか り,図中の 回帰 直線か ら, Qsdt=0.6478×10. 10. 3. 10. 4. (2)式. 106 年堆砂量(m /year). との関係を示した もの である.ほぼ,年堆砂量は年総流 量 1.047. 105 104 10. 3. 102. Qdt. 0. 2. 3. 図-3は,調査を 行っ たダム にお ける年 堆砂 量と年 総流 量. 1year. 10. 107. ( 1). 0. こ とが 分か る.. -4. 1. 流域面積(km ) 図-2 (b) 地質別で表した比堆砂量と 流域面積との関係. 従っ て,年流砂 量( ≒ 年堆 砂量 ) が年 総流 量 に比 例す る. 1year. 10. 2. 1year. Q K Ie dt≈ K Ie sϕ sϕ. 2. 10 0 10. この 式を 積 分す ると 1year. 砂岩 千枚岩 玄武岩 片岩 花崗岩 シラス 片麻岩 安山岩. 101 103. (単 位: m3/y ear ) (2 ). 0. を 経験 式と し て得 るこ と がで きる .. 104 105 106 3 3 年総流量(×10 m /year). 107. 図-3 年堆砂量と年総流量との関係 (経過年数10年以上のデータを使用). さら に,図-3で はデ ータ の ばら つき が 大き いた め,年堆 砂量と年総流量に つい て10年ごとの平 均値 をとり,プロッ. 1 07. ト した もの が図-4で ある .図-3と同様 に,回帰直 線の 式を 1 06. 1year. 0.919. 1year. Qsdt=8.102×10-4 0. 0. 3. (単 位: m /y ear ) (3 ). 式(3)は式(2)とほぼ同様な式と なり ,明らか に,年堆砂 量 は年 総流 量 に比 例す る こと がわ か る.これら はい づ れも 橋本 3). ら. 10. (3)式. 5. 3. Qdt. 年堆砂量(m /year). 求める と,次のよ うに なった .. 1 04 福岡県 佐賀県 長崎県 大分県 鹿児島県 熊本県 宮崎県. 1 03 1 02. が 示し た回 帰 式と ほぼ 同 様な 式と な って いる .. 以上 のこ とから,貯水池 計画 の当該 河川 流量デ ータ が与え ら. 1 01 3 10. れれば 年堆 砂量が 推定 でき,計画堆 砂量 が評価 でき ると考 えら れる.. 1 04 1 05 1 06 年総流量(×10 3m3/year). 1 07. 図-4 年堆砂量と年総流量との関係 (図-3のデータの10年ごとの平均を使用). 5 .お わり に. 本 研究 では ,九 州に ある 築 20年以 上 のダ ムに つ いて ,堆砂 状 況の 調査 を 行い,比堆砂 量と 流 域の 表層 地 質や 河川 流 量と の関 係 につ いて 考 察を 行っ た .その結 果,調査 対 象ダ ムに お いて (1 ) 鹿児 島県 南 東部 ・宮 崎 県中 部・ 筑 紫山 系の ダ ムは 比堆 砂 量が 大き い 傾向 があ っ た. (2)比堆 砂量と 流域 面積の 関係 から,福岡・ 佐賀 ・長崎 ・大 分のダ ム堆 砂状況 は中 国地方 のそ れに類 似し ており,熊本・宮崎・鹿児 島の ダム堆砂状況は構 造線 上の河川と中国地 方の ダム堆砂状況との 中間 に位置し ていた.また,(3)水理 学的考 察か ら,年堆砂 量は 年総流 量に 比例し ,統一的 な式 で表さ れる ことが わか っ た. 参 考文 献 1)芦田・高橋・道上:河川の土砂災害と対策,森北出版(株)1983.2)T. TAKAHASHII & H. NAKAGAWA:Sediment Yield in Japanese Reservoir Basins, Pr. of the 4th.Japan-Chinese Joint Seinar on Natural Hazard Mitigation Kyoto, Japan, 1997. 3)橋本・ 渡辺 他6名:リ モート セン シング を用 いた嘉 瀬川 ダム流 域の被 覆状 況調 査と流出土砂量の 推定 ,水工学論文集, 第4 5巻,2001.. -107-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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